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【発達障害】ASDについて――どんな特性がある?基礎知識を学ぼう(前編)

こんにちは、ディーキャリア新潟オフィス:職業指導員の五十嵐です。

今回は発達障害の診断名「ASD」について基礎知識を一緒に学んでいきましょう。

【ASD(自閉症スペクトラム障害とは)】

対人関係や社会的コミュニケーション障害、想像の困難や興味の偏りなどを特徴とする障害のこと。

この時点で難しい言葉が出てきていますが、後で詳しく説明しますので一旦はそういうものがある、という認識でいてください。

そもそも自閉とは

言葉のイメージから「自身の内部に閉じこもる」といったイメージを持たれがちですが、「自分の中で自己完結的に行動してしまう」という意味あいがあります。

だからこそ「自分本位」「人の気持ちがわからない」「空気が読めない」など、と言われてしまうことが多いのですね。

しかし、この特性は必ずしもデメリットばかりではありません。

「周りの空気を読めない」、「相手の感情に流されない」ということは、「周りの意見や感情、損得に流されず、自分の意見を主張できる」ということでもあるのです。

【ASDの診断基準】

DSM-5という米国精神医学会が発行している精神疾患の基本的な定義によれば、診断基準は4つあります。

まず1段階目の条件として

1社会的コミュニケーションが苦手

2対人相互反応が苦手

この二つの条件を満たしていないと、そもそも診断はつきません

上記2つを満たしたうえで2段階目の条件を2つ以上満たすと、診断がつくことがあります。

1同じ行動を何度も繰り返す、強いこだわりがある

2興味関心が非常に限定されている

3感覚鈍麻または過敏がある

これらの条件を満たしたうえで、

・幼少期から症状があらわれていること(気づかれるのは成人になってからの可能性あり)

・日常生活に重大な障害が生じていること

以上の条件を満たしたうえで、本人、家族からの聞き取りや心理検査の結果を総合的に判断して、診断がつくことになります。

【社会的コミュニケーションの苦手とは】

コミュニケーションは「言葉」以外にも「表情」「身振り手振り」など、さまざまなもの・ことを使っておこなわれます。

この言葉以外でのコミュニケーションが理解しにくいことを「社会的コミュニケーションの苦手」と呼び、発達の特性としてよく挙げられる「表情が読めない・出しにくい」がこの社会的コミュニケーションの苦手さ、に影響していると考えられます。

空気が読めない、人の気持ちがわからない、という苦手さに影響する部分ですね。

【対人相互反応の苦手とは】

自然と他の人の気持ちになってしまう、という脳の機能→対人相互反応

例えば、泣いている人がいれば自分も悲しい気持ちになったり、映画やドラマで人が傷つくシーンで自分が傷ついたわけじゃないのに、自分も痛みを覚えたりゾクッとしたりすることがありますよね。

対人相互反応が苦手ということは「他人の気持ちを自然に察することが難しい」、つまり「定型発達の人に比べ、他人の気持ちに鈍感である」ということになります。

【ではなぜこのような苦手が発生するのか】

ASDの脳は「シングルフォーカス」「シングルレイヤー」「ハイコントラスト」の特性があるのではないか、と言われています。

それぞれ

シングルフォーカス→意識を向けられる範囲が極端に狭い

車を運転しているときをイメージしてみてください。

一般道を走るときは、周りの景色や歩行者の動き、お店など広い景色を見るのに対して、高速道路を走るときは、目の前の車や隣の車線といった狭い範囲に集中すると思います。

シングルフォーカスの特性を持っている人は、常に高速道路を走っているような見え方、狭い範囲に集中してしまうイメージです。

シングルレイヤー→一度に一つづつのことしか考えられない

例えば、皮肉や嫌味が通じないのはこの特性が影響しているかもしれません。

皮肉や嫌味は言葉ではいいように伝えながら、表情や裏の意味を込めて、相手に攻撃的な伝え方をすることを指しますが、理解のためには ①言葉の意味を理解する ②相手の表情を理解する ③裏の意味を推察する といった複数処理を必要とします。

シングルレイヤー傾向がある方は、①のみを処理し、②、③まで処理できないので、相手の行動のズレから非難されているということを理解しづらくなるということです。

例・(仕事が遅い相手に、貶す意図で嫌そうな表情で)「毎日遅くまでよく頑張ってるね」という嫌味に対して、嫌そうな表情=言葉通りの意味ではない、がわからず、言葉通りの意味だけを捉えて「褒められている」と捉える

ハイコントラスト→白黒思考、0,100でしか物事を考えられない

仕事が完璧にできていないと、自分はこの仕事ができないと考えたり、挨拶をしたのに返事がないと相手から嫌われていると考えるような捉え方。

例えば、40キロ制限の道路を多数派の人は道路状況を見ながら、他の車の速度に合わせたり、少し速度をオーバーして走ることもあるかもしれませんが、ハイコントラスト傾向がある方は、40キロ制限と言われたら、40キロ以上は絶対に出してはいけない、と捉えてしまうことがあります。

明文化されたルールに厳格なのに、暗黙の了解にはルーズになってしまう、という方はこの特性が影響している可能性があると考えられますね。

【特性があることで、どんな難しさが生まれるか】

シングルレイヤーがあることで、言葉を聞きながら言葉以外の表現を同時に理解する「社会的コミュニケーション」が苦手となりやすく、コミュニケーションの苦手でもお話した「相手がつまらなそうにしているのに自分の話をし続けてしまう」「場の空気に合わない発言や行動をしてしまう」といった、空気の読めなさにつながっていくと考えられます。

シングルフォーカスについては、感覚過敏や鈍麻につながり、一つのこと・ものへの執着や同じ行動の繰り返しにつながります。他者から見て、同じ行動を繰り返しているように見えても、本人にとっては過敏な感覚により全く違った世界が見えている可能性があるそうです。

最後にシングルフォーカスとハイコントラストが重なると、狭い興味関心につながります。興味があるもの・ことにしか目や認識が行かず、それが好き・面白いに100意識が行ってしまうことで、強い関心やこだわりにつながるそうです。

今回はここまで。

次回はこのような特性があると、どんな生きづらさ、働きづらさが出てくるか整理していきましょう。

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