【訓練内容】ASDの特性について
今回は、ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性とASDの特性への対処方法について書いていきたいと思います。
ASDと一言で言っても、その特性は人それぞれです。
ひとりひとりの特性を知り、その特性に合わせた対処を取ることが大切です。
このブログを参考に、あなたなりの特性への対処法を考えていただけるとうれしいです!
目次
1.ASDについて
1-1.ASD(自閉スペクトラム症)の特性について
ASD(自閉症スペクトラム障害)の生きづらさは、生まれつき持っている「特性」と、周りの「環境」が相互に絡み合うことによって起きています。
人には生まれながらの性質があります。
たとえば、右利き左利きというのが、そのひとつです。
このような、生まれながらにして持っている、その人自身の性質が、「特性」です。
発達障害の特性は、置かれる環境によってその出方が大きく変わってきます。
「環境」とは、周りの人、置かれる場所、使う物などのことを指します。
例えば、集中し続けることが難しい方の場合、単純作業だと成果を出しにくいけれど、いろんな業務を少しずつやる作業は得意ということもあります。
このように、同じ特性を持っていても、置かれる環境や使うツール、周りの人によって、それが「生きづらさ」につながるかどうかは変わってきます。
そのため、自分の特性を知ることや、どのような環境であれば自分の特性が生きづらさにつながる(つながらない)のかを考えることが大切です。
自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性として、「コミュニケーションの特性」「こだわりの特性」「興味関心の特性」が挙げられます。
以前は広汎性発達障害やアスペルガー症候群と診断されていたものも、今ではすべて連続性のある地続きの障害であるという考え方から、「ASD」として診断されることが多くなっています。
ASDは生まれつきの障害で、その症状も子どものころから見られますが、最近では大人になってから診断を受けるというケースが増えています。いわゆる、「大人の発達障害」と呼ばれるものです。
子どものころからADHDやASDの症状が見られていても、その症状によって大きな困りごとが生まれず、大人になってから生きづらさを感じて診断を受けるケースも増えています。
1-2.コミュニケーションの特徴
ASD(自閉症スペクトラム障害)がある方は、もともと、自然にその場の雰囲気に合わせたり表情を読んだりすることが難しい特性があります。
ここからは、そんな特性が原因となって生じるコミュニケーションの困りごとについて解説していきます。
ASDの特性がある人のコミュニケーションの特徴としては、「相手の表情を読む、自分を相手の立場に置き換えて考えることが難しい」というものが挙げられます。
【「相手の表情を読む、自分を相手の立場に置き換えて考えることが難しい」ケースとしては、こんなものがあります。】
ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性を持っているFさんは、上司に、Wordスキルをより上げるために本を購入したいと打診しました。
Fさんは上司に理由を聞かれ、「Wordが使えることで転職しやすくなるから」と答えました。上司はあきれ果てた顔をして却下しましたが、どうして上司があきれているのか、Fさんは分かりません。
皆さんだったらどう考えるでしょうか?
ここで上司が怒っているのは、「転職しやすくなる」という点です。
この点について、上司は、「Fさんは転職を考えているんだな。転職のために会社のお金を使って勉強をするなんてありえない。しかも、それを隠そうともせずに言うなんて何事だ」という思いで腹を立てたのだと考えられます。
ただ、Fさんにとっては、素直に理由を話しただけで、「転職を考えている」なんてことはなく、上司にそれを言ってやろうなんて気持ちもありませんでした。
このように、相手の立場に自分を置き換えて考えることが難しいことが原因で、自分ではそんなつもりじゃないのに、相手に嫌な思いをさせてしまうことがあります。
他にも、「あいまいな言葉の理解が難しい」「相手の言葉の裏を読むことが難しい」「相手の気持ちの想像が難しい」などの特徴があります。
皮肉や社交辞令、冗談が分からず、そのまま受け取ってしまい、対人関係が円滑に進まなくなるケースもあります。
また、「多めに」「あとちょっと」「そのあたり」など、日常や仕事上でよく使われる表現に対しては、その意味を正確にとらえることが難しい場合が多くあります。
これらの特性から、職場でコミュニケーションを取る時に自分では悪気がなくても悪いように捉えられてしまう言葉を伝えたり、曖昧な指示が出たときにパニックになってしまったりという障害が生じる場合があります。
2.特性への対処方法をご紹介!
2‐1.周囲とうまく付き合っていくための対処法
[対処1] ASDの特性がある相手に対する連絡や指示は5W1Hで
ASDの特性があるひとは、たとえば「時間のあるときにやっておいて」といった曖昧な指示に対応することが苦手です。ASDの特性がある人への連絡や指示は、5W1Hを確認する習慣をつけることをおすすめします。
例えば、上記のケースだと、「〇〇の仕事が終わったらやっておいて」や「〇日までに終わらせてほしい」などの伝え方が、ASDの特性がある人にとって分かりやすい伝え方となります。
[対処2] 予定変更など柔軟な切り替えをする
融通が利かないのもASDの特性。天候や都合などで、急な予定変更は起こるものです。「予定変更は悪いことではない」と捉え、頭を切り替える訓練をすることもおすすめです。
[対処3] 周囲に伝わりやすい動作を身につける
自分から発する言葉や話題を意識的に減らすという方法があります。そのうえで、あいづちを打つなど「話を聞いている」と周囲がわかりやすい動作を身につけるとラクになります。
2‐2.ASDは治せる?
ASDは、薬を飲めば治ったり、何か特別な治療をすれば治るというものではありません。
そのため、環境を選んだり、変えたり、プロのカウンセリングを受けたりする中で、自分の生きやすい方法や働き方を見つけていく認知行動療法の考え方が基本的な治療の仕方となります。
ここで大切なのは、ひとりひとりのASDの特性に合わせて、職場環境を整えたり、接し方を工夫したりして、その人が困る状況をできるだけ減らしていくことです。
困った場面を自身で振り返ったり、専門家や医師のアドバイスを参考にしたりして、不適応が生じにくくなる場面を周りの人と相談しながら考えていきます。
困りにくく過ごしやすい環境を整えることは、うつ病などの二次障害の予防のためにも大切です。
ASDの特性により生きづらさの程度が高くなった場合、そのことが原因で精神疾患が発症する可能性もあります。
(このような症状は、発達障害が一次的にあった上で生まれるものです。このことを、「二次障害」と呼びます。)
できる限りこの二次障害を発症させないように、自分自身でどんな特性があるのかを知って、助けてほしいことはしっかりと伝え、物理的なもので解決できるものは解決しておく…ということがとても大切になります。
3.まとめ
以上、「こだわりが強い」ASDがある方の特性対処法について、説明してきました。
「発達障害の特性」と一言で言っても、その現れ方は人それぞれです。
あなたに適した対処法を一緒に考えていきましょう。
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