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大人の発達障害がある方の就職活動は「ウォーミングアップ」で成否が決まる!

就職活動の第一歩として欠かせない「ウォーミングアップ」を解説!その目的と具体的な方法をご紹介します。

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「障害と付き合いながら、安定して働いていくにはどうすれば良いのだろう?」そんな悩みを持つ大人の発達障害がある方へ、就活対策のヒントをお届けする就活HACK。 今回の記事では、就職活動の第一歩として欠かせないウォーミングアップの方法をご紹介します。 [toc] 1. 就職活動に必要不可欠な「ウォーミングアップ」 ウォーミングアップというと、運動前の準備運動をイメージされる方が多いと思いますが、就職活動においては以下の2つの準備のことを指します。 1. 就職活動の目的を決める 2. 就職活動の道のりを知り、計画を立てる 具体的にはどういうことなのか、それぞれ見ていきましょう。 1-1. 就職活動の目的を決める 就職活動の目的とは、「どこかの会社に就職(内定)が決まること」ではありません。安定して長く働くことができるか、やりがいを感じて充実した社会人生活を送れるかは、就職した後どうなるのかに掛かっています。 つまり、就職活動の本当の目的は、就職活動の後にあると言えます。 本当の目的へ辿り着くためには、就職活動を始める前に、自分が求める仕事内容や条件、仕事を通じてなりたい姿を明確にすることが大切です。 これは、例えるなら登山へ出発する前に目的地を決めることと似ています。もしも、目的地も決めずに「とりあえず」で山へ入ってしまったら、方角を見失い、遭難して、最悪の場合は命を危険にさらすことになります。 この登山の例のように、目的を決めずに就職活動を始めてしまうと、 ・就職後になりたい姿が分からないので、どんな条件で求人を探せば良いのか分からない ・求人が見つかっても、志望動機や自己PRが書けない ・内定が出たのに「本当にここで良いのか」と迷ってしまう ・入社した後に想像とのギャップを感じ「こんなはずじゃなかった」と後悔する ……といった事態におちいってしまう恐れがあります。 自分がどのような仕事に就きたいかによって、求人の探し方や応募書類の書き方には違いがあります。就職活動を始める前に目的を決めておくことで、自分が実現したいことの優先順位が決まり、会社の知名度や求人票上の待遇といったものに惑わされずに、就職活動をおこなうことができるのです。 次ページ:ウォーミングアップせずに就活を始めてしまったら、どうなる?
【大人の発達障害(ADHD)の特性対策】ワーキングメモリーの弱みをカバーするメモ活用術~ルール編~

物や用事を忘れないための、メモ帳のルール作りをHACK!注意欠如多動性障害(ADHD) の特性あるあるの代表例である「もの忘れ」を防ぐHACKをご紹介します。

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前回の記事では、大人の発達障害、特に ADHD(注意欠如・多動性障害)の困りごとである「物や用事を忘れてしまう」ことへの対策として、日頃からメモ帳を身に付ける HACK をご紹介しました。 困難さを感じるからこそ「忘れてはいけない!」とずっと頭の中で考え続けることになりますが、これはとても大きなストレスです。しかし、メモさえ残しておけば、頭の中からは忘れても良い状態を作ることができます。自分の記憶をメモ帳に預けることで、「忘れてはいけない!」と考え続けるストレスを回避することにもなります。 参考:前回のコラム記事 大人の発達障害(ADHD)の特性対策・メモ帳を「身に付けて」用事を忘れないようにする ~ワーキングメモリーの弱さへの対策~ 今回は、前回のHACK をもう一歩進めて、身に付けているメモを効率的に活用するためのルール作りのポイントについてご紹介します。 [toc] ポイント①:メモ帳は一冊だけにする 身に付けて持ち歩くメモ帳(あるいは手帳、ノート)は一冊だけにし、そこに何でもメモするようにします。こうすることで「あれ?どこかにメモしたはずなのに見つからない!」という事態を防ぐことができます。 例えば仕事では、以下のように「いろいろな場所にメモを取っている」ことが多いのではないでしょうか。 ・電話メモは、専用のメモ用紙に書いている ・会議のメモは、仕事用の手帳に書いている ・誰かから口頭で指示されたことは、フセンに書いて PC に貼り付けている このように、いろいろな場所にメモを残すことの問題は、必要になったときにすぐに探せないということです。いくらメモを取ったとしても、必要なときに、そこに書いてある情報が引き出せないのであれば、あまり意味がありません。また、「どこかにメモしたはず…」とあちらこちら探すのも、時間が無駄になってしまいます。 どんなものでもすべて一冊のメモ帳にまとめておけば「ここを探せば、必ず見つかる」という安心感を得ることができます。 ポイント②:情報は時系列順で書く メモ帳の中で情報を分類せず「とにかく、メモ帳の先頭から時系列順(古いものから順番)に書く」というシンプルなルールにします。 一見すると、「分類せず順番に書くだけでは、後から探しづらいのでは?」と思われるかも知れません。しかし、私たちが何かを探しているときには 「先週の会議で言っていたはず…」 「一昨日あたりに電話を受けた気がする…」 というように、大体いつ頃だったかを基準に思い出していることが多いものです。大体の時期が分かれば、あとはその辺りのページをペラペラとめくっていくだけですので、順番に書いているだけの方が意外と情報が探しやすかったりします。 なお、後からメモを見返すときに分かりやすいよう、メモを取った日時を一緒に書いておくのがおすすめです。 メモ帳は人生のタイムライン メモ帳は、とにかくシンプルに運用することがオススメです。キレイに分類しようとして、やりきれず挫折してしまったり、情報がバラバラになって探せなくなるよりは、「ここを探せば大丈夫」という安心感を作っておくことの方が大切です。 時系列順で一か所にまとまったメモは、SNS のタイムラインにも似ています。後からタイムラインを見返すと意外な発見があるように、折に触れてメモを見返すことで、何か新しい気付きを得ることができるかも知れません。 メモを活用するためのルール作りを、ぜひお試しください。 ディーキャリアは、大人の発達障害がある方の「はたらく」をサポートします 「働いても長続きしない」 「人間関係がうまくいかない」 「就職/転職をしたいが、自分に合った仕事があるの不安」 こんなお悩みをお持ちではありませんか。働く上で困りごとを感じて就職・転職を考えているけれど、なかなか一人では上手く行かない……そんな方のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業。) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 執筆者 藤森ユウワ(ライター・編集) ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。 これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。 子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。 36 歳で ADHD・ASD と診断される。 診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。 誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。 さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。 自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。
発達障害当事者による【障害者手帳ガイド】手続き方法、メリット/デメリット、実際に取得してみた体験談

障害者手帳とは?取得・更新の手続きの方法から、メリット/デメリット、よくあるご質問まで、情報をまとめました。実際に手帳を取得した当事者の体験談もご紹介します。

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大人の発達障害の当事者の方、ご家族など当事者をサポートする方々の中には「これから、どうやって生計を立てて行けば良いのか」という心配を感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ・障害を抱えながら働くことはできるのか。 ・生活を補助してくれるような支援は受けられないのか。 そのような疑問について調べるうちに、たどり着くのが障害者手帳に関する情報です。 手帳を取得すれば、障害への配慮を受けながら働くこと・公的な支援を受けることがしやすくなるメリットがあります。 ただ、大人になって診断を受けた方のなかには、名前は何となく聞いたことがあったとしても、「どういうものかよく分からない」という方が多いのではないかと思います。 ・どうすれば取得できるのか。 ・病院や役所での手続きに、手間がかかるのではないか。 ・取得したら、どんなメリットやデメリットがあるのか。 ・そもそも自分は対象となるのか。発達障害(ASD、ADHD、SLD)で手帳は取得できるのか。 調べれば調べるほどに、不安も募ります。そんな方に向けて、今回のコラムでは「30代半ばまで発達障害のことを知らずに生活してきた筆者が、診断を受けたあと手帳について調べたことや、実際に手帳を取得した体験談」をご紹介します。 障害者手帳とは一体どういうものか。取得・更新の手続きの方法から、メリット/デメリット、よくあるご質問まで、情報をまとめました。発達障害の診断を受けた方の不安を解消するために、本コラムがお役に立てましたら幸いです。 [toc] 1. 障害者手帳の基本情報 1-1. そもそも障害者手帳とはなにか? 障害者手帳とは「カラダやココロの機能に、一定の障害があることを認定するためのもの」であり、障害者の自立と社会参加を支援するための、国による制度です。 障害者手帳を取得することで、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスや、各自治体や民間事業者が提供する支援サービスを受けることが出来ます。 障害者手帳には以下の三種類があり、制度のもととなる法律がそれぞれ異なるため、申請や更新の方法に違いがあります。インターネット等で障害者手帳について調べていて、情報が混乱してしまう原因はこの違いにあります。 発達障害者が取得することができるのは(3)精神障害者福祉保健手帳ですので、自分で情報を調べるときには注意しましょう。 (1)身体障害者手帳 ・身体の機能に一定以上の障害があると認められた方に交付される手帳。 ・申請:①医師の診断書・意見書(都道府県知事、指定都市市長、または、中核市市長が指定する医師に限る) ②身体に障害のある方の写真 の2つを用意し、福祉事務所、または、市役所にて行う。 ・更新:原則なし。ただし、例えば「障害の状態が軽減される」などの変化が予想される場合には、手帳の交付から一定期間を置いたあとに、再認定を実施することがある。 (2)療育手帳 ・児童相談所、または、知的障害者更生相談所において、「知的障害がある」と判定された方に交付される手帳。 ・申請:お住まいの自治体によって、手続き方法や必要書類などが異なる。 ・更新:あり。お住まいの自治体によって、手続き方法や期間などが異なる。 (3)精神障害者保健福祉手帳 ・一定程度の精神障害の状態にあると認められた方に交付される手帳。 ・申請:市町村の担当窓口を経由して、都道府県知事、または指定都市市長に行う。 ・更新:あり(2年ごと)。お住まいの自治体によって、手続き方法や必要書類などが異なる。 参考URL: ・障害者手帳について|厚生労働省 ・精神障害者福祉手帳|治療や生活へのサポート|メンタルヘルス|厚生労働省 1-2. 発達障害者が取得できる、精神障害者福祉保健手帳とは? 精神障害者保健福祉手帳は、「一定程度の精神障害の状態にあること」を認定するものです。何らかの精神障害により、長期にわたり日常生活や社会生活へ制約を受けてしまっている方が対象です。例えば以下のような、精神障害のすべてが対象です。 ・統合失調症 ・うつ病、そううつ病などの気分障害 ・てんかん ・薬物依存症 ・高次脳機能障害 ・発達障害(ASD、ADHD、SLD) 現在(2021年6月時点)の日本の法律では、発達障害は「精神障害」に分類されるため、精神障害者福祉保健手帳の対象となっています。 1-3. 精神障害者保健福祉手帳の申請方法は? 申請を受け付ける窓口は、お住まいの自治体の役所(市区役所・町村役場)にあります。「障害福祉課(障がい福祉課)」や「障害支援課(障がい支援課)」などの名前で窓口が設置されていますので、役所のホームページで調べてみましょう。 あるいは、役所の総合受付で「障害者手帳について相談したい」とたずねれば、担当窓口を案内してもらえます。 自治体によって手続きの内容に若干の違いがありますが、相談すれば丁寧に教えてもらえるので、まずは担当窓口を訪ねてみるのが良いでしょう。 申請には以下の書類が必要です。 (1)医師の診断書 精神科医、または、発達障害の専門医によって「発達障害である」と診断された証明書です。 この診断書は初診から6か月以上がたってからのものでなければなりません。理由は、精神障害は他の障害(身体・知的)とは異なり、時間の経過によって状態が変化する(※)ことがあるためです。 障害者手帳の交付が必要な「継続的な困難さがあるか」を判断するには、ある程度の期間、状態を観察することが必要と考えられているのです。 (※発達障害は生まれもっての先天的な障害のため、他の精神障害とは異なり「時間が経過しても、症状や困りごとに変化があるわけではない」として、区別するよう求める議論もなされています。) なお、病院で診断書を発行してもらう際、おおむね5,000円前後の作成料がかかります。自治体によっては、作成料を助成してくれる場合があるので、ホームページや窓口で確認してみると良いでしょう。 (2)精神障害による障害年金を受給している場合は、その証書等のコピー すでに障害年金を受給している場合は、(1)の診断書の代わりに申請書類として使うことができます。 (3)本人の写真 マイナンバーカードや免許証を作るときと同じように、証明写真が必要です。多くの場合は手帳に写真が掲載されます。 自治体によっては、宗教上や医療上で特別な事情がある場合に、頭を布で覆うことを認めている場合があります。 また、障害者手帳に写真を掲載しないことを選べる自治体もありますが、「手帳に写真を掲載しない場合、本人確認の観点から、受けられるサービスが限定される」などの制限が加わる場合があります。 窓口で申請してから、手帳が交付されるまでの期間は、平均で2か月〜3か月です。窓口となる自治体により、審査の内容や手順が異なるため、もっと短い場合もあれば長い場合もあります。 1-4. 取得した精神障害者保健福祉手帳は、更新手続きが必要か? 更新手続きは2年ごとに必要で、有効期限の3か月前より更新手続きが行えます。 更新の際にも医師の診断書が必要なため、診断書を書いてもらうための通院など、余裕をもったスケジュールを立てておきましょう。 なお、自治体によっては、更新に関する案内が特に送られてこず、自分で期限を管理しなければならない場合があります。 期限が切れてしまった場合、障害者手帳を元に受ける支援やサービス(例えば、障害者雇用枠での雇用や、税金の控除、公共交通機関の運賃の割引など)が受けられなくなってしまうため、忘れないように注意が必要です。     次ページ:障害者手帳について悩んだとき、相談できるところはある?
【大人の発達障害(ADHD)の特性対策】メモ帳活用術で、記憶力をカバーし物忘れ対策をしよう。

メモ帳を「身に付け」れば物や用事を忘れない!注意欠如多動性障害(ADHD) の特性あるあるの代表例である「もの忘れ」を防ぐHACKをご紹介します。

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[toc] ADHD の脳の特性による困りごと:ものごとの一時的な記憶が苦手 大人の発達障害、特に、ADHD(注意欠如・多動性障害)の困りごとの一つに「物や用事を忘れてしまう」ことが挙げられます。原因は、ADHD の脳の特性であるワーキングメモリーの弱みにあると言われています。 脳の一時的な記憶の置き場・作業場であるワーキングメモリー機能が弱いと「考えたことを一時的に頭にとどめたまま、他の作業をする」ということに困難さがあります。 ・さっきまで使っていた物をどこに置いたのか、別の作業を始めたら忘れてしまった ・さっき口頭で何か頼まれたのに、別の人に話しかけられたら頭から抜け落ちてしまった というご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、日頃からメモ帳を「身に付ける」ことで、物や用事を忘れてしまうことを防ぐ HACK をご紹介します。 ポイント①:自分の記憶力を過信せず、メモを取るクセを付ける 「記憶する」というと「テスト勉強で英単語を暗記する」ようなシーンが思い浮かびます。しかし、私たちの日常生活は「常に何かを記憶している」と言っても過言ではありません。 例えば、仕事で上司から「この資料を明日の会議で使うから、今日中に 10 部コピーしておいて欲しい」と頼まれたとします。たったこれだけの指示であっても、そこには以下の 3 つの情報が含まれています。 ① コピーするのは手渡された資料 ② 必要な部数は10部 ③ 期限は今日中 職場ではさまざまなことが起こります。例えば、コピー機に向かう途中で誰かに話しかけられたり、コピー機の紙がたまたま切れていたりすることがあるかも知れません。 このような「ふとしたキッカケ」で、先ほどの 3 つの情報のどれか一つでも欠けてしまったら、それだけで正しい作業はできなくなってしまいます。 自分の記憶力を過信せず「ちょっとしたことでも、すぐメモを取るクセを付ける」ことが大切です。 ADHD の「衝動性」の特性が物忘れに関係する場合も また、ADHD の特性の 1 つである「衝動性」が強い方の場合、「ある作業中に他のことが気になり、別の作業を突発的に始めてしまった」ようなときに、重要な情報が抜け落ちてしまうことがあります。 例えば、以下のような経験をされたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ・書棚のファイルを整理しているときに、上司から「ファイルの並べ方は、日付順にして欲しい」と言われた。 ・並べ替えをしなければならないのに、突発的に明日の会議の準備作業が気になり、書類整理をやめて準備作業の方を始めてしまった。 ・結局、上司から言われていた「ファイルを日付順にならべる」ことを忘れてしまった。 「ワーキングメモリーの弱さ」という特性がない方でも、「衝動性」の特性がみられる方は、ぜひ「メモするクセ」を意識してみましょう。 ポイント②:メモ帳は、持ち歩くのではなく「身に付ける」 メモを取るクセを付けるのと同時に、もう一つ注意すべき点があります。それは、ワーキングメモリーに弱みによって、以下のような事態が発生する可能性があるということです。 ・メモを持ち歩くことを忘れてしまう ・メモそのものを無くしてしまう ・どこにメモしたのか忘れてしまう これらを防ぐために、メモ帳は「持ち歩く」のではなく、洋服のように常に「身に付けておく」ようにします。首から下げられるようネックストラップの付いたものであれば、「ポケットから出して、どこかに置き忘れてしまう」といったこともありません。 カードホルダー付きのものなら、職場の ID カードホルダーと兼用でき、切り離したページを入れておくのにも役立ちます。ペンをセットで持ち歩けるよう、ペンホルダーが付いたものを選ぶとさらに便利です。また最近では、ウェアラブル(身に付けられる)を謳ったメモ帳も登場しています。そういったものを使ってみるのも良いでしょう。 参考商品: ① ダイゴー ノート 縦型鉛筆付すぐメモ ② たーとるうぃずの透明ポケットたくさんメモ帳カバー ③ wemo まとめ:メモ帳に記憶を「預ける」 ちょっとした事を、ちょっとした間だけ覚えておかねばならないとき、私たちは「わざわざメモするまでもないだろう」と考えてしまいがちです。 確かにメモを取るのが面倒に感じることもありますが、「忘れてはいけない!」とずっと頭の中で考え続けることは、それだけで大きなストレスになります。 別の言い方をすれば、メモさえしておけば、頭の中からは忘れてもいいとも言えます。自分の記憶をメモ帳に「預ける」ことで、頭の中で「忘れてはいけない!」と考え続けるストレスを回避することにもなるのです。 物や用事を忘れてしまわないために、メモ帳を「身に付ける」HACK をぜひお試しください。 ディーキャリアは、大人の発達障害がある方の「はたらく」をサポートします 「働いても長続きしない」 「人間関係がうまくいかない」 「就職/転職をしたいが、自分に合った仕事があるの不安」 こんなお悩みをお持ちではありませんか。働く上で困りごとを感じて就職・転職を考えているけれど、なかなか一人では上手く行かない……そんな方のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業。) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 執筆者 藤森ユウワ(ライター・編集) ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。 これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。 子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。 36 歳で ADHD・ASD と診断される。 診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。 誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。 さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。 自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。
【大人の発達障害(ADHD)の特性対策】朝の準備をテンプレ化!ワーキングメモリーの弱み&衝動性対策で遅刻を防止

仕事着を「テンプレート化」して朝の洋服選びをスムーズに。注意欠如多動性障害(ADHD) の特性あるあるの代表例である「遅刻」を防ぐHACKをご紹介します。

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[toc] ADHD にとって「朝の時間」は苦労の連続 前回の はたらくHACK では、大人の発達障害、特に ADHD(注意欠如・多動性障害)の 2 つの特性(①ワーキングメモリーの弱さ、②衝動性)が、「遅刻」の原因となっているケースが多いことをご紹介しました。 ただでさえ慌ただしい朝の時間帯、やらねばならない準備がいろいろある中で、特にたいへんなのが「着ていく洋服選び」です。 イギリスの大手小売事業者の調査(英語記事)によれば、洋服選びには平均で毎朝 17 分の時間がかかっているそうです。記事をお読みの皆さんのなかにも 「会社に着ていく洋服選びに時間がかかって、出発時間に遅れてしまった」 「ワイシャツにアイロンが掛かっていない、ネクタイが見つからない……と朝に慌ててしまった」 というご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで今回は、毎日着ていく洋服を「テンプレート化」して、朝の準備をスムーズに行うための HACK をご紹介します。 ポイント①:テンプレート化することで衝動性をカバー 「テンプレート」とは、一般的には文書の「ひな形」のことを意味します。Word や Excel などでテンプレートをもとに文書を作る、メールで挨拶文や署名をテンプレートに登録している、という方も多いのではないでしょうか。 「あらかじめ用意された定型的な文書」があることで、一から自分で考える必要がなくなり、効率的に文書を作成することができます。 これと同じように、着ていく洋服もあらかじめテンプレートを作っておくことで、毎朝一から洋服を選ぶ必要がなくなり、準備を効率よく進めることができます。 今回は「スーツで仕事に行く」ケースを例に見てみましょう。スーツに着替えようとする場合、以下の6つのアイテムの組み合わせを考える必要があります。 ① ジャケット ② パンツ ③ シャツ ④ 小物(ネクタイ、ベルトなど) ⑤ 靴下 ⑥ 靴( 革靴やパンプス) ①ジャケットと②パンツはセットアップになっていることもありますが、③シャツや④小物は何種類か持っていて「その日の気分で組み合わせている」ことが多いのではないでしょうか。 スーツに着替える、とひと言にすると単純なように聞こえますが、実はこれだけのアイテムの「組み合わせ」を考えなければなりません。さらに「昨日着ていた服とかぶっていないか」「洗濯やアイロンがけはできているか」などの状況も加味したうえで「今日身に付けるべきもの」を決める必要があります。 そこで、これら 6 つのアイテムの組み合わせをあらかじめ「テンプレート」として月曜〜金曜まで 5 日分作っておき、朝は何も考えずに「今日の曜日のテンプレートを選ぶだけ」にします。 まず、見た目にもっとも印象の強い①ジャケットと②パンツ、そして⑥靴は、2 セット用意します。2 セットを1 日ずつ交互に着回すことで「毎日同じ服を着ている」感がなくなり、スーツの生地や靴の革も傷みにくくなります。 そして、③シャツ ④小物 ⑤靴下は平日 5 日分、つまり 5 セット用意します。上着が 2 種類でも ③シャツと ④小物が変わるだけで見た目の印象はまったく変わりますので、「ちゃんと身だしなみに気をつかっている」という感じを演出することができます。 ここでのポイントは、お金をケチらず、③シャツ ④小物 ⑤靴下 は必ず平日 5 日分を用意するということです。 よくある失敗は「シャツを 5 枚も買うのはもったいないから、2〜3 枚を洗濯しながら着回す」というものです。着回ししようとした場合、毎日洗濯やアイロンがけを行わねばならず、もし忘れてしまった場合は組み合わせが変わってしまいます。 平日はなかなか忙しいですし、体調によっては「今日はちょっと家事をやる気力や体力がない……」という日もあります。洗濯やアイロンがけは休日にまとめて行うようにし、平日は余計な気力・体力を使わないようにすることがポイントです。 「この曜日は、このテンプレートを着ていく」と決めておくことで、クローゼットを開いたときにアレやコレやと衝動的に考えてしまうことがなくなり、スムーズに着替えを行うことができます。 ポイント②:事前準備 10 割で、朝に余計な集中力を使わない 忙しい朝に備えるためには、事前準備が何よりも大切です。 先ほど「シャツ・小物・靴下を平日 5 日分用意する」という話の部分でもご紹介したように、準備は休日にまとめて行うようにします。 シャツが 5 枚あれば、洗濯・アイロンがけするのは休日にまとめて済ませておくことができます。一気に済ませておく方が効率が良いですし、何より忙しい平日の時間を節約することができます。 曜日ごとのテンプレートを決めたら、すべてセットでハンガーにかけておくと、朝すぐに取り出せて便利です。 そして、アイテム選びをちょっと工夫することで、さらに洋服選びを効率化することができます。 例えば、シャツは「形態安定」や「ノーアイロン」と書かれた商品を買うようにすれば、そもそもアイロンがけをしなくても済みます。 奇抜な色や柄モノを買ってしまうと、テンプレートを考えるときに難しくなります。シャツは無地の白や薄い色・柄モノ、ジャケットも無地の黒・濃紺・グレーなどベーシックなアイテムを選んでおくと、組み合わせがしやすく便利です。 スーツを着る方の場合、アイテムを何パターンも持つのは金銭的に……というお悩みがある方もいらっしゃるかと思います。お手頃なスーツやシャツ、ビジネス向け服飾小物を取り扱う「ツープライススーツ店」はご存じでしょうか?こちらであれば、ベーシックなアイテムを比較的リーズナブルに揃えることができます。 ツープライススーツ店では「シャツ ● 枚セットで ▲▲ 円」というようにセット販売をしていることが多く、平日 5 日分のセットをお得に揃えることができます。 最近では新しい生活様式の普及によりスーツを着る機会が減っていますが、こうしたお店は「ビジネスカジュアル」の商品も揃っており、スーツほど堅苦し過ぎず、私服ほどカジュアル過ぎない、バランスの取れた仕事着を選ぶことができます。 洋服選びは楽しいものですが、仕事に着ていく服はセンスや個性よりも「清潔感」が何よりも大事です。スーツ店の Web サイトやカタログに載っているコーディネートはベーシックな組み合わせが多いので、参考にすると失敗が少なくなります。 まとめ:集中力を無駄に使わないことが大切 アップルコンピュータ(現:アップル)の創業者で、Mac や iPhone を世に送り出したことでも有名なスティーブ・ジョブズ。彼もまた、発達障害であったと言われていますが、ジョブズは仕事に全神経を集中するために、同じ洋服(黒のタートルネックとデニムパンツ)を何着も持っていて、洋服選びに余分な集中力を使わないようにしていたそうです。 洋服に限らず、「何かを選ぶ・決める」ということは、それだけ集中力を消費することだとも言えるでしょう。 体力と同じように、私たちの集中力(気力)もまた有限です。皆さんが本当にやるべきことに集中力を使えるように、テンプレート化の HACK をぜひお試しください。 ディーキャリアは、大人の発達障害がある方の「はたらく」をサポートします 「働いても長続きしない」 「人間関係がうまくいかない」 「就職/転職をしたいが、自分に合った仕事があるの不安」 こんなお悩みをお持ちではありませんか。働く上で困りごとを感じて就職・転職を考えているけれど、なかなか一人では上手く行かない……そんな方のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業。) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 執筆者 藤森ユウワ(ライター・編集) ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。 これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。 子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。 36 歳で ADHD・ASD と診断される。 診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。 誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。 さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。 自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。
【大人の発達障害(ADHD)の特性対策】アプリ活用で予定通りに行動!原因を理解して、遅刻対策をしよう。

Google カレンダー&マップを使って自分だけの「旅のしおり」を作り、注意欠如・多動性障害(ADHD) の特性あるあるの代表例である「遅刻」を防ぐHACKをご紹介します。

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[toc] ADHD の脳の特性による困りごと:計画や見通しを立てるのが苦手 大人の発達障害、特に、ADHD(注意欠如・多動性障害)の困りごとの一つに「遅刻」が挙げられます。これは、①ワーキングメモリーの弱さと、②衝動性という 2 つの特性が、遅刻の原因となっているケースが多いためです。 ①「ワーキングメモリーの弱さ」が遅刻の原因となるケース 特性 困りごとの例 ・予定した時間にあわせて行動することが難しい ・マルチタスク(=同時に作業を行うこと)が苦手 ・出発時間を気にしながら「顔を洗う」「着替える」「朝食をとる」「部屋の片づけをする」等の準備を同時に進められず、想定以上の時間が掛かってしまう。 ・いろいろな準備をしている間に、予定そのものを忘れてしまう ②「衝動性(抑制の利かなさ)」が遅刻の原因となるケース 特性 困りごとの例 ・思いついたら、状況判断をせずに行動に移してしまう ・今やるべきこと以外のものに注意が向いてしまい、別のことに手を付けてしまう ・洗濯機を回すのに30分、干す作業に15分かかるのに、洗濯機の時間だけを考えて、出発30分前に洗濯を始めてしまう ・出かける直前になって部屋の汚れが気になり、掃除を始めてしまう   これらの特性から「計画性のなさ」「見通しの甘さ」が生まれてしまい、適切なセルフケアをおこなわないと「遅刻」を繰り返してしまうことになるのです。 この記事をご覧になっている方のなかにも、例えば、仕事やプライベートで約束があるときに 「まだ余裕があると思って準備していたら、電車の時間に間に合わなくなってしまった」   「最寄り駅からの所要時間を考えておらず、目的地に遅れて到着してしまった」 ……といったご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、ADHD の困りごとである「遅刻」への対策として、 無料で使える Google マップと Google カレンダー を使った HACK をご紹介します ポイント①:移動時間もカレンダーに登録して見通しの甘さをカバー PC やスマートフォンで「カレンダー」のアプリを使ってスケジュールを管理されている方もいらっしゃるかと思いますが、今回の HACK の一つ目のポイントは、「面接」や「お客様とのアポイント」といった 約束そのものだけではなく、移動時間も一緒にカレンダーに登録 しておくことです。移動にかかる時間も予定に入れておくことで、時間の見通しが立てやすくなります。 PC でも スマートフォンでも、Google マップ のアプリを使うと簡単に移動時間を調べることができ、そのままカレンダーにも登録することができます。まず、Google マップで場所を調べ始める前に Google アカウントにログインしておきます。 Google アカウントにログインが済んだら、いつもどおりに目的地までの経路を調べます。ここでのポイントは、 目的地への到着時刻を指定して検索すること です。 Google マップの経路検索では、到着時刻を指定すると その時刻に目的地に着く ように検索をしてくれます。 電車・バスに乗車している時間だけでなく、最寄り駅から目的地までの徒歩の時間や、乗り換えに掛かる時間も考慮してくれるため、「何時に家を出て、何時に最寄り駅に着いていれば約束の時間に間に合うのか」を確認することができます。 表示された候補の中から経路を選び、詳細画面を下までスクロールすると「カレンダーに登録」というリンクがありますのでこれをタップします。 すると、先ほどログインした Google アカウントのカレンダーに、移動にかかる時間が予定として登録されます。予定の詳細を開くと、利用する交通機関の詳細も表示されるため、移動中にスマートフォンから確認するのにも便利です。 予定をカレンダーに登録しておくだけだと、「約束の時間に間に合うためには、いつ出発すれば良いのか」までは分かりません。移動にかかる時間も予定としてカレンダーに登録しておくことで、時間の見通しが立てやすくなり、より確実に到着できるようになります。 ポイント②:「待機できる場所」を予め見つけておく 遅刻しないための対策としてよく言われるのは「予定よりも少し早い時間に到着するようにする」というものです。しかし、10 分〜15 分程度の余裕しかないと交通機関に少しでも遅れがあったり、途中で乗り換えに手間取ったりするだけで、あっと言う間に時間がなくなってしまいます。 面接や商談など、ぜったいに遅刻できない約束の場合には、目的地の周辺でカフェなどの待機できる場所を探しておき、1 時間ほど前に到着するよう予定を立てておくことがオススメです。 Google マップには「目的地の周辺施設を検索する」という機能があります。例えば就職・転職の面接の場合、先方の会社周辺のカフェやファミレスを探しておきます。 1 時間余裕があれば、移動途中で何かトラブルがあっても十分対応できます。また、何ごともなく早く到着してもカフェやファミレスで休憩することができますので、気分を落ち着けたり、書類・資料を見返したりしてから、余裕を持って目的地へ向かうことができます。 また「移動途中で何かトラブルがあっても対応できる」という余裕を予め持っておくことで、ASD の「急な予定の変更があると対応が難しい」という特性に対しても効果があります。 まとめ:スケジュールを立てることで、見通しが立てやすくなり、気持ちに余裕ができる 学生時代の遠足や修学旅行で「旅のしおり」を作ったことがある方も多いと思います。しおりには目的地だけでなく、移動にかかる時間や途中の休憩場所など、前後の一連の予定が書かれていたのではないでしょうか。 Google マップと Google カレンダーを使うことで、自分だけの「旅のしおり」 を簡単に作ることができ、遅刻への対策を行うことができます。ぜひお試しください。 ディーキャリアは、大人の発達障害がある方の「はたらく」をサポートします 「働いても長続きしない」 「人間関係がうまくいかない」 「就職/転職をしたいが、自分に合った仕事があるの不安」 こんなお悩みをお持ちではありませんか。働く上で困りごとを感じて就職・転職を考えているけれど、なかなか一人では上手く行かない……そんな方のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業。) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 執筆者 藤森ユウワ(ライター・編集) ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。 これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。 子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。 36 歳で ADHD・ASD と診断される。 診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。 誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。 さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。 自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。
<ADHD>リマインダーアプリで「やるべきことを忘れず実行」しよう
【大人の発達障害(ADHD)の特性対策】リマインダーアプリで物忘れを防止。ワーキングメモリー(記憶力)の弱み対策

ADHD の困りごとである「うっかり忘れ」。スマートフォンの無料アプリを使った対策方法をご紹介します。

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[toc] ADHD の脳の特性による困りごと:ワーキングメモリーの弱み 大人の発達障害、特に、ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性の一つとして、ワーキングメモリーの弱みがあります。ワーキングメモリーとは、脳の一時的な記憶の置き場であり、作業場のこと。この部分に弱みがあることによって、 不注意が起こりやすい 複数の作業を同時に進めることが難しい 注意し続けることが苦手 記憶力が低い、物忘れが多く覚えておくことが苦手 ……といった困りごとが起こる原因にもなります。例えば、忙しい朝の時間帯に 「あ!燃えるゴミの日だったのに、朝出すのを忘れてしまった……」 「今日は通院の日だったのに、準備をしてない!」 ……といったご経験をされたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、ADHD の困りごとへの対策として無料のリマインダーアプリを使った特性 HACKS をご紹介します。 ADHD の特性対策ポイント①:繰り返しの予定を設定する やるべきことを自分で覚えておくことに困難さがあるのであれば、アプリに任せてしまいましょう。リマインダーアプリには、有料で高機能なものも多くありますが、スマートフォンに最初から入っている無料のものでも十分に使えます。今回の HACKS では、iPhone に最初から入っている「リマインダー」のアプリを例にご紹介します。 まずは、ゴミ出しや公共料金の支払い、通院や薬の服用など、日々のやるべきことをアプリに登録していきます。 登録するときのポイントは、繰り返しの設定をすること。例えばゴミ出しのように「一定の期間で何回も繰り返す」ようなことであれば、繰り返しの設定を一度してしまえば、毎回設定し直す必要がありません。 ADHD の特性対策ポイント②:事前準備もリマインダーに登録する もう一つの大事なポイントは、事前に必要な準備も一緒に、リマインダーに登録することです。例えば「ゴミ出し」の場合、一見すると「ゴミを出す」という一つの行動で済みそうですが、実際には 1. 部屋のゴミ箱からゴミを回収する 2. ゴミ箱からいっぱいになった袋を取り出して、口を縛る 3. ゴミ箱に新しいゴミ袋をセットする 4. ゴミ置き場にゴミを出す ……というように複数の行動が必要です。収集日当日の朝に「ゴミを出す」というリマインダーアプリからの通知が鳴ったとしても、忙しい朝の時間帯に出かける準備をしながらこれだけの行動を忘れず行うことは難しくなってしまいます。 そこで、事前に(前日のうちに)準備できることは先に済ませておくようにします。上記の 4 つの行動であれば、1〜3までは前日の夜にやっておくよう、リマインダーに登録します。こちらも繰り返し設定をしておけば、毎週ゴミ出しの日の前夜に忘れず準備をすることができます。 このように、事前準備も一緒にリマインダーに登録しておけば、「当日の朝、リマインダーは鳴ったけれど、忙しくて結局できなかった」ということを防ぐことができます。 今回の特性HACKSまとめ:頼れるものには頼る 今回の HACKS の最大のポイントは「自分が苦手なことは、アプリに思い切り依存して任せてしまう」ということです。 例えば、プロ野球やプロサッカーチームでは、選手それぞれに得意な領域があり、ポジションが決まっています。自分の得意を活かし苦手を補い合うからこそ「チーム」としての強さを発揮することができます。 それと同じように、自分が苦手な領域は、それが得意なアプリに任せてしまえば良いのです。アプリは絶対に怠けることもありませんし、ウッカリ忘れてしまうこともありません。 もちろん、自分で対策をしようと努力をすることは大切ですが、苦手なことを気をつけようと必死になってパワーを浪費するより、頼れるものは頼って任せてしまった方がラクになりますし、本来、自分がやるべきこと(仕事や日常生活など)に集中することができます。 ADHD の特性対策に、リマインダーアプリをぜひご活用ください。 ディーキャリアは、大人の発達障害がある方の「はたらく」をサポートします 「働いても長続きしない」 「人間関係がうまくいかない」 「就職/転職をしたいが、自分に合った仕事があるの不安」 こんなお悩みをお持ちではありませんか。働く上で困りごとを感じて就職・転職を考えているけれど、なかなか一人では上手く行かない……そんな方のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業。) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 執筆者 藤森ユウワ(ライター・編集) ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。 これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。 子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。 36 歳で ADHD・ASD と診断される。 診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。 誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。 さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。 自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。
特例子会社とは?就職先としてのメリット・デメリットを紹介!

障害者雇用枠の求人を探しているときに目にすることも多い「特例子会社」。特例子会社の基礎知識や一般企業との違いや、就職したときのメリット・デメリットを紹介します。

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障害者雇用での就職・転職を検討する際には「どの企業が自分に合っているのか」をよく検討することが大切ですが、その選択肢として忘れずにチェックしておきたいのが特例子会社です。 障害者雇用枠の求人を検索しているとよく目にする、この特例子会社。一般的な会社とは何が違うのでしょうか。この記事では、特例子会社の基礎知識を解説します。 [toc] 特例子会社制度とは 特例子会社とは、「障害者の雇用の促進及び安定を図るために特別な配慮をした子会社」のことで、障害者雇用促進法(正式名称:障害者の雇用の促進等に関する法律)で定められた制度です。 制度は2009年4月に創設され、2020年6月時点で全国に544社の特例子会社があります。 参考:特例子会社一覧(令和2年6月1日現在)|厚生労働省 障害者雇用促進法で定める「障害者雇用率制度※」では、企業等のすべての事業主に対して、一定の割合の障害者を雇用することを義務づけていますが、企業が障害者の雇用の促進と安定を図るために事業主が障害者の雇用に特別に配慮した子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、特例としてその子会社で雇用されている障害者を親会社が雇用しているとみなすことができると定めています。 ※障害者雇用率制度について、詳しくは「障害者雇用とは?オープン就労を目指す方に向け、基礎情報をまとめました。」の記事をご参照ください。 配慮にもとづき職場環境の整備が求められるため、障害者側にとっては、サポート体制が充実しているというメリットがあります。 また企業側にとっても、親会社の就業規則等に縛られることなく、障害のある方に配慮した柔軟な規則や運用体制を作ることができるというメリットがあります。 特例子会社認定の要件 親会社の要件 親会社が、当該子会社の意思決定機関(株主総会等)を支配していること。 子会社の要件 ① 親会社との人的関係が緊密であること。(具体的には、親会社からの役員派遣等) ② 雇用される障害者が5人以上で、全従業員に占める割合が20%以上であること。また、雇用される障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障害者の割合が30%以上であること。 ③ 障害者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有していること。(具体的には、障害者のための施設の改善、専任の指導員の配置等) ④ その他、障害者の雇用の促進及び安定が確実に達成されると認められること。 特例子会社で働くメリット・デメリット 今回ご紹介するメリット・デメリットは、あくまでも「傾向」であり、すべての特例子会社に当てはまるものではありません。 後項の「特例子会社の採用動向」で詳細をお伝えしますが、近年は、企業や求人内容によって、就業条件や業務内容が多岐に渡っています。 特例子会社で働くメリット メリット1:障害へ配慮のある職場環境が用意されている 特例子会社は、障害のある方に配慮した職場環境を整備しなければならないことが定められています。障害のある方にとって「働きやすい環境」を作るために特例子会社が実際に行っている配慮として、下記のような事例があります。 オフィス環境 ・設備のバリアフリー化 ・支援・指導スタッフやジョブコーチの在籍 ・休憩室の設置 働き方 ・柔軟な勤務形態(時短勤務やフレックスタイム制・時差出勤等) ・服薬・通院など医療に必要な時間確保のしやすさ 業務内容 ・障害特性に配慮した作業内容 ・業務の進め方(業務マニュアルの用意や業務指示の出し方など)への工夫を行う 上記の他にも、例えば「定期的な面談・相談を実施する」など、障害のある方が働き続けられるための取り組みが積極的に行われています。 メリット2:障害のある人同士の交流をもつことができる 実際に特例子会社に就職した方からは、「同じ悩みを抱える人が職場内にいることで、同じ視点から相談に乗ってもらえる心強さがある」という声をよくお聞きします。当事者同士でないと分からない不安や悩みを共有しあえる環境があることで、安心感を得てより安定的に働ける効果が期待できます。 特例子会社で働くデメリット デメリット1:給与の相場が低いことがある 企業により異なりますが、最低賃金(参考:東京1,041円、大阪992円、福岡870円 ※2021年11月時点)からのスタートであることが多いようです。(ディーキャリア調べでは70~80%程度の特例子会社が最低賃金スタート)もちろん、入社後の評価により昇給がある企業も多くあります。 ここ最近では、PCなどの実務スキルやこれまでの業務経験を活かすことのできる特例子会社の求人も増えてきており、その場合には入社時の給与設定が最低賃金よりも高く設定されることがあります。 デメリット2:職種の選択肢が少ないことがある 障害に配慮し、精神面・体力面で大きな負荷がかかる業務や、専門的なスキルが求められる難易度の高い業務は、あまり課されない傾向があります。 特例子会社は、親会社やグループ会社から切り出された定型的な業務を請け負っていることが多く、業務内容が限定される傾向があるため、スキルアップを目指す方にとっては「もの足りなさ」を感じてしまうかもしれません。ただし、ルーティン業務が好きな方や、マルチタスクやスケジュール管理が苦手な方にとっては、働きやすい職場とも言えます。 なお、従来の特例子会社は、障害の種別(身体・知的・精神)や特性に関係なく一律に定型化された事務作業や軽作業を行っているケースがほとんどでしたが、近年では障害の特性や本人の能力に合わせて、より能力を発揮できる業務を行っている特例子会社も登場しています。
障害者雇用とは?オープン就労を目指す方に向け、基礎情報をまとめました。

求人情報サイトなどで目にすることがある「障害者雇用枠」。そもそも「障害者雇用」とは何?障害のある人の「働く」を守る法律はあるの?といった疑問にお答えするための基礎情報をまとめました。

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国は「障害の有無にかかわらず、個人の希望や能力、適性に応じた職に就き、自立した生活を送ることができる社会」を目指して、障害のある方の雇用対策を推進しています。 厚生労働省の調査(令和元年度 障害者の職業紹介状況等)によれば、障害のある方々が「働きたい」と思う意欲は年々高まっており、ハローワークにおける障害のある方の就職件数は、この11年連続で増加しています。 また、平成30年4月1日より障害者雇用率(企業等の事業者に義務づけられた、障害者を雇用しなければならない人数の割合)が引き上げられ、企業や自治体、教育機関等の事業主が、障害のある方を積極的に雇用するよう後押ししています。 この記事では、障害者雇用枠での就職を目指す方に向けて、障害者雇用の基礎知識をまとめました。障害のある方の雇用をどのように国が推進しているのかを知ることで、障害者の権利や、権利が守られない場合の対処法について知識を深めましょう。 [toc] 障害者雇用促進法とは 障害者雇用促進法は、正式な名称を「障害者の雇用の促進等に関する法律」といいます。その目的は、大きく下記の3つです。 1. 障害者の雇用の促進と安定 2. 障害者が職業に就くため、また就いてからの、職業リハビリテーションの推進 3. 障害者の自立の推進 つまり、誰もが自分の能力や適性を十分に発揮し活躍ができる雇用環境を整え、障害の有無に関わらず皆がともに働く社会を作るための法律が、障害者雇用促進法です。 障害者雇用促進法で定められている制度やルール それでは、障害者雇用促進法で定められている制度やルールについて、具体的にその内容を解説していきます。 1. 障害者雇用率制度 企業等のすべての事業主は、常時雇用(※)する従業員のうち、一定の割合=法定雇用率以上の障害者を雇用することが義務付けられています。 ※常時雇用…正社員・パート・アルバイトなどの名称にかかわらず、「期間の定めなく雇用されている者」「過去 1 年以上の期間について引き続き雇用されている者、または雇い入れ時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者」のこと。 法定雇用率は、事業主の区分によって割合が定められています。令和3年3月の法改正によって以下のように割合が引き上げられ、障害者雇用の推進が図られています。 ・民間企業(従業員45.5人以上)…2.2%→2.3% ・国、地方公共団体、特殊法人…2.5%→2.6% ・都道府県等の教育委員…2.4%→2.5% 令和3年3月の法改正では法定雇用率の引き上げとともに、民間企業の事業主の範囲が「従業員45.5人以上」から「従業員43.5人以上」へと拡大し、より多くの民間企業が対象となりました。なお、福祉先進国であるヨーロッパの国々では、法定雇用率は5%以上となっており、日本もそれにならう形で、今後さらに割合が引き上げられると予想されています。 2. 障害者雇用納付金制度 障害者雇用に伴う、事業主の間の経済的負担の差を調整したり、経済的な負担を軽減したりするための制度です。大きく分けて以下の2つがあります。 2-1. 納付金・調整金 先ほど「1. 障害者雇用率制度」でもご紹介したとおり、障害者雇用促進法では、すべての事業主に対して一定の割合での障害者の雇用を義務づけられています。しかし実際には、障害者雇用率を満たせている事業主も、満たせていない事業主も存在します。 障害者雇用のためには、施設の整備や介助者の配置など、事業主には少なからず経済的な負担が発生します。「障害者雇用を推進する企業だけが経済的な負担を背負い、推進できていない企業は負担を免れる」ということにならないように、法定雇用率を満たせていない企業からは納付金を徴収し、満たせている企業には調整金を支給する仕組みになっているのです。 なお、納付金を徴収する対象は、一定の規模以上(常時雇用される従業員が100名以上)の事業主となっており、100名未満の事業主からは徴収されません。これは、規模の大きな事業者ほどより大きな経済的利益を得ており、社会的な責任も大きいという考えに基づいています。 そのため、大企業の方が、中小企業と比べてより積極的な障害者雇用を求められていると言えるでしょう。 2-2. 各種助成金 事業主が障害のある方を雇用した際や、施設の整備、介助者の配置などを行った際に申請することで、事業主に一定の金額が支給される助成金制度が整備されています。事業主の経済的な負担を軽減し、障害者雇用を後押しするための制度です。
就労移行支援事業所のよくある質問集

就労移行支援に興味があるけど、問い合わせをする前に詳しいことを知りたい!といった方に向け、就労移行支援事業所ディーキャリアに多く寄せられるご質問をまとめました。

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メールやお電話での無料相談、そして、ディーキャリア各事業所で行っている無料相談会では、大人の発達障害がある方で、悩みを抱えている方から、多くのご相談をいただきます。 最近は「大人の発達障害」に対する社会的な認知度が高まり、テレビ番組や雑誌などでも取り上げられることが増えてきました。また、インターネットでも、専門的な情報から実際の当事者による体験談まで、さまざまな情報を手に入れることができるようになりました。 一方で、誰とも相談しないまま、「調べれば調べるほど、一人で悩んでしまう」という方も多くいらっしゃいます。「誰かに相談する」というのは、なかなかハードルが高いもの。最初の一歩を踏み出すには、勇気が必要です。 そこでこちらの記事では、私たちがご相談をいただくなかで、「就労移行支援事業所」についての、よくある質問をまとめました。「同じ困りごとを抱えている人が、どんなポイントで悩んでいるのか」を知ることで、ご自身の悩みを解決するための、ヒントを得られるかもしれません。 [toc] Q1.就労移行支援事業所の選び方のコツは? A1.「1. 訓練プログラムの内容」「2. 事業所の立地・雰囲気」「3. 利用者の属性(障害種別や年齢等)」「4. 就職実績」の4つの観点から選ぶことをおすすめしています。 いずれもWebサイトやパンフレットだけでは分からないところが多いので、見学や体験に行くことをおすすめします。それぞれの詳細を以下に解説します。 1. 訓練プログラムの内容 どの就労移行支援事業所でも、「一般就労を目指す」というゴールは同じですが、運営している法人・団体や事業所により、どのような内容に取り組む訓練プログラムになっているのかは異なります。まずは、自分にとって必要な知識やスキルを身に付けられる内容かどうかを確認しましょう。 これまでのお仕事のご経験やスキル、そして障害による困りごとの内容により、訓練を「簡単すぎてつまらない」と感じてしまう、逆に「難しすぎてついていけない」と感じてしまうことがあります。訓練プログラムのレベル感が自分に合っているかどうか、確認することが大切です。 近年は、障害の種別に合わせて強みを持つ事業所や、専門的なスキル(IT系など)を習得できる事業所が増えてきています。例えば、うつ病等の方の復職を支援する、在宅ワークができるようにIT系のスキルの習得を支援するといった事業所もあります。就労移行支援事業所ディーキャリアでは、主に「大人の発達障害の特性」のある方に向けて、 ・自分の障害特性を知り、特性による得意・不得意を理解すること ・環境や業務内容など苦手なことへの対策・打ち手を考え、実践をすること ・感情への向き合い方やストレスへの対処法を学ぶこと ・対人関係やストレス対処・業務上で必要なコミュニケーション方法を身につけること ……など、発達障害ならではの課題に向き合う訓練プログラムをご用意しています。 また、ディーキャリアITエキスパートは、就労移行支援事業所であるとともにIT・Web 系専門職(プログラマーなど)を目指す「プログラミングスクール」としての機能を併せ持っており、実務スキルの習得だけなく、発達障害の特性理解や対応方法とを同時に学ぶことができます。 2. 事業所の立地・雰囲気 就労移行支援事業所は「通所型」(自宅でサービスを受けるのではなく、事業所へ自分で通うタイプ)のサービスですので、通い続けられるかどうかというのも大切なポイントです。自宅からの通所のしやすさもしっかりと確認しておきましょう。 事業所に通っている期間の中では、気分や体調がすぐれない時期もあるかも知れません。交通機関に乗っている時間はそれほど長くなかったとしても、例えば ・乗り換えの便が悪い ・混雑が激しい ・遅延や運休があった場合に代替の路線がない ……といったことがあると、通うことが困難になってしまう可能性もあります。インターネットの「乗り換え案内」で調べるだけでなく、見学に行く際に、通所する場合の実際のルートを、自分で確認してみることも大切です。 事業所の雰囲気は、運営している法人が同じ=提供されている訓練プログラムが同じであっても、建物の内装やスタッフによって、だいぶ異なるように感じられることがあります。 通所している他の利用者の方や、スタッフとの相性も当然あります。また、事業所の建物によっては、例えば「窓が大きい建物で、視覚過敏のためまぶしくて集中ができない」ということもあるかも知れません。 見学や体験の際には、自分にとって居心地が悪くないか、大きな負担のかからない環境であるかを確認しておきましょう。 3. 利用者の属性(障害種別や年齢等) その事業所をすでに利用している他の利用者の方について、どの障害種別(身体・知的・精神)の方が多いのかは、自分に合った事業所を探すための大切なポイントの一つです。 自分と同じ困りごとを抱えている方が多ければ、その困りごとに合わせた訓練プログラムやサポートも手厚くなります。また、他の利用者の方と悩みや課題を共有することもできるかも知れません。 同様に、利用者の方の年齢層が自分と合っているかどうかも、通いやすさを左右するポイントになります。 4. 就職実績 事業所を比べる際に、数字でもっとも端的に比較しやすいのが就職実績です。以下の4つの項目を確認しておきましょう。特に注目すべきは「就職率」と「定着率」です。   「就職実績」として確認しておきたい4つの項目 1. 就職率 事業所を退所(※)した人のうち、一般就労等をした方の割合。その事業所が「仕事に必要な知識・スキルを含め、実際の就職にむけた支援を十分にできているか 」を測る指標となる。 2. 定着率 事業所の退所後に入社した企業等を、早期退職せずに継続して勤務している方の割合。その事業所が「長期的に継続した安定就労をするために、必要な支援が十分にできているか 」を測る指標となる。 3. 就職人数 その事業所を退所して就職した人の人数。「延べ人数」や「累計」の場合は、単純に開所からの年数が長いほど増えるので、「直近半年~1年の実績」を確認すると、最新の 事業所から一般就労への移行状況を比較しやすい 。 4. 就職実績のある業界・職種 その事業所を退所した人が就職した企業の業界や職種。「その事業所が、どの分野の就職に強みがあるのか」という特色が現れやすいため、希望する業界・職種がある場合はチェックすると良い。 ※ 就労移行支援事業所では、「訓練を終えて就職した人」「就職が決まらず途中で退所、または、利用期間が終了した人」も、いずれも「退所」と表記します。 新しく開所したばかりの事業所はまだ実績がない(あるいは、少ない)ため、数字を公表する準備ができていない(=数字が公表されていない)場合もあります。同じ法人が複数の事業所を運営している場合には、当該法人の別の事業所の数字を参考にすると良いでしょう。 なお、最近では、1社で長く働くだけでなく、複数の会社で働く「複業(副業)」や「個人事業主(フリーランス)」といった、多様な働き方が認知されるようになってきました。 そういった働き方を目指される方もいらっしゃるかと思いますが、「心身の健康が安定して、長く働き続けること」という観点はどのような働き方にも共通しますので、就職率・定着率などの数字はぜひ参考にしてみてください。 Q2. 就労移行支援事業所に通うことで具体的にどんなことが身に付くの? A2.「企業に求められる人物像」になるための基礎知識や能力を身に付けることができます。 「企業に求められる人物像」というと「何か特定の経験やスキルを持っていること」を思い浮かべがちですが、実際には下記のような条件が上位にランクインしています。 <障害者雇用枠における、企業が求める採用条件 TOP 5>※ディーキャリア調べ 1. 生活リズムが整っており、勤怠が安定していること 2. 障害への自己受容ができていること 3. ストレスへの自己対処ができること 4. 就労意欲・仕事への熱意があること 5. 最低限のビジネスマナーがあること このように、業務経験や特定の資格・スキルよりも「働く上での基本的なこと」が重視されており、それだけ基本的なことの実践が難しいとも言えます。 障害の有り・無しにかかわらず、自分のことを理解し必要な対応をすることは、なかなか難しいものです。自分一人では難しいことでも、身につけていくことができるよう、専門の支援員によるサポートを受けることも一つの方法です。 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、まずは「働く上での基本的なこと」を学び、習得することを目指します。その基礎の上に、その人その人の「強み」や「やりがい」を明確化し、それらを活かせる職場探しを支援します。 さらに、実務スキルを高めるための模擬職場を用意し、PCスキル(Word、Excel、PowerPointなどオフィスソフト)の向上を目指すための訓練プログラムをご提供しています。 Q3. 一日の利用時間は?毎日通わなければならないの? A3.「1日4~6時間」を訓練時間とする就労移行支援事業所が多いようです。 法律上は「1日の訓練時間」や「通所する日数」は特に定められていませんが、「一般企業への就職を目指す」という観点から、実際に働く際の時間や日数を想定して設定している事業所が多いようです。 なお、事業所によっては平日だけではなく、土日祝日も開所している場合があり、受給者証の契約支給量の範囲内であれば、週5日以上通所することもできます。 いずれにせよ、支援スタッフと相談しながら、スケジュールを組み立てると良いでしょう。 就労移行支援事業所「ディーキャリア」での事例 ディーキャリアでは、10:00~15:00が訓練時間です。(うち1時間休憩、15:00〜16:00までは任意で自習・面談可) 「毎日通所をしなければならない」というルールはありません。利用開始前の面談や、実際に契約を開始する際の契約時に希望する通所日数をお伝えいただくことができます。 また入所後は、月1回「タイムカード(通所の予定表)」をご自身で作成しており、その際に調整していただくことも可能です。もちろん、体調不良や忌引き等の場合には、ご連絡をいただいたうえで欠席することもできます。 「勤怠の安定を目指すために、カレンダー通りの土日祝日を除いた平日は毎日通所をする」という方もいれば、「まずは体調を安定させるために、月・水・金曜日のみ」という方もいます。ご自身の希望や体調や障害の状況により、調整をすることが可能です。