高次脳機能障害について
こんにちは。
ディーキャリアITエキスパート京橋オフィスです。
ディーキャリアは、発達障害に特化した就労移行支援をおこなっており、発達障害に強いというだけでなく、他の障害をお持ちの方もたくさんおられます。ディーキャリアITエキスパート京橋オフィスでは、うつや不安障害、軽度知的障害や高次脳機能障害などさまざまな障害をお持ちの方が日々訓練を受けております。
その中でも、今回は特に「高次脳機能障害」にクローズアップしてお話ししたいと思います。
◆「高次脳機能障害」…という言葉を聞いたことはありますか?
脳とついているので、脳の障害かな?と見当をつけられる方が多いかと思います。
私は以前、精神科に務めておりましたので何度か関わったことはありましたが、地域での支援をしていると、あまりその障害について詳しく浸透はしていないように感じます。
「高次脳機能障害」とは皆さんが見当された通り、脳の障害です。
脳には、さまざまな機能があります。周りの出来事を理解して行動する。目で見て、耳で聞き、状況を把握し、過去の経験と照らし合わせどのようにするかを決定し、考えた上で行動するといった脳の働きを『高次脳機能』といいます。この機能が病気やケガによって障害されて上手く機能しなくなることを認知障害といい、高次脳機能障害もその一つです。
脳の中の障害なので、頭の中で起こっていて、どんなものなのかよく分からないと思われがちですが、高次脳機能障害をお持ちの方の見慣れない行動に焦点をあてることで、見える障害になります。
◆ 高次脳機能障害の主な症状
高次脳機能障害には四つの主な症状として記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害があります。
記憶とは物事を覚えてそれを貯蔵し、それを思い出すという一連の働きのことを指します。
記憶障害の特徴としては、
〇約束を守れない・忘れてしまう
〇大切なものをどこにしまったかわからなくなる
〇他人が盗ったと言う
〇作り話をする
〇何度も同じことを繰り返し質問する
〇新しいことを覚えられなくなる
といったことがあげられます。
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注意障害はとても重要な障害で、一般的にいう注意集中や、何かに注意を向けるといった注意の障害です。
また、注意には4つの働きがあり、持続、分配、選択、転換に分類されます。
特徴としては、
〇他人に興味をもち、くっついて離れない
〇隣の人の作業に、ちょっかいを出す
〇周囲の状況を判断せずに、行動を起こそうとする
〇エレベーターのドアが開くと、乗り込んでしまう
〇作業を長く続けられない
〇他の人の話を、自分のことと受け取って反応する
などがあります。
注意の持続が保てなくなるとすぐに疲れてしまい、長い時間物事に集中して取り組むことができなかったり、根を詰めて作業することが難しくなります。注意を振り分ける「分配」ができないことで、一般的には容易にできるはずの二つのことを同時にできなくなります。
また、いくつかあるものの中から選ぶ「選択」も注意の働きですが、障害されると細かい一覧表の中から目的の事項を探すのが苦手になります。注意を適切に別のことに移動させて次の行動に移すが、これがうまくいかなくなると、ひとつのことに気を取られているうちに大事なことが起きても気づかずに終わってしまいます。
本人の行動の特性としては、疲れやすいことに集約されます。一つの作業に対して、うんざりした言動や仕草、あくび、雑音などの気を散らすような要因にむけて怒鳴り声をあげたり、周囲とケンカをします。
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次に、遂行機能障害は実行機能障害ともいわれ、物事の段取りを立ててその通りに実行していくことが困難になる障害です。自分でスケジュールを立てて、実行するということに困難が生じます。
〇約束の時間に間に合わない
〇仕事が約束通りに仕上がらない
〇自分で計画を立てて、実行することができない
〇指示してもらわないと何もできない
〇言われたことしかできない
〇どの仕事も途中で投げ出してしまう
〇これまでと違う依頼をすると、できなくなってしまう
などが特徴になります。
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次に社会的行動障害には多岐にわたる症状が含まれます。感情のコントロールの低下などがあります。
〇興奮する、大声を出す、暴力を振るう
〇思い通りにならないと、決まって大声を出す
〇他人につきまとって迷惑な行為をする
〇支援者に恋人になれと強要する
〇不潔行為やだらしない行為をする
〇自傷行為をする
〇自分が中心でないと満足しない
などの特徴が見られます。
以上の記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害の4つが主な症状です。
◆ 症状に対する対策
では、高次脳機能障害の症状に対して、どのような対策があるのでしょうか?
すぐに忘れてしまう…新しいことが覚えられない…という症状をよく聞きます。
何度も同じことを繰り返し質問する場合は、まずはそれが障害からくる不安によるものだということを周囲が共通して知ることが大切です。忘れてしまうかもしれないという不安で、思いついたことをまず口にしてしまうことも同じです。忘れてしまう前に、メモを取るように促します。本人がメモをすることができなければ、家族や支援者がメモを作成して本人の目に触れるところに置きます。
次に、注意障害ですが、特徴は疲れやすいことでした。
作業をおこなう際には時間を短く区切ることが重要です。短く区切り、休憩をこまめにとります。事業所で同じ障害がある人などと一緒に作業をする場面で、どうしても気が散るようであれば、作業する場所を別に設ける、周囲の人にあまり話しかけないように理解を求めるなどの配慮を行うことも有効です。
次に遂行機能障害ですが、一日のスケジュールを組むことや、作業の段取りを組むといったことに困難があります。遂行機能障害のある人は適切に指示を提示すればかなりの作業ができ、家庭であれば日常生活を円滑に送ることができるようになります。1日のスケジュールを組み立てることができなければ家庭や支援者が作成し、それをきちんとメモにして渡します。段取りや作業の手順があればできるような場合はそれを作成し、見やすいように提示します。
次に社会的行動障害は環境の整備が大切になります。感情コントロールの低下に対しては、この症状により激怒するという出来事は、丁寧にその状況を記録すれば必ず共通したきっかけが浮かび上がってきます。例えば…周囲の人の何気ない一言が激怒させるといったことであれば、むやみに非難しないことを家族や周囲の人が心掛ける必要があります。
いずれにしても、しっかりと行動を観察し、どこに困りごとがあるのかを把握することが重要ですね。
ディーキャリアITエキスパート京橋オフィスでは、その方、お一人ひとりのお困りごとに合わせた支援をおこなっております。
就労へ向け、必要な知識・スキルを身に付け、良い環境で長く安定して就労生活が送れるように万全のサポートをしていきます。
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