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「不安」で何も手がつかなくなるあなたへ~大人の発達障害者が「不安」に対処するには~【後編】

こんにちは、中野オフィスです!

前回に続き、私たちを悩ませる「不安」に着目し、
発達障害のある方はなぜ不安が強いのか、そのメカニズムと、
その「不安」にどう対処したらよいのかを考えていきたいと思います!

今回もADHD当事者支援員の私井上と、
普段サービス管理責任者として利用者様の支援に関わる遠藤、
そして、支援力はディーキャリアいちと自負する管理者の大橋の3人で、
このテーマを話し合っていきます。

ディーキャリアは、なんと言っても発達障害の特性に応じたプログラムを提供する就労移行支援事業所!
発達障害の診断を受けているあなた、あるいは「発達障害かも?」と思っているあなた、

ぜひこの記事を読んでみてください!

 

◆ADHD(注意欠如・多動性障害)型不安の対処法

井上:前回は、発達障害の方はなぜ不安が強いのか、そのメカニズムを、
障害特性を踏まえて分析してみました。(詳しくは、前回の記事「「不安」で何も手がつかなくなるあなたへ ~大人の発達障害者が「不安」に対処するには~ 【前編】」をご覧ください!)
それでは、実際にどう対処したらよいのかについて、考えていきたいと思います。

井上:まずは、ADHD型の不安について、考えてみたいと思います。
ADHDの方は、思考面の多動からどんどん不安がひろがってしまい、
ワーキングメモリの少なさからそれを処理しきれず、パニックになってしまう方が多い、ということだったと思います。
こちらは、本人としてはどういうふうに対処するのがよいでしょうか?

大橋:それはサービスの管理責任者の方がばっちり答えてくれますので。

遠藤:やばい(笑)
基本的には、人と話して、思考の交通整理をしてもらうのが一番手っ取り早いんじゃないかなと思います。
井上さんも、私や大橋さんに話すことで、頭の整理をしていますよね。
そこをしてくれる人を見つけるっていうのがいいんじゃないかな。
あとは、紙に書き出してみたりして、頭の中だけで考えるんではなく、可視化するのも大事ですね。

井上:なかなかそれに付き合ってくれる人を見つけるのも難しいですよね。
障害理解などの専門知識が必要な気もしますし……。
そういう人をどう探したらいいのかわからない人には、どうアドバイスしますか?

遠藤:社会資源(医療機関、就労移行支援などの福祉サービス等)に頼るっていうのが一つですよね。
ただ、社会資源のほうで対応がしっかりできるかは別の話ですが、試してみることはできると思います。
私と大橋さんは、井上さんの不安の相談に相当の時間を使ってお付き合いしていますが、
解消できてないっていうのが現状ですもんね(笑)
力量不足です……(笑)

井上:すいません!私の不安が強すぎて(笑)

大橋:まあ、頭の中だけで考えるっていうだけは、やめたほうがいいよね。

遠藤:外には出したほうがいいですよね。
自分の中でぐるぐるさせずに、人に話すとか、書き出すとか、アウトプットさせたほうがいいです。

大橋:あとは、一個ずつ切り分けるのが大事ですね。
不安な人って、絶対一個だけのことで不安になってないんですよ。
「これも不安で、あれも不安で、あれもこれもそれも……」っていろんなことをごっちゃにしてパニックになっているので、
一つずつ切り分けて考えるっていうのは、マストですね。

井上:じゃあ対処法としては、一個ずつ不安を書き出していって、
これについてはこう対処する、あれについてはこう対処する……みたいに、
一つずつ整理していくようなイメージでしょうか。

大橋:そうね。基本的には。

 

◆ASD(自閉症スペクトラム障害)型不安の解消法

井上:ありがとうございます。
ASDタイプの不安に関しては、どう対処したらいいのでしょうか。
ASDの方の場合は、失敗体験などから誤学習してしまい、
「こう行動したらこうなるだろう」と思い込んで、不安になってしまうということだったと思います。

遠藤:まず一つは、第三者視点からの意見を聞くということですね。
それによって、自分にはない視点のものの見方を知るということが大事かなと思います。

井上:なるほど。
では、自分でできる対処法としては、自ら他の人に聞きに行って、
自分にはない視点を探しに行くということですかね。

 

◆起こっていないことは考えない!

大橋:あとは、いつも言ってるけど、起こってないことは取り扱わないというルール設定をしたほうがいいよね。
それが起こったときにどう対処するかを決めておくのはいいけど、
起こってないことをずっと考え続けるのはムダだから。

井上:もしかしてこうなったらどうしよう~!っていう可能性を、ずっと考え続けてしまったりしますね……。

大橋:そうそう。まだ未来形の、「起こってないこと」に関しては、
起こるまでは取り扱わないというルールを決めたほうがいいかなと思います。

 

◆不安視していたことが起こらなかったという経験をすることも重要

大橋:不安に思っていたことが、実際蓋を開けてみれば大丈夫だったという経験をすることも大事ですね。
「不安ってどうしたら取り除けますか?」って利用者さんからよく聞かれますが、
そんな特効薬はございません、というのが答えです。
不安視していたことが実際には起こらなかったという経験を何度も積むと、
自分の中でも「あの時も大丈夫だったから、今回も意外と大丈夫かもしれない」と思えるようになるかもしれません。

井上:確かに、支援の中でも、「○○が不安なのでできません」とおっしゃる方に対して、
不安視している事柄に対する対策を打ったうえでチャレンジしていただいて、
そしたら意外とできた、ということがありましたよね。
「あんなに不安だったけど、ちゃんと対策打ったらできたよね」という成功体験を積むことが重要だということですね。

 

◆自分の問題に注力する

遠藤:あとは、自分の問題に注力するっていうことが意外と大事ですね。
井上さんもそうですが、他の人のことで不安になっている方がわりと多い気がして。
「AさんとBさんがこうなったらどうしよう」などの人間関係で悩む人が多いですが、
悩みごとに優先順位をつけて、自分に関係のあることだけ悩むようにする、というのもいいかもしれません。

井上:たしかに。

遠藤:利用者さんの中にも、他の方のことを心配して自分の作業に集中できなくなる方がいたことがありますが、
そこは他人の問題だと割り切って、自分には関係ないことは考えないようにしたほうがいいのかなと思います。

 

◆「不安」に対するディーキャリアの訓練

井上:ありがとうございます。
ディーキャリアのカリキュラムの中で、不安への対策に対応しているところもありますね。

大橋:「問題解決」や「リフレーミング」があります。

遠藤:「問題解決」は読んで字のごとく、何か問題が起こったときにどう解決するか
「リフレーミング」は物事の見方や捉え方を変えることでそれらの意味を変化させて、気分や感情を変えるという訓練ですね。

大橋:リフレーミングの訓練でも行いますが、
「事実起こったこと」と「自分の認知」を分けることが、不安の対処としてはかなり重要だね。

遠藤:不安に思っていることが、「事実起こること・起こったこと」なのか
「自分が起こりそうだと思っていること(認知)」なのかを整理するだけでも、だいぶ違いますね。

 

◆まとめ

【不安への対処法】
・ADHD型不安→人と話して思考の整理を手伝ってもらう or 書き出して可視化
・ASD型不安→自ら他の人に聞きに行き、自分にない視点を探す
・起こってないことは考えないというルール設定をする
・不安視していることへの対策を打ってチャレンジし、成功体験を積む
・まずは自分の問題に注力する
・事実と認知を切り分ける

いろいろと対処法が出てきましたね!
ディーキャリアでは、障害特性を踏まえて困りごとの原因を探り、
一人一人にあった対処法を日々支援の中で探しています。

よろしければ、体験・見学に来てみませんか?
お待ちしています!

 

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