「作業が完了できない・すぐ取り掛かれない」ADHD特性によるもの?|先延ばし癖の解決方法
学校や会社、プライベートにおいても、やらなきゃいけないことを先延ばししてしまい
締切りが守れない、つい遅刻してしまう、仕事が終わらないことはありませんか?
特にADHDのある方はこの傾向が出やすく
この苦手さは仕事や生活の面で顕著に現れることがあります。
この記事では
そんな発達障害の特性としての「先延ばし癖」
という問題に焦点を当て、その原因と対処法についてお伝えします。
このような人におすすめの記事です。
「疲れやすく、体力が持たない」
「やる気が出づらく、何事に対しても億劫」
「先延ばし、後回しで締め切りが守れない」
「そんな自分に対して怠け者だと感じている」
実はそのような傾向は
発達障害の一つである「ADHD(注意欠如・多動性障害)」の特性である可能性があります。
この傾向に対処するために必要なことは、正しい自己理解の対処です。
必要以上に自分を責めないためにも、
なぜつい先延ばしをしてしまうのかその原因、先延ばしの対処方法を見ていきましょう。
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ディーキャリア 新潟オフィスは大人の発達障害に応じたプログラムの就労移行支援事業所です。
精神障害・発達障害を対象に就労支援を受けることができ、 「働き続けるためのプログラム」で高い職場定着率を実現しています。
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目次
1.発達障害(ADHD)の特性について
発達障害は主に「自閉症スペクトラム障害(ASD)」「注意欠如・多動性障害(ADHD)」
「限局性学習障害(SLD)」に分類され、発達障害の併存をする場合もあります。
今回はその中でも「注意欠如・多動性障害(ADHD)」について
どのような特性があり、どんな苦手さが出るのか
不注意・多動・衝動性の3大特性から見ていきましょう。
特性1 不注意
その名の通り「適切な対象に注意を向けたり、集中を保持することが難しい」傾向のことです。
この特性傾向があると以下のような症状が発生しやすくなります。
- 学業、仕事や他の活動でミスをしやすい
- 注意を持続させることが難しい
- 話しかけられても上の空
- 物事をやり遂げられない
- 課題や活動を順序だてて行うことが苦手
- 外部からの刺激で注意がそれやすい
特性2 多動
落ち着きなく、じっとしていることが難しい傾向のことを言います。
- 手足をそわそわ動かしたり、もじもじする
- 教室や職場など着席が必要な場面でよく離籍する
- 静かに遊んだり、余暇活動ができない
- じっとしていることができない
特性3 衝動性
自分の行動を制止したり、抑制することが難しい傾向を指します。
- しゃべりすぎる
- 質問の途中で突然答える
- 順番を待てない
- 人の話や活動に割り込む
また、これらの特性が混合して存在している「混合型」というタイプもあります。
これらの特性は、欲求や行動を制御する脳の機能困難が原因であると考えられています。
2・「作業が完了できない・取り掛かれない」先延ばしの原因は?
とはいえ、不注意によるうっかりミス、空気の読めなさが
発達障害のある方の一番の困りごとなのでしょうか?
もちろんミスやコミュニケーションの難しさから問題が発生することもありますが、
特に大きな問題につながりやすい特性の一つとして「先延ばし癖」があります。
訓練生の中にもこの特性に困り感を覚えている方がおり、学生時代レポートの提出が遅れる、
講義の登録を忘れて単位が取れないといった問題や、就労後は締め切りまでに業務が終わらない、
準備が間に合わず遅刻・欠勤してしまう、といった困りごとがあったそうです。
この先延ばし癖の原因は、
ADHD脳の「とにかく疲れやすく、慢性的な疲労とおっくう感がある」特性。
本人は「やらなくてはいけない」という意識はあるものの、
何事に対しても人一倍エネルギーが必要で、やる気スイッチが入らず時間ばかりすぎていく。
「やらなくては」という気持ちに体がついてこないので、周囲から怠け者だと思われたり、
自分自身でも怠けていると感じて、自己肯定感が下がってしまうこともあるようです。
原因として、生まれつき脳の報酬系(生存のために体を動かすための神経系)の働きが
少し弱いため、疲れやすく、おっくう感が強くなりがちなことが考えられます。
意識の問題ではないため根性でどうにかできることではなく、
自分は「疲れやすい」という特性があることを理解し、対策を考えていく必要があります。
3・先延ばし癖の対処方法
対処方法
- 疲れやすい特性があることを把握しておく
- 特性を理解した上でタスク管理をおこなう
- 生活リズムを整えて、疲れが残らないようにする
まず最初におこなうこととして「自分は疲れやすい特性がある」ことを認識して
どのくらい自分が動けるのか、何をするとどれだけ疲れるのか把握しておくことです。
例えば1週間、1時間ごとの疲労度を表やグラフにして視覚化することで、
体力をつかわず取り組めること、体力をかなり必要とすることが見えてくると考えられます。
タスクにおける疲労度の認識ができたら、次は各タスクの疲労度に合わせた
タスク管理をおこないましょう。例えば「掃除」は大きなエネルギーを使うのであれば、
体力が残っている午前中や他のタスクがない日におこなう。
疲労度のグラフで、20時には疲れ果てて体力が残らない傾向があるのであれば
「明日の準備」は20時前におこなっておかないと次の日に慌てることになるでしょう。
仕事も同じで「重要度が高い、緊急度が高い仕事」は体力のあるうちに。
体力を使い果たした後の午後の業務は、自分にとって疲労度の低いタスクを。
自分の疲労特性に合わせたタスク管理をおこなうことができると、
体力不足による先延ばし癖は改善していくことができるでしょう。
また、生活リズムを整えることも大切です。
ADHD傾向のある方は、衝動性や多動からさまざまなことに関心が向きやすく、
遅くまで起きて好きなことに没頭してしまうことがあります。
結果生活リズムの乱れにつながり、疲れやすさも相まって、
疲れをためやすくなってしまうことがあります。
これらの対策を一人でおこなうことは難しいため、
客観的な視点からフィードバックしてくれる支援者・機関や
決まった時間に通所、出勤できるような場所を見つけて
目的意識を持って取り組むことがお勧めです。
4・障害者雇用を支援する機関/発達障害の疑いがある場合に相談できる場所
①ハローワーク(公共職業安定所)
障害のある・なしに関わらず、就職を希望する方に対して、職業相談や紹介をおこなう機関です。
職業相談では専門の職員を配置するなど、きめ細やかな相談をおこなっています。
また支援については、公共職業訓練のあっせんやトライアル雇用などの支援策も活用されています。
②障害者職業センター
障害がある方に対して、ハローワークと協力して就職に向けての相談、職業能力などの評価、就職前の支援から、就職後の職場適応のための援助まで、個々の状況に応じた継続的なサービスを提供しています。自身の職業適性を評価する「職業評価」や休職中の方が企業への復職を図る「リワークプログラム」なども実施されています。
③障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)
障害がある方に対して、就労面と生活面の一体的な相談や支援をおこなう機関です。
関係機関と連絡調整しながら、窓口での相談や、職場・家庭の訪問をおこないます。
就業面では、就労準備や定着支援。生活面では、生活習慣の形成や健康管理・金銭管理などの日常生活の自己管理支援や地域生活の設定について助言したりしています。
④就労移行支援事業所
障害福祉サービスの一つで、就労を希望する障害のある方で、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる方に対して、訓練や求職活動の支援、就職後の職場定着のために必要な相談などの支援をおこなう機関です。標準利用期間は2年となり、基本的には2年間の中で就職を目指します。
ディーキャリア新潟オフィスはこの「就労移行支援事業所」に当たります。
ディーキャリア新潟オフィスでは
ディーキャリア新潟オフィスには、就職して働き続けるための3つのコースがあります。
①ライフスキルコース
②ワークスキルコース
③リクルートコース
まずは「ライフスキルコース」でストレス対処やコミュニケーション、感情のコントロールなど、生きづらさを軽減できるような技術を学んでいただくことになります。
今回の事例でいえばライフスキルコースの「セルフケア」で生活リズムを整えるための支援と訓練により疲れやすさの対処、ワークスキルコースで疲労度とタスク管理について訓練することができます。
①ライフスキルコース
主に「健康管理/日常生活管理/対人技法」を身に着けるコースです。
訓練内容としては
コミュニケーション/考え方/ストレス対処/
目標設定/問題解決/障がい理解/セルフケア/障害者雇用の現状 などがあります。
②ワークスキルコース
ライフスキルコースを修了すると、模擬職場での業務をおこなう中で自身の「働く上での特性や必要な配慮」を探る「ワークスキルコース」に移行することになります。
ここでは主に基本的な労働習慣/働く中での特性課題と配慮の整理/電話応対やPC技能など、
必要な事務能力とビジネスマナーを身に着けることができます。
訓練内容としては
・模擬職場での業務実施(電話応対、オフィスソフトを使った資料作成やデータ分析業務など)
・職場での困りごとに対する対処と配慮の検証・発見と実践
などをおこなうことになります。
③リクルートコース
働くための準備がしっかり整ったら、就職活動のコース「リクルートコース」に移行です。
ここでは主に「職業適性の見極めと就職活動」を支援します
支援内容としては
・履歴書、職務経歴書の添削
・面接練習
・職場実習
などをおこなうことになります。
一人で就職活動、特に障害者雇用で探すとなると、一般とは勝手が違うことも考えられ、大きなストレスになるかもしれません。
リクルートコースでは担当スタッフと個別に相談しながら就職活動を進めることができるので、安心して作業を進めることができますし、わからないことがあれば相談できる環境です。
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