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【発達障害】障害を受け止めることでより良い人生につなげる方法 

年の瀬も迫ってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
年末年始になると、一年を振り返って楽しい思い出もちょっと悲哀に満ちた思い出もあったなーなんて思い返します。そんな中で一年無事に生きられた自分を労わってあげたくもなります。みなさんも、1年生き抜けた努力と、年を重ねた成長をほめてあげてくださいね!

さて、今回は、「障害を受け止める」とはどういうことなのかについて書いていきます。当事業所には、発達障害をはじめさまざまな障害の診断を受けている方が通所されています。はじめてクリニックを受診して障害の診断を受けたときの気持ちをご本人に聞くと、「ショックだった」という方もいれば「安心した」という方もいました。私自身はそのような経験はしていないのですが、障害の診断を受けた方にできるだけ寄り添う形で、「障害を受け止めることの意味と方法」を考えてみたいと思います。

1.障害は自分の中にあるのではなく社会に存在する

障害を受け止めることを考えるきっかけとして、まずは「障害」の意味について考えていきます。

2006年に国連で採択された「障害者権利条約」では、障害は個人の中にあるのではなく、社会(家庭や職場、学校などなど)の中にあると言われています。環境によって、その特性が障害になり得ることもあれば、全然障害にならないこともあるという意味です。

「障害」と聞くと、なんとなくセンシティブな言葉に聞こえるかもしれません。
でも、この「障害」は個人の中にある「変なところ」や「良くないところ」という意味ではなくて、「特性を持った個人が社会で暮らしていくことを阻んでいるもの」その阻みの影響を受けている人たちが「障害者」と言われている…こんな風に私自身は認識しています。

解釈は人それぞれですが、とりあえず大事なことは、環境によってその特性が「障害」になり得ることもあるし、そうでない場合もあるということです。

たとえば、発達障害のひとつ、ADHD(注意欠如多動性障害)の代表的な特性として、「じっとしていることが苦手」が挙げられます。この特性がある人が、たとえば事務仕事で一日中データ入力をしなければならない会社に就職したら、それはそれは仕事をする上での大きなハードルがありストレスがたまりそうですよね。でも、倉庫作業だったらどうでしょうか?体力があれば、特性を活かして俊敏に動き回り、バリバリ仕事ができそうです。この場合は仕事をする上でのハードルがないので、障害は生じていません。

こんな感じで、障害のある・なしはその環境によって変わってくるのです。

2.障害を受け止めるとは自分のことを知ることでもある

上記の考え方は「社会モデル」と呼ばれますが、この「社会モデル」を前提として、「障害を受け止める」ということを考えていきます。

障害は社会に存在するということは、自分の特性が障害になる環境や状況を知ることが必要です。つまり、障害を受け止めるというのは、「自分がどんな人なのかを知ってどんな環境だと障害が生まれそうなのかを知ること」なのではないでしょうか。

そうなったときに大事なのは「自己理解」です。自己理解はいろいろな角度からしなければなりませんが、一例として下記の項目について自分のことを知っていると良いと思います。

  • 障害特性
    ┗発達障害の場合、ASD(自閉症スペクトラム障害)やADHD(注意欠如多動性障害)、SLD(限局性学習障害)というカテゴリーごとに共通する特徴があります。これを学んで、自分にはどの特性に当てはまるかを考えてみます。
  • 情緒特性
    ┗いわゆる「性格」です。人見知りだったり、社交的だったり、人とのかかわり方が柔和だったり、指示的だったり…。
  • 頭の使い方
    ┗ものを考える時や思い出すとき、物の覚え方、地図の見方など、人それぞれ脳の使い方はちがいます。代表的なのは、順番に考えていく方がパフォーマンスを発揮できる「継次処理」と、全体像を把握して考えるのが得意な「同時処理」の二種類です。

3.障害を受け止めるための自己理解の方法

障害を受け止めるためには、自己理解を深める必要があるとお伝えしました。
自己理解を深めるためには、自分を観察したり、他者と比較したり、誰かからフィードバックを受けたりすることが必要です。発達障害の特性がある方で診断書をお持ちの方の場合、就労移行支援事業所など、自己理解を深める機会の多い事業所を使える可能性もあります。

自己理解の方法はいろいろありますが、障害特性を知りたいのであればWAIS(ウェイスと呼びます)という心理検査を受けて数値で客観的に自分の得意・不得意を把握することができます。また、障害特性を本やインターネットで学び、自分と同じだなーと思うものを集めて分析するのもひとつの手ですね。

この他にも、就労移行支援事業所などの支援施設で同じ障害を持つ方々と話したり、ディスカッションしたりする中で自分への理解が深まっていく可能性もあります。もちろん、自分ひとりでも内省的に自己理解を深めることはできますが、他者の視点が入ることで自分だけじゃ見えてこなかったもうひとりの自分が見つかるかもしれません。

自己理解のワークシートもたくさんありますね。例えば、自分の過去の経験から「楽しかったこと」と「苦手だったこと」を書き出して共通点を探してみたり、「居心地の良い環境」を挙げてみたり。
書き出してみるだけでも、自分の特徴が見えてきたりしますよ!

今挙げたものをざっくりまとめると、以下の通りです。

  • 心理検査(大人の場合WAIS)を受けて数値で特性を把握する
  • 本やインターネットで学ぶ
  • 支援施設で他者からフィードバックを受ける
  • 自己理解のワークシートに取り組む

特徴が見えてきたら、その特徴が活かせそうな場面と、反対にハードルが高そうな場面を書き出してみましょう。自分がどんな場面で障害者になって、どういう環境だと障害は発生しないのか把握するのは、大事な自己理解のひとつです。

いろんな角度から自己理解を深めて、自分の特性がどんな障害につながりそうなのかを考えることが、「障害を受け止める」ことにつながるのではないでしょうか。

4.まとめ

障害は、個人の側にあるのではなく、社会に存在するものです。
そのため、自分のことをよく知って、どんな場面だと自分の特性が障害になる得るのかを把握することが、「障害を受容すること」につながります。

まずは自己理解をして、障害が障害でなくなるような環境で仕事をしたり生活をしたりすることがベストです。そのためには、今回ご紹介したような方法で自己理解を進めてみましょう。
きっと、あなたの特性を活かせる環境や、一緒にいて苦じゃない人が見つかるはずです。

ひとりで見つけるのが難しいと感じる方は、就労移行支援事業所などの専門機関で専門家に相談しながら自己理解を進めることもできますので、ぜひ調べてみてくださいね(*^^*)

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