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【発達障害】ADHDについて――どんな特性がある?基礎知識を学ぼう(前編)

こんにちは、ディーキャリア新潟オフィス職業指導員の五十嵐です。

今回は発達障害の診断名の1つ「ADHD」について、基礎知識を一緒に学んでいきましょう。

【ADHD(注意欠陥・多動性障害)とは】

ADHDは不注意や多動、衝動性などを主な特徴とする障害です。

注意欠陥と多動性の間に「・」が入っているのは、それぞれが別々に診断されることがあるためであり、二つの特性を持っている場合もあれば、注意欠陥だけ、多動性だけを持っている方もいらっしゃいます。

主な症状としては

・不注意――適切な対象に注意を向けたり、集中を保持することが難しい

・多動性――落ち着きがなく、じっとしていることが難しい

・衝動性――自分の行動を制止したり、抑制することが難しい

といった3つのタイプに分けることができます。

多くの場合は両方の特性を持っていることが多く「混合型」と呼ばれます。

【ADHDの診断基準】

DSMー5という米国精神医学会が発行している精神疾患の基本的な定義では、注意欠如と多動性で診断基準がわかれています。

まず注意欠如については以下の6つ以上が該当するもの

・不注意な間違い

・注意の持続の困難

・話を聞いていないように見える

・指示に従えず完遂できない

・順序だての困難

・精神的努力の持続を要する活動を避ける(集中力を必要とする作業を避ける)

・必要なものをなくす

・外部からの刺激に注意を取られる

・日々の活動を怠ける

一つひとつはありふれた特性だが、それが6つ以上重なったものが、日常生活に障害をもたらしている場合、診断まで行くことになる。

次に多動性についても、以下の基準に6つ以上該当する場合

・手足が動く

・離席する

・走り回ったり高所に登ったりする

・静かに遊んだり余暇活動ができない

・制止の困難

・多弁

・質問が終わる前に答える

・順番が待てない

・他人を妨害する

ADHDについても、ASDと同じように「幼少期から症状があらわれていること」、「日常生活に重大な障害があらわれていること」の条件を満たすことが診断の基準になります。

それぞれ独立したものではありますが、ほとんどの場合は「混合型」として診断がつくとのことです。

【なぜ不注意が出てしまうのか】

①ワーキングメモリーの弱さ

ADHDの脳は「ワーキングメモリー」の弱さがあることが多いです。

*ワーキングメモリーとは

一時的に情報を溜めておき、処理する記憶スペースのこと。脳の中の作業スペースといったイメージ。

作業スペースが一つの机だとした場合、机が大きければたくさんのもの(記憶)をおいておくことができ、もののの入れ替えや整理も簡単なのに対して、机が小さければおけるもの(記憶)の数も少なく、入れ替えや整理も難しくなりますよね。

ワーキングメモリーが弱い、ということは、この作業スペースの大きさが小さいということになるので、保持しておける記憶が少ない、記憶の整理や統合が難しい、ということになります。

結果「物忘れの多さ」や「マルチタスクの苦手」、「優先順位づけの苦手」につながるわけです。

②注意の苦手

注意の4つの機能

①注意の選択

どこに注意を向けるべきか

【苦手】適切なもの・ことに注意を向けるのが難しくなる

例・複数のものを指さして「あれ」と指示したとき、適切なものを選択できない

②注意の持続

どのくらい注意を向けていられるか

【苦手】物事に集中し続けることが難しくなる

例・仕事や講義に集中し続けられない

③注意の転換

あるものから別のものへ、スムーズへ注意を転換できるか、切り替えできるか

【苦手】過集中になりやすい、一つのものに集中しすぎてしまい、別のものへ注意を向けられなくなる

例・一つの作業に集中し続け、約束の時間を破ってしまう

④注意の配分

2つ以上のものに同時に注意を向けられるか、気の取られやすさ

【苦手】周りのものが気になる、集中が他のものに引っ張られる

例・仕事中、他者の電話の内容や外からの環境音が気になって自分の仕事に集中できない、別の場所に意識がいってしまう

【なぜ多動性・衝動性が出てしまうのか】

ADHDの脳は行動のブレーキが効きにくい状態

車を居眠り運転しそうな状態をイメージ、ブレーキをうまく踏めない状態で車を運転しているようなもの。→暴走しやすい

本人としては「ブレーキを掛けよう」という意識はあるが、ブレーキがうまくかからないので衝動的な行動をしてしまう。意思と行動がズレてしまうからこそ、本人のダメージが大きくなりがち。

【特性があることで、どのような難しさが生まれるか】

ワーキングメモリーの弱さによる苦手

・聞き逃し、記憶の上書きによる「物忘れ」

・情報整理の苦手さによる「順序だて、優先順位付けの困難」

・記憶保持の苦手さによる「忘れもの、紛失、遅刻の多さ」

ワーキングメモリーの容量不足で、情報処理しきれないことから、課題が発生しやすくなる。

PCで容量の大きいデータをダウンロードするとき、PC自体の処理速度が遅かったり容量不足だと、莫大な時間がかかったり、フリーズしたり、データをダウンロードできなかったりするイメージ。

注意の苦手から、優先順位付け、集中の難しさ

どこに注意を向けていいかわからないので、どれが優先度が高いかわかりづらかったり、逆に一つのものに集中しすぎて他に注意が向かなくなる(過集中)

あるいは優先順位づけはできているが、作業中に別のものに注意が行く、ワーキングメモリーの弱さで作業を忘れてしまい、作業の完遂が難しい。

抑制機能の低下

行動にブレーキがかかりにくく、やってはいけないと分かっていても、思わずやってしまう。

日々の行動を怠けてしまうのは、「やらなくてはならない」とわかっていても、「やらない」選択肢をとってしまうため。

今回はここまで。次回はこのような特性があると、どのような課題が現れて、どんな対策をしていけばよいのか、整理していきましょう。

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