#3「焦りは思考を鈍らせ、視野を狭ませる、余裕がないときほど冷静に」
今回の登場人物
カチお
マニュアル至上主義。超がつく堅物委員長だが、目標達成のために努力を惜しまない努力家でもある。
コラエーヌ
歌って踊れるロボットアイドル「ロボドル」を目指している。怒っていなければ、かなりの常識人。怒っていなければ。
原先生
みんなの担任の先生。トラブルあるところに大抵いる。こう見えてギターが得意。最近よく弾く曲は[ALEXANDROS]の「閃光」。
はじまり
今日は週に一度のクラス代表会議、開始時刻を過ぎたというのに、まだ始まっていないようです。
何があったのでしょう?
・
・
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「・・・」
「…ちょっと、カチお。」
「どうしましたコラエーヌさん?発言は挙手にてお願いします。」
「いつになったら会議始まるのよ?アイドルは多忙なのよ、このあとも予定がギッシリなんだから~。」
「俺も今日、バイトのシフト入ってるんだよなー。」
「先に始めていてもいいんじゃないかな、なにか急用があって、来れないのかもしれないし…。」
「いえ!みなさんもご存知の通り、今回の議題はとても重要な案件です。全員が揃わなければ開始できません!!」
「はぁ…アンタって頭良いわりに物分かり悪いわよね。…この石頭(ボソッ)」
「聞こえていますよ…コラエーヌさん!石頭とは何ですか石頭とは!!」
「あーもう!そういうところだってのよ!」
「どういうところですか!?詳しくお聞かせいただきましょうか!」
「あー…こりゃ長くなりそうだなぁ…バイト先に連絡しとくかぁ。」
「もう、二人とも!ケンカしないで!」
ガラッ
「ごめんなさい!遅れました…!」
「今、何時だと思っているのですか!開始時刻は16時、昨日も時間厳守とお伝えしたはずですよ!!」
「す、すみません、実は…」
「言い訳は結構!すぐに会議を始めますよ!席についてください!」
「は、はい・・・。」
・
・
・
「…では、本日はここまでとしましょう。皆さん、お疲れ様でした。」
学生たち「「お疲れさまでしたー」」
「お疲れ~。まったく、あのバカのことなんて気にしなくていいわよ。」
「コラエーヌさん、ありがとう。」
「言うに事欠いて、バカとは聞き捨てなりませんね!」
「あ・・・」
「まったく…いい加減にしなさいよね。会議も終わったことだし、私達は帰るわよ。さ、行きましょ~。」
「…え、あ、ちょ、コラエーヌさん!あの…お疲れ様でした!し、失礼します!」
「あ、待ちなさい!まだ話は終わっていませんよ!!…まったく何なんですか、あの態度は…」
「まぁまぁ、コラエーヌなりに気を使ってくれたんじゃないかなぁ。」
「…先生!いつこちらに!?」
「そんなことより…理由も聞かず、相手を一方的に責めるのは、あまり褒められたものじゃないぞ。」
「私は、事実を述べただけで、そんなつもりは…」
「自分にそのつもりが無くても、相手の受け取り方は違うかもしれないよ?もし、自分が相手の立場だったらどう感じるか、考えてごらん?」
「相手の立場…ですか。まぁ、確かに…反論の余地もなく、一方的にというのは、フェアとは言えませんね。」
「彼女の話を聴いてあげてからでも、遅くはなかったんじゃないかな。」
「確かに。先生の仰るとおりです。私としたことが、時間通りに会議を始められず、気持ちに余裕がなかったのかもしれません…」
「いい所に気づいたね。世の中、予定通りにいくことばかりじゃないし、イレギュラーな出来事だって起こり得る。場合によっては、柔軟な対応が必要になることだってあるよ。」
「柔軟な対応…ですか。」
「うん。あの時、カチおの頭には2つの【べき思考】があったと思うんだ。」
「べき思考、ですか…あまり聞いたことのない言葉ですね…。」
「『こうすべきだ』『こうじゃなきゃいけない』『こうあるべきだ』といった考えのことで、人間誰もが持っているものなんだ。これが強すぎたりすると、自分や他人の行動を縛ったり、怒りの原因になったりもするんだよ。」
「なるほど。そのようなものが。すると、私の2つのべき思考というのは…『会議は時間通りに始めなければならない』『会議は全員揃わないと始められない』といった所でしょうか。」
「その通り、よく気づけたね!」
「『時間通りに始めなければならない』という『べき思考』が強く出すぎたばかりに、イライラしてしまった…ということですね。さらに…」
『全員揃ってから始めるべき』という2つ目の『べき思考』のせいで、周りの方々の意見に耳を貸すことが出来なかった…なんとお恥ずかしい。」
「べき思考は、誰もが持っているものだけど、それが強く出すぎないようにすることが大切だよ。」
「はい!肝に銘じておきます!・・・ところで先生、彼女が会議に遅れた理由はご存知でしょうか?」
「ああ、それなら・・・・部活中にケガをしちゃった生徒を保健室に連れて行って、手当てしてあげてたみたいだよ。」
「・・・」
「…カチお?」
「ズガガーン!!わ、わた、わたしはwawawa、な、なんとyou事おぉぉー!!かかか、かくなる上は…じば、自爆するしか…!!」
「いやいやいや、そんな機能付いてないから!!落ち着いて…!ちゃんと話せば、分かってくれるって!!」
「私はなんて愚かな四角四面ロボなのでしょう!自分勝手な行動と発言のせいで、彼女を傷つけてしまいました…!」
「確かに、あの時の態度は良くなかったかもしれないけど、それはカチおの実直さ、真面目さから来ているものでもあるし、彼女もそれは分かってくれていると思うよ。」
「そうでしょうか…とにかく、今回の件は私に責任があります!明日の朝、謝罪したいと思います!」
翌日
「申し訳ございませんでした!!」
「い、いえ、遅れてしまったのは事実ですし、ちゃんと伝えられなかった私も悪かったので、気にしないで!」
「いえ、そんな!あなたに落ち度は一つもありません!全て私に原因が…!」
「本人が気にするなって言ってるんだし、もういいんじゃないの?」
「で、ですが…!」
「あ、ほら先生来たよ…カチお君、日直、日直!」
「みなさん静粛に!いったい何時だと思っているんですか!朝礼の時間ですよ!そこ!速やかに自分のクラスに戻りなさい!」
「切り替え、はや!」
「ははは、よーし出席とるぞー!」
#3「焦りは思考を鈍らせ、視野を狭ませる、余裕がないときほど冷静に」
完
今日のポイント
あとがき
第3話、ご覧いただきありがとうございました。
今回、初登場いたしました「カチお」。またまたクセの強いのが出てまいりました。
余裕がなくてイライラすること、誰でもありますよね。だけどそんな時ほど、冷静になることが必要なんです。
人生は選択の連続です。やり直しがきかない場面も少なくありません。
そんな時、一時の感情に流され、望まない選択や望まない結果になってしまうのは勿体ないですよね。
まず冷静に、落ち着いて深呼吸してみましょう、後悔のない選択ができる確率がググっと上がると思います!
ここまで目を通していただきありがとうございました。次回の更新でまたお会いしましょう!
お相手はディーキャリア郡山オフィス、原でした。
ディーキャリア郡山オフィスは「大人の発達障害」の方を中心に支援をしている
「就労移行支援事業所」です。
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ライフスキルコース 原(原先生の中の人)
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