大人の発達障害~対人関係に及ぼす、反芻の影響と対処法について~
何の脈絡もなく突如、頭の中にネガティブな体験がリアルによみがえり、くりかえし考えてしまうということはないでしょうか。例えば人と会話をした後、「どうしてあんなこと言ったんだ」「もっと気の利いたことが言えなかったのか」「なぜあんな返しをしたんだ」などなど、繰り返し思い出して自己嫌悪に陥ってしまう。(相手はそんな風には思っていなかったとしても、自分では気になってしまう。)今回は対人関係の中でも、苦手とする方が多く反芻の影響が表れやすいゴールのない会話:世間話・雑談を取り上げ、反芻(はんすう)が雑談に及ぼしているネガティブな影響と、反芻を軽減する方法についてご紹介したいと思います。
最初に「雑談は必要に迫られたとき最低限にこなせればいい」ということと、「発達障害はコミュニケーション凸凹で、コミュニケーション障害だと自分で思い込む必要はない」ということ、この2点を先にお伝えしておきたいと思います。
1.反芻(はんすう)とは:たとえ20年前のことでも、ネガティブな体験を何の脈絡もなくフラッシュバック的に思い出し、あたかも今、再体験するかのように感じ、さらに感情も伴わせて 、延々と頭の中から離れず、考え想像し続けてしまうことです。軽い反省や次回はこうしようという短時間で終わるものではありません。
雑談が何とか終わった後、冒頭に示したような「どうしてあんなこと言ったんだ」「なぜあんな返しをしたんだ」というような思いや考えが、短くて30分、1時間2時間とかではなく1週間2週間続くことも。そして、何の脈絡もなくまた1年後に頭の中に想起されてしまう・・・を繰り返す状態です。本来であればただ1回の不快な経験が、反芻した結果脳の中では、反芻した回数分体験したと同じことになってしまうのです。40回反すうすれば40回不快な体験をしたことになり、100回反芻すれば脳内では100回体験したことと同じになります。
2.雑談に及ぼす反芻の影響:例えばASDのある方で、雑談の中心となり場を盛り上げることはないかもしれないけれど、同じ場にいて同じ話題を聞いたり関わりを持つことは十分にできている、だけれども、この反芻することで、”自分は雑談が苦手”という認識を持つことになると言われています。反芻により1回の不快な経験が反芻した回数分、膨れ上がり、苦手意識が積もり積もってくる→対人恐怖や社会不安につながり→人と関わらない方が楽だ、と反芻による悪循環が生じてしまう結果に陥ることになると言われています。
3.反芻が始まったときの対処法:始まってしまうと、とめどなく続く反芻ですが、反芻の時間や回数を少しづつ、減らしていく方法を2つ提案したいと思います。
①思いついた具体的な改善策を紙に書く。(雑談後、反省が頭の中で始まったとき)書くことで頭の中がすっきりする、すっきりすることで安心感がうまれる、安心感がうまれると書いた自分に自信をもつことができる。この自信を持つことが、反芻が減るきっかけになります。*改善策を考えなくてはならないというものではありませんし、改善策を考えることが目的ではありません。あくまでも頭の中に浮かんだ、何かしら前向きな考えを、意識するという目的でおこなうものです。
②メタ認知を利用する。:反芻の時間が長く、回数も多い方の特徴として、メタ認知が働きにくいということが挙げられます。メタ認知ができるようになると、思考の暴走(反芻も含む)が減ってくると言われています。反芻に対して「メタ認知」するとはどうすることでしょうか。
それは「自分を客観視するように自分を認知する」「ああ、また反芻始まっちゃった、また自分をせめているよ」と声に出して自分に言う(感じ)ことです。自分の思考の実況中継をして(メタ認知)、思考をコントロールする方法です。
*メタ認知:実況中継。声によって、否定的な思考を抑え込むことが目的ではありません。否定的な思考は、抑え込めば抑え込むほど暴走します。ですから、決して反芻はダメだ!止めなきゃ!と思わないことが大切です。否定的な考えや思いがたくさん出てきて構いません。ただそれに飲み込まれないように、あくまでも否定的な思考になっていることに、まずは気付くことが重要です。気付くことによって、最終的に反芻は減ってきます。反芻が始まったら実況中継を毎回行ってみる、声に出せない時はこころのなかだけでもOKですし、何かしながらでも大丈夫です。
最後にこのメタ認知がより効果を発揮できるために、次のことをお勧めしたいと思います。・メタ認知法が効果を発揮できるために・・・運動すること、食事をしっかりとること、前頭葉を活性化するためのトレーニング(例えばワーキングメモリUP訓練:「ワーキングメモリUPに期待」https://dd-career.com/blog/oita_20230203/ )などを行うこと。
*最後にもう一度・・・「今、反芻が始まったなぁと客観視すること」、決して反芻はダメだ!止めなきゃ!と思わないことが大切です。時間がかかるかもしれませんが、少しづつ反芻による苦痛やその苦痛さから生じている雑談(ゴールのない話)後のつらさから、解放されいくことと思います。雑談に対する対処法は、こちらのブログでもご紹介しています♪→https://dd-career.com/blog/oita_20221130/
ディーキャリア大分オフィスでは、(今回ご紹介した反芻など)大人の発達障害の特性に対して、対処法の訓練などを行っています。3つのコースを移行しながら「働く」に近づきます。ライフスキルコースでは自己理解やセルフケア、コミュニケーションスキルを知り身につける訓練を行います。ワークスキルコースでは疑似業務や実習を通して、得意を伸ばし、コミュニケーションスキルの確認や対処法の検証を行い、就職活動につなげます!リクルートコースでは就職活動(実習など含む)をサポートし、就職後は定着支援を行っています!3つのコースにはそれぞれ専門のスタッフがいます。大人の発達障害に専門知識のあるスタッフ(有資格者:社会福祉士、ジョブコーチ、国家資格キャリアコンサルタント、看護師、児童発達支援士、SSTスペシャリスト等。詳しくはホームページをご覧ください♪)が担当しています。オフィス内の雰囲気を知ることができる体験会も無料で開催しています。
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②発達障害(注意欠如・多動性障害ADHD 自閉症スペクトラム障害ASD:アスペルガー症候群など・内部障害)の方が、ご利用されています。
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