【卒業生ストーリー】ひきこもりから、就労移行支援を使って就職した私がお伝えできること
おはようございます。ディーキャリア所沢オフィスです。
今回は、ディーキャリア所沢オフィスを卒業された利用者が、
自ら卒業生ストーリーを書いてくださったので
紹介します。
【卒業生ストーリー】
『名前』
Sさん
『年齢』
30代
『今までの経歴』
大学在学中からのアルバイトを卒業後も続けていましたが、職場の人間関係に悩み離職しました。離職してからはひきこもりになってしまい、自力での社会復帰が難しい状態でした。その後保健相談所での相談などを経て就労移行支援に繋がりました。
自身の障害について知った(診断を受けた)のは就労移行支援に通所を始める直前で、それまでは障害について考えたことはほとんどありませんでした。大学生以前にも対人関係に苦手さを感じる事がなかったわけではありませんが、性格の範疇であると思っており、障害かもと考えたことはありませんでした。
『障害特性』
診断名は自閉症スペクトラム障害(ASD)です。
私の場合は物事の適度さを感じ取る事が苦手であり、また、自身に理想や制約を課してしまう傾向があります。そのため考えすぎたり不安になったりということが多く、自身の内側でストレスを膨らませてしまう傾向があります。そしてその負荷が周囲から見えづらく、傍からは困っているようには見えないという状態です。
この「困っているようにみえない」というのは、心身の状態に業務遂行が影響を受けにくいという面でメリットであるのと同時に、私自身が自ら体調に気付き発信できるようにしなければ状態の悪化が続いてしまうという問題を孕んでいます。
『ディーキャリアに入る前の困り事』
そもそも困っているということに気づいていなかったと思います。
職が無くひきこもりになっていたことは、私にとって困り事というよりも自身の努力や能力が足りていないゆえの過失だと思っていました。
思い悩みこそすれ、ある意味それが当然であると考えていました。
『ライフスキルコース期間』
約7ヶ月(2021/03~2021/09)
スタッフさん以外とはほとんど話すこともできないような状態からスタートしました。
訓練で自己理解や自己管理を学ぶと同時に、他の利用者との生活の中でコミュニケーションの必要性を感じていきました。
ライフスキルコース卒業時には、他の利用者とのコミュニケーションも自然におこなえるようになっていたと思います。
『ワークスキルコース期間』
約4ヶ月(2021/10~2022/01)
模擬的な業務を受けることで適切な報連相のおこない方や、作業時間・作業コスト・クオリティの兼ね合いを意識した業務遂行を試しました。
総じてあまり困り事の無い期間ではありましたが、自身がスケジュールに余裕を持たせ過ぎてしまうということに気づきました。
『リクルートコース期間』
約7ヶ月(2022/02~2022/08(内定))
ライフスキルコース、ワークスキルコースの期間では気付ききれなかった自身の特性や考え方の癖に気付いた期間だと思います。
求人に応募するという行為、新しい何かに向かうという行為が自身にとって想像以上の恐怖とストレスでした。
泣きながら応募するところから始め、時間はかかりましたが内定を頂くことができました。
『就職先業界』
人材
『雇用形態』
契約社員
『ディーキャリアで何を学んだか』
体感的にさまざまなことを学んだと思っていますが、大きくは3つです。
ひとつは、障害についての知識です。
そもそも障害ということに触れ始めたのが通所と同時だったため、知識として多くを得ました。
この知識は自己理解にも他者理解にも大きく役立っていると思います。
ふたつめが、相談をするということです。
通所前に保健相談所でお世話になった際にほぼ初めて相談するという手段に気が付いたのですが、通所を続ける中で相談することの意味や相談の仕方を学んだと思います。
みっつめが、コミュニケーションの必要性です。
得手不得手の前にコミュニケーションにあまり必要性を感じていなかったのですが、社会で生きていく中で一定以上のコミュニケーションは必須になりますし、円滑なコミュニケーションが自身を助けることにもなると知りました。
同時に、頑張りすぎて自身を他者との関係に全て預ける必要も無いと気づきました。
自分は自分、他者は他者のまま、必要な関係を保つというのが難しくも大切なことだと思っています。
『現在の自身の特性の困り事』
大きくは2つだと思っています。
ひとつは、とにかく新しい場への踏み出しが苦手ということです。
知らない物事や見えない未来に対して不安を強く抱いてしまい、自発的な行動を取れません。新しい場所での緊張も強く、物事に慣れるまでというのが自分にとって負荷の強い期間です。
ふたつめが、他者とのかかわり方です。
言葉にすると難しいのですが、適切な距離感というものを実行するのが難しいと思っています。
相手を気に掛けすぎて心労にならないように、かといって独断専行・個人主義にならないというのがまだまだ練習中の身だと思っています。
また、ひとつひとつの困り事ではないのですが、何事も考えすぎて頭の中で負荷を膨らませてしまう傾向があります。
『その困り事への工夫』
ひとつめに関しては、下調べと他者を頼るというのが対処法です。
わからないことを全く不安に思わないというのは障害の無い方でも難しいと思います。
私は不安にならないのは無理だと思い、できるだけ落ち着ける手段として下調べをすることをおこなっています。また、新しい物事が苦手であるということを上長や必要な方に伝え、“できるフリ”にならないようにしています。ミスや事故が起きてから「実は……」とならないことがとても大切だと思います。
ふたつめに関しては、公私を分けるという対処法をとっています。
私は付き合いの中で程度をコントロールするのが苦手だと自己理解しています。
なので、就業時間中(公)は全力でも良いので他者との関係を大切にし、就業時間外(私)は自身の気の向くままに過ごすという行動をしています。
具体的には、休日は一人で過ごす事や、そもそも私的な連絡先の交換をしないなどです。
また、頭の中で考えすぎてしまうことに関しては、紙に書き出すという行為が最も自身に合った対処法だと思っています。それでも整理できないことは相談をする、ということも大切なことと考えています。
『今後どうなりたいか』
仕事に関しては、
まずは慣れること、与えられた業務をできるようになること、というのが目標です。
その上でできることを増やしていきたいと考えています。まだ自身が何ができて何をしたいのかがわからないので、具体的な内容は働いていく中で見つけられればと思っています。
また、どう“なりたいか”は私にとって難しいことなのですが“なりたくない”は明確にあります。それは、もうひきこもり状態になって一人で悩み続けることはないようにしたいということです。相談をするということは時に勇気すら必要なことだと思っていますが、一人で考え続けるよりも絶対に良いことだと気づけました。それを忘れないようにしたいと思っています。
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1.【現役ピア支援員が語る】ADHD(注意欠如・多動性障害)の仕事術教えます!
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川オフイス・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、ディーキャリア所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、様々な情報を発信しています。 凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凸凹凸凹凸凹凸凹Tweet
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