就職・転職・復職を目指す発達障害(ASDやADHDなど)のある方の就職活動と就労移行支援事業所に通う意味
就労移行支援事業所で支援員の仕事をしている私が言うのもなんですが、障害のある方が、就職・復職・復職を目指す場合、必ずしも、就労移行支援事業所がベストな選択とは限りません。
では、何がベストなのと言うと、「そんなの答えになってないじゃないか」と言われてしまうかもしれませんが、その人と時と場合によって異なります。
だからこそ、ご自身でしっかり考えて、選択していただきたいと思っているのです。
結局は「人それぞれです。」
「そんなの当たり前じゃないか」と言われてしまうかもしれませんが、必要性も人それぞれ。
選択も人それぞれ。
私はディーキャリア郡山オフィスで働いているからという理由で、就労移行支援事業所を利用することが最善の選択であるとお伝えする気は毛頭ございません。
かと言って、無責任に別の選択肢が最善であるということもお伝えしません。
人それぞれ状況が異なります。それぞれの人生があります。
前置きが長くなりましたが、そろそろ本題です。
今回は以下の3点について紹介します。
- 自力で頑張る
- 転職エージェントサービスを利用する
- 就労移行支援事業所を利用する
1.自力で頑張る
全てを自分だけで。ということではなく、福祉サービス、転職エージェントや就労移行支援事業所を利用しないということです。
この場合、前回のブログでお伝えしましたが、応募する企業に障害を開示するか、しないかもご自身で選択しなければなりません。
詳しく知りたい方は↓のリンクをご覧くださいませ。
「発達障害(ASDやADHDなど)のある方が、就職・転職の際に選択しなければならないことについて。障害者雇用?オープン?クローズ?」
https://dd-career.com/blog/koriyama_20230220/
自力で頑張る就職活動を行う場合に利用する機関の代表は、ハローワークです。
一般枠求人も障害者雇用枠求人のどちらもあります。
障害を開示しないのであれば、求人情報サイトなどの利用も選択肢です。
(障害を開示することは個人の判断ですが、障害者雇用枠としての求人でない場合がほとんどです。)
その他には自治体などで独自の取り組みをおこなっていることもありますので、お近くのハローワークやインターネットなどを利用して、ご自身で情報収集をする必要があります。
そのため「自力で頑張る」という場合は、自分自身で調べたり、物事を進めていく力、利用できる社会資源を最大限に活用する力と知識が必要になります。
発達障害のある方でも、ご自身で就職活動をされていらっしゃる方もいますが、一歩踏み出すことに不安のある方、自分だけで計画を立てたり実行したりすることが難しい方には、自分だけで頑張る方法は想像以上に疲労を感じるかもしれません。もし、それで体調を悪くしてしまっては日常生活に支障をきたす場合もありますので、適切に自分以外のチカラを利用することも必要ではないでしょうか。
2.転職エージェントサービスを利用する
転職エージェントサービスとは、サービス利用を登録した人に対して、キャリアカウンセリングや求人の紹介をおこなってくれるサービスです。障害のある方への紹介に特化した転職エージェントもあります。
私は人事の仕事をしていた際に、いくつかの転職エージェントの会社とお付き合いがありましたので、その経験も踏まえてお伝えできればと思います。
転職エージェントサービスを利用する場合、障害の有無に関係なく、そのサービスの性質を理解しておく必要があります。
参考までに、よくある質問を3つ紹介します。
・1社だけ登録すればいいのか?
1社のみの登録でも問題ありませんが、転職エージェントごとに求人件数が異なります。「もしかすると他の転職エージェントにより希望に近い求人があるかもしれない」と考え始めるとキリがないということもあります。
・複数の転職エージェントサービスに登録するメリット、デメリットは?
複数のエージェントに登録することで、希望に近い求人に出会う可能性を広げることはできますが、転職エージェントごとにサービス、キャリアカウンセリングなど一連の作業が必要なことを煩わしく考えたり、デメリットに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
・利用すれば必ず紹介してもらえるのか?
利用したからといって必ず希望の求人に就職できるわけではありません。採用不採用は企業が判断します。また、必ずしもご自身が希望する条件の求人に出会える保証もありません。
転職エージェントには「求職者を紹介⇒企業が採用⇒企業から紹介料を得る」という流れがあります。企業に紹介するに値するかどうかは転職エージェントの判断です。スキルや経験、転職回数などは、紹介の有無に影響する傾向があります。
転職エージェントを利用することで就職活動がうまくいきやすい方の傾向としては、
・企業が求めるスキルや経験がある方。
・自分自身の客観的な長所短所を理解している。
・自身のキャリアの長所短所を客観的に把握できている方。
・客観的に見て、コミュニケーションスキルが高い方。
私の経験上、上記に当てはまる方は上手に活用されていました。
発達障害のある方で、コミュニケーションに苦手意識があったり、マルチタスクが苦手だったりする方は、転職エージェントの利用には苦労する点が多くありそうな気がしています。
3.就労移行支援事業所を利用する
就労移行支援事業所では、どんな訓練があるかというと、事業所ごとに個性がありますので、各事業所のホームページをご覧いただいたり、実際に相談・見学をしていただくとよく分かると思います。
ディーキャリア郡山オフィスの場合、「障害の有無に関係なく、仕事を続けていくために必要なスキル」を身に付けるための訓練をおこなっています。
実は先日、「国際アート&デザイン大学校」にて、就職活動が始まる学生の方向けに、
「就職活動に向けての気持ちの整え方、自分にできることの見つけ方」について、講義をさせていただきました。
ご参加いただいた皆様、就職活動頑張ってください!(国際アート&デザイン大学校 https://www.art-design.ac.jp/)
ディーキャリア郡山オフィスでおこなっている訓練は、体調管理、感情のコントロール、コミュニケーション、ビジネスマナー、パソコンスキル、作業スキルなど、書ききれないほど多岐にわたります。
いずれもよく考えてみると、年齢、性別、立場、障害の有無、仕事内容などに関わらず必要なスキルなのです。しかも、それらを専門的なレベルで身に付けている方は、その道のプロとして仕事にしていたりもします。
なぜ、「障害の有無に関係なく、仕事を続けていくために必要なスキル」の訓練をおこなうかを感じにくかったり、なぜそうしなければならないのか分からない。といった方が多くいらっしゃいます。
就労移行支援事業所の訓練を通して実践しながら、なぜ必要とされているかを理解することが、ご自身の持つスキルを発揮するためにも必要なことなのです。
人間関係を理由に退職された経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
発達障害のある方は、そうでない人と比べて、対人コミュニケーションに課題を抱えることが多い傾向があります。
ご自身が思う大したことではないことが、実は一般的な職場ではとても重要だったりしているのです。(次回のブログでは「仕事を辞めがちな発達障害のある方が、やってしまっていること」を紹介します。)
就労移行支援事業所では、時に厳しいことをお伝えしたりもしますが、自分自身を客観的に評価することに難しさを感じていたり、他者からどう見えるか知りたい方、自分の希望は本当に自分に向いているのか確信が持てない方、自分自身をより詳しく知りたいという方にはとても良い場所なのではないかと感じています。
ご興味のある方は以下のコラムをお読みいただけますと、就労移行支援事業所についての概要を掴んでいただけると思います。
~ディーキャリアお役立ちコラム ハタらくナビ「就労移行支援事業所とは?対象者・料金・サービス内容をまとめました。」~https://dd-career.com/column_data/11/2/#column_main_content
4.最後に
いかがでしょうか?ご自身に合いそうな就職活動の方法はイメージできたでしょうか?
できた方も、そうでない方も、一度立ち止まって検討してみることをお勧めします。
もし、迷ったら。まずは調べてみたり、相談してみたりしてください。
発達障害のある方の中には、自分のやり方に固執したり、他人の意見を受け入れにくかったりする方がいる傾向があります。
また、支援者としての経験から、ご自身で調べることへの苦手意識を持っている方も多いように見受けられます。
なにが良いか、悪いかではなく、どのように就職活動をするにせよ、仕事をするにせよ、
自身の得意・不得意を客観的に理解し、それに合わせた行動ができることは誰にとっても必要なことなのではないかと思っています。
今月も相談会をおこなっています。
開催日以外でも、ご都合のよい日に調整できる場合がございますので、相談ご希望の場合は、ご希望の日程をお知らせください。
3月9日(木)・16日(木)・23日(木)・30日(木)「大人の発達障害(ASDやADHD)・グレーゾーンなど無料相談会」
https://dd-career.com/event/cat_03/koriyama_20230302-0330/
ディーキャリア郡山オフィスは「大人の発達障害」の方を中心に障害がある方の就職・復職を支援をしている「就労移行支援事業所」です。
無料ご相談・見学を随時承っていますので、お気軽にお問合せください(^^)
企業のご担当者様からの障害者雇用についての相談も随時承っております。
お読みいただき、ありがとうございました。
就労移行支援事業所 ディーキャリア郡山オフィス
ワークスキルコース担当 石黒
ホームページ:https://dd-career.com/office_data/koriyama/
住所:福島県郡山市中町5-19 みづとくビル2F
電話:024-973-5305
メール:koriyama@dd-career.com
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