発達障害あるある:その11 リクルート編 現状維持バイアス
現状維持バイアス
現状維持バイアスとは、変化や未知のことに対して現状維持でいたいと思う心理作用のこと。現状からの変化が、安定が失われるデメリットと考え、固執することです。固執なので、一度この状態に陥ると、そこから、なかなか脱却できなくなる、厄介なものです。
それは、発達障害があって、元々変化に弱く、イレギュラーが苦手で、固執しやすい特性がある方は、より陥いりやすいです。
また障害特性が無くても、誰でも起こりうることです。
気づかないうちに、忍び寄る、現状維持バイアス
現状維持バイアスは、その人に能力があったり、仕事ができるできいないなどに関わらず、いつでも陥ります。
元々は、人がまだ狩猟をメインとしていた時代からあった、遺伝子の記憶という考えもあるそうです。
その時代は、未開の土地は、危険が溢れており、また日々の暮らしに必要な食べ物は、狩猟という不安定なものに支えられていたので、多少不便がある土地に住んでいたとしても、水があって安全な住処と、日々暮らせる獲物が取れば十分というところがありました。
もしかしたら、すぐ近くに、もっと安全で豊かな土地があるかもしれません、しかし、そこは水場はないかもしれないし、獲物は多くても、危険な猛獣もいるかもしれません、また住処はゼロから作らなければいけないし、そもそも豊かな土地は、そこを狙う他の人との争いが、起こるかもしれません。
今のそこそこ暮らせるメリットを捨ててまで、新しい変化にチャレンジするのは、大きなリスクがあり、変化による損失のデメリットの方が大きいと考えてしまいます。
もちろん、これはある意味正しい反応で、新しい未開の土地は、これまで以上のメリットがあるかもしれませんが、ゼロになってしまうリスクがあります。一方、現状維持は、今まで以上のメリットを生み出すことはありませんが、ゼロになるリスクもありません。
昔は安定した生活が担保されていないので、多少、獲物が取れなくなって、飢えてしまう人が出ても、全てを捨てて、他に移ろうとは、なりにくい環境でした。
では、現代ではどうでしょうか? 現代では、飢えてしまう人が1人でも出たら、その環境は、変えようとなると思います。また現代は、インターネットが普及して、情報のスピードが速くなったため、環境の変化はめまぐるしく、常に変化しなければ、対応できません。現代は現状維持よりも、柔軟な変化を求められております。
しかし、常に変化を求められる時代になった現代でも、短期的な成功や安定が得られると、現状維持をしようという状態に簡単に陥ります。
結局、何もしなくなる現状維持バイアス
現状維持バイアスの問題は、新しい変化を行わないだけでなく、代わりに何かを行うということも、しなくなることが、問題です。現状維持をするだけなので、変化する労力を、他のことに使うこともできるはずなのに、その動きも、現状を変えるリスクに、なるかもしれないとして、結局は何もしないことに落ち着きます。
つまり「ゼロリスク」を求めるあまり、全ての変化をリスクと考え、何もしないことがベストとなるのです。
例えば、ある方が、ちょっとしたことで成果をあげて、リーダーになったとします。会社としては、成果をあげたノウハウを、部下にレクチャーしたあとは、他の新しいことに、チャレンジして欲しいと考えていましたが、ここに現状維持バイアスがかかると、ちょっとした成果に甘んじてしまい、ノウハウを保持、または固執し、部下が自分よりも成果をあげることを良しとしないで、知らず知らずのうちに、組織のボトルネックになったりします。
「俺が若いころは」「昔はパソコンなんて便利なものは無くて」というようなセリフが出てくると、危険信号と思います。
私自身も、とある仕事で、新しいことを始めたいと、「リスクが無い」ことを訴えましたが、「前例がないし」「何かあるかもしれない」と言われ、何もしないことになった時は、理解に苦しみました。「リスクが無いのに、何かあるかもしれない」その「なにか?」って何なんだ?と思いました。
それが、まさに、現状維持バイアスだったと思います。
現状維持バイアスから、抜け出す。脱却する方法
一度、陥ると抜け出すことがやっかいな現状維持バイアスですが、脱却する方法はあります。
方法は簡単で、「新しいことを始める」です。現状維持の気持ちが強いので、変えたくないことは、そのままで構いません、その代わりに、まったく別の新しいことを、始めてみてほしいと思います。
現状を変えるのではなく、新しいことを、プラスオンをするイメージです。
そうは言っても、新しいことは始めにくい
そうは言っても、新しいことは始めにくいものです。
特に発達障害をお持ちの方で、変化が苦手で、こだわりが強い方は、特に新しいことを行うことに抵抗感があると思います。
発達障害の特性が無い方も、過去に大きな失敗をしてしまった方は、新しいことを行って失敗することに、恐怖を感じたり、臆病になってしまったりします。
現状維持バイアスは、変化が無いので、デメリットも無いと考える方がいますが、本当にそうでしょうか?
実は、現状維持は、ゆるやかに劣化しているのです。柔軟な変化をもとめられる現代では、気づいたときは、致命的な劣化になっていると思います。
メリットが多い「新しいことを始めること」
新しいことを始めることには、メリットが多くあります。
新しいことを、はじめる効果としては、以下のようなプラス効果があるといわれております。
・脳が活性化
・心身ともに若返る
・発達障害のこだわりの解消
・うつなど、メンタル疾患への良い効果
ただし、大きい「新しいこと」には、やはりリスクがあります。
そこで、私は、小さいことから始めて欲しいと思います。
たとえば、新しい趣味を見つける「体験」から始めるのは、いかがでしょうか?
新しい趣味を見つける「体験」なので「合わない場合」は、体験で終了で良いと思います。
少しでも「やってみたい」と思ったら、新しい趣味として、「新しいことを、はじめましょう!」
あなたは、現状維持バイアスに陥っていませんか?
ディーキャリア 川崎オフィスでは発達障害の困りごと、何らかの障害をお持ちで就職、休職、リワーク、転職で悩みを抱えている方の
支援を行っております。
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就労支援員:須藤 諭(すどう さとし)
・企業の人事10年の経験を持つ、就労支援員
・100均好き
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