【大人のADHD】女性のADHDとは?よくある悩みと特徴をご紹介!
こんにちは、ディーキャリア芝浦オフィスです!
最近「大人女性のADHD」という言葉がよく取り上げられていますね。
以前は男性に多いと考えられてきたADHD(注意欠如・多動性障害)ですが
近年では、女性のADHDがただ単に見過ごされてきただけではないかという見方が強まっています。
この記事をご覧の方にも、
「もしかして私、ADHDかも?」と悩んでいる女性の方がいらっしゃるかもしれません。
今回の記事では、「なぜ女性のADHDが見過ごされがちだったのか?」という背景と、
男性のADHDとの違い、よくあるお悩み・その特徴をご紹介します!
診断・治療の受け方についても紹介しているので、
悩んでいる方はぜひ最後まで読んでくださいね!
●この記事を書いた人
ディーキャリア芝浦オフィスサービス管理責任者の杉本です。
精神科のデイケア、訪問看護、急性期病棟で7年間勤務し、
現在は、就労移行支援事業所のサービス管理責任者兼、全国ディーキャリアオフィスへの研修講師を担当。
個人でカウンセリングなども実施してしております。
「凸凹が活きる社会を創る。」というビジョンをテーマに、じっくりとその人のお話を傾聴し、支援をおこなっています。
ディーキャリア芝浦オフィスには、
発達障害(注意欠如・多動性障害ADHD 自閉症スペクトラム障害ASD 限局性学習障害SLD)
精神障害(うつ病、双極性障害、適応障害、パニック障害など)のある方などが在籍されております。
専門知識のあるスタッフで運営しています。
◆女性のADHDが見過ごされてきたワケ
ADHD(注意欠如・多動性障害)は、
「不注意」「衝動性」「多動性」を主な三つの障害特性とする発達障害です。
前述の通り、ADHDは男性の方が女性よりも3~5倍多いという説もあるほど、
「男性のもの」というイメージが強いものでした。
しかし近年、ADHDと診断される女性が続々と増えていき、
女性に少ないのではなく、単に気づかれず、見過ごされてきただけではないか
と考えられています。
その背景には、
「女性・女の子はおとなしくあるべき」という先入観や社会通念の影響もあり
一般的にADHDと聞いて想起されるような行動、
つまり
・授業中に席を立ち、歩き回る
・他の子の邪魔をする
・落ち着きがなく、順番を待てず横入りしたりする
などの行動としてADHDの障害特性が発現せず、
いわゆる「ADHD的な特徴」が見えにくいことが挙げられます。
★大人になってADHDの診断を受けた女性の体験談
むかしから、授業中ぼんやりと机に座ってずっと空想しているような子どもでした。
授業中に立ち上がったり、走り回ったり、といったことはなかったので、
自分がADHDだと考えたことはありませんでした。
しかし、人の話を最後まで聞けなかったり、
喋りすぎてしまい、何が言いたかったのか自分でもわからなくなったり、
衝動的に発言して、相手を傷つけてしまったりすることはありました。
成人して仕事についてから、スケジュール管理ができない、要領よく仕事ができないなど
困りごとが深刻になり、診断に至りました。
このように、女性のADHDは
男性のようにわかりやすい形で出現することは少ないですが、
障害特性の出方が異なるだけで、
男性と同じように困っている方が多いです。
◆大人女性のADHDに目立ってみられる特徴とは
ADHDの障害特性は、
「衝動性」「多動性」「不注意」の3つが挙げられています。
女性の場合、このうちの「不注意」が目立ち、
「衝動性」「多動性」といった特性が見えにくいと言われていますが、
それは男性とは特性の出方が異なるだけであるということを前項でお伝えしました。
それでは、具体的に「大人女性のADHDの特徴」についてみていきましょう。
どんぐり発達クリニック院長・宮尾益知監修の『女性のADHD』では、
「よくある悩み」として次のようなことが挙げられています。
➀とまらないおしゃべり・噛み合わない会話
女性の場合、
「ADHDの特性がおしゃべりにでやすい」ということが言われています。
例えば、このような特徴があらわれます。
【よくある悩み】
・おしゃべりが止まらない・いつも話が長く要領を得ない
・人の話に割り込んでしまう
・失言が多く、対人トラブルにつながることがある
・相手の話を最後まで聞いておらず、会話が嚙み合わない
・的外れなことを言ってしまう
前述した「衝動性」「多動性」「不注意」の3つの特性が
おしゃべりに出た結果、上記のような困りごとに繋がってしまいます。
このような特徴は、
幼少期には「元気な子」「少し落ち着きのない子」「おっちょこちょい」というような評価で
済まされることが多いのですが、
成長するにつれプライベートでも仕事上でも深刻な問題に発展してしまうことがあります。
「気配りができない」「言動ががさつ」「自己中心的」などと言われ、
自己嫌悪に陥ってしまう人も少なくありません。
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
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②ミスばかりで自分が嫌になる
また、主に「不注意」の特性により
ものごとに注意を向けることはできても、
それを適度に維持したり、切り替えることなどが難しく、
その結果ミスに繋がってしまいます。
【よくある悩み】
・話を聞こうと思っているが、ついつい意識が逸れてしまい、重要な情報を聞き逃す
・忘れっぽく、指示や用事をなかなか覚えられない
・忘れ物やなくしものが多く、叱責される
・集中を保つことが難しく、ちょっとしたことで意識が逸れてしまう
・気が散りやすいため、ケアレスミスが多い
ADHDの女性は一生懸命努力していても、よくミスをしてしまいます。
注意されたり、叱責されたりするたびに、
本人は反省し、「次は絶対にこうならないようにしよう」と思うのですが、
その背景には障害特性があり、努力してもなかなか改善できないこともあります。
本人が反省し、努力しているということが他者には伝わらず、
「なんで何回も言っているのにできないんだ!」とさらに叱責されてしまい、
その繰り返しで自己評価が下がっていく、ということに繋がってしまうのです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
▶【ADHDあるある】「仕事が覚えられない」のはなぜ?「できない人」という評価から抜け出すには【前編】【後編】
③時間の見立てがいつも甘い
予定を立てて行動するのが苦手で、ついつい遅れがちになってしまいます。
時間的な見込みが甘く、期日までに仕事が仕上がらなかったり、
待ち合わせの時刻に遅れたりします。
【よくある悩み】
・公私ともに用事を詰めこみすぎて破綻する
・どこへ行くときにも、時間的な余裕を持たず行動してしまい、いつもギリギリ
・仕事に取りかかるのが遅く、期日までに間に合わない
・気が散りやすく、活動のペースが一定ではないため、タスクが思った通りにこなせない
本人としては「間に合う」と思って行動しているのですが、
時間の見立てが甘く、結果として予定通りに動けないため、
まわりからは「時間にルーズな人」と言われてしまうことがあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
▶【ADHDの仕事術】もう先延ばししない!スケジュール通りに仕事をするには【前編】【後編】
▶【ADHDあるある】Aさんはなぜ時間に遅れるのか?
④思考がまとまらず、どんどんひろがっていく
ADHDの障害特性の一つ「多動性」は、
言動にだけではなく、「思考」にもあらわれます。
男性の場合は、発言や行動に落ち着きのなさが目立つ場合が多いですが、
女性の場合「一見落ち着いているように見えるが、思考は散らかっている」という
思考面の多動がとくに目立つことがあります。
また、「衝動性」の特性も加わることにより、
不安や感情が爆発したような状態になり、自分の気持ちに振り回されてしまう
といったこともおこることがあります。
【よくある悩み】
・考えがまとまらず、連鎖的にひろがっていく
・考えているうちに不安が強まり、どうしていいかわからなくなる
・怒りや憤りといった感情が爆発したようになり、止められない
例えば仕事の場面でうまくいかないことがあったときに、
「大丈夫だろうか」と心配しすぎてしまったり、
育児の場面で子どもにいらいらしてしまい、
その気持ちを抑えきれず𠮟りつけてしまって、虐待を疑われるといったことがあります。
気になる方は、ぜひこちらもご覧ください!
▶「不安」で何も手がつかなくなるあなたへ ~大人の発達障害者が「不安」に対処するには~ 【前編】【後編】
▶【ADHDあるある】パニックはなぜ起こるのか?原因と対処法をご紹介!① ② ③
⑤家事ができない・片づけられない
大人女性のADHDの困りごととして、最もポピュラーなものです。
「家事や育児は女性のもの」という考え方が変わってきた近年でも、
未だに女性はその担い手として期待される現状があります。
「女性だからできて当たり前」「お母さんだからやって当たり前」というような
周囲から寄せられる期待に応えられず、
「自分はダメだ」と自己嫌悪に陥ってしまう女性が多くいらっしゃいます。
【よくある悩み】
・部屋の整理整頓がうまくいかず、どこに何をしまったかがわからない
・ついつい部屋がちらかってしまい、だらしないと言われてしまう
・他のことに気を取られ、やりかけで放置してしまうことが多い
・習い事などの子どもや家族の予定を忘れてしまう
・予定に合わせて準備しようと思っても、いつもギリギリになってしまう
世の中には、まだまだ「女性はこうあるべきだ」という思い込みをもっている人もおり、
「女性らしさ」として「身ぎれい」「こまやか」「そつがない」などの先入観をもった人から
そういった行動を要求されたとき、
ADHDのある女性はそういった女性観に自分を合わせられず、苦しんでしまいます。
親切心からくる助言だったとしても、
「だらしない」「女性なんだからもっと気を遣って」などの言葉が
当事者を追い詰めてしまうことがあります。
気になる方はこちらの記事もご覧ください!
▶【大人のADHD】Aさんはなぜ片づけられないのか?【前編】【後編】
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◆「ADHDかも?」と思ったら
最近では、簡単な「発達障害チェックリスト」がSNSやWebに出回っていますので、
目にする機会も多いと思います。
そうしたものに触れ、「もしかして自分はADHDかも?」と思った方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ADHDを疑ったときに、どうすればよいのかをまとめています。
➀発達障害にくわしい医師にかかる
ADHDの診断・治療を受けるためには、
発達障害にくわしい医師にかかる必要があります。
大人であれば、受診先は「精神科」や「心療内科」になりますが、
事前に「発達障害の診断・治療ができる医師がいるか」を確認していくようにしましょう。
病院・クリニックのホームページなどで確認できます。
発達障害の診断は、
診察・面談での内容と発達検査・心理検査の結果を総合的に判断してくだされます。
診察では、いま悩んでいることのほかに、
幼少期の様子やどんな子どもだったか、成長過程について聞かれます。
発達障害は先天的な脳機能障害と言われており、
その特性は幼少期からあらわれるものであると考えられているためです。
受診される前に、自分で振り返ったり、家族に子どものころの様子を尋ねたりしておきましょう。
②発達障害者支援センターに相談する
最初から病院やクリニックにかかることの心理的なハードルが高い場合には、
「発達障害者支援センター」に相談し、情報を得ることから始めてもよいでしょう。
発達障害支援センターとは、
発達障害のある方とそのご家族が、安心した暮らしを営むことができるよう、
その総合的支援を行う地域の拠点として、平成14年度より国の施策として発足したものです。
発達障害のある方やそのご家族からの相談を広く受け付けているため、
相談内容は、なんでもOKです。
内容に応じて、必要な支援機関やサービスに繋いでもらうことができます。
★発達障害情報・支援センター
★東京都発達障害者支援センター(TOSCA)
◆まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、「女性のADHD」にフォーカスし、
男性との違いや、よくある特徴について取り上げてきました。
ADHDのある女性は、
「女性らしさ」を求める周囲や自分の理想と現実のはざまで疲弊してしまいがちです。
完璧を求めて燃え尽きてしまわないためには、
障害特性からくる自分の苦手を受け入れ、
よい意味で「いい加減」な生き方を探していくことが重要になります。
ディーキャリア芝浦オフィスでは、
自分自身を理解し、受け入れ、自分の凸凹とともに生きていくための支援をおこなっています。
発達障害を疑っている、という段階でも大丈夫ですので、
お悩みのある方はぜひ、面談や体験に来てください!
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