【発達障害】ADHDについて――どんな特性がある?基礎知識を学ぼう(後編)
こんにちは、ディーキャリア新潟オフィス職業指導員の五十嵐です。
前編はこちら
後編ではADHDの特性があると、どんな困りごとが発生しやすく、それに対してどんな対策をしてくとよいのかを見ていきましょう。
【ワーキングメモリーの弱さ】
【問題となりやすいこと】
・聞き漏らす、聞いた情報を整理できない。
・一時的に置いたものを忘れる。
【対策】
・ワーキングメモリーの苦手から、聞き漏らす、忘れるのは仕方ないので、メモやボイスレコーダーなど、道具を使い、記憶ではなく記録しておく。忘れても繰り返し確認できるようにする。
【欲しい配慮】
・指示は少なめにしてもらい、すぐ実行できる環境を整えてもらう。
フィードバックについても同じように、実践したらすぐおこなってもらう。
・ボイスレコーダーなどの道具の使用許可をもらう。
などが考えられます。
【注意の苦手】
【問題となりやすいこと】
・相手の話を聞き続けられない、同じ作業をやり続けられない、周りの物事に気を取られてやるべきことが中途半端になる。
・すでにやり始めたことがやめられない→結果遅刻につながる
・どこに注意を向ければいいかわからず、周りより行動が遅れる
【対策】
・メモやマニュアルを作る際、ポイントを絞って、注目すべきポイントが目立つようにする
・整理整頓やイヤーマフ、ノイズキャンセリングイヤホンを使用するなど、周りに気を取られるものや音がない環境をつくる
・定期的にリフレッシュする
【欲しい配慮】
・指示者にも、ポイントを絞って報告してもらえるように依頼する
・席の配置を、集中しやすい環境にしてもらう、イヤーマフやイヤホンなどツールの使用許可をもらう
・定期的に短時間の休憩許可や、リフレッシュするための対策実施の許可
などが挙げられるでしょう。
【抑制機能の低下】
【問題となりやすいこと】
・思いついた「言わない方がいいこと」「言ってはいけないこと」を不用意に口に出してしまう
・衝動買いやのめりこみ(ギャンブルなど)が起こりやすい
・計画的に物事を進めるのが難しい。
気になるものに意識が行くことで別のことをしてしまう、先延ばしすることにブレーキを踏めずスケジュール通り進められない
・自分の話に夢中になり、止められなくなる。気になることがあると、相手の話に割り込む
【対策】
・自分で止められないのであれば、他者にブレーキをかけてもらう
【配慮】
・衝動性が出ているとき、相手から指摘してもらう。(できなかったことを指摘するのではなく、衝動性が出ている時に、ブレーキを掛けるサポートをしてもらい、成功体験を積むことで自分でも取り組みやすくする)
・衝動性に対する対策について、一緒に考えてもらう
衝動性についての配慮は、企業に求めるのは難しいことが考えられます。
自己対処や支援機関を活用し、適切な支援を受けることで対策していくことをお勧めします。
【まとめ】
これらの特性や苦手さは個人によって異なるため、全てのADHDがある方が、当てはまるわけではありません。
あくまで上記は一例であり、個人で「苦手としやすいこと」が異なるため、発達障害は「他者からわかりづらく、理解されづらい障害」といえるのです。
だからこそ、自分自身は「どのような困りごと」があって、「どんな配慮が欲しいのか」
「課題に対して、自分はどんな対策をしていけばいいのか」、「どんなサポートがあれば働きやすくなるのか」
自分でわかっていて、それを一緒に働く人に伝えていく努力が必要となります。
とはいえ、自分のズレや特性を自分だけで理解して、整理し、伝えるのは非常に難しいです。
もしかしたら自分では「できない」と思っていることが他者から見たらできていたり、「できている」と思っていることが他者から見たらできていなかったりするかもしれません。
つまり「自己理解」と言いながらも、自分のことを本当の意味で理解するためには、「他者視点」や「フィードバック」が必要になってくるわけです。
そんな「自己理解」と「コミュニケーション課題の対策」を一緒にできてしまう場所がここ「ディーキャリア新潟オフィス」です。
一人で悩んでもいい結果はでません。
まずはお気軽にご相談ください。
【あわせて読みたい】
ASD/ADHDをお持ちの方、グレーゾーンの方が抱えやすいコミュニケーション課題については、下記記事で詳しく取り上げていますので、ぜひご覧ください。
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