【発達凸凹×二次障害】不安障害の種類と特徴
こんにちは!ディーキャリア川崎オフィス 職業指導員の吉村です。
発達に凸凹があることで、ネガティブな経験が蓄積されると、二次障害が引き起こされることがあります。
例えば、特性が原因で業務に支障をきたし、そのことを周囲に理解されない環境に晒され続けると、
自己肯定感が下がり、失敗を恐れることで不安障害へと繋がっていきます。
これまでに接してきた当事者の方々にも、二次障害を併存しているケースが少なからずありました。
特に、休職を経験された方のほとんどが、なんらかの不安障害を抱えていました。
負のスパイラルを断ち切るためには、なぜそれが起こっているのか、原因を分析することが重要です。
不安障害の種類と、それぞれの特徴について知ることで、自分自身に何が起こっているのか、
知るきっかけとなって欲しいと思い、今回のブログを書こうと思いました。
不安障害とは
過度な心配や不安、恐怖といった感情が、日常生活に支障をきたす病気の総称のこと言います。
不安といった感情は誰しも持っているもので、生きていくために備わった、大事な防衛本能です。
しかし、状況的に不安を感じる場面ではないにも関わらず、過度な緊張感や恐怖があったり、
それが頻発したり、長く持続するような場合は、不安障害とみなされます。
6か月以上の期間に亘り、不安が起きる日数が不安のない日数を上回ることが診断基準となります。
不安障害にはいくつかの分類に分けることができ、今回は代表的な4つの症状を取り上げました。
全般性不安障害
漠然とした不安や心配を慢性的に持ち続けてしまうのが特徴です。
ひとつの事柄だけではなく、様々な問題や状況について強い不安や心配を抱え、その対象は多岐にわたります。
例えば、「飛行機が落ちてきたらどうしよう」「明日災害が起こるのではないか」など、
可能性はゼロではないけれど、根拠のない漠然とした不安感が常にある状態になります。
次から次へと心配が起こるため、リラックスできない状態が続き、感情のコントロールが困難になります。
また、疲れやすい、集中力の低下、頭痛、めまい、不眠、激しい動悸など、身体にも症状が現れます。
次第に外出や人との交流も避けるようになってしまうこともあります。
限局性恐怖症
特定の状況や環境、対象に対して、激しい不安や恐怖感が持続する状態のことを言います。
高所恐怖症や閉所恐怖症があるという方は、わりと身近に多くいますよね。
その他に、動物全般に恐怖を覚えたり、先が尖っているものが怖いなど、恐怖の対象は様々あります。
成人の8%の割合でみられる不安症と言われており、自身でもそうした不安が過剰であると自覚があります。
そのため、その恐怖の対象を避け別の手段を取るか、または激しい苦痛を感じながら耐えるか、
日常的に苦しい選択を迫られることになります。
パニック障害
極めて強い苦痛や不安、恐怖などが、突然理由もなく現れる症状のことを言います。
パニック障害の代表的な症状は大きく3つあります。
- パニック発作
状況に関係なく「死んでしまうのではないか」と感じるほど、激しい恐怖感に襲われる発作のこと。
呼吸困難や、激しい動悸、発汗・悪寒などの身体症状が現れますが、比較的短時間で治まるのが特徴です。
寝ている時に発作が起こり覚醒状態となる「睡眠時パニック発作」もあり、
全く予期しない状況で起こることが、この障害のやっかいなところです。
- 予期不安
また発作が起こるのではないかという不安感に襲われる状態のことを言います。
「次はもっとひどい発作がくるのではないか」
「次の発作が起きたら本当に死んでしまうのではないか」
と言った不安が消えなくなり、その不安感が発作を引き起こすことにも繋がります。
- 広場恐怖
発作が起こることに恐怖を感じて、色々な場面を回避するようになることです。
電車に乗れなくなる、車の運転ができなくなるなど、人によって恐怖を感じる場面は様々です。
一人で外出することが困難になると、仕事に行けなくなり、辞めざるを得ない状況になりかねません。
社交不安障害
人前で自分に注目が集まることに、強い不安や恐怖、緊張を感じる症状のことを言います。
例えば、会議の場で発言を求められたり、プレゼンをするような場面で、
「自分が不適切なふるまいをしてしまうのでは」と、失敗することに強い不安感を覚え、
そのことを他者に気が付かれてしまうことに対しても、さらに緊張をしてしまいます。
大勢の人の前だけで起こるのではなく、会社の同僚との雑談にも不安を感じる場合があります。
特に、ASD傾向のある方は、ゴールの見えない状況に苦痛を感じることがあるので、
会社のランチ会や飲み会などで、会話の仕方が分からず、辛い思いをすることがあります。
しかし、断ることもできず無理して参加を続けたことで、社交不安障害になったケースもあります。
これらの不安障害は、心因性疾患のため、根気よく治療をすれば緩和されるものです。
先ずは、なぜその障害が起こったのか、原因を見極めて、対処法を探していきましょう。
次回は、不安障害の治療についてお話ししたいと思います。
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