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【発達障害】発達障害の種類をわかりやすく解説

こんにちは!ディーキャリア府中オフィスの支援員・宗形です。
突然ですが、私は猫が好きです。実家では茶トラとハチワレの猫と暮らしていました。茶トラの方は甘えん坊、ハチ割れの子は人見知りな性格をしています。
ところで、猫の品種は何種類くらいあるかご存じでしょうか。
みなさんは何種類くらいだと思いますか? 茶トラ、ハチワレ、ミケ、白猫、黒猫、ペルシャ猫、マンチカン…私は、せいぜい50種類くらいだと思いました。

ところが調べてみると、100種類以上はいるみたいです!今度から、注意して道行く猫たちを見てみようと思いました。

さて、今回は、発達障害の種類について解説をしていきたいと思います。
発達障害は、大きく分けて3つの種類に分かれます。同じ障害名がついていても、そのあらわれ方は千差万別のため、そういった意味では、猫よりも種類が多いかもしれません。

発達障害の種類や特性について勉強したい、知りたいという方は、参考までにご一読ください。

1.発達障害、その種類と二次障害

1-1.発達障害の種類

発達障害は、ADHD(注意欠如・多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、SLD(限局性学習障害)に代表される、脳の機能障害です。

このほかにも、コミュニケーション障害や、運動障害も発達障害の仲間に入ります。
ADHDやASD、LDについてはこの後詳しく説明します。ここでは、他の障害たちを紹介していきますね。

まず、コミュニケーション障害は、言葉を習い、使いこなすことが難しい障害です。
たとえば、言葉を発しようとしたときにスムーズに出てこない・詰まってしまうといった症状のある【吃音】は、コミュニケーション障害の一種です。

また、体を使った動作が極端に苦手だったり、自分の意図とは関係なく体が動いたりするのは、運動障害の特性の一種です。
たとえば、発達性協調運動障害の場合、右手と左手、目と手など、体のある部位とある部位の両方を使ってひとつのまとまった動作にすることが難しい場合があります。この障害の特性が故に、靴ひもを結ぶことが苦手だったり、ボタンを留めることが苦手だったりします。
他にも、「動かそう」と思っていないのに体が勝手に動いたり言葉を発したりする「チック」も、運動障害の仲間です。

このように、いろんな発達障害があります。
「発達障害」だからといって、一概に「コミュニケーションが苦手なのね」と思うのではなく、障害の種類がたくさんあることを理解した上で、その人自身を見ていくことが重要です。

1-2.発達障害が故に不適応を起こすと二次障害につながるリスクがある

発達障害の特性が原因となり、仕事や生活に困難が生じるケースがあります。

たとえば、発達障害の代表的な特性として知られる「空気が読めない」ことが続き、コミュニケーションがうまく取れない場面が多くあるとします。
最初のうちはなんとなくやり過ごしていても、毎日コミュニケーションを上手に取れないことが続いていくと、「なんで自分は上手にできないんだろう」「また失敗してしまった」と自分を責めて、深く考え込むようになるかもしれません。

このような状態が続くと、【うつ病】や【パニック障害】のような二次障害につながる恐れがあります。

大人になってから発達障害と診断された人の中には、
最初にこの【二次障害】の自覚があり診察を受け、その根本には発達障害があったと知るケースも少なくありません。

二次障害を引き起こすと、社会に出ていくこと、仕事をすることが難しくなったり、怖くなったりする可能性があります。
できる限り二次障害を起こさないように、また、二次障害があっても悪化しないように、自分の特性を知ってセルフケアをすること、人に助けを求めることはとても大切なことです。

2.ASD(自閉症スペクトラム障害)とは

2‐1.ASDの特性について

ASDには、他者の考えよりも自分の考えやこだわりを大切にする特性があります。
それ故に、なかなか考えを理解してもらいづらかったり、他人の考えを読み取ることが苦手だったりします。

また、自分で考えたルーティンが崩れることをすごく怖がったり、嫌がったりすることもあります。このような特性は、「自分の考えを持っている」「芯がある」ともとらえられますが、いきすぎると「空気を読めない」「自己中心的な人」という評価につながり、コミュニケーションに支障をきたす可能性があります。

ASDは、もともと「Autism Spectrum Disorder」の略称です。
Autismは「自動」などの意味があるAutomatic(宇多田ヒカルの歌が思い出されますが)と同じ語源を持っています。ASDにも自動、つまり自分で動く、自分のエネルギーに従って動くというニュアンスが含まれていると解釈すると分かりやすいのではないかと思います。

ASDの特性がある人は、「自分」に重点が置くことが多いため、他者との関りの中よりも、自分の中で何かを考えたりするときに力が発揮できると考えられます。

※ここでひとつお伝えしておきたいのが、あくまでも【ASD】の特性に絞った話であるということです。みなさんご存じのように、人は「特性」だけでできているわけではありませんよね。経験や価値観、性格や容姿、能力やスキルもその人を構成する大切な要素です。
何を言いたいのかというと、【ASD】の特性だけ見ると他者に左右されにくいように思えても、過去の経験によっては、人のことを非常に気にするという場合もあります。障害特性が他の個人の特性のどれとどのように合わさって、どのような形で言動として現れてくるのかは、人それぞれです。

2‐2.具体例

ASDの診断をクリニックで受けていたり、傾向があったりする人の中には、こんな人がいます。

【質問の仕方が伝わりづらいAさん】

Aさんは、質問をするときに意図を伝えることが難しい特性を持っている方です。
たとえば、唐突に「この書類とこの書類は一緒に作っても良いですか?」と確認をして、相手に何を意図しているのかが伝わらず混乱させてしまうということがよくありました。

この背景には、<どのように伝えたら相手に伝わりやすいかが分からない><目の前のことしか見えていなくて聞いている目的が自分でも分からなくなっている>といった特性が潜んでいるかもしれません。

【細かいことによく気が付くBさん】

Bさんは、書類のミスや掲示物の変化など、細かな部分に良く気が付く特性を持っていました。たとえば、模擬業務として資料作成を依頼すると、だれも気が付かなかった誤字脱字を発見してくれたり、少し物の配置を変えると気づいてくれたりしていました。

これは、<全体よりも細部に目がいきやすい><1からしっかり確認をしていく>特性からきている強みかもしれません。

【あいまいな質問にパニックを起こすCさん】

次に、Cさんは、あいまいな質問をすると混乱してしまう特徴があります。
たとえば、「Cさんはどう思いますか?」と質問すると、混乱して何も答えられなくなってしまうのです。

これは、<何を答えれば良いのか分からない><自分の気持ちを客観的に把握することが苦手>などの特性が背景にあると考えられます。

【説明がとても上手なDさん】

Dさんは説明がとても上手で、だれかに何かを説明したり教えたりするのが得意な方です。
たとえば、業務の引継ぎの場面では、その人の理解度に合わせて言葉を選び、順序だてて説明することができていました。

この得意の背景として、<論理的に考えることが得意/好き>という特性が考えられます。
あいまいなものを自分で説明できる形にまで落とし込むことで理解できるようになるため、人にもその落とし込んだ状態で論理的に説明できているのではないかと考えられます。

3.ADHD(注意欠如多動性障害)とは?

3-1.ADHDの特性は「注意力・行動力の障害」として現れる

ADHDは、attenntion-dificit/hyperactivity-disorderの略です。
【注意が欠如している/多動 障害】、直訳するとこうなります。

「注意が欠如している」という表現から分かるように、
不注意がある、集中力が保てない、注意を複数に向けることが苦手、注意をコントロールすることが苦手というのが、ADHDの特性の代表的なものです。(ADの部分ですね)

「多動」も、そのままの意味です。ADHDの特性がある人たちは、動いていないと落ち着かなかったり、常にどこかを動かしていたりします。「多動」は、一般的には子どもの頃の方が多くみられて、年齢を重ねるにしたがって徐々に落ち着いていきます。

このほかにも、「目先のものに飛びつきやすく、長い期間かけて達成する目標にはやる気が出づらい」「ワーキングメモリーが少なくて物忘れをしやすい」などの特性もあります。

いずれにしても、ADHDの特性は、行動や注意力の特性として現れることの多いものです。

3-2.具体例

ADHDの診断をクリニックで受けていたり、傾向があったりする人の中には、こんな人がいます。

【アイデアの提案が上手なEさん】

Eさんはアイデアを思いつくスピードが速い人です。
訓練でおこなうゲームを考えてもらうようにお願いすると、すぐに複数個の案を出してくれました。

ADHDの特性故に、常に頭の中に複数個の考えが浮かんでいることがあります。
この特性は、アイデアがどんどん浮かんでくるという強みになることもあります。

【ついつい話過ぎてしまうFさん】

Fさんは、ついつい話過ぎてしまって話が長くなってしまう傾向があります。
次々に考えが思い浮かんで、どんどん言葉にしていくので、途中で自分でも何を話しているか分からなくなるということも言っていました。

この特性の背景には、「不注意」や「衝動性」の特性があると考えられます。
次々思い浮かぶ考えを衝動的に口に出していくうちに話の方向性が分からなくなって、話し続ける…そんな感じなのかもしれません。

【先延ばし癖のあるGさん】

先延ばし癖のあるGさんは、期日が決まっている作業でも当日にならないとやる気が起きないことが多くあります。
やらないといけないことは分かっているけど、気が進まずに結局期日を過ぎてしまうことも多くあるようです。

Gさんが期日ギリギリにならないとやる気が起きないのには、「報酬系機能」が関係している可能性があります。ADHDには、先々の報酬にはあまり魅力を感じないという特性があります。「期日を守る」の期日は、たいていの場合数日以上先の話です。先の話についてやる気を出してほしいと言われても、なかなか難しいのだと考えられます。

【すぐに人助けができるHさん】

Hさんは、すぐに人助けができる強みを持っています。
たとえば、同僚が水をこぼしたときに、すぐにハンカチを持って行って拭きにいくことができます。

もちろん、Hさんがやさしい性格をしているということは前提としてありますが、
ADHDの障害特性の視点で考えると、「衝動性」が背景にあり、頭よりも先に体が動いているのかもしれません。とても素敵な特性の現れ方だな~と思います。

4.SLD(限局性学習障害)とは?

4-1.SLD(限局性学習障害)の特性は作業の障害として現れる

SLD(限局性学習障害)は、いわゆる「勉強」のある特定の科目や項目だけに苦手を感じる発達障害です。

たとえば、「漢字が象形文字のように思えて読めない」「計算ができない」「似た形の漢字を書き分けることができない」「文章が読めない」などです。

学習障害には種類があり、

読むことが苦手な学習障害を「ディスレクシア」
書くことが苦手な学習障害を「ディスグラフィア」
計算が苦手な学習障害を「ディスカリキュア」

と呼んでいます。

この他にも、「Aが起きるとBになる」「Bの原因はAだ」など、因果関係を推測することが難しい特性も、SLDの障害のひとつです。

4-2.具体例

SLDの診断をクリニックで受けていたり、傾向があったりする人の中には、こんな人がいます。

【文字が読めないIさん】

Iさんは、読字が難しい特性を持っています。
小学生の頃、文字を見てもそれを言葉に変換することが難しくて、教科書の音読がとても遅く先生に怒られた経験もありました。

今は、文章を読む必要のある場面では、文章を音声に変換できるツールを使って対処しています。

【漢字を書けないけど打つのが速いJさん】

Jさんは、小さなころから、漢字を書こうとすると逆さ文字になってしまったり、文字を書き写そうとしてもぐにゃぐにゃの文字になってしまったりしていました。
小学生の時点でSLD(限局性学習障害)のディスグラフィアがあるとクリニックで診断を受け、
早めにPCや携帯電話を使い始めました。

その結果、現在は人よりも早くキーボードをたたくことができていて、仕事でも重宝されています。

【簡単な計算ができないけど漢字が得意なKさん】

Kさんも、小さなころにディスカリキュアと診断を受けた人です。
小学生の時は、数の大小が分からず、算数の授業ですごく苦労をしたようです。

現在は、手で計算をする必要のある場面も少ないため、電卓を活用して生活を送っています。

5.まとめ

今回の内容を簡単にまとめてみると、以下のようになります。

  • 発達障害は、大きく、ASD・ADHD・SLD・その他に分けられる
  • ASD(自閉症スペクトラム障害)は、コミュニケーションの障害である
  • ADHD(注意欠如多動性障害)は、行動力と注意力の障害である
  • SLD(限局性学習障害)は、作業面の障害である
  • 同じ診断名がついていても、個人の特性は十人十色である

本日も、最後まで読んでいただきありがとうございました。引き続き、みなさんの参考になるような記事を書けるよう精進していきます。この記事の内容についてより詳しく知りたい、疑問点がある、感想を伝えたいという方がいましたら、ディーキャリア府中オフィスの宗形までご連絡をおまちしています。

↓↓↓↓ADHDの特性についてはコチラの記事でも詳しく解説しています↓↓↓↓

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