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【発達障害×仕事術】電話対応が苦手、怖い、対処法は?

こんにちは!ディーキャリア川崎オフィス 職業指導員の吉村です。

私が担当しているワークスキルプログラムでは、オフィスに架かってくる電話の一次受け対応を、訓練の一環として利用者さんたちにお願いしています。

しかしこれが、発達に凸凹があるとなかなか難しいことのようです。

皆さんとても頑張って対応して下さっていますが、やはりあたふたと慌ててしまうことが多いです。

具体的にどのような難しさがあるのか、利用者の皆さんに聞いてみました。

 

 

<電話にまつわる困りごと>

・用件を聞くことに必死で、メモを取ることを忘れる

・用件が聞き取れても、メモをする瞬間に内容を忘れてしまう

・なんとかメモを取れても、書いてある文字が読めない

・そもそもメモの取り方が分からない

・相手の声がよく聞き取れない

・相手の言っている内容が理解できない

・想定外のことを言われて頭が真っ白になった

・言うべきことは分かっているのに、とっさに言葉が出てこない

・そもそも電話で話すのが苦手だ

 

などのご意見があがりました。

「これ、私のことかも」って思った方、結構多いのではないでしょうか?

 

電話対応は、聞くことと書くことを同時に処理しながら、耳からの情報だけで状況を把握し、臨機応変に対応しなければなりません。

 

一口に電話対応と言っても、

 

用件を聞く

内容を把握する

メモを取る

取り次ぐ

 

と、これだけのことを同時に行う必要があり、マルチタスクがめちゃめちゃ要求される仕事です。

しかも、誰宛の電話で、その人がどこにいるのかも、話をしながら確認をする必要があります。

電話対応とは、発達に凸凹がある方にとって「苦手」が凝縮したようなものと言っても過言ではありません。

 

一般的に発達に凸凹がある方は、ワーキングメモリーと呼ばれる「情報を一時的に記憶して処理する能力」が弱い傾向があります。

情報量が多かったり、予測のできない情報だったりすると、頭の中で上手く処理することができません。

聞いた瞬間はちゃんと内容を理解しているにも関わらず、次の瞬間には霞のように消えてしまう、という現象が頻繁に起こります。

そのため、電話口の相手から用件を「聞く」ことはできても、それを適切に処理することが難しいのです。

特にADHD傾向の強い方は、ワーキングメモリーの弱さが顕著だと言われています。

 

また、耳から情報を取得することが、そもそも苦手というのも、発達凸凹あるあるのひとつです。

単純に音声を聞き取る「聴力」とはまた別に、聞こえた音声を適切に処理して理解する能力のことを、聴覚情報処理と言うのですが、発達障害の代表的な特性として、聴力は正常で音声として認識することはできても、言っている内容が理解できないという現象が起こることがあります。

これは「聴覚情報処理障害(APD)」と呼ばれ、聞こえているのに聞き取れないという、日常生活にも支障をきたす、とてもやっかいな障害であります。

 

このような理由から、発達に凸凹がある人は、電話対応を苦手とする人が多いという訳です。

とは言え、職場によって電話対応はつきものです。

という訳で、電話対応が苦手な人へ対処方法をお伝えします!

これは、実際に利用者の皆さんと、訓練で実施している方法になります。

 

①電話用フォーマットを作る

相手の会社名や名前、誰宛の電話か、用件は何かなど、あらかじめ聞き取る項目をメモのフォーマットにして用意しておく方法です。

やはり「聞きながら書く」ということは、発達凸凹のある人にとって、かなり難易度が高いです。

何を聞けば良いのかがあらかじめ分かっていれば、そこを埋めていけば良いので、次に何を話そうと考える必要がなくなり、慌てることはかなり少なくなります。

ネットでダウンロードできるフォーマットでも良いのですが、自分が使いやすいフォーマットを自作する方が愛着も出るので、より効果的だと思います。

 

②ロールプレイをする

基本的な電話対応のマニュアルを作り、何回も練習する方法です。

できるかできないかは、特性の濃淡にもよりますが、ある程度は試行回数でカバーできるものです。

いわゆる「体に叩き込む」というやつですね。

電話に出たらまず何を言うのか、相手がこう言ったらこのように返答するなど、台本を作り何回も練習します。

ポイントはちゃんと声に出して練習すること。

頭の中でシミュレーションするより、声に出して練習する方が断然受け答えが上達します。

場合によっては、実際に電話を架けてロールプレイを行います。

そうすることで、「電話が鳴る=電話対応をする」という姿勢が、自然に身に付いていきます。

 

この方法を試して、どうしても電話対応ができないということであれば、「電話を取らない」という選

択をしても良いと思います。

電話対応が自分にとって本当に困難なことであり、それが原因で仕事に支障が出るくらいなら、会社に配慮を依頼しても良いのです。

障害者雇用においては「合理的配慮」を依頼することが権利として認められていますので、遠慮なく会社に申し出ましょう。

もちろん、ディーキャリアのワークスキルプログラムでも、電話対応をしていただくかは、利用者さんの希望や、特性による困りごとを加味しながら、お願いするようにしています。

 

また、電話対応がない職場で働く、という選択肢もあります。

障害者雇用求人には「電話対応なし」と明確に記載されている企業も少なくありません。

つらくて苦しいことなら、無理にやる必要はないのです。

自分がどんな企業で働きたいのか、どんな環境であれば活躍できるのか。

あなたらしい働き方を、私たちディーキャリア川崎オフィスと一緒に探してみませんか?

 

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