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発達障害とワーキングメモリ

~原因と今日から使える対処法~

こんにちは。ディーキャリア大分オフィスの職業支援員の秋元です。

当オフィスは大分県下で唯一、”発達障害の特性に応じたプログラム訓練”を提供している就労移行支援事業所です。訓練内容としては発達障害の「特性」について知り、「仕事の困りごと」等について、具体的且つご自身にとって効果的な対処法などの学びや訓練を提供しています。

発達障害:注意欠如・多動性障害ADHD、自閉症スペクトラム障害ASD
精神障害:うつ病・適応障害・不安障害等のある方が、ご利用されています。
発達障害について専門知識のあるスタッフが、支援をおこなっている就労移行支援事業所です。

   

このブログを読んで下さっている方の中に、こんな経験をされた方はいらっしゃいませんか。

・メモをとることが苦手

・電話対応ができない

・忘れ物が多い

・大切なものをなくす  

仕事で多用する記憶の種類として「作業記憶、作動記憶」と呼ばれる記憶があります。これをワーキングメモリといいます。このような苦手があると、仕事上で困りごとになりやすいのではないかと思いますが、の原因はワーキングメモリの支障から生じています。今日は仕事の困りごとになりやすい発達障害のワーキングメモリの支障や原因、また今日から伝える対処法について、以下の順でお話ししていきたいと思います。

<目次>

①ワーキングメモリとは・・・発達障害とワーキングメモリの支障との関係

②ワーキングメモリ支障の原因

 (「イマジネーション障害」とその対処法)

③今日から使える対処法

 

①ワーキングメモリとは・・・発達障害とワーキングメモリの支障との関係

先ほど少しお話ししましたがワーキングメモリは仕事で多用される「作業記憶、作動記憶」のことです。つまり「取り入れた情報を一時的に覚えておく脳の機能」なのですが、これは「短期記憶」とは違う脳の機能です。分かりやすく図で説明しますね。

この図は「情報の入力の段階」を順番通りに示しています。まずは「ものを見る」これは光を網膜が取り込んだ状態です。そして「光の情報として脳に入ります」。この段階ではものは単なる「光の集まり」にすぎません。次に脳の中で1次処理され、ここで初めて「物体として捉えられます」。ここまでは発達障害の情報処理も正常に働いています。情報(もの)の入力段階の最後で、脳は2次情報処理として「なんらかの意味を付与」します。この最後の段階「情報に物体以上の意味を与えること」が難しいと言われています。つまり入力された情報の処理する際の一部に障害があると言えます。情報は脳に入力され処理されて初めて「意味」を持ちます。このように情報の入力の段階で、情報を処理する機能をワーキングメモリと言います。言葉の意味をまとめておきます。

「短期記憶」・・・情報を短期的に記憶する

「ワーキングメモリ」・・・「記憶した情報を処理する機能」

  

脳の機能について図を説明しながらまとめます。

・黒色のマーキング:眼窩前頭野

・赤のマーキング:側頭葉

・黄色のマーキング:扁桃体

発達障害のある方は、この3つ(眼窩前頭野、側頭葉、扁桃体)の働きに支障があることがわかっています。 これら3つの部分は、社会生活を送るうえで欠かせない、「人の気持ちを推し量る」「状況を読む 」「感情をコントロールする」といった働きに関係し「社会脳」と呼ばれることもあります。発達障害のある方の「社会脳」と呼ばれる部分に支障がある原因について、次に説明したいと思います。

②支障の原因

結論から言うと(諸説あるのですが)、原因はまだ解明されていません。 そもそも脳機能事体が人間のからだの中で1番「よくわかっていない部分」であり、未だ解明できていないことがたくさんあります。 ですから発達障害の脳機能障害の原因についても、「おそらく○○ではないだろうか?」というクエッションでしか表記できない程度であるのが現状です。いずれにしても、「脳の3つの部分で、その機能に支障が生じている」ことは明らかです。

補足として発達障害のある方の脳機能の特性で、ワーキングメモリとは別にもうひとつ仕事上の困りごとになりやすい特性として 「イマジネーション障害」と言われるものがあります。ワーキングメモリと同様、これも仕事をおこなう上で 困りごとになる大きな要因ですので、最後に補足で説明し対処法についても、お話ししておきたいと思います。

<イマジネーション障害>

先程「見えないもの(可視化されていない相手の考えや計画、指示内容)は、思い浮かべることが難しい(理解が困難)」とお伝えしました。この困り事も実は脳機能の支障から生じています。関連して例を挙げるとイマジネーション障害の中に「過去から現在、未来へのタイムトラベルが苦手」という障害があります。このタイムトラベルの考え方に基づいて、可視化されていない計画を、自分で考える必要性が求められる場面が仕事の場では増えてきます。「タイムトラベル」とは過去の経験をもとに今後の展開を予測して、今やるべきことを考えることです。実際の仕事の場でいうと、「この仕事をやるのなら、次にあれをやることになるはずだから準備しておこう」「この仕事は〇〇迄に完成できるだろうから、次の準備をそろそろしておこう。」などの、見通しや段取りについての考え方です。現代では自分で企画を立て段取りを決め、仕事を自身で進めていく能力が求められます。では仕事を続けていく上でどのような対処法を行えばよいのでしょうか。例えば仕事の進め方を図示したフローチャートを作り確認してもらう、やることリストを時系列でタスク化するなどが挙げられます。

③今日から使える対処法

では最後にワーキングメモリの支障に対して今日から使える対処法をご紹介していきます。ご自身のワーキングメモリ支障の特性(ワーキングメモリの容量がもともと少ないのか、容量に支障はないがインプットする情報量が発達障害の特性から多すぎて、パンクしてしまうのか)によっても、効果や効果が出てくる期間が異なってくると思います。まずは取り組んでみて検証することをお勧めします。

想起するための手段(ツール)を持つ。→想起のきっかけを作る:例えばリマインド機能を使う。

メモをとる。→情報と記憶のネットワークを強固にする。そもそもメモ取るのが難しい方にお勧めのメモの取り方として行った訓練があるので、一つご紹介したいと思います。

メモの取り方として例を挙げて説明します

口頭の指示や早口の仕事説明、朝礼時の重要な申し送りなどメモをとるシーンは、仕事の場では多いと思います。「聞き取れた単語だけを並べてしまう」「書いたメモを見ても、何を書いてあるか分からない」「メモを見ながら指示を復唱して確認したいのにできない」このような困りごとに対しては「あらかじめ書く内容を決めておく」ということをお勧めしています。

メモ帳をいくつも持つと、「何をどこに書いたか分からない」など、必要な時にメモを見つけることに時間がかかってしまったり、「メモ帳をどこに置いたか分からなくなった」などの困りごと事態も増えるリスクがあります。「メモはこのノートだけ」と決めておくと、探す時間やチェックする手間も短い時間で終えることができます。さらに「書く内容」を決めておく、項目を表にして、見やすいようにすることも工夫の一つとしてお勧めします。実際のメモの例を下にご紹介します。

日付名前要点内容
7/2川本さん子ども会こども会費は7,8月のみ集める。
15日までに500円!
 3川本さん子ども会今年のチキリンは〇丁目は参加します。
 3鶴本さんUSBデータ去年の研究データとシート欲しい。
→4日 18:30取りに来る。
 5櫻井さんトウモロコシ昨日トウモロコシもいだ。
6日、19時取りに来る。

このように表を作っておくと、実際にメモをとるときに表を埋めていく感じで、スムーズに必要事項を記入することができます。また「こども会費のこと言ってきてくれた人誰だったかな」「トウモロコシ持ってきてくれる人、誰だったかな」「鶴本さん、何の用事で連絡があったんだっけ」など、用事の一部を忘れてしまっても、メモの表をみればすぐに確認ができます。終了した仕事や終わった用事をチェックする欄も作っておきます。この表の良いところは用事自体を忘れてしまっても、例えば朝や決めた時間にメモを見ることでチェックされていない、つまり終わっていない仕事や用事も把握できるという点です。さらにメモをとることで「忘れてしまっても大丈夫」という安心感も得られ、ワーキングメモリ事体にも負荷がかかりにくくなります。

今回のブログでお伝えしたように、訓練では発達障害の困りごとに対して、実際に使える対処法の紹介や、自分に合った工夫についても一緒に考えたり、検証していく訓練を提供しています。(3つのコース:ライフスキルコース、ワークスキルコース、リクルートコースがあります。)

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興味がある方や仕事に関する困りごとや、発達障害の特性から日常生活で悩んでおられる方など、一人で抱え込まず、是非相談してみませんか。

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