発達障害の特性に対策をしよう~運動やダイエット関連に必要なのは自己理解!~
こんにちは。
ディーキャリア川崎オフィス、生活支援員の伊藤です。
今回は運動やダイエットにおける、発達障害の特性理解の大切さについてお伝えします。
「太りすぎているから痩せたい」、「体力をつけるために運動をしたい」など、運動やダイエットをおこなう理由はさまざまです。
ですが、発達障害のある方は、自身の特性について深く理解していく必要があります。特性によっては、やろうやろうと考えつつもつい先延ばしにしたり、逆にやり過ぎてしまって体調を崩すことになる場合があります。
また、運動には食生活も気を配る必要がありますが、ここにも特性が関係している場合があり、バランスが崩れると運動やダイエットの効果が出にくいこともあります。行動に起こす前に、今一度このブログを、自分の特性について振り返る機会にしていただければと思います。
ディーキャリア川崎オフィスでは運動プログラムを実施しています。
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発達障害の特性と運動やダイエットの関係について
では、一体どんな特性が運動やダイエットに影響が出るのか見ていきましょう。
主に関係があるのは以下の特性になります。
ASD(感覚過敏、こだわり)
ADHD(衝動性、先延ばし特性)
二次障害(摂食障害)
<感覚過敏(味覚過敏)・こだわりによる影響>
感覚過敏は、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)から受け取る刺激に対して、過剰に反応してしまう状態を言います。かすかな音でも気が散ってしまったり、特定の光が苦手といった方もいます。
運動やダイエットの効果へ影響を与えてしまうのは、味覚の過敏による偏食が原因で、栄養バランスが崩れてしまうことが考えられます。
偏った食生活によって、必要な栄養が摂れず、糖尿病や肥満といった、いわゆる生活習慣病のリスクが高まります。痩せようと頑張っても、これでは身体を壊してしまいかねません。
こだわりも、食べ物に対して「これじゃないと食べない」といったこだわりがあると、栄養バランスが崩れる原因となります。
<衝動性による影響>
衝動性とはADHDの特性で、「思いついたままに行動する」特性です。
思いついたことをすぐに行動してしまったり、許可を得ずに勝手に他人の物を使用するなど、自分の欲望に素直に行動してしまうため、自制が効かなかったり、欲望が問題行動として現れることになります。
食べることに関しても同様に、「食べたい!」と思ったら欲望のままに食べてしまうので、ついつい間食をしてしまったり、食事毎に食べ過ぎてしまうことが考えられます。
結果として、痩せるどころか太ってしまった・・・ということにもなってしまいます。
逆に痩せようと思い立って、過度なダイエットに傾倒し依存していく場合も考えられます。
成果が出ることでどんどんのめりこみ、最終的に体調を崩すことになってしまいます。
また、ダイエットに依存しているので、同じような行動を繰り返してしまいます。
どちらにせよ、体には悪影響なことに変わりありません。
<先延ばし特性による影響>
先延ばしとは、仕事など期限までにやるべきことを避けることを言います。
運動で言えば、運動の予定をずらして後回しにして、結局やらないということになります。
何となく予定を組んでいても、別の興味のあることに気を取られて、身が入らなかったり、途中で放り出してしまうこともあります。
結果、なかなか成果が出ずに日々が過ぎていくことになります。
<二次障害(摂食障害)による影響>
発達障害以外にも、二次障害が運動に影響する場合もあります。
主な障害としては、摂食障害が挙げられます。
摂食障害とは、食事量や食べ方など、食事に関連した行動の異常が続き、体重や体型など、体の捉え方が変わる、心身共に影響を与えてしまう病気です。
大まかに、食べ過ぎたことを非常に後悔して、憂うつになったり、イライラする、太ることを恐れて吐いてしまう「過食症」、体重が増えることを恐れて、食事量を極端に減らす「拒食症」があります。
影響として、体には、栄養失調状態が続くことで、内臓系の障害やむくみやしびれなどの疾患が出てきます。
心も弱り、自尊心が低く、情緒不安定になったり、実際に痩せていると言われるのに、そうだと捉えることができないといったことも起こります。
これでは、運動やダイエットどころの話ではなくなってしまいますね。
実際の対処方法は?
ここまで障害による影響を見てきましたが、実際にどう対処すればいいのか分からないという方が多いかと思います。
ここからは、それぞれの障害特性についての対処方法を見ていきましょう。
<感覚過敏(味覚過敏)・こだわりへの対処方法>
これらの特性によって起きる「偏食」への対策として、まずは何が苦手なのか、どこまでだったら食べることができるのか整理してみましょう。
食感や味が苦手であれば、自分の好きな、食べても問題ないような調理の工夫をしてみましょう。
それでも難しい場合は無理に食べず、別の食材で栄養素が摂れないか探してみましょう。こうすることで、不足しがちな栄養素を割り出して、偏った食べ方を変えられるきっかけになります。
また、周囲の方へ説明しておくと、食わず嫌いなど、誤解を受けずに済みます。
<衝動性への対処方法>
発達障害のある方は、セルフモニタリングの弱さがあります。セルフモニタリングとは自分自身の状態を自分で整理して察知することを言います。
疲れを感じにくく、気付いた時には動けなくなっている、ストレス要因によって知らず知らずの内に疲れがたまっているなどといったことがあります。同様に、食べることに関しては、空腹や満腹感を感じにくいといったことが起こります。そのため対処方法は、自分の感覚で食べ過ぎているか考えるのではなく、数値で分かるように、食事量やカロリーで管理すると良いでしょう。
また、ストレスをやけ食いすることで解消しようとすることもあるため、日ごろから小さなストレス発散を心掛けましょう。それこそ、ストレッチや軽い運動が有効です。
コントロールできることにフォーカスを当てて行動することが大切です。
コントロールフォーカスに関する記事はこちら↓↓↓
<先延ばし特性への対処方法>
先延ばしは早めに手を打たないと、運動できないことが続いて自信がなくなったり、ストレスが増加することになります。その結果、運動しないと選択する可能性も出てきてしまいます。
先延ばしへの対策はいくつかありますが、やることだけに集中できる環境を用意したり、簡単にできることから取り掛かることで、まずはとにかく動いてみることが大切です。完璧を求めて、できなかったら投げ出すのではなく、少しでもやる方向にもっていってみましょう。少しでも出来たら、自分を褒めてあげてください。少しずつ運動の成果が出るのと同じで、自分の中で「運動できた」という成果を積み上げてみてはいかがでしょうか。
<二次障害(摂食障害)への対処方法>
摂食障害は精神科や心療内科へ受診し、診断を確定させて、治療することが推奨されています。
なぜ推奨されているのかというと、早くに治療を始めた方が、回復が早いとされているためです。摂食障害だと分かった時点で、すぐに治療の為に動くことが大切です。
自分の特性について相談したいという方は是非、ディーキャリア川崎オフィスまでお問い合わせください。スタッフと一緒に、何ができるか見つけていきましょう。
個別相談のお申込みはこちら
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「ディーキャリア 川崎オフィス」のイベント案内はこちら
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運動継続のためにできること
発達障害や二次障害によって、正しく運動やダイエットをおこなうことが難しくなってしまいますが、対処方法を確立することで、十分に覆すことができます。
では、実際に運動やダイエットをしようと思い立った際、どのようなことをすれば良いのでしょうか?
ディーキャリア川崎オフィスに通われている方の中にも、運動をしていきたいけど、続かないといった方がいらっしゃいます。私から、継続して運動をおこなうために、どのようなことをやっているのか、いくつか紹介したいと思います。
1.体を動かすのを楽しめるようにする
まず、運動が継続できない理由でよく聞くのが、しんどいという声。
運動する目的にもよりますが、ある程度しんどくなるのは道理ですよね。
そのため、そんな中でも楽しくできるようにするのが良いでしょう。
例えば、YouTubeで運動する動画などから、自分のお気に入りを見つけてみたり、ニンテンドーswitchを持っている方は、ゲーム感覚で楽しみながら運動ができるように、「フィットボクシング」などを使ってみてはいかがでしょうか?
ディーキャリア川崎オフィスでは土曜日に運動プログラムを実施しています。
他にも、運動している時にどこに負荷がかかっているか確認しながら運動すると、その部位に集中しやすくなります。負荷を楽しめるようになると、運動がどんどん楽しめるようになるかと思います。
2.運動の目的を明確にすること
自分が何の目的で運動しているか、分からない時ほどしんどいものはありません。
「就活で見た目を良くしたい」「体を鍛えたい」「体重を落としたい」など、自分の目指すところを明確にしてみましょう。体重目標を具体的に数値化すると、より良いでしょう。
3.周囲に共有したり、一緒にできる仲間を見つけること
最後は、運動に関する話ができる仲間を見つけることです。一人で集中できる方なら問題ありませんが、孤独感に押しつぶされてしまう方もいるかと思います。
そんな時はその話を共有できる人を見つけるのが良いでしょう。ディーキャリア川崎オフィスでも運動プログラムを実施していますので、そういった話をスタッフや他の方とできる機会が多くあります。
何もすべて話す必要はありません。ちょっと悩んでいる、だけでも問題ありません。話してみるだけでも、気持ちが軽くなり次のモチベーションにつながっていきます。
運動やダイエットをおこなう時も特性によって困難さが生じる可能性はあります。そのため、日常生活の送る中でも対策を考えて、有意義になるようにすると、心身共に健やかに過ごせるかと思います。
気持ちの良い日々を送るためにも、運動と特性への対策、両方から立ててみてはいかがでしょうか?
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