発達障害とゲーム依存の関係性をプロが解説!
この記事を読んでいる方は、
『ゲーム依存と発達障害の関係について知りたい』
『自分はオンラインゲームに依存しているけれど、病気なのでは?』
『家族がスマホゲームが大好きで依存症なのではないかと心配…』
というお悩みをお持ちなのではないかと思います。
世の中には、ネットゲーム、インターネットゲーム、オフラインゲームなど
いろいろな種類の魅力的なゲームがありますよね。
この記事では、発達障害のプロの視点から、
発達障害の特性とゲーム依存の関係性について解説しています。
ご興味がある方はぜひ最後まで読んでいってくださいね(*^^*)
ゲーム依存とは?
そもそも、『ゲーム依存』とは何でしょうか?
WHOは2019年にゲーム障害の定義を発表しています。
WHOによると、(1)ゲームをする時間や頻度を自ら制御できない(2)ゲームを最優先する(3)問題が起きているのに続ける――などといった状態が12カ月以上続き、社会生活に重大な支障が出ている場合にゲーム障害と診断される可能性がある。ゲーム障害になると、朝起きられない、物や人にあたるなどといった問題が現れるとされる。
日本経済新聞
つまり、ただ長時間ゲームをしているだけではなく、
長期間に渡り学校・会社や家庭内など社会生活に影響が出る場合に『ゲーム障害』と呼ばれます。
ご自身の状態と比べてチェックしていただき、
症状によって治療が必要な場合もあると思いますので、
不安な方は精神科クリニックやカウンセリングの利用も検討してみてくださいね。
ゲームにはまる理由と特性の関係性
【ASDの特性とゲーム依存】
アスペルガー症候群を含むASD(自閉症スペクトラム障害)の特性とゲーム依存の関係性について解説していきます。
1.規則性があるものが大好き
ASDの診断を受けている方は、
人との会話や仕事など規則性がないことよりも、
AだからBというように論理的に説明ができるものを好む傾向があります。
ゲームの場合、必ずルールがあり、規則性があります。
そのため、ASDのある方の好みとゲームの楽しさがマッチし、
ゲームにはまりやすくなると考えられます。
2.規則性を分析することが大好き
ASDのある方は、
規則性を分析することに対しても強い欲求を持っている傾向があります。
ゲームに一度ハマると、そのゲームを深くまで掘り下げて分析するため、
どんどん奥までハマっていってやめられなくなる可能性が考えられます。
3.共感化能力が弱い
人の表情から気持ちや心理を読み取ったり、空気を読んだりする能力は
ASDのある方にとってとても難易度の高いスキルです。
そのため、人間関係で困難が生まれやすく、
傷つく体験も多くしている方が多いです。
このような場合、
人と遊ぶよりも1人で内にこもっている方が気楽で楽しく、
1人でおこなうゲームにハマっていくと考えられます。
4.白黒思考が強い
物事をすべて「正解か不正解か」で判断しようとする思考を「白黒思考」と呼びます。
ASDのある方には白黒思考を持っている方が多く、
「正解・不正解」が明確にあるものを好む傾向があると考えられます。
ゲームには必ず正解・不正解がありますよね。
明確な基準があるゲームは、ASDのある方の特性とマッチして、
ハマりやすくなると考えられます。
【ADHDの特性とゲーム依存】
ADHD(注意欠如多動性障害)の特性とゲーム依存の関係性について解説していきます。
1.短期的な報酬が大好き
ADHDのある方の場合、短期的な報酬に魅力を感じやすい傾向があります。
極端な例ですが、
数カ月先にもらえる10万円よりも、明日もらえる1000円の方が魅力的に感じます。
ゲームでは、「クリア」という成功体験を短いスパンでたくさん積むことができます。
短期間で報酬(成功体験)をたくさん得られるゲームはADHDのある方にとって
魅力的に感じやすいため、ハマっていく可能性が考えられます。
2.行動・感情のコントロール能力が弱い
ADHDのある方の大きな特性のひとつに、
「行動や感情の抑制が難しい」というものがあります。
「思いついたら即行動」という良い面もありますが、
「イライラしたらすぐに言葉にしてしまう」という社会生活を送る上で障害となる面もあります。
「即行動」や「相手にイライラをぶつける」ことは、
現実世界で行うとトラブルに発展するものであっても、
バーチャルな世界であればおこなうことができます。
そのため、
特性を抑えることなくおこなえるゲームにハマりやすいと考えられます。
3.集中力の調整がうまくいかない
ADHDには、集中力の調整がうまくいかないという特性もあります。
この特性により、集中すべきものに集中できない「注意散漫な状態」になったり
逆に集中しすぎる「過集中の状態」になったりします。
ゲームをしているときに過集中になった場合、
周りの音が聞こえなくなり、他のやるべきことを忘れて没頭してしまう可能性があります。
そのため、ゲームをしていて気が付いたら10時間以上経っていたなんてことが
起こり得るのです。
発達障害とゲーム依存の関係性について まとめ
今回は、ゲーム依存と発達障害の関係性についてお伝えしてきました。
ここまでの内容をまとめると以下の通りになります。
- ASDのある方は、規則性が大好きな傾向がありゲームにハマりやすい
- ASDのある方は、人とのかかわりが難しい傾向がありゲームにハマりやすい
- ADHDのある方は、短期的な報酬が大好きなためゲームにハマりやすい
- ADHDのある方は、集中・行動・感情のコントロールが難しい傾向がありゲームにハマりやすい
ASD、ADHDなど発達障害がある方の場合、
ゲームの性質とマッチする特性を多く持っていると考えられます。
そのため、ゲームにハマりやすい傾向があるのではないでしょうか。
次回記事では、
ゲーム依存・ゲーム障害の対策や予防方法についてお伝えしていきますので、
ゲームにハマることを改善したいという方はそちらの記事もご覧ください(*^^*)
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