オフィスブログ

匂いに敏感な大人の発達障害|ASD 嗅覚過敏(感覚過敏)苦痛から解放される対策はマスク

日常の中で匂いに敏感すぎて
電車やバスが使えない
昼食の時間は室内での食事をすることができない

人の匂いが気になってしまうと
匂いが気になってしまった人に近づくことができなくなってしまう

相手が悪いわけではないし
自分が悪いわけではないのだけれど
人間関係が悪くなってしまう

また自分で好きな匂いと嫌いな匂いがよくわからなくなってしまう
なぜ苦手な匂いがあるのかも実は理由があります

大人の発達障害の感覚過敏の中で「嗅覚過敏」との
関連性に関してもお伝えしていきます

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ディーキャリア柏オフィスの発達障害サポーターの大松です
ディーキャリア柏オフィスは発達障害の特性に応じた訓練プログラムを提供している
就労移行支援事業所です

発達障害(注意欠如・多動性障害ADHD 自閉症スペクトラム障害ASD 限局性学習障害SLD)
精神障害(うつ病、適応障害、パニック障害など)のある方などが在籍されております
専門知識のあるスタッフで運営しています

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目次
1.好きな匂いと嫌いな匂いってどのように決まっているのか
2.大人の発達障害と感覚過敏との関連性
3.「感覚過敏」は特性なのか気質なのか
4.感覚過敏に対して対策で効果のある対策3選
5.思い込みや認知のゆがみなのか、特性なのか原因をはっきりとさせると楽になる

1.好きな匂いと嫌いな匂いってどのように決まっているのか

匂いを感じた瞬間にいい匂いだなと感じる時や
嫌いな匂いだなと感じてしまうことがあると思います

また匂いと記憶は連動していることが多く
過去の記憶が匂いによって呼び起こされてしまうことがあります
良い記憶も悪い記憶も匂いによって
脳内の記憶に強烈な印象を与えてしまいます

匂いって目には見えない「におい分子」といわれる低分子化合物があり
分子構造によって匂いの種類や強さがあります

嗅覚は視覚や聴覚とはちがっています
嗅覚は本能や感情や記憶を司る
大脳辺縁系の偏桃体(偏桃体)や海馬(かいば)に
すばやく情報が伝わるので
記憶や感情と密接につながっています

悪臭に関しては一定のいやな匂いというのがありますが
いい匂い・悪い匂いというのはあなた自身の遺伝子情報によっても異なります

基本的には人には遺伝子の中に子孫を反映していくための遺伝子があり
自分自身と異なった遺伝子に惹かれる性質があります

人のニオイというのもさまざまな匂いがあります
それぞれでよりよい遺伝子を残していくために
自分の遺伝子タイプとは異なっている匂いを好むと考えられています

2.大人の発達障害と感覚過敏との関連性

大人の発達障害の方だけの問題ではありませんが
発達障害の中にASD(自閉症スペクトラム障害)があります

ASDの特性がある方は
感覚過敏を特性として持っている方がいます

ASDという診断を受けているからといって
必ずしも感覚過敏ということではありません
一人ひとり特性は異なります
その中で感覚過敏で嗅覚が過敏な方がいます

ASD(自閉症スペクトラム障害)について

ASD(自閉症スペクトラム障害)とは
発達障害の1つで主な特性は
・対人関係やコミュニケーション社会的コミュニケーションの苦手
・想像の困難、興味の偏り
・感覚過敏、または鈍麻

などが主な特性になります

これまでは自閉症、アスペルガー症候群など
いくつかのサブグループに分類されていましたが
DMS-5(アメリカ精神医学会の診断基準)では
自閉症の特徴を
「程度の差を伴った一つの連続体(スペクトラム)」として
とらえるようになりそうした分類が廃止されています

空気が読めないとか独特な考え方などと比喩されてしまいますが
多数派の考え方の中では独特になってしまっていますが
あくまでも少数派の考え方が間違っているということではなく
多数派の中に入ってしまうと
少数派の考え方に必然的になってしまうので
独特だとかというように表現をされています

ASDの方の中には感覚刺激に対して過敏になってしまうことがあり
まぶしい、音がうるさい、触った時に痛みなどを感じたり
五感に対して過敏になってしまう方がいます

その中に嗅覚に対して過敏な方がいて
そういった特性があることを嗅覚過敏といいます

感覚過敏は一人ひとり程度に差があり
痛みを感じてしまうぐらいに過敏な方もいれば
なんとなく煩わしさを感じる程度の方もいます

一概には言えませんが
匂いに対しても「匂いアンテナ」がビンビンな状態だと
匂いを感じやすくなっているので
良い匂いであっても、嫌いな匂いであっても
通常よりも嗅覚情報を感じてしまう脳の特性になります

また間違った認識になりやすいのが
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン/Highly Sensitive Person)という
視覚や聴覚など感覚が過敏で
刺激を受けやすい方がいます

HSPは生まれ持った気質の場合もあれば
生活環境の中で周りの状況を過敏に受け取らないといけない状態になることもあります

要するに先天的に生まれ持ったものなのか
後天的な育っていく中で培われた能力なのかで
対応せざるを得なかったのかでも変わってきます

発達障害とHSPは似ている部分が多くあります

HSPと発達障害のASDは異なる特性になるので
混同してしまうと対策が取りづらくなってしまいます

そもそもの発達障害の診断基準もあいまいな部分があるので
HSPなのかASDなのかを判断をすること自体が
すごくむずかしいことです

とはいえHSPでもASDでも
社会生活の中で生きづらさを感じやすい状態にあることは変わりないです
どちらにも言えることは
「社会的な同調圧力」を受けていることです

つまり「周りの人と同じように考えない、行動しない」ことから他人に責められ、自分を責め
その結果、自信をなくし自らを追い詰めていることです

3.「感覚過敏」は特性なのか気質なのか

「特性」と「気質」の違いは
「特性」とはある人物がもつ固有の性質や特徴のことです
例えば身長や体重などの身体的な特性
性格や行動などの精神的な特性
また脳の特性なども特性になります

「気質」とはある人物が持つ性格や行動などの
精神的な特性のことです
例えば自信や勇気、優しさや親切などがあります
気質は特性と異なり状況や環境によって変化する可能性があります

「感覚過敏」は「特性」であり「気質」でもあります
例えば、聴覚が過敏な人は
他人が聞こえないような微かな音を聞き取ることができます

また触覚が過敏な人は
他人が感じないような微かな触覚を感じ取ることができます

また視覚が過敏な人は
他人が見えないような微かな色や形を見ることができます

これらは「感覚過敏」の「特性」であり
「気質」としても特定の状況に対して敏感に反応する傾向があることを意味します

発達障害とHSPは似ている部分が多くあります
発達障害は言語や社会的スキルなどの感情的な反応が強いことを
特徴とする心理的な状態です
発達障害は生まれつきの特性です

HSPは環境や経験によって形成される傾向があり気質になります

4.感覚過敏に対して対策で効果のある対策3選

結論から伝えると嗅覚に関しての対策は
ほかの感覚過敏(視覚、触覚、聴覚、味覚)に比べると
対策の方法が限られてしまいます

匂いは低分子で細かくて物理的に防ぐ対策が限られており
脳が反応してしまうことが挙げられます

匂いは目に見えないし対策がしづらいですが
効果の高い対策としてマスクがあります

ただのマスクではなく
「防臭マスク」というものがあります

防臭マスクはマスクをしても感じてしまう
不快な匂い(生ごみ・排泄物・腐敗臭・口臭・体臭など)
さまざまなニオイを強力防臭する効果があります

使い捨て用のマスクタイプや
洗って使うタイプのマスクなど両方あります

商品によって特徴は異なりますが
簡易的な通常のマスクの形状と変わらないものもあれば
ごついマスクで防塵などの機能的な面があるものもあります

基本的に建築現場では人体に影響を及ぼしてしまう
毒性の高い粉塵などがある場合は防塵用のマスクを使う必要がありますが

基本的日常の中で匂いが過敏になってしまう場合は
防塵機能がないものでもいいと思います
ただ嗅覚過敏も一人ひとり程度が異なってしまうので
より匂いに対して対策が必要になるのであれば
ごつい系のマスクを使ってほしいと思います

マスクをして匂いに対し対策を行っていくことが
効果的な対処になりますが

マスク以外の方法でも対策を行えます
他者の匂いや食べ物などの匂いが気になるのであれば
完全在宅という働き方もあります

もちろん業種によっては
完全に在宅にできないこともありますが
さまざまな業種で在宅での仕事を行えるようになっています

匂いは記憶と共に記憶に残りやすい傾向があります
匂いだけが気になっている場合もあれば
記憶と匂いと一緒になっている場合は
対策自体が心理的な部分にもなることもあります

5.思い込みや認知のゆがみなのか、特性なのか原因をはっきりとさせると楽になる

感覚過敏の中の嗅覚過敏による特性なのであれば
・匂いの根源をなくすか
・匂わないように対策を行う
・匂いのない場面という場面ごとでの対応なのか

現段階の医療では発達障害の特性を大人になってから治すことはできません

原因を明確にして対策や対応策を考えることが大切です
原因が明確にならない場合でも
仮説を立てながら自身の特性に対して対処をしていくのか

周りに助けを求めていく形なのか
配慮事項にいれて
配慮をもらいながら働きやすい環境を整えていくのか

問題としては「匂い」に対しての現象になりますが
原因が異なると対策が変わっていきます

人の匂いに関しては
記憶と共に嫌な匂いと記憶の面で認識していることがあります

例えば香水の匂いで最悪だったパートナーが連想されて
吐き気を感じてしまう

これに関しては匂いに対して反応しているわけではなく
匂いと過去の記憶が連動して
嫌な匂いに感じているだけであって
匂い単体に反応しているのではありません

違いとしては匂い単体に反応しているのであれば
匂いに対して対策をすればいいのですが

匂いと記憶に反応しているのであれば
心理的な部分も大きいので
その嫌いな香水の匂いの情報(過去の記憶)をアップデートして
書き換えることができれば対処することもできます

もちろん言葉では対処法に対して書かせていただいておりますが
匂いに対しての原因がはっきりするものばかりではありません
過去の記憶が影響していることで
主観的な部分が大きくかかわっています

対処法といってもさまざまな方法があります
捉え方を変えていく方法や
問題に対して対処していく方法
周りに配慮を行っていくことなど
あなた自身に合う方法を選んで対策を行っていきましょう

ディーキャリア柏オフィス|就労移行支援事業所

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