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【現役支援員が語る】○○がやめられない大人 ~発達障害と依存症について~

こんにちは、芝浦オフィスです!

突然ですが、ゲームがやめられない、買い物がやめられない、SNSがやめられない……
そのような、「やめられない」悩みはないでしょうか?

近年では、ゲームのやりすぎによって日常生活や人間関係、健康に支障きたす事例が多数報告され、
2018年6月、WHO(世界保健機関)は「ゲーム依存症(ゲーム障害)」を病気として認定し、
精神疾患として位置づけました。

以前は「依存症」といえばアルコールや薬物、ギャンブルでしたが、
近年ではゲームやSNSなど、インターネットの普及によってもたらされた
新しい刺激の依存が問題になっています。

ネットやゲームの良さは、「いつでも、どこでも楽しめる」こと。
スマホの普及によって、もはやPCがなくても動画やゲーム、SNSを楽しむことができます。
しかしその利便性が、「依存」に繋がる落とし穴になってしまっているのです。

じつは、発達障害のある方は依存症になりやすい傾向があるといわれています。
そこで今回は、なぜ発達障害のある方が依存症を併発しやすいのか、
「依存症かも?」と思ったときはどうすればよいのかについてまとめました!

ディーキャリアは、なんと言っても発達障害の特性に応じたプログラムを提供する就労移行支援事業所!
発達障害の診断を受けているあなた、あるいは「発達障害かも?」と思っているあなた、

ぜひこの記事を読んでみてください!

◆「依存症」とは

まず「依存症」という言葉の定義について確認しましょう。

冒頭でご紹介した「ゲーム依存症(医学病名:ゲーム障害)」の診断基準(一部抜粋)では、

・インターネットゲームをやめたり抑制しようと試みたことがあるがうまくいかなかった
・インターネットゲーム以外の人生の諸活動(例えば趣味)に意欲を失っている
・インターネットゲームがいかに自分の生活に影響を与えているか知っていても、
インターネットゲームのやりすぎを続けてしまう
・インターネットゲームの使用状況について他の人に嘘をついたことがある
・インターネットゲームのせいで、人生の機会や人間関係を失ったり危険にさらしている

産業精神保健研究機構HPより引用

のように定められており、
ただ単に「やめられない」「のめりこんでしまう」という状態ではなく、
その依存対象によって人生そのものを危険にさらしている」という状態を
依存」と呼ぶことがわかります。

◆発達障害と依存の関係

それでは、
発達障害のある方がなぜ依存に陥りやすい傾向にあるのか」についてみていきましょう。

➀脳内報酬系の活性が低い(ドーパミンが少ない)ことから、刺激を求めてしまう

発達障害、とくにADHDの特性のある方は、
脳の構造上の特徴として、
脳内報酬系が低活性である(ドーパミンが少ない)傾向があることがわかっています。

私たちがやる気を感じるのは、
この「ドーパミン」という神経伝達物質が脳内に放出されるからであり、
これが出ることによって、集中して物事に取り組めたり、意欲がわいてきたりします。

逆に言えば、ドーパミンが少ないと、
・集中力の低下
・意欲・やる気の低下

に繋がってしまうのですね。

ADHDのある方は、脳内報酬系が低活性であることから、
快感ややる気をなかなか感じることができず、
集中力を欠くことによって様々なミスをしてしまったりします。

それを避けるために、ADHDのある方は
無意識に「絶えず行動し続けること(多動)」や刺激によって
脳内報酬系の活性を高めようとしている可能性があるといわれています。

その刺激が、人によっては
アルコールや薬物、ギャンブル、ゲーム、SNS等であり、
それを続けるうちに
「自分ではやめられない」依存状態になってしまうことがあるのです。

②衝動性が強く、欲望を我慢することが難しい

こちらも、特にADHDの特性に付随したものです。

ADHDには、「不注意」「多動性」「衝動性」の三つの障害特性があります。
この「衝動性」の強さにより、欲望を自分でコントロールすることが難しく
長期の我慢を経て手に入るものよりも、すぐに得られる報酬を優先してしまうことが知られています。

そのため、目先の快楽であるアルコールやギャンブル、ゲーム等に関して
「我慢しなければいけない」とわかっていても、手を伸ばしてしまうことがあるのです。

③生きづらさから逃れるため、依存対象に手を伸ばしてしまう

また、発達障害のある方は日常生活で生きづらさを感じやすく、
ストレスをためやすいことが知られています。

例えば、ADHDのある方であれば、
不注意・衝動性・多動性などの特性からミスをしてしまいやすく、叱責される回数が多かったり、

ASDのある方であれば、
場の雰囲気を読んでコミュニケーションを取ることの苦手さから
人間関係で苦労することが多いと言われています。

これはあくまで一例ですが、
そのような「生きづらさ」から一瞬でも逃れる手段として、
お酒や薬物、ギャンブル、ゲームなどに手を伸ばしてしまうことがあります。
違法でない娯楽であれば、自分でコントロールできているうちはいいのですが、
それが行き過ぎてしまい、依存状態に陥ってしまうことがあるのです。

◆依存かも?と思ったときの相談窓口

それでは、もしも依存状態になってしまった場合に、
力になってくれる関係機関をご紹介します。

➀病院・クリニック

まずは医療機関を受診しましょう。
自己判断で対処しようとすることは危険です。
専門家の判断を仰ぎ、その指示に従って行動しましょう。

「○○依存 病院」などで検索すれば、
専門の医療機関等を調べることができますので、まずは検索してみましょう。

また、下記の「全国依存症対策全国センター」のHPには、
全国の相談窓口・医療機関を検索できるツールがありますので、
ぜひ利用してみてください。

★全国の相談窓口・医療機関を探す

②発達障害者支援センター

発達障害支援センターとは、
発達障害のある方とそのご家族が、安心した暮らしを営むことができるよう、
その総合的支援を行う地域の拠点として、平成14年度より国の施策として発足したものです。

発達障害のある方やそのご家族からの相談を広く受け付けているため、
相談内容は、なんでもOKです。
内容に応じて、必要な支援機関やサービスに繋いでもらうことができます。

★発達障害情報・支援センター
★東京都発達障害者支援センター(TOSCA)

③依存症対策全国センター

依存症対策全国センターは、
厚生労働省の依存症対策事業に基づき、
依存症についての啓発活動や情報発信を行っています。

アルコール・薬物・ギャンブルなどの依存症がどういったものなのかの紹介や、
気づいたときの対処法、ご本人やご家族の体験談等、
幅広い情報を得ることができます。

また、主だった自助グループの情報も調べることができますので、
ぜひ以下から覗いてみてください!

★依存症対策全国センター
★自助グループ一覧(上記センターHPより)

◆まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は「発達障害」と「依存症」の関係と、
もし依存症を疑った場合の相談窓口についてご紹介しました。

依存症は「だれでもなり得る病気」です。
また、一度依存症に陥ってしまうと、
自身の努力だけでそこから抜け出すことは非常に困難であると言われています。

もし依存症になってしまったとしても「恥ずかしい」と思わず
ぜひ専門機関に助けを求めてください

これからも、芝浦オフィスは
発達障害のある方への有益な情報提供に努めてまいりますので、
今後の記事もぜひご覧くださいね!

ご相談・ご見学もいつでも承っております!

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