ADHD診断がトレンド入り?
こんにちは!ディーキャリア川崎オフィス 職業指導員の吉村です。
最近、Twitterで「ADHD診断」がトレンド入りして話題になったことを、皆さんはご存じでしたでしょうか?
ADHDが着目され、正しく理解が深まれば、それは本当に素晴らしいことだと思うのですが、トレンド上位になった理由は、ちょっと様子が違っていたんですね。
どうやら軽い心理テストのような感覚で、ワイワイと盛り上がっていたようです。
ちなみに私も試しにやってみました(笑)。
結果は以下の通りでした。
設問は19問で回答は「あてはまる・ややあてはまる・あてはまらない」からの選択制でした。
ちなみに、ADHDの可能性が高くなるような、恣意的な回答は一切していません。
日常的に当てはまることのみを素直に回答した結果がこうなりました。
ですので、大抵の方は同じような結果になるのではないかと思いました。
これを診断と言って良いものか、すこし疑問を持ってしまいました。
さらに、ここはちょっと問題かな?と感じた箇所に印を付けてみました。
そもそも、ADHDを含め発達障害には「重症化」するという概念はありません。
生まれつき脳機能の発達に凸凹があり、いわゆる定型発達と比較して得意不得意にバラつきがあるだけで、個々が本来持っている「特性」であり「病気」ではありません。
特性を起因とする環境や人間関係とのミスマッチから、社会生活に困難が生じる「社会的障壁」が表れて初めて「障害」となる訳です。
逆に言うと、環境の調整をしたり、コミュニケーションスキルを習得するなど、「社会的障壁」を取り除く工夫ができれば、そこに「障害」は無くなるという考え方が大切なんですね。
また、ICD-10という、WHOが作成する疾患の分類にも、発達障害は以下のように定義されています。
(a)発症は常に乳幼児期あるいは小児期である。
(b)中枢神経系の生物学的成熟に深く関係した機能発達の障害あるいは遅滞である。
(c)精神障害の多くを特徴づけている,寛解や再発が見られない安定した経過である。
幼少期の頃から特性が見受けられ、成長過程においても症状が一定なことが発達障害の特徴と、明確に定義されています。
ですので「治療」や「治し方」と言った標記は誤解を生むことになりかねません。
治療や本人の努力次第で完治すると言った、間違った解釈がされてしまうと、当事者の苦しみが理解されないままになる懸念があります。
ADHDの場合、不注意や多動といった特性に対して、投薬されることが多いですが、それはあくまで対処療法であり、根本治療ではありません。
あくまでも定型発達を基軸とした社会生活に順応するためのツールとして、薬が用いられるだけと言うことを、理解すことが重要になります。
特性に応じて環境を調整することができれば、個々の強みを活かした生活や仕事をすることも可能になり、服薬でコントロールする必要はなくなるかもしれません。
ADHD診断がトレンド入りするのは、それだけ「自分もそうかも」と思う人が増えたのかもしれません。
それだけ発達障害が着目され始めたのは、ある意味良いことだと思います。
ただし、毎日大変な思いでご自身の特性と日々向き合っている当事者の気持ちを傷付けるような、一過性のブームにしてはいけないと思います。
とは言え、ご自身の困りごとに不安を感じて、ネット診断に辿り着いた方もいるかもしれません。
ネット診断はひとつの指標に過ぎません。
本当に困り感を抱えておられるなら、メンタルクリニックなど専門家の検査を受けることをお勧めします。
検査をしてみたいけど勇気が出ない、どこのクリニックが良いか分からない、などのご不安がありましたら、ディーキャリア川崎オフィスにご相談ください。
ディーキャリア川崎オフィスでは、発達障害の確定診断が付けられるクリニックのご紹介や予約代行も行っています。
ひとりで悩まず、まずはご相談ください。
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