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【事例紹介】発達障害による「二次障害」とは?原因と対処・予防法は

二次障害が起こらないよう、予防するためにはどうすれば良いのか。もし起こってしまったら、どう対処すれば良いのか。今回の記事では、発達障害による二次障害の原因と、その対処法や予防法について解説します。

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「がんばらなきゃいけないのに、どうしてもやる気が起きない」「突然、悲しくなったり不安な気持ちになったりする」「自分の感情が抑えられず、周囲とうまくコミュニケーションできない」 もしこうした症状にお悩みの場合、それは発達障害による二次障害かも知れません。 二次障害とは、発達障害の特性より困難やストレスが生じることが原因となって、心や身体に下記のような不調・問題が起こり、日常生活に支障をきたしてしまうことです。 ・心(精神)の不調…うつ病などのストレスによる精神疾患など ・身体の不調…頭痛、めまい、不眠、食欲不振など ・行動面の問題…反抗、暴言・暴力、引きこもりなど 二次障害が起こらないよう、予防するためにはどうすれば良いのか。もし起こってしまったら、どう対処すれば良いのか。今回の記事では、発達障害による二次障害の原因と、その対処法や予防法について解説します。 [toc] 二次障害の原因とは? 二次障害への対処法や予防法を学ぶために、まずは「二次障害がなぜ起こってしまうのか」という原因を知っておきましょう。注意欠如・多動性障害(ADHD)である A さんと、自閉症スペクトラム障害(ASD)である B さんの、二人の事例をご紹介します。 ADHD の特性により「無くし物が多い」A さんの場合 営業事務として働く A さんは、ADHD(一次障害) の特性である「ワーキングメモリーの弱み」によって無くし物が多いという困りごとを抱えていました。 ある日、仕事の大切な書類をどこかに置き忘れてしまい、上司から注意を受けた A さん。「次からは気をつけよう」と思っていたのですが 1 週間後、今度は会社の倉庫の鍵をどこかに置き忘れて無くしてしまいました。 「A さん、こないだ無くし物の注意したばかりなのに、なんで同じ失敗をしてしまったの?」 上司から再び注意を受けたことによって、「また同じような失敗をして、上司を怒らせてしまったらどうしよう…」と、A さんのなかで不安な気持ちが生まれました。その後も、仕事で無くし物をするたびに上司から注意を受け続けた A さんは、次第に「自分は何をやってもうまくいかないんだ…」「また叱られる…」と常に不安な気持ちを感じるようになりました。 数ヶ月後、A さんは気分がひどく落ち込んだり、夜も眠れなくなったりするようになってしまいました。その結果、うつ病(二次障害)の診断を受けました。 ASD の特性により「光や音で強いストレスを感じる」B さんの場合 Web デザイナーとして働く B さんは、ASD(一次障害)の特性によって感覚が非常に過敏になり、強い光や周囲の音にストレスを感じやすいという困りごとを抱えていました。 ある日、職場で席がえがあり、B さんは窓際の席に移動することになりました。勤務先のオフィスは日当たりが良く、B さんの新しい席は、とくに日差しが強く差し込む場所でした。またちょうど隣のビルが工事を行っており、勤務中は工事の騒音が常に聞こえてくるような環境でした。 B さんはブラインドや窓を閉めて光と音を和らげようとしましたが、上司から「オフィスの雰囲気が暗くなってしまうから、ブラインドはなるべく開けておくように」「換気のために、常に窓は開けておくように」と言われてしまいました。 上司の指示に従い、ブラインドや窓を開けておかざるを得なかった B さん。これまでも「職場ではどうも集中しづらいな…」と感じていましたが、席がえの後は目や耳に極度の疲れや、ときに痛みを感じるようになってしまい、ストレスから夜、眠れない状態(二次障害)になってしまいました。 *** 発達障害は「社会性の障害」と言われており、周囲の環境によって困難が生じることがあります。上記の A さん・B さんの例のように、発達障害の特性によって周囲とうまくいかず、ネガティブな経験が積み重なってしまったり、日常的にストレスにさらされてしまったりすることが、二次障害の大きな原因となるのです。 次ページ:二次障害にはどんな種類があるの?
発達障害当事者がオープン就労/クローズ就労の両方で働いてみて分かったこと

発達障害当事者がオープン就労とクローズ就労のそれぞれで実際に働いてみて、どのようなことを感じたのか、実体験から得た学びをご紹介します。「障害をオープンにするかクローズにするか」で迷っている方のお悩みが解決するためのヒントとしてご覧ください。

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「仕事や人間関係がうまくいかず、悩んでいろいろと調べてみたら、どうやら原因は発達障害にあるらしい。病院を受診して発達障害の診断も受けた。では、その診断結果を会社に伝えるべきか——」 発達障害の診断を受けたことを会社に伝えるかどうかは、とても大きな問題です。 発達障害の特性が原因で、仕事や人間関係などに困りごとが現れている以上、何らかの形で支援してもらいたい・助けてもらいたいという気持ちは当然あります。 その一方で、「上司や同僚に理解されなかったらどうしよう」「待遇が下がったり辞めさせられたりすることはないだろうか」など、さまざまな不安も湧いてきます。筆者もまさに、発達障害の当事者としてこのような悩みを抱えていました。 30 代で自閉症スペクトラム障害(ASD)と注意欠如・多動性障害(ADHD)の診断を受けてから 5 年。その間に私はオープン(障害開示)就労とクローズ(障害非開示)就労の両方を経験しました。 今回の記事では、筆者がオープン就労とクローズ就労のそれぞれで実際に働いてみて、どのようなことを感じたのか、実体験から得た学びをご紹介します。「障害をオープンにするかクローズにするか」で迷っている方のお悩みが解決できるよう、何かのヒントとなれれば幸いです。 [toc] 1. オープン就労/クローズ就労の 3 つのパターン まず、オープン就労とクローズ就労のパターンを整理しておきましょう。「オープン就労=障害者雇用」「クローズ就労=一般雇用」と考えてしまいがちですが、実際には以下の 3 つのパターンがあります。 1-1. 障害者雇用枠で働く(オープン就労) 一般的にオープン就労としてイメージされることが多いのがこちらです。障害者雇用枠で働くためには当然ながら障害のことを会社に伝える必要があります。 ただし、会社側と相談のうえで「人事部門と直属の上司だけに伝える」というように、会社のなかで障害を開示する範囲を「業務の遂行や支援のために必要な範囲に限る」ことは可能です。 1-2. 一般雇用枠で障害を非開示にして働く(クローズ就労) 一般的にクローズ就労としてイメージされることが多いのがこちらです。発達障害があったとしても、「障害特性をセルフケア(自己対処)でカバーできている場合」や「障害特性による苦手や困難が、仕事をするうえで影響を及ぼさない、もしくは許容できる場合」には、障害を開示せず一般雇用で働いている方も数多くいらっしゃいます。 1-3. 一般雇用枠で障害を開示して働く(オープン就労) 一般雇用枠で障害を開示して働くことも可能です。障害者手帳の有無や雇用の形態を問わず、障害によって社会のなかで困難さを抱えている人であれば誰でも、会社に合理的配慮の提供を相談することができます。 「もともと一般雇用枠で働いていた人が、在職中に発達障害の診断を受け、障害者雇用枠に切り替えず一般雇用枠のまま合理的配慮を受けて働く」といったケースも多くあります。 *** 筆者は 3 つのパターンをすべて経験しましたので、この後の章ではそれぞれについて詳しく体験談をご紹介します。 なお、「障害者雇用/一般雇用」や「合理的配慮」については、過去のコラム記事で解説しています。この記事の最後にリンク集をまとめておりますので、詳しく知りたい方はそちらもぜひご参照ください。 次ページ:オープン就労(一般雇用枠)で実際に働いてみて、どうだった?
【大人の発達障害の就活HACK】「求める人物像」をチェックしよう

「求める人物像」をチェックすることで、就職後のミスマッチを防ぎ、長く働くことができる可能性が高まります。 今回の記事では、「求める人物像」に書かれている内容の読み解き方について解説します。

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求人に応募しようとするとき、「この会社は本当に自分に合っているのか?」「長く働き続けられる環境なのか?」と不安に感じたことはありませんか? 求人情報にはさまざまな応募条件が書かれていますが、自分に合った会社かどうかを見定めるために、ぜひチェックしておきたいのが「求める人物像」という項目です。 私たちが「自分に合う会社で働きたい」と思うのと同じで、企業側も「この会社に合う人に働いて欲しい」と思っています。「求める人物像」をチェックすることで、就職後のミスマッチを防ぎ、長く働くことができる可能性が高まります。 今回の記事では、「求める人物像」に書かれている内容の読み解き方について解説します。 特に、障害者雇用枠求人の場合、企業が重視するポイントが決まっており、事前に知っておくことで就職活動への準備にもなります。自分に合った長く働ける会社を見つけるために、ぜひこの記事をご参考ください。 [toc] 求める人物像には「この会社に合う人」の条件が書いてある 企業が「求める人物像」を設定する理由は、入社後のミスマッチを防ぐためです。 皆さんは、企業の採用活動に「どれくらいのお金が掛かっているか」をご存知でしょうか。大手人材会社が行った調査 [*注] によると、新しい人材を採用するためには一人あたり平均で 100 万円前後のコストが掛かると言われています。これだけのお金を掛けるのですから、「良い人に就職してもらい、長く働いて欲しい」と企業が考えるのは当然だと言えるでしょう。 応募条件のうち「業務経験」や「資格」「学歴」といったものは、応募書類を見ればすぐに判断ができます。一方で、 ・応募者が、仕事に対しどれくらいの意欲を持っているか ・応募者の興味・志向と、会社の社風・方針がどれだけマッチするか ・応募者の行動タイプや適性(例:慎重派か行動派か、話し好きか物静かか、等)と、募集している仕事がどれだけマッチするか …という「長く働いてもらうために、確認しておきたいこと」は、書類だけではなかなか判断ができません。そこで、「求める人物像」を設定し、応募者に対して「私たちの会社には、こういう人が合いますよ」という条件を知らせようとしているのです。 [*注] 出典:株式会社リクルート 就職みらい研究所「就職白書2020」 求める人物像を見れば「その会社で長く働けているのはどんな人か」が分かる 「求める人物像」は、求人を出している部署や職種で「実際に活躍している人」「実際に長く働いている人」を元に作られています。よって「求める人物像」を見れば、どんな人ならその会社で活躍したり長く働いたりできるのかが分かります。 特に「その業界や職種が未経験でも OK」の求人では、資格や学歴よりも人物像を重視する傾向があります。もし、今まで経験がない仕事の求人に応募したい場合は、自分が持っている仕事への想いや、行動タイプや適性、価値観などが「求める人物像」とどれくらいマッチするのか、しっかりとチェックしておきましょう。 次ページ:気をつけなければならない「落とし穴」とは?
【大人の発達障害の就活HACK】面接の準備をしよう|対策と流れ

大人の発達障害がある方で「面接が苦手だ…」という方は少なくありません。この記事では、“はじめて就職・転職活動をおこなう方” や、“転職活動が久しぶりの方” に向けて、発達障害の特性に応じた工夫とあわせて、必要な準備・面接の手順・練習方法などの基本についてご紹介します。

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書類選考を通過すると、いよいよ次は面接です。初めて会う人と話すのは誰でも緊張するもの。ましてや、それで就職できるかどうか決まると思うと、いっそう緊張感は高まります。 大人の発達障害がある方で「面接が苦手だ…」という方は少なくありません。 ・スケジュールを立てることや見通しを立てることが苦手で、面接準備が間に合わない ・遅刻をしてしまうことが多く、面接時間に間に合わない ・考えを頭の中でまとめるのが苦手で、質問にうまく答えられない ・面接官からの質問を忘れてしまったり理解ができなかったりすることで、かみ合わないことがある ・そもそもコミュニケーションが不得意で、話すことが苦手 など、特性による苦手によって “つまずき” を感じることがあります。 この記事では、“はじめて就職・転職活動をおこなう方” や、“転職活動が久しぶりの方” に向けて、発達障害の特性に応じた工夫とあわせて、必要な準備・面接の手順・練習方法などの基本についてご紹介します。 面接は職場の実際の様子を見たり、担当者と直接話をしたりできる貴重な機会でもあります。しっかりと準備をしていきましょう。 [toc] 1. 事前の準備が何よりも大切 発達障害のある方に特に多いのが、人前で話すのが苦手という悩みです。「人前で話すことが得意な人でないと、面接はうまく行かないんじゃないか…?」と心配に思う方もいらっしゃるかも知れませんが、決してそんなことはありません。たとえ人前で話すことが苦手でも、事前の準備をしっかりすることで面接を乗り越えることができます。 マイクロソフト社で 10 年以上にわたりトップ・プレゼンターとして表彰され続けた澤 円(さわ・まどか)さん。人前で話すプロフェッショナルであり「プレゼンの神様」とまで呼ばれた澤さんは “プレゼンが成功するかどうかは、8 割が準備で決まる” と語っています。(澤さんご自身、発達障害の当事者でもいらっしゃいます。) 「私は人前で話すことが苦手だから、面接は自信がない…」という方ほど、準備にしっかりと時間をかけましょう。 1-1. しゃべる内容の台本を作る どんなに話し方がキレイなアナウンサーでも、名演技をする俳優でも、しゃべっていることには必ず台本があります。まずは、面接でしゃべる内容を紙に書き出して、台本を作りましょう。 「面接では何を聞かれるか分からないのに、台本が作れるの?」と思われるかも知れませんが、ほとんどの面接では、聞かれることは共通しています。たとえば以下のようなものです。 ・この会社へ応募しようと思ったのはなぜですか?(志望動機) ・あなたがこの会社へ入ったら、どのようなことで活躍できますか?(自己 PR) ・あなたの長所や短所を教えてください。(自己分析) ・あなたが、これまでの人生で体験した成功/失敗について教えてください。(自己分析) 特に “志望動機” や “自己 PR” は、応募書類(履歴書・職務経歴書)にも書いていますので、書類に書いたことと面接でしゃべることが食い違ってしまわないよう注意しましょう。食い違ってしまうと話がウソっぽくなり、マイナスの評価になってしまいますので、書類に書いた内容をもとに台本を作りましょう。 障害者雇用枠での採用面接の場合、以下のような “障害に関する質問” もされますので、こちらも台本を作っておきましょう。 ・あなたの障害特性について教えてください ・必要な合理的配慮は何ですか? ・あなたが行っている「障害へのセルフケア」について教えてください なお、合理的配慮の考え方については以下の記事もぜひ参考にしてみてください。 「合理的配慮」申請マニュアル 流れとポイントを紹介|発達障害のある方のためのお役立ちコラム 手書きの書類を郵送で送る場合は、台本を作るために、発送前にコピーを取って手元に残しておくことをオススメします。もし、コピーを取らずすでに書類を送ってしまっている場合は、できる限り思い出して書いてください。 1-2. 実際に声に出して練習する 台本ができたら、実際にしゃべる練習をしましょう。声に出してみて、しゃべりづらい部分があれば台本を手直しします。台本を丸暗記する必要はありません。自分の言葉で、自然に話せることが大切です。 しゃべっている内容を誰かに聞いてもらっても良いでしょう。第三者の視点から、自分では気が付かないこともアドバイスしてもらえることがあります。「誰かに聞かれるのは恥ずかしい」「聞いてもらえる相手が近くにいない」という場合は、スマートフォンの “ボイスメモ” のアプリを使って自分の声を録音し、自分で聞いてみるだけでも新たな発見があります。 練習では、話すスピードや量を意識することが大切です。①早口になりすぎない ②話が長すぎない…の 2 つを意識して台本を作りましょう。例えば、自己紹介の場合は「文字数は300~500字」で台本を作り、ストップウォッチで時間を測りながら「2分以内」で話せるように練習をしてみましょう。 このあと「2. 面接当日の流れを知っておこう」で、実際の面接の流れについて解説しますが、それに沿って練習するのもオススメです。例えば、家族や友人に面接官役をやってもらい、自分は実際にスーツを着て、部屋に入るところから実際に受け答えするところまでを一通りシミュレーションしてみるのです。心の準備にもなり、当日の緊張を和らげることができます。 1-3. 当日の準備をする 面接の当日、実際に出かけるときの準備も、事前にしっかりと済ませておきましょう。準備のポイントは、以下の 2 点です。 ポイント 1. 身だしなみを整える 身だしなみはとても大切です。「人は外見よりも中身の方が大事だ」とよく言われますが、身だしなみは社会人としてのマナーの基本です。面接官からも見られるポイントになりますので、しっかりと準備をしておきましょう。 服装は基本的に、上下セットのスーツです。ワイシャツは体に合ったサイズを選び、シワがないようアイロンをかけます。革靴も磨いておきましょう。 「面接に着ていけるようなスーツをまだ持っていない」という方は、スーツ専門店で購入しましょう。店員さんに「就職活動の面接で着ていけるスーツが欲しいんですが……」と尋ねれば、最適なモノを見繕ってもらえます。自分の体型に合ったワイシャツや、ネクタイ・靴下・革靴までセットで揃えることができます。 身だしなみや面接に着ていく服に悩んでいる方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。 【大人の発達障害(ADHD)の特性対策】朝の準備をテンプレ化!ワーキングメモリーの弱み&衝動性対策で遅刻を防止 ポイント 2. 遅刻をしないようにする 面接でもっともやってはいけないことは、約束の時間に遅刻することです。身だしなみと同じく、「約束や時間を守ること」は社会人としての基本的なマナーです。履歴書がどんなに立派でも、面接でどんなに上手く自己 PR できたとしても、遅刻をしたらすべてが台無しになってしまうので、じゅうぶん注意しましょう。 「途中で交通機関が遅れたり、体調が悪くなったりしたら仕方がないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、「そうなったとしても、できるかぎり遅刻をしない」ように事前に準備しておくことが大切です。 ・交通機関が遅れるかも知れない → 約束の時間より1時間ほど早く到着できるよう、余裕を持って出発し、早めに着いたら、目的地周辺のレストランやカフェなどで時間まで待機する。 ・途中で体調が悪くなるかも知れない → 前日は早く寝て体調を整える。「緊張するとお腹が痛くなりやすい」など、特定の症状が出やすいことが分かっている場合は、胃腸薬などの薬を事前に用意して持って行く。 当日「やむを得ない事情」や「急用」で遅刻やキャンセルをする際には、必ず先方に電話で連絡を入れます。(メールだと、相手が気が付くまで時間がかかるため。)先方の連絡先をあらかじめ携帯電話やスマートフォンに登録しておき、すぐに連絡ができるよう準備しておきましょう。 「やむを得ない事情」や「急用」とは、以下のようなものです。 ・体調を整えることにじゅうぶん注意していたが、それでも体調を崩してしまった場合(例:持病が急に悪化してしまった、新型コロナやインフルエンザなどの感染症にかかってしまった、等) ・地震などの突然の災害や大規模な事故などで、交通機関が2時間以上遅れたり、運休したりしているような場合 ・自分の親や子ども、一緒に住んでいる家族など「近しい親族」に、命に関わるようなことが起こった場合(例:交通事故に遭って病院に運ばれた、病気で入院していたが危篤状態になった、等) ・自分自身が、何かの事件や事故に巻き込まれた場合 なお、遅刻をしないためのテクニックについて、以下の記事でスマートフォンアプリを活用した方法を解説しています。こちらもぜひご参考ください。 【大人の発達障害(ADHD)の特性対策】アプリ活用で予定通りに行動!原因を理解して、遅刻対策をしよう。 次ページ:実際の面接は、どのように進むの?
【当事者が解説】大人の発達障害の診断は受けるべき?メリットや注意点を紹介

発達障害当事者が、診断を受けるか悩んだ実体験をもとに「診断を受けるメリットやデメリット」「診断を受けるために必要な手順」「診断を受ける場合の注意点」「実際に診断を受けて何が変わったのか」を解説します。

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「発達障害のことを調べていたら、思い当たることが多かった」「発達障害の診断チェックリストをやってみたら、多くの項目に当てはまった」 働きづらさや生きづらさを感じている方のなかには、こうしたきっかけで発達障害について知った、という方も多いのではないでしょうか。何を隠そう、筆者もその中の一人です。 私は「自分は発達障害なのかもしれない」と思ってから医師の診断を受けるまでに、さまざまな悩みごとを経験しました。今回の記事では、実際に当事者として悩んだ経験をもとに ・診断を受けるメリットやデメリットはあるのか ・診断を受けるためには、どういう手順が必要なのか ・診断を受ける場合、何か注意すべきことはあるのか ・実際に、筆者が診断を受けてみて何が変わったのか …について解説します。 [toc] 1. 発達障害について最初に押さえておきたい 2 つのキーワード〜①生まれつき ②ミスマッチ〜 すでにインターネットなどで情報をご覧になり、発達障害が「先天的な脳機能の障害」であることや、いくつかの種類があることをご存知の方も多いかと思います。(自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、限局性学習障害(SLD)、等) 発達障害について理解するために、もう少し表現をかみ砕いてみましょう。 発達障害とは、生まれつきの “脳の発達の偏り” がきっかけとなり、生活・仕事の環境や人間関係にミスマッチが起こることで、生きづらさが生じる障害です。押さえておきたいキーワードは ①生まれつき ②ミスマッチ…の 2 つです。それぞれについて解説します。 なお、大人の発達障害について基礎知識について知りたい方は、以下のページもご参照ください。 大人の発達障害とは | 就労移行支援事業所ディーキャリア キーワード 1「生まれつき」〜発達障害とは、本人の努力不足や親の育て方の問題ではない〜 「生まれつき」ということは、つまり、自分が大人になるまでの間に努力をしてこなかったとか、親の育て方が悪かったとか、そのような問題ではないということです。 過去の自分を責める必要はありません。「発達障害というものの存在を知った、今、このときから何ができるのか」を考えることが大切です。 キーワード 2「ミスマッチ」〜発達障害の方の “生きづらさ” は、周囲の環境によって起こっている場合がある〜 「ミスマッチが起こることで生きづらさが生じる」ということは、逆に「ミスマッチがなければ、生きづらさは生じない」とも言えそうです。これは一体、どういうことなのでしょうか。 社会学では、障害とは「個人の特性」によって起こるのではなく「社会との関係」によって起こるのだという、障害社会学 [*3]という考え方があります。 例えば、近視で遠くがよく見えない人がいるとしましょう。 現代は、メガネやコンタクトレンズがあります。パイロットなどの特別な職業でない限り、多くの人はそれほど遠くまで見えなくても仕事や日常生活に困りません。必要なら双眼鏡などの道具を使うこともできます。近視だったとしても、「社会的な不利益」を受けることは少ないと言えるでしょう。 しかし、これが原始時代だったらどうでしょうか。 遠くがよく見えなければ、狩りで獲物を探したり、迫ってくる危険をいち早く見つけたりすることができません。そのため、同じ集落の仲間に迷惑を掛けてしまい、「お前は役立たずだ」と言われて集落から追い出されてしまうかも知れません。近視であることで、「社会的な不利益」を受けてしまうおそれがあるのです。 周りの環境や社会との関係によって不利益を受けることが障害なのであり、個人の特性(近視であること)が障害なのではないというのが、障害社会学の考え方です。 実際に筆者も、職業や働き方を変えたことで “働きづらさ” は大きく改善されました。今は、一緒に仕事をしていても、私に発達障害があることにまったく気が付かない人もたくさんいます。 発達障害そのものに対してなにか対策を行うだけではなく、自分の特性とミスマッチを起こしている環境もあわせて見直すことが、とても重要なのです。 [*3] 参考文献:テーマ別研究動向(障害の社会学)|J-STAGE 次ページ:診断を受けた方が良いのは、どのような人?
発達障害のある方が障害年金を受け取るための条件や申請方法

「発達障害があり、障害年金を受け取りたい」と考えている方に向けて、障害年金の概要や対象となる条件、もらえる金額、申請方法など、知っておきたい基本情報をご紹介します。「発達障害で申請する際のポイント」もまとめました。

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このコラムでは「発達障害があり、障害年金を受け取りたい」と考えている方に向けて、障害年金の概要や対象となる条件、もらえる金額、申請方法など、知っておきたい基本情報をご紹介します。「発達障害で申請する際のポイント」もまとめました。 障害年金について、「発達障害だと、障害の程度が軽いとされて受給できない」「仕事をしている人は、受給の対象とならない」という誤解をお持ちの方は少なくありません。しかし、発達障害の特性により日常生活や働くことに支障がある場合には、障害年金を受給できる可能性があります。また、就業中の方であっても、障害により仕事に困難さが出ている場合には、対象となることがあります。 また、障害年金の対象とならない方であっても、障害手当金を受給できる可能性があります。 障害年金について正しい知識を持ち、本記事を参考にご自身が対象となり得るどうかをご確認ください。 [toc] 1. 障害年金の種類 障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」の2つの種類があります。また、対象基準より障害の程度が軽いと判定され、障害年金の対象とならない場合でも、「障害手当金」を申請できることがあります。どの年金を受給できるかは、厚生労働省が障害の程度によって定めている障害等級を元に判断されます。それぞれについて、以下に詳しくご説明します。 (1)障害基礎年金 障害基礎年金とは、障害等級の1級・2級に該当する障害がある場合に受け取れる年金です。 前提条件が「国民年金に加入していること」であるため、20歳以上60歳未満の日本に住んでいる人であれば全員が対象です。20歳未満(年金制度に加入していない期間)、もしくは60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間で日本に住んでいる間)も同様に対象となります。 また、子供の頃のけがや病気、先天性の病気や障害によって日常生活に支障がある場合でも、障害等級の1級・2級に該当すれば対象となります。 (2)障害厚生年金 「障害厚生年金」は、障害基礎年金に上乗せされる障害年金です。 厚生年金に加入している間に障害が生じた場合、障害等級の1級・2級に該当する場合は金額が加算されて支給され、3級に該当する場合は障害厚生年金のみ受け取ることができます。 厚生年金に加入していることが条件であり、国民年金のみに加入している人は対象となりません。 (3)障害手当金 「障害手当金」とは、障害年金の対象となる等級に該当しない、軽度の障害がある方に支給される一時金のことです。 障害等級の3級よりも軽度の障害がある方で、障害が生じた原因となる病気やけがが初診日から5年以内に完治したときに受け取ることができます。 つまり、障害年金の対象とならない障害がある方でも、障害手当金は受け取れる場合があります。 発達障害のある方も、障害年金を受け取れる可能性があります。 発達障害は先天性の脳機能の障害ですが、先ほど解説したように障害年金はケガや病気だけではなく、生まれ持っての病気などによる障害がある方にも支給されます。つまり、発達障害による生活や仕事上の困りごとが支給の要件を満たすと判定されれば、発達障害でも障害年金や障害手当金を受け取ることができます。 では、発達障害による困りごとが要件を満たすかどうか、どのような基準で判定されるのでしょうか。基準となる障害等級について、次に解説します。 2. 発達障害の障害等級 「障害等級」とは、厚生労働省が定めた障害の程度を認定するための基準です。等級は医師の診断書に記載されている症状や、日常生活の能力・労働の能力などにより総合的に判断されます。 なお、障害者手帳にも障害の程度に応じて等級がありますが、障害者手帳と障害年金とは別の制度であり、等級の判定方法も異なるため、混同しないよう注意しましょう。制度が異なりますので、障害者手帳の等級と、障害年金の等級とは必ずしも一致しません。また、障害者手帳を取得していない方でも、条件を満たせたせば障害年金を受給することができます。 発達障害のある方の、障害等級の認定基準例は下記です。 障害の程度:1級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの 障害の程度:2級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの 障害の程度:3級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの *** 障害の特性により日常生活や労働に大きな支障が出ている場合は、その度合いにより等級が定められます。例えば、「感覚過敏(匂いや音、光などに対する敏感さ)による制限がある」「臨機応変な対応が苦手で常時管理や指導が必要」「コミュニケーションが難しく他従業員とのやりとりができない」など、働くうえでの困難さが認められた場合などです。 等級の判定は、医師の診断書に基づいて行われるため、診断書に「障害の特性によって生活や就労に制限がされていること」についてしっかりと記載されていることが重要です。 二次障害として精神疾患(ただし、障害等級の認定対象となる精神疾患に限る)が併発している場合には、発達障害と精神疾患の両方の症状を総合的に判断して、障害等級が認定されます。 一度等級が認定されても、認定時よりも症状が悪化したり、逆に軽減したりした場合には、等級が変わる可能性もあります。悪化した場合には、現在よりも上位の障害等級の認定を請求する「額改定請求」という手続きをすることができます。軽減した場合、障害年金・障害給付金の対象外となることがあります。 次ページ:障害年金をもらうためには、どんな条件がある?
【大人の発達障害の就活HACK】応募の準備をしよう〜職歴がない場合の書き方編〜

社員としての職歴がない方の場合の「履歴書の職歴欄や職務経歴書の書き方」について解説します。

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前回の記事「応募の準備をしよう〜職務経歴書〜」と、前々回記事「応募の準備をしよう〜履歴書編〜」では、それぞれの書類の書き方の基礎をご紹介しましたが、社員としての職歴がない場合には、どのように書けば良いのでしょうか。 企業の求人には、さまざまな人たちが応募してきます。確かに、多くの応募者のなかで“職歴の有り・無し”だけで比較された場合、職歴がないと不利になってしまうことはあるかも知れません。しかし、職歴がないからと言って就職活動ができないわけでは決してありません。 前回の記事でも解説したように、大切なのは企業の求める人材と自分が持っているものがどのようにマッチするかを伝えることです。そこで今回の記事では、職歴がない方の場合の「履歴書の職歴欄や職務経歴書の書き方」について解説します。 「はじめて本格的な就職活動をしようしていて、職歴に書けるものがない…」 「日雇い派遣や短期のアルバイトは職歴になる…?」 「職業訓練校や、就労移行支援事業所に通っていた期間は、どう書けば良い…?」 というお悩みをお持ちの方は、ぜひご参考ください。 [toc] ケース1. 社員としての職歴はないが、アルバイトなどの勤務経験がある場合 これまで正社員や契約社員、派遣社員などで働いた経験がなくても、アルバイト・パートや、日雇い派遣などで勤務した経験がある場合は、その経験を職歴として記載できます。 書き方は、社員としての職歴を書く場合と同じですので、具体例は前回・前々回の記事をご参照ください。 ・応募の準備をしよう〜職務経歴書〜 ・応募の準備をしよう〜履歴書編〜 待遇や任せられる仕事の裁量で比べると、「正社員の方がアルバイトなどよりも立場が上」というイメージを抱いてしまうことがあります。親や学校の先生と話したり、ニュースなどを見聞きしていても、そのような語り口で言われることも多くあります。 しかし本来、就業形態によって身分やその人の価値に差があるわけではなく、単に仕事上の役割や、働き方のスタイルが違うだけのはずです。自分の能力や家庭の事情、健康状態などに応じて、さまざまな働き方の選択肢があるというのがあるべき姿ではないでしょうか。 特に職務経歴書において、相手に伝えるべきは過去の就業形態ではなく、その仕事でどのような業務を担当したか、そこからどのような経験やスキルを得たか、自分はどのような心構えで取り組んできたかということなのです。 次ページ:アルバイトなども含めて働いた経験がない場合は、どう書けば良い?
【大人の発達障害の就活HACK】応募の準備をしよう〜職務経歴書編〜

職務経歴書をはじめて書く方や、久しぶり書くという方に向けて、書き方の基礎を解説します。

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前回の就活 HACK では履歴書の書き方の基礎をご紹介しましたが、履歴書とともに就職・転職活動の基本となる書類が職務経歴書です。 職務経歴書は、履歴書の“職歴”の部分について「いつ・どんな仕事をして・どのような経験や実績を積んだか」という詳細を説明し、自分のことをアピールするための書類です。 今回の記事では、はじめて書く方や、久しぶり書くという方に向けて、職務経歴書の書き方の基礎を解説します。基本的な書類だからこそ、正しい書き方を身に付け、就職・転職活動にのぞみましょう。 履歴書の書き方については、前回の記事をご参照ください。 応募の準備をしよう〜履歴書編〜 [toc] 1. そもそも職務経歴書とは?履歴書の「職歴」欄と何が違う? 履歴書が「応募者の基本的な情報を確認するための書類」であるのに対し、職務経歴書は「応募者がこれまで携わってきた仕事の内容や実績の詳細な情報を確認するための書類」です。 仕事に直結する内容を書く書類ですので、就職・転職活動においては履歴書以上に重要な役割を持つ書類と言えるでしょう。 採用する企業側は、職務経歴書で以下のようなポイントをチェックします。 ・採用したいポジションに必要なスキルや経験を、応募者が持っているか ・採用したいポジションで活かせる強みを、応募者が持っているか ・採用したいポジション(あるいは、自社の企業文化)と、応募者の仕事に対する姿勢や心構えが合っているか つまり、重要なのは「企業が求める人材と応募者がどれだけマッチしているか」ということです。 よく、求人情報で「優秀な人材を求む!」というようなキャッチコピーを見かけますが、“優秀な”というのは、高学歴だったり難関資格を持っていたり、有名企業の職歴があることを指しているのではありません。 例えば、建築会社の大工職人の求人に「有名大学を卒業し、弁護士資格を持っていて、誰もが知っている大手企業で働いていた」という人が応募してきたとしたら、どうでしょうか。 たしかに、書類上の経歴はとても目立つものがあるかも知れません。しかし、これまでまったく大工職人としての経験がないとしたら、建築会社にとっては“採用してもまったく戦力にならない人材”ということになってしまいます。 自分の持っている経験やスキル、仕事に対する姿勢・心構えが、企業の求める人材とどのようにマッチしているかを伝えることが、職務経歴書を作るうえでもっとも大切なポイントなのです。 次ページ:職務経歴書は「手書きで書く」のと「PCで作る」のと、どちらがオススメ?
【大人の発達障害の就活HACK】応募の準備をしよう〜履歴書編〜

履歴書をはじめて書く方や、久しぶり書くという方に向けて、履歴書の書き方の基礎を解説します。基本的な書類だからこそ、正しい書き方を身に付け、就職・転職活動にのぞみましょう。

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就職・転職活動で、基本中の基本と言える書類が、履歴書です。 最近は、求人サイトや求人アプリの機能が進化しており、書類を作らなくても応募できるケースも出てきましたが、まだまだ多くの場合は、選考のいずれかのタイミングで履歴書を求められます。 本記事では、履歴書をはじめて書く方や、久しぶり書くという方に向けて、履歴書の書き方の基礎を解説します。基本的な書類だからこそ、正しい書き方を身に付け、就職・転職活動にのぞみましょう。 [toc] 1. そもそも履歴書とは?職務経歴書とは何が違う? 履歴書は、あなたという人物の“プロフィール”を応募先に伝えるための書類です。名前はもちろん、住んでいる場所や連絡先、学歴・職歴、趣味や特技など、自分に関する基本的な情報を記載します。 応募書類としては、“職務経歴書”とセットで扱われることが多いですが、職務経歴書は、履歴書の“職歴”の部分について「いつ・どんな仕事をして・どのような経験や実績を積んだか」という詳細を説明するためのものです。 転職活動では、ほとんどの場合、履歴書と職務経歴書の両方が必要です。 新卒での就職活動の場合は、そもそも職歴がないため職務経歴書は求められません。また、社会人の転職であっても、短期的なパート/アルバイトの場合は職務経歴書の提出が省略され、面接にて口頭で確認されるような場合もあります。 履歴書は、書かれている中身と同じくらい、その書き方も企業側からチェックされます。 例えば、書き方のルールが守られていなかったら、企業側からは「社会人として、基本的なルールを守ることができない」と見られてしまう可能性があります。書いた内容が誤っている、雑に書いてしまっている場合には「仕事にも丁寧に取り組めないのではないか」と思われてしまうかも知れません。 履歴書は、単に自分の情報を伝える書類というだけでなく、自分という人間のあり方を表現する書類だとも言えるでしょう。 2. 履歴書の書き方の基本的なルール 本当に大切なのは、あなたという人物の“中身”ですが、中身を見てもらうためにはまず“外見”をしっかりと整えねばなりません。基本的なルールを押さえた上で、履歴書を作っていきましょう。 2-1. 履歴書の書式〜手書きの場合と PC で作る場合〜 かつて、履歴書は紙・手書きで作成・郵送することが一般的でした。しかし、最近は PC で作成したデータをメール等で提出するケースも増えています。企業により提出方法が指定されている場合もあるので、まずは応募先の企業がどのような形式で提出を求めているのかを確認しましょう。 PC で作成する場合、MS Word や Excel で自作するよりも、履歴書作成サービスを使った方がキレイな書類を簡単に作成できます。履歴書作成サービスには以下のようなものがあります。 ・ブラウザでつくれる履歴書「yagish(ヤギッシュ)」 ・できる履歴書 - Wantedly Word や Excel で自作したい場合には、大手求人サイトが配布しているテンプレートを使うと、ゼロから作る必要がなく便利です。 なお、履歴書をデータで提出する場合は、必ず PDF に変換してから送るようにしましょう。Word や Excel のものをそのまま送ってしまうと、後から書き換えができてしまうため NG です。 また、受け取った相手が紙に印刷する場合があることを考え、A4 サイズで印刷されるように印刷サイズを調整しておく方がベターです。 さらに、誰の履歴書なのか受け取った相手が分かりやすいよう、ファイルの名前は「山田太郎_履歴書_2021年9月1日応募.pdf」などのように工夫して付けるようにしましょう。 現代は、ほとんどの職業で PC を使った作業が行われていますので、このようなデータの取り扱い方も企業がチェックするポイントになっています。丁寧に履歴書のデータを作りましょう。 手書きの場合、文具店や書店、コンビニなどで売っている履歴書を購入します。大きさは A4 のものと B5 のものがありますが、応募先の企業から指定がない限り、どちらを選んでも問題ありません。履歴書と封筒がセットになっているものもありますが、封筒を別に買う場合は、履歴書の用紙サイズと合ったものを選びましょう。サイズが合わない封筒に、書類を無理やり折り曲げて入れるのは NG です。 鉛筆/シャープペンは消して書き換えることができてしまうため、必ず黒のボールペンを使用します。ペンや紙の種類によっては、文字がにじんでしまう場合があるので注意しましょう。 もし、ボールペンで書いていて間違えてしまったら、修正液などで直さず、新しい用紙に最初から書き直した方がベターです。履歴書を買ったら何枚かコピーしておき、まずはコピーした紙で下書きを作ってから清書するのがおすすめです。 2-2. 日付 書類の一番最初に日付を書く欄がありますが、ここには“履歴書を発送する日”(郵送で送る場合)、または、“面接の日”(面接で直接手渡す場合)のどちらかを書きます。書類を書き始めた時点ではまだ日付は入れず、実際に提出する際に書いた方が良いでしょう。 日付を書く際の注意点は、書類の全体で和暦か西暦かのどちらかに統一して書くことです。 履歴書には、いくつか日付を書く場所があります。例えば、誕生日を「昭和●年…」と書いた場合は、学歴・職歴の欄も、資格を取得した日もすべて「昭和/平成/令和」の和暦で統一します。 誕生日は和暦で書いてあるのに学歴・職歴は西暦で書いてある…のように、1 枚の書類のなかで和暦と西暦が混ざらないように注意しましょう。 2-3. 写真 写真は、応募する日から 3 か月以内に撮影したものを使います。 履歴書の書式によって、貼り付ける写真のサイズが若干異なる場合がありますが、ほとんどの場合は、縦 4 cm×横 3 cm です。履歴書の枠にピッタリおさまるサイズを用意します。 背景はなしで、正面を向き、頭の上から胸までが移るように撮影します。服装は基本的にスーツです。 人物写真は光の当て具合などが難しく、スクリーンがないと背景もキレイにならないので、スマートフォンやデジタルカメラを使って自分で撮影する(あるいは、家族や友人に撮ってもらう)のはオススメしません。 駅などにある“証明写真機”は、画面に表示される案内に従ってその場で手軽に履歴書用の写真を撮影することができます。ただ、プリントされた写真を見たら思いがけず髪型や服装が乱れていたり、顔色が悪く映ってしまったりと、慣れていないとうまく撮れないこともあります。 証明写真機よりも多少、時間とお金はかかりますが、七五三などの記念写真を撮ってもらうような“カメラスタジオ”や“写真館”では、光の当たり具合や姿勢・髪型・服装をチェックしてくれた上でキレイに撮影してもらえます。最近では、撮影した写真をデータでもらえるような撮影プランもありますので、PC で履歴書を作るときにも便利です。インターネットで「●●(住んでいる場所)+証明写真」などと検索してみると良いでしょう。 履歴書のなかで、写真は唯一「自分を絵で見せることができる部分」になりますので、できる限りキレイなものを用意しましょう。 次ページ:履歴書の最重要部分〜職歴の書き方〜
【大人の発達障害の就活HACK】志望企業の探し方 〜②障害者雇用編〜

障害者雇用求人の探し方についてご紹介。 障害者雇用求人は一般雇用の求人とは少し異なる部分があるので、探し方のコツを知っておくことが大切ですので、ぜひポイントを押さえておきましょう。

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志望企業の探し方 〜①基本編〜では、就職・転職活動をはじめたときの志望企業の探し方について、基礎知識をご紹介しました。 この記事では、主に大人の発達障害による「働きづらさ」を感じている方に向け、障害者雇用での採用となる「障害者求人枠」の探し方についてご紹介します。 大人になってから診断を受けることの多い発達障害。これまでは「一般雇用(クローズ就労)」で働いてきたけど、障害への配慮を受けたい、職場に障害を理解してもらいたいなどの理由から「障害者雇用(オープン就労)」への転職を希望する方は少なくありません。 障害者雇用と一般雇用では、就職活動のフローや求人選びのポイントが異なる部分があるので、探し方のコツを知っておくことが大切です。はじめて障害者求人枠へ応募を検討している方は、ぜひポイントを押さえておきましょう。 [toc] 1. 障害者求人枠を探す 3 つの方法 障害者雇用の求人を探すための方法は、大きく分けて以下の 3 つです。 1-1. インターネットで探す 企業の採用ページでは一般求人枠と一緒に、障害者求人枠の情報が公開されている場合があります。採用ページでは業務内容や待遇だけでなく、「障害者雇用をどれくらい推進しているのか、どのような想いを持って行っているのか」というその企業にとっての障害者雇用の位置づけについても確認しておきましょう。 求人サイトでは、障害者求人枠のみを専門に扱っているものもあります。障害者雇用で働くうえでチェックしたいポイントがまとまっていたり、企業に独自の取材をして記事を掲載していたりするので、情報源としてうまく活用しましょう。 なお、大手企業の場合、自社ではなく特例子会社を通じて障害者雇用を行っている例もあります。その場合、会社名が異なりますので、検索する際には注意しましょう。 例:グリー株式会社 → 特例子会社はグリービジネスオペレーションズ株式会社 特例子会社については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。 特例子会社とは?就職先としてのメリット・デメリットを紹介! 1-2. ハローワークで探す 各ハローワーク(職業安定所)には障害者雇用の担当窓口が置かれており、障害のある求職者(働きたい人)と、障害者雇用をおこなう企業の両方を支援する役割を担っています。 管轄する地域内の自治体や、支援施設と連携を取っている場合も多く、障害特性をうまく付き合いながら働くためのサポートをしてくれますので、求人を探すだけでなく、総合的な相談窓口としても活用できます。 1-3. 障害福祉サービスを利用して探す 障害がある方の「働く」を支援する障害福祉サービス、就労移行支援事業所へ相談する方法もあります。 この施設は、都道府県の指定を受けた事業者により運営されている障害福祉サービスであり、障害のある方に向けた職業訓練や、就職・転職活動を支援するサービスを提供しています。 周辺地域の行政や医療機関とつながりを持っていることも多く、「まだ病院にかかっていない」という場合に地域の専門医を紹介してくれたり、必要な役所での手続きを教えてもらえたりするほか、仕事についての悩みを相談することもできます。 就労移行支援事業所については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。 就労移行支援事業所とは?利用できる人・料金・サービス内容をまとめました。 みんなの「お悩み」ポイントはどこ?就労移行支援事業所のよくある質問集 2. 障害者求人枠を探すときの 3 つのポイント 障害者求人枠には、一般求人枠と異なる“障害者雇用ならでは”の情報が掲載されています。とくに注目すべきポイントは、以下の 3つです。 2-1. 障害者雇用の採用実績 まずは、その企業がこれまでにどのくらい障害者雇用の採用実績があるのかを確認しましょう。雇用人数や平均年齢の他にも、定着率(入社後どのくらい勤務継続をしているか)や障害種別も注目すべきポイントです。 障害種別によって必要な配慮は異なり、企業により受け入れ体制はさまざまです。 例えば、知的障害のある方を中心に雇用している企業の場合、仕事内容は“ルーティン作業”や“軽作業”など「比較的、業務の負担が少ない仕事であるケース」が多くなります。 身体障害のある方を中心に雇用している企業の場合は、「職場の環境(バリアフリー等)の配慮はあるが、特性に応じた業務分担はおこなっていない」といった傾向があります。 発達障害のある方の採用実績が豊富な企業は、発達障害ならではの特性や配慮について理解がある可能性が高いと考えられます。発達障害のある方の働きやすさを知る指標のひとつとして、障害種別の雇用実績をチェックしておきましょう。 定着率は、障害者雇用をはじめてから年数が少ない企業の場合は情報がないこともあります。逆に、定着率が高い企業は「障害者雇用に慣れていて、定着させるためのノウハウを持っている(サポートが充実している)」と言えるでしょう。 2-2. 提供されている合理的配慮 実際にその企業で提供している合理的配慮の内容もチェックしましょう。例えば、以下のようなものです。 定期面談の実施 時差出勤・フレックス制度 通院のための休暇 休憩室・医務室の設置 パーテーションの設置、座席の配置調整(感覚過敏への配慮) イヤーマフ・サングラスの着用許可(感覚過敏への配慮) 電話対応なし 一人ひとりに合わせた業務調整 マニュアルの完備   求人情報に書かれていない配慮や、実際にはまだ提供実績がない配慮についても、相談にのってもらえることもありますので、面接の際などに確認してみると良いでしょう。 合理的配慮については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。 合理的配慮とは?基礎知識をまとめました。 発達障害のある方の合理的配慮の事例集 「合理的配慮」申請マニュアル 4つのステップとポイントをまとめました。 みんなの「お悩み」ポイントはどこ?合理的配慮のよくある質問集 2-3. 障害者雇用に対する考え方 障害者求人枠を探すときのポイントとして最も重要といえるのが、その企業の障害者雇用に対する考え方です。 近年、人材の多様性(ダイバーシティ)への取り組みとして、障害者雇用にも前向きに取り組む企業が増えています。しかしその中には、法令で定められた義務(障害者雇用率)の達成だけが目的にされている場合も、残念ながらごく一部であります。 「障害の有無にかかわらず、一人ひとりが活躍する場を提供しよう」といったように、前向きな考えを持った企業を選ぶことが大切です。 考え方については、求人情報からだけでは読み取れないことも多くあります。面接の場でも、しっかりと聞いてみることをおすすめします。 3. もし、探しても志望企業がうまく見つけられなかったら 障害者求人枠は一般求人枠とは就職活動のフローが異なる部分があり、特に大人になってから発達障害と診断された方にとっては、手続きや制度など馴染みのない部分も多くあります。 その仕組みを理解し、自分に合った求人を探すことはなかなか難しいことです。 「考えれば考えるほど、頭がグルグルしてしまって答えにたどり着けない」 「一人だと途中で投げ出してしまう」 「客観的に考えることが苦手」 ……と悩んでしまう方も、少なくありません。そんな方々のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 執筆者 藤森ユウワ(ライター・編集) ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。 これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。 子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。 36 歳で ADHD・ASD と診断される。 診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。 誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。 さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。 自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。 記事監修 清野 玲子(キャリアコンサルタント/社会福祉士) 人材会社でのキャリアアドバイザー等経験したのち、就労移行支援事業所ディーキャリアの立ち上げに参画。発達障害の特性による苦手や困りごとを抱える方の就労支援に携わる。 現在は、発達障害のある方の特性に応じた就労プログラム開発、支援スタッフ向け研修講師・スーパーバイザーなど幅広い業務を担当。