【大人の発達障害】怒られるとフリーズしてしまうあなたに知ってほしい3つの対処法
怒られるのって嫌ですよね。
家庭の中で、学校で、職場で、私たちは様々な場所で「怒られる経験」をすると思います。
お母さんから「部屋をちゃんと片付けなさいって言ったでしょ!」って叱られたり。
学校の先生から「廊下は走らないでください」と注意されたり。
そして就職すると、時には上司から、業務上の指摘を受けたりすることがあると思います。
怒られると、「なんで?」「嫌だ」「逃げたい」という負の感情が沸き上がったり、
「本当は違うのに!」と弁明したくなったり、
いろいろな感情がこみあげる中で思考がフリーズしてしまい、
その場でどうふるまえばよいかわからなくなってしまう経験はないでしょうか。
本当はパニックに近い状態なのに、表情としては涼しい顔になってしまうため、
ちゃんと聞いていないように見えたり、反省していないように見えたりして、
さらに怒られてしまう経験をしたことがある方もいるかもしれません。
実はこの悩み、発達障害のある方には多いお悩みなんです。
今回は、この「怒られた時のフリーズ問題」の原因と対策について解説していきたいと思います。
◼️発達障害とは
発達障害とは、
生まれつきの脳機能の発達の偏り(凸凹)により、日常生活に支障をきたしている状態を言います。
発達障害のある方は、
よく「自分の努力が足りないからダメなんだ」と思ってしまったり、
またはその家族の方が「私の育て方が悪かったから……」と自分を責めてしまうことがありますが、
そうではなく、「脳の機能特性としての苦手」であることを理解することが重要です。
発達障害には、以下の3つの分類があります。
- ADHD(注意欠如・多動性障害)
- ASD(自閉症スペクトラム障害)
- SLD(限局性学習障害)
この3つの発達障害について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も読んでみてくださいね!
▶︎【大人の発達障害】当事者が感じる「生きづらさ」とは?症状や診断・相談先をご紹介!
では、この発達障害と「怒られたときのフリーズ」にはどのような関係があるのでしょうか。
◼️フリーズしてしまうのはなぜ?
東洋経済オンラインの記事(『発達障害の部下を叱っても全く無意味な理由』)でも
「叱られると思考停止してしまう」という当事者の体験談が紹介されているように、
指摘を受けるとフリーズしてしまうという発達障害当事者の声はかなり多いです。
では、「なぜフリーズしてしまうのか」について、3つのパターンをご紹介します。
①「怒られた!」「注意された!」というショックで思考が停止してしまう
怒られる、注意されるのは誰でも嬉しくはないものです。
怒鳴られたというわけではなく、指摘されただけでも、
「言われてしまった」というショックを受ける方もいるのではないでしょうか。
とくに、発達障害のある方は注意欠如の傾向やコミュニケーションの苦手から、
人より叱責される経験があり、「注意」「指摘」自体に苦手意識を持っている場合もあるようです。
そのため、注意された瞬間に過剰反応を起こし、極端な自己否定に陥ってしまったり、
あるいはショックから自分を守るために思考をシャットアウトしてしまうこともあります。
【ポイント】
このような時、「指摘されたことへのショック」が先行してしまっているため、
肝心の内容をきちんと聞けていない・理解できていないことも多く、
「ちゃんと聞いていなかったのか」とさらに叱責される原因になってしまいます。
また、防衛反応として思考をシャットアウトすることにより、
指摘されているのに涼しい顔に見えてしまったり、改善する気がないように見えてしまったりすることも。
②反発する気持ちを抑えている
また、何も言わずに黙っているという行動の裏には、
反駁したい・自分の言い分を聞いてほしいという気持ちを懸命に抑えているということもよくあります。
「本当はこうだったのに」「自分だって頑張ったのに」「事情があったのに」など
相手にわかってほしい・伝えたい気持ちが胸の中でいっぱいに溢れている状態なのです。
しかしそれをそのままに発言すると「言い訳をしている」と捉えられてしまったり、
感情的になってしまうかもしれないというおそれから、
言いたいことをぐっと我慢して押し黙ります。
その結果、「注意されているのに何も言わない」「反抗的だ」と
誤解されてしまうケースが多いのです。
【ポイント】
反論や不満・怒りをこらえているため、表情としても険しい表情になってしまうことがあります。
そのため、「注意を素直に受け入れる気がない」と見えてしまいやすいです。
また、防衛反応として怒りや不安な気持ちから自分を切り離して、
心にシャッターを下ろしている状態の場合、能面のような無表情になってしまう場合も。
相手からすると、「本当にちゃんと聞いているのか?」と疑いたくなったり、
「自分の忠告を聞き入れる気がない」と誤解してしまうことがあります。
③適切な振る舞い方や返答がわからない
その場における適切な振る舞い方がわからないために黙っている、というケースもあります。
これはとくに、コミュニケーションの苦手
(人の気持ちや空気を読み、その場に応じて適応することへの苦手)の特性がある方に多く、
叱責や指摘をされるという場面でどのように振る舞うのが適切なのかがわからず、
押し黙ったり、「わかりました」という言葉一つで片付けてしまったりします。
また、相手が望む返答をしようと過剰に気を使いすぎた結果、何も言えなくなっていることも。
どういう言葉や振る舞いをすれば相手が納得してくれるのか考えすぎた結果、
頭がパンクして言葉が出なくなってしまうのです。
◼️フリーズしてしまった時はどうすればいい?対処法3選
指摘される・怒られるとフリーズしてしまう、その理由を見てきました。
しかし、何も言えずに黙っていると、
相手からは「無視している」ように見えたり、「改善する気がない・聞き入れる気がない」と誤解されてしまったりと、いいことがありません。
それでは、どのように対処するとこの状況を打開できるのか、
解決策を探していきましょう。
①相手は自分を嫌っている・否定しているわけではないことを思い出す
まず、前提として、相手は自分が憎い・嫌いだから注意しているわけではないことを思い出すことが大切です。
気まぐれに相手に当たり散らすような上司・同僚でないかぎりは、
注意や叱責の背景には必ず理由があります。
「今後に向けて改善した方がいい」「一緒に仕事をしていく上で改める必要がある」と思ったからこそ
言ってくれているということを思い出してみましょう。
また、指摘=人格や行為の否定ではないということも重要なポイントです。
まずは深呼吸をして、「自分が否定されているわけではない」と心の中で唱えてみましょう。
②まずは「受け止めている」というリアクションを先に返す
何か指摘を受けたときには、まず「受け止めている」というリアクションを返してみましょう。
心から思えなくても、とりあえずは言葉だけでも大丈夫です。
「受け止めている」ことを伝えるための具体的な言葉としては、以下のようなものがあります。
- 「すみません」「申し訳ありません」などの謝罪の言葉
- 「ご指摘ありがとうございます」という感謝の言葉
- 「承知しました」「わかりました」など理解したことを伝える言葉
- 「おっしゃるとおりです」「たしかにそうですよね」などの相手の発言に同調する言葉
「本当は違うのに」「こっちにだって事情があるのに」「そんな言い方ひどい」など、
言いたいことがたくさん頭の中を埋め尽くしているかもしれません。
しかし、その言葉をその感情のまま発言してしまうと反発しているように捉えられてしまったり、
相手も嫌な気持ちになって感情的になってしまったりと、あまりいい結果にならないことがほとんどです。
まずは一言、「あなたの指摘を受け止めています」と伝える言葉を言ってみましょう。
【ポイント】
心から賛同できない・納得できないなど、最初は気持ちが伴わなくても大丈夫です。
「あなたの指摘をちゃんと聞いていますよ、受け止める気がありますよ」というサインを出すことが大切です。
「注意する」「指摘をする」という行為はエネルギーを使うものなので、
「労力を使って自分の改善点を教えようとしてくれている」ということにまずは感謝を伝えてみましょう。
③別途時間をとって後で確認することを伝える
指摘された内容について言いたいことがあるけれど、その場で伝えると感情的になってしまいそうなときは、
別途時間を設けて冷静になってから伝えるのが良いでしょう。
②で紹介した「相手の指摘を受け止める言葉」を言ってから、
「きちんと確認してからお話ししたいので、後でまたお話しできますでしょうか」などと伝えましょう。
相手からも「しっかりと確認して対処しようとしている」というように捉えられます。
【ポイント】
頭に血が上ってしまっている、または混乱状態でうまく言葉が出そうにないと思ったら、
一旦時間を置くのが有効です。
事実を確認し、自分なりに言いたいことをまとめてから伝えることで、
感情的になって印象が悪くなるリスクを下げられますし、
また事実確認をしっかり行ってから話すことで、より質の高い議論をすることが可能です。
◼️仕事・就職活動についての悩み、ディーキャリア がサポートします!
ディーキャリア は、障害のある方の「働く」をサポートする就労移行支援事業所です。
基本的には、障害があり現在離職中で就職を目指している方が対象で
実際に利用する場合には、お住まいの自治体に利用を申請し、
希望するサービスの利用を認定された障害福祉サービス受給者証の発行を
受ける必要があります。
前年度の世帯収入により、利用負担額が変わります。
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上記のようなサービスを、原則として24カ月(2年)の間、利用することができます。
もっと詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
▶︎就労移行支援事業所と職業訓練の違いとは?利用要件や費用、メリット・デメリットを整理
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ビジネスマナーに沿ったオフィスルールを設けることや
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実際に働くときの空間に近しい環境を作っています。 - 発達障害の特性に応じたコンテンツ
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「働きづらさ」に工夫ができます。
発達障害のある方の退職理由をヒントに、
「働きやすさ」を目指すための独自開発プログラムを用意しています。
ディーキャリア では、就労のためのステップとして3つのコースをご用意しているほか、
ひとりひとりの障害特性に合わせ、個別のサポートもおこなっています。
詳しく知りたい方は、ぜひこちらもご覧ください。
▶ディーキャリアの特徴を詳しく見る
▶︎ディーキャリア の3つのコースについて詳しく見る
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▶︎ディーキャリア ITエキスパート中野オフィスの特徴・強みはこちら
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ディーキャリア ITエキスパート中野オフィスでは、個別相談会(対面・オンライン・電話可)を随時開催しています。
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JR・東西線 中野駅より徒歩8分
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