【卒業生インタビュー】仕事、障害とどう向き合うのか①【発達障害】
ディーキャリアを卒業された訓練生の方にインタビューをおこないました。
ディーキャリアでの学びや訓練がどう仕事で活きているのか、とても参考になるお話を聞くことができましたので、ブログ記事という形で皆様にも共有させていただきます。
30分間分の原稿となりますので、何回かに分けて上げさせていただく予定です。
それではどうぞ。
インタビューさせていただいたTさんは、ディーキャリア新潟オフィスにて1年半訓練に取り組み、昨年就職された方です。
今回は就職後半年経った今、「ディーキャリア新潟オフィスでの、学びと現在の働き方について」をテーマにお話を伺わせていただきます。
【インタビュー開始】
佐藤:それではTさん今日はありがとうございます。
Nさん:はい、よろしくお願いします。
現在働いている職場について2,3話があった後、本題の「ディーキャリア新潟オフィスでの、学びと現在の働き方について」に話が進んでいきます。
ディーキャリア新潟オフィスでは「ライフスキル」「ワークスキル」「リクルート」という3つのコースに分かれて、ステップアップしながら訓練をおこなっていきますが、最初は「ライフスキルコース」について。
【ライフスキルコースについて】
佐藤:ライフスキルコースではどんなことを学ばれてきましたか?
Nさん:そうですね、ライフスキルコースでの学びとしては――
【自分を見つめ直す】
今まで漫然と取り組んできたことを一つひとつ自己分析して、自分の得意と苦手を見つめ直してきました。
さまざまな訓練を受けてきましたが、自分を見つめながら受講することで自分のことが一つひとつ見えてくる感覚でしたね。
一つひとつの訓練についてはうまく言えないのですけど、傾聴にしてもセルフケアにしてもいろんなこと全部が自分のなかを見つめるという、これまでやってこなかったことを通じて、自分の苦手やパニックがなぜ起きているのか把握していくことができました。
訓練を通じて自分自身のことを深掘りできたそうです。
就職活動、働くにあたって「自己理解が大切」という話は、就職活動をしたことがある人であれば、誰しも一度は聞いたことがあると思います。
とはいえ、その方法や正しさに悩まれた方も多いのでは?
Nさんはコミュニケーションや思考、特性についての訓練を受ける中で、場面や環境ごとの自分の動きや考え方を振り返ることができたそうです。苦手や難しさの原因を探ることで「なぜできなかったのか」「なぜ難しいのか」を把握し、「自分がダメだから」という漠然とした自己否定を紐解いていくことができたのですね。
さて、自己分析、自己理解をした結果、Nさんはどうなっていったのでしょう?
佐藤:自己理解、自己分析を踏まえて、そこから対処方法も訓練の中で学ばれたと思います。
どのようなことを学ばれて、実践されているのですか?
Nさん:対処方法はまず――
【自分の苦手と対処】
Nさん:対処方法はまず、自分が今どんな状態かというのを自分で冷静に考える、
例えば今パニックになっている自分がいるとか、不安になっている自分がいるとか、周りの状況がこんな風になっている、例えば予定が変更になっているとか、忙しい時期のばたばた状態とか、周りの人はこういうことに気を取られてて、ざわざわしているとか、そういうのもちゃんと見つめる。
自分も周りも冷静に見つめるようにすることで、焦りや緊張感を抑える。
次に、まず人に聞けるようになること。それも全部おまかせでの聞き方ではなく自分はこうするといいと思っていますとか、そういうことを考えてから人に聞く。
佐藤:なるほど、コミュニケーションを取りやすくなる方法を学べたのですね。
考え方についてはどうでしょうか?それまでうまくできなかったことを、ポジティブに意識することで実践できるようになったことはありますか?
Nさん:これまでは周りがやってくれないとか、相手にしてくれないとか、冷たいとか、そういうのを勝手に自分で考えてしまって先に進めない状態が前にあったのですけれど、自分からアプローチするとか、働きかけるコミュニケーションにしても、まず目が合ったら挨拶できるようにとか、お話に困ったらまず天気の話をしようとか、ちょっと自分から一歩先に進んでみるというのを、意識できるようになりました。
そうすることで、向こうが心を開いてくれたり、ちょっと対応が変わったり、自分が何者かを知ってもらえて、コミュニケーションがとりやすくなって、関係性を作れるようになった。
佐藤:ディーキャリアに通うまでは難しかった?
Nさん:そうですね。今までは自分から歩み寄ると相手と関係性が作れる、ということが分かってなかったり、コミュニケーションに対する苦手意識が強すぎたりして、できなかったんですけどディーキャリアで自己理解できて自分が何者かわかったことと、周りとコミュニケーションを取ることが大切ということを学べたことが大きいです。
あと、コミュニケーションは自分の感覚でやるものだと思っていたのですけど、訓練の中でうまくいくやり方を学ぶことができて、そのやり方を職場でも実践することでコミュニケーションがとりやすくなったという感覚があります。
Nさんは苦手に対する対処方法として、
①自分の状態を把握する
焦っているのか、緊張しているのか、落ち着いているのか、不安に思っているのか。状態に合わせて動きを変える必要があるということですね。
自分だけでなく、周りの人や環境にも注目する。スケジュール変更や他者の動き、状態はどうか?忙しいのか、手が空いているのか。余裕があるのか、ないのか。状況や場面によって、相手の対応も変化してきます。
一度落ち着いて全体の状態を把握することで、それに合わせた対応ができるということでしょう。
②人に確認するときの聞き方を変える
「わからないから教えてください」ではなく、「自分はこう考えているのですが、このやり方でよいですか?」といったように、自分の考えを伝えた上で確認する。
相手に対応を丸投げするのではなく、自主性をもって確認に行くということでしょうか。
ディーキャリアのコミュニケーション訓練での学びが活きていますね。
③自分から歩み寄る
ネガティブな思い込みから、相手とのコミュニケーションを避ける。ではなく、些細なことでも自分からアプローチをかけてみることを意識する。
よいコミュニケーション方法を学び、実践することで、自信をもってコミュニケーションを取ることができるようになった。
ポジティブに考えて、ディーキャリアで学んだ技術を活かすことで、自信を持てるようなよい循環を作ることができたのですね。
さて、職場で学びを活かして、自信をもって自分らしく働くことができていると話すTさん。
今、職場で働く中でどのようなことを考えているのでしょう?
佐藤:ディーキャリア新潟オフィスで学んだスキルを実践で活かそうと、努力されていますが、やってみてどうですか、今は?
Nさん:やっぱり私はどうしてもいらぬことに不安に持ちやすいので不安は抜けないんです。でも――
【不安の中でどう生きていくか】
Nさん:やっぱり私はどうしてもいらぬことに不安に持ちやすいので、不安は抜けないんです。慣れてきてもどこかで嫌なことがあって、それに囚われてまたぶち壊れになるんじゃないか、変な不安を抱えがちで、全くスムーズには絶対にいかないと思うんです、これからも。
だけど、今は自分がその場所に溶け込んで違和感がない存在でいられて、自分の居場所としていられる感じがしています。
佐藤:今は自分の居場所がちゃんとそこにある感覚。
これまでは私はここにいるとちょっと違うんじゃないか、という空気感というか、疎外感に囚われがちになっていたということ?
Nさん:はい
佐藤:今の話をまとめると、これまでは相手がどんなことを考えているのだろう、こんなこと言ったら相手がどう思うのだろうか、という意識が強すぎて、なかなか一歩関係性を作ることに踏み出せないという状態だったのが、例えば自分から挨拶をする、天気の話をする、自分から積極性を見せることで関係が作れて、そのことによって自分の所属意識が高まったりや自信をもって過ごすことができるようになったりした、ということ?
Nさん:そうですね、それはディーキャリアにいる時は分からなかったのですけれど、働くようになってから気がつきました。
佐藤:すばらしいですね。
ということで、今回はここまで。
次回は「ライフスキルコースでの学びで一番印象に残っていること」「ワークスキルコースについて」お話いただきます。
それでは次回更新をお楽しみに。
インタビュアー:ディーキャリア新潟オフィス 就労支援員 佐藤
ライター:ディーキャリア新潟オフィス 職業指導員 五十嵐
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