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【発達障害】相手の立場に立って考えることができない理由と対策

目次

1.相手の立場に立って考えることが難しいのはどうして?
 1-1.相手の立場に立って考えるとはどういうことか?
  1‐1‐1.相手の立場に立って考えることが必要な理由
  1-1-2.「相手の立場に立つ」とはどういうことか?

 1-2.発達障害の特性がある方の特徴について

2.発達障害がある方の特性と付き合いながらコミュニケーションを取る方法
 2‐1.自分のことを知ろう
 2‐2.コミュニケーションスキルについて
   2‐2-1.アサーティブコミュニケーション
   2‐2-2.質問スキル(オープンクエスチョン・クローズクエスチョン)

3.まとめ

1.相手の立場に立って考えることが難しいのはどうして?

1-1.相手の立場に立って考えるとはどういうことか

まずはじめに、そもそも「相手の立場に立って考える」とはどういうことなのか、
なぜ「相手の立場に立って考える」ことが必要なのかについて考えていきます!

1‐1-1.相手の立場に立って考えることが必要な理由

相手の立場に立って考えるのは、良好な人間関係を築く上でとても大切なことです。

だれでも嫌な気持ちにはなりたくないからだと思います。
逆を言えば、嫌な気持ちになると、その気持ちを抱かせた相手に攻撃的になったり
関わりを断とうとしたりするかもしれません。
そうなると、対人関係が円滑には進まなくなりますよね。

相手の立場に立った行動をしたり言葉を使ったりすることで、
人を嫌な気持ちにさせることが減り、対人関係も良好になる
のではないでしょうか。

1-1-2.「相手の立場に立つ」とはどういうことか?

それでは、「相手の立場に立つ」とは具体的にどういうことなのかを考えていきます。
ケースを用いて解説していきます(*^^*)

例えば、職場でこんな場面があったとします。

  • 仕事をたくさん抱えて毎日残業をしている同僚とコミュニケーションを取る

この同僚に、追加で仕事を依頼しなければならない時、
相手の立場に立つことが得意な人であればこんな風に伝えるかもしれません。

  • 「毎日残業で忙しいところすごく申し訳ないんだけれど、どうしても終わらせないといけない仕事があって、お願いできないでしょうか。」

一方で、相手の立場に立つことが難しい場合、次のような伝え方になりそうです。

  • 「この仕事もお願いします。明日までに仕上げてください。」

お願いしている内容は同じでも、受ける印象が全然違うと思いませんか?

相手の立場に立った人の場合は、「相手はこういうところが大変だよな~」と想像力を働かせて、
その大変さを労うような言葉
をかけています。一方で、相手の立場に立つことが難しい事例では、
相手の考えを想像して言葉をかけるのではなく、ストレートに必要事項のみを伝えていますね。

「相手の気持ちを推し量って、その気持ちを労うような言葉(行動)をかける」ことが
相手の立場に立つということだと、私自身は捉えています。

1-2.発達障害の特性がある方特徴について

ここからは、ASD(自閉症スペクトラム障害)などの発達障害がある方の
「相手の立場に立つことが難しい」特性について解説していきます!
障害があるご本人は自己理解を、周囲でサポートをする方は発達障害がある方と関わる上で必要な他者理解をできるような情報を提供していきますので、ぜひ参考にしてみてください(*’▽’)

発達障害(特にASD/自閉症スペクトラム障害)の特性がある方は、社会で必要とされる
相手の考えや思考、意図などを表情や言葉・行動から読み取る「心の理論」の獲得に困難があると考えられています。

この特性が原因で、コミュニケーションや会話の中でのトラブルにつながることもあります。
例えば…

  • 上司がクーラーをつけてほしいという意味で、「今日は暑いね~」と伝えても、
    一向に動いてくれる気配がない
  • 「家族の具合が悪いんだよね」と言っている人に悪気なく明日までの期日の業務を依頼してしまう
  • 何故相手が怒っているのか分からず、とりあず謝ることでその場をやり過ごし、後日また同じことをして怒られてしまう

発達障害の特性を持っていない人が直感的・感覚的に判断できる「人の気持ち」ですが、
ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性を持っているとその判断が難しくなります。

そのため、相手の立場に立つことが難しく、コミュニケーションが必要とされる環境への適応が困難になり、本人も周りもストレスを抱えてしまうという状態になっている可能性があります。

2.発達障害の特性と付き合いながらコミュニケーションを円滑にする方法

ここからは、発達障害の特性を持っている人が自分の特性と上手に付き合いながら、
コミュニケーションが必要とされる環境で生きていくための術をご紹介します!

2‐1.自分のことを知ろう

まずは「自分のことを知る(自己理解)」ことから始めましょう。
戦うためには敵を知らないといけないと言いますが、
自分の課題に向き合うためにはまず「自分を知ること」が必要です!

  • 自分はどんな時にコミュニケーションが億劫だな~と感じるのか?
  • コミュニケーションが比較的取りやすい相手は誰だろう?
  • コミュニケーションの何が苦手なのか?(話を聴くのが苦手・自分から話しかけるのが苦手・相手の意図を読み取ることが苦手など…)
  • 得意なコミュニケーションのスキルはある?

こんな質問をご自身にじっくり問いかけてみてください。

自分の得意な方法・場面・相手や、苦手なことを知った後は、
得意を活かして苦手をカバーするための力を身に付けていきましょう!

2‐2.コミュニケーションスキルについて

ここまでお伝えしてきたように、
発達障害の特性がある方は自然に円滑なコミュニケーションを取ることが難しい場合が多いです。

特に、ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性がある方は、
自然に相手の立場に立つことが難しく、コミュニケーションで障害が生じることがあります。
この障害がうつ病や不安障害・双極性障害などの二次障害につながる可能性もあります。

そのため、心の健康を保つために、コミュニケーションスキルを学んで練習していくことが大切です!
ここではその一例をご紹介します(*’▽’)

2‐2-1.アサーティブコミュニケーション

アサーティブコミュニケーション(アサーションとも言います)は、
「自分も相手も大事にする」コミュニケーションスキルのことです。

「自分はこうしたい」「これに困っている」という情報を過不足なく伝えること、
「相手の考え」を否定せず受け止めること。
このふたつがアサーティブコミュニケーションで大事なことです。みなさんは、自分と相手どちらを大切にしたコミュニケーションを取ることが多いでしょうか?

発達障害の特性がある方は、「相手の立場に立つ」ことが難しいが故に、
「自分の考えを押し通している」「相手のことを考えていない」と思われることがあります。

また、「こだわり」の特性が強いと、どうしても相手の考えを受け入れるよりも
自分の考えが前に出ちゃう場合もあります。

反対に、失敗体験が多かったり、相手の考えが分からないが故に気を使い過ぎてしまうとすると、
「自分の意見を言えない」受動的なコミュニケーションを取ることにもつながります。

発達障害や精神疾患を持っている方に多い状態ですが、このような特性の現れ方をすると、
ストレスを感じやすくなってしまうと考えられます。

このあたりの特性をゆるめるために、アサーティブコミュニケーションの訓練を行います。

例えば、

  • 相手が意見を言った時には「たしかにそうですね」と受け入れてから自分の意見を伝えるようにする
  • 反対意見があっても、「あなたの意見のこんなところが良いね。だけど私の考えは少し違って…」という伝え方にする
  • 「なんて反応されるか怖い」「迷惑なんじゃないかな」と思って話しかけられないのであれば、
    「相手の意見も聴けばいっか」という考え方に変えてみる
  • はじめは周りの人から声をかけてもらって相談をし、徐々に練習をして相談のハードルを下げる

などの訓練を重ねていきます。

自分も相手も大切にするコミュニケーションができるようになると、
日々のストレスが少しだけ軽くなるかもしれません!ディーキャリア府中オフィスでも訓練することができますので、興味がある方はぜひ一度お問合せください(‘◇’)ゞ

★お問合せはコチラのページの一番下から!→ディーキャリア府中オフィス

2-2-2.質問スキル(オープンクエスチョン・クローズクエスチョン)

質問スキルを身に付けることで、
「自分本位な人だなー」「こっちのこと全然考えてくれないな」という印象を相手に与えづらくなります。

主な質問スキルには、下記の2種類があります。

  • オープンクエスチョン
    →相手の話を引き出すために使う質問の仕方。「どう思いますか?」など。
  • クローズクエスチョン
    →自分が知りたい答えを確実にもらうための質問の仕方。「夏と秋だとどっちが好きですか?」など。

相手に「自分のことを考えてくれているな」と思ってもらうためには、
相手の話をよく聴くことが大切です。

そのためには、クローズクエスチョンよりもオープンクエスチョンを多く使うことをオススメします!クローズクエスチョンは、相手に自由に話してもらうというよりも、
自分が知りたい情報を確実にGETするために使う質問の仕方です。
そのため、クローズクエスチョンは、相手の立場に立った質問というよりも、
自分の「知りたい!」という希望を叶えるためにする質問に近いのです。軸が自分にありますね。

反対に、オープンクエスチョンは、
相手の考えを自由に伝えてもらうためにする質問です。クローズクエスチョンと違い、軸は相手にあります。オープンクエスチョンに対して答えた自分の自由な回答をよく聞いてくれた人には、
なかなか「自己中心的な人だな」とは感じづらいものです。

「オープンクエスチョンを使って、相手の話をよく聴くようにする」
これだけでも、コミュニケーションの円滑さが全然違ってくるのではないでしょうか。

3.まとめ

以上、発達障害の特性がある方が相手の立場に立つことが難しい理由と、
特性と上手に付き合いながらコミュニケーションを取っていく方法について解説していきました!

発達障害、特にASD(自閉症スペクトラム障害)の特性がある方は、
その脳の特性上、相手の立場に立つことが難しい場合が多いです。

この特性の現れ方は人それぞれですが、
「空気を読めない」と思われる方向に症状が現れると、
ストレスや二次障害につながる恐れがあります。

アサーティブコミュニケーションや質問のスキルを身に付けることで円滑なコミュニケーションを取ることができ、ストレスを最小限に抑えることができるのではないかと考えます。

その第一歩は、自分を知ることです。

まずは自分のコミュニケーションのタイプを知って、
苦手な部分を補えるようなスキルを身に付けていきましょう!

↓↓↓↓発達障害がある方の特性についてはコチラの記事でも解説しています↓↓↓↓

発達障害があるとコミュニケーションが苦手?接し方と工夫について

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