ADHD当事者支援員が「障害者雇用で働くこと」について悩んでいるひとに伝えたい3つのこと①
こんにちは!中野オフィスです。
今回は、いつもとは少し違ったテイストで記事をお届けしたいと思います。
私井上は、ADHDの診断を受け、現在障害者雇用として勤務している職員です。
2社を一般雇用として勤務、そして現在のハッピーテラス株式会社は一般枠で入り、
半年後に障害者雇用枠に切り替えました。
発達障害、精神障害と診断されたけど、障害者雇用で就労したほうが自分にとっていいのかな?
でも、障害者雇用って、給与が低いし、どんな職種があるのかわからない……。
この記事を読んでくださっている方の中には、
もしかしたらこんなお悩みを持っていらっしゃる方がいるかもしれません。
一般雇用、障害者雇用、そして障害を開示しながら一般枠として働く、
いわゆる「オープンクローズ」としての就労も経験した私から、
「障害者雇用で働くこと」について悩んでいる方にむけて、
ぜひ知ってほしい3つのことをお伝えしたいと思います。
長くなってしまったので、今回はそのうちの一点目をお伝えします!
二点目、三点目についても記事を書いていくので、ぜひご覧くださいね。
①「障害者雇用の良いところ」は、「私、今困ってます!」と言えるところ
今回いちばん伝えたいところがこれです。
この会社に入る前は、私自身も障害者雇用についてあまり知識はありませんでしたが、
就労支援員として利用者様の就職活動を伴走支援し、
自分自身も障害者雇用として勤務するようになって、
一般雇用とのいちばんの違いとして感じるようになったことが、
「私、今困ってます!」と素直に言えることです。
一般雇用と違い、障害者雇用での勤務には、企業側に「合理的配慮」を講じる義務があります。
「合理的配慮」とは、障害のある人が障害のない人と平等に働けるよう、
一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のことです。
上司や職場に対し、「こういうところで困っています」と相談するのは意外と難しいものですが、
相談さえできれば、話し合ってよりよい環境や配慮を検討してくれます。
就労支援員として、就職した利用者様や企業様とお話しすることが多いのですが、
「困りごとを相談されすぎて困る」という職場は皆無でした。
むしろ、「小さなことでも相談してもらって、不安のない状態で就労してほしい」とおっしゃる職場がほとんどです。
ですので、障害者雇用の強みは、「困りごとの相談がしっかりとできること」であると思います。
では、障害を開示しながら一般枠で働く、オープンクローズはどうなのか?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
障害を開示しているから、そういう配慮をもらえるのでは?と考える方もいるのではないでしょうか。
ここに関しては、私の体験談から言いますと、あまりお勧めはできないです。
理由としては二点。
・あくまで一般雇用であるため、職場に「合理的配慮」を講じる義務はない。
そのため、職場の「善意」に甘える形になる。
・職場に障害の理解がそもそも乏しく、なかなか理解してもらえない。
一つずつ説明していきましょう。
<私がオープンクローズをお勧めしない理由>
①あくまで一般雇用であるため、職場に「合理的配慮」を講じる義務はない。
そのため、職場の「善意」に甘える形になる。
基本的に、一般雇用では、雇用している障害者に対し「合理的配慮」を講じる義務はありません。
もちろん、一時的に体調・メンタルを崩した職員に対し、
その傷病が治るまでの期間、合理的配慮を提供する義務はありますが、
それは恒常的なものではありません。
復帰後は、通常通り業務をこなしていくことが求められます。
つまり、一般雇用では、特段の配慮を受けずに就労し、
一定のパフォーマンスを発揮することが前提となっているということです。
これは、障害者の場合でも同様です。
「でも、うちはとっても理解のあるいい職場だから、障害を開示しても受け入れてくれる!」
--そう思う方も中にはいらっしゃるかもしれません。
私自身、弊社に入社して半年は一般枠として就労していましたので、気持ちは非常に理解できます。
弊社はまがりなりにも障害者の方の支援を生業とする会社ですので、
上司・同僚ともに発達障害に対する理解はかなりある方だと思います。
一般雇用として働いていても、実際には様々なところで配慮をしていただき、
働きやすいように環境設定をしていただいておりました。
ただ、やはり「一般雇用」は「一般雇用」。
本来は、配慮を受けずともきちんとパフォーマンスを発揮することが求められます。
本当は、配慮をもらわなくてもちゃんとできるようにしないといけないな。
でも、配慮がなくなったら不安だな。
一般雇用で就労し続けるか、障害者雇用に切り替えるか。非常に悩みました。
私の場合は、ずっと職場の「善意」に甘え続けるのも気が引けたことと、
やはり「障害者雇用」として堂々と配慮を受けて、安心できる環境で働きたいと考えたことから、
雇用を切り替える決断をしました。
切り替えてから半年ほど経ちますが、その決断は間違っていなかったと考えています。
②職場に障害の理解がそもそも乏しく、なかなか理解してもらえない。
そもそも、「障害者雇用」という制度がなく、障害者を受け入れることを想定していなかった職場では、
往々にしてこういうことがあると思います。
「発達障害って何?」と聞かれて、一生懸命説明したけれど、
「全然気にすることないよ~!私もそれ苦手だよ~」と言われてしまったこと、
ないでしょうか。
私は現職より前にもオープンクローズとして働いたことがあるのですが、
「大事な話でも注意が他へ向いてしまい、情報に漏れがある」
「マルチタスクができない」「ケアレスミスがある」等の
ADHD特有の悩みを上司や同僚に相談したところ、
「得意不得意は人それぞれあるものだから、そんなに悩まなくてもいいよ!」と言われて、
困ってしまったことがあります。
もちろん、言ってくださった側は善意なのですが、
言われた側としては、すごく悩んでいることを打ち明けたのに、
「たいしたことないよ」と言われて、正直困りますよね……。
発達障害の特性はグラデーションである、とよく言われます。
たしかに、定型発達の方にも、
「先延ばしをしてしまう」「マルチタスクが苦手」等の
ADHD的な特性の片鱗が見えることもありますが、
発達障害当事者の特性は実際にそれにより業務に支障をきたすこともあり、
あるいは二次障害に発展することもあるほど、当人にとってはかなり大きな問題です。
しかし、残念ながら、障害に関して十分理解を示してくれる職場は少ないのが現状です。
障害者雇用か、一般雇用か。
発達障害の診断を受けられた方の中には、
どっちがいいのかと思い悩んでおられる方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
今回は、私自身の体験を踏まえ、その選択に関しての一つの考えを述べさせていただきました。
自分自身にとっていちばん良いと思える道、それが正解だと思います。
ゆっくり考えて、その道を探していきましょう。
今回の記事では「障害者雇用で働くこと」について悩んでいる方にむけて伝えたい3つのことのうち、
一つ目を書かせていただきました。
今後も、残りの二つのことについて記事を書いていこうと思いますので、
よろしかったらご覧くださいね!
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