サッカー視察旅行の集大成と、次の事業への意気込み
第二の故郷、オーストリアへ。
こんにちは、橋本です!
今回のドイツ旅行ではオーストリアの第二都市、グラーツに住む旧友のご自宅にもお邪魔しました。新婚旅行でもオーストリア(その時はウイーンのみ)には立ち寄っているので、僕にとっての「第二の故郷」へ戻ってくるのはおおよそ12年ぶりのことでした。
ドイツ・ミュンヘンからクロアチアのザグレブへ向かう夜行列車でアルプス山脈を横切り、翌早朝にはグラーツ駅到着です。寝台車で寝るのが初めてだった息子は大喜びでした。
行きは真夜中だったので車窓から風景はまったく見えませんでしたが、帰りの電車ではまるで「世界の車窓から」というテレビ番組に登場するような、峻険な山脈を眺めながら電車での旅を満喫することができました。

グラーツ駅から郊外までバスで向かい、閑静な住宅街の停車駅で、僕はおおよそ20年ぶりに旧友と再会しました。
僕が10代の頃、オーストリアの首都ウイーンに留学していたときに、当時こちらに来たての声楽の音大生だった子が、今はオーストリア人の旦那さんと結婚し3人のお子さん、それに人懐っこい猫1匹とこの住宅街の一軒家でにぎやかに暮らしておりました。感慨深いですねぇ。
グラーツに到着し、僕の奥さんと子どもはもう疲れたというので、初日は昼過ぎまで自宅で休ませていただきました。食事は日本食っぽいものをいただき、子どもにも奥さんにも、もちろん僕にとってもたいへんありがたかったです。
外食ばかりでは不足しがちな野菜もたくさん食べられましたし、暖かくて味のきつくない料理は海外の旅で疲れた身体に沁みました。
その日の夕方。
オーストリアサッカーのプロリーグの1部で、近年はチャンピオンズリーグにも出場しているシュトゥルム・グラーツのアカデミー練習場まで旦那さんに車で送っていただきました。
ちなみに後日、グラーツ市内のシュトゥルムグッズの販売店でお土産を買ったのですが、日本代表も率いていたイヴィチャ・オシム監督の写真がでかでかと飾られていました。
Jリーグのジェフ市原⇒日本代表監督を率いる前の1994~2002年の間、オシム監督はシュトゥルムグラーツの監督としてチャンピオンズリーグに3度出場に導くなど、クラブを名門・強豪に押し上げるために多大な貢献を果たしておりました。
オシム監督が2022年に逝去されたときは、日本でもニュースで大体的に取り上げられていたと記憶しておりますが、グラーツではまるで国葬のような騒ぎで、市を挙げてこの偉大な監督の死を悼んだんだそうです。
グッズ店の若いスタッフさんに「この方はかつて、日本の代表を率いていたこともあるんですよ」と伝えると、「そうなの!? 知らなかった。それはとても誇らしいことを聞けて嬉しいわ」と答えてくれました。日本とオーストリアにはこんな接点もあったんですね。
欧州プロクラブアカデミーの練習
話を戻します。
小雨の降りしきる中、フェンスの外から息子が練習する姿を見守っておりました。

練習場所に到着し、コーチとおぼしき方に挨拶をしたら、「親は入れないから外で待っていてください」と言われ、息子は着替えをする部屋に案内されてからは、ドイツ語や英語で話しかけられるという完全にアウェー状態に放り込まれました。
本当は僕が息子のそばで通訳するつもりだったんですけどね。笑
練習が始まり、周りの子達の見よう見まねでメニューをこなしていました。
途中までは問題なく練習に参加していたのですが、ちょっと複雑な内容の練習が入り、息子は上手く参加できずに泣きそうな顔をしていました。
親の僕がコーチに手招きされて、「この子まだ続けられるの?」と訊かれたので息子に「どうしたいん??」と訊くと「やる」というので「やると言っている」と伝え練習を再開させていただきました。
コーチにお願いして通訳に入ろうかな、とも何度か考えたのですが、言葉が分からない中でどこまで自力でやれるのか、サッカーだけではなく外国で活動をするときに最初にぶつかる壁はこれだった、と自分が初めて海外生活をスタートさせたときの感覚や気持ちを思い出したとき、心を鬼にして孤立無援の息子を突き放しました。
行き詰ったメニューを終えた後は、1対1の練習など、特に語学が分からなくても参加ができるメニューだったので、そこで息子は持ち直すことができました。
最後のゲームは途中から出場させてもらい、長いようで短い時間でしたが欧州のプロアカデミーの中での練習は幕を閉じました。
最後に、指導者や現地の選手たちに、お土産の日本から持ってきたお菓子を配り、丁寧に感謝の言葉をお伝えし、迎えに来てくれた旦那さんの車で友人の家に帰宅しました。
僕はサッカーが詳しい訳でもないので、この比較が一概に合っているかどうかは分かりませんが、欧州のレベルは正直僕が思っていたより高かったです。
僕は留学時代バドミントンをやっていて、市の大会とかにも出場した経験がありますが、「スポーツに置いて日本は技術が優れている」と以前から言われていました。サッカーもそうですよね。日本人てとにかく練習するので、技術はメチャ高い。
逆に僕の知っているオーストリア人って人たちは、基本的にテクニックは雑というか、それより勢いとかフィジカルで乗り切るような感じだったんですよね。なのでサッカーの方も特にジュニア世代の選手たちは技術的にはさほどでもないだろうと踏んでました。
ですが昨日見たシュトゥルムの選手たちはどの子も技術的にも繊細で優れていたし、自己主張や強度の高さもとても優れていました。
驚いたのがコーチが結構厳しくて、途中でヘッドコーチみたいな人が練習を止めて選手たちに鬼の形相で怒ってるんですよね。こんなん日本だけなのかと思ってました。笑
「お前ら、もう2月だぞ!? 3か月前と何が変わってるって言うんだ!??」
「いい加減にしろよ、そんな適当な練習のやり方でいつ上手くなれるってんだコノヤロウ!!!」
みたいなニュアンスです。笑
個人攻撃や誹謗中傷はまったくなかったですが、けっこうゴリゴリした指導するんだなぁ、と。
あとはインテンシティっていうんですか、瞬間の判断とか最適なプレーの導き出しとかそういうのがめちゃくちゃ早かったです。
練習のテンポも無駄がなくて速いんですよね。あのポワポワのほほんとしたオーストリア人のイメージしかない僕にはちょっと意外でした(失礼)。
息子は緊張もアウェー感も、そして現実的な実力不足もあったと思います。
一言も分からない指導、ついていけない惨めさ、肌の色や髪の毛の色の違い、体格差・・・。
海外に目を向けた人が必ずぶち当たる現実を彼はどう受け止めたでしょうか。
終わった後、「どうだった??」と訊くと「言葉が分かればもう少しうまくやれた」と開口一番に伝えてきた感想でした。
「そうだね。パパもパパの友達も、最初は何も分からない、何をすればいいかも分からないところで
惨めで悔しい思いを何回も何回も繰り返して、そうやって少しずつ言葉を覚えて周りを認めさせたの」
「今日は君をバカにする子はいなかったけど、中にはアジア人であることや言葉ができないことをからかう人だっているし、その中でもできるようになることを信じて『もう帰っていい』と言われるまで諦めないメンタルがメチャクチャ大事なのよ」
「だから、普段の指導は日本語で受けているわけでしょ?? 『言葉が分かる』ってことは当たり前じゃないし、今日、日本語って言葉が分かることのありがたみは感じられたと思う」
「ふだん、自分にも分かる言葉で授業やサッカーの指導を受けてるんだから、聞き洩らした、とかちゃんと聞いてなかったとかって、マジであり得ないと思うんだよね」
「言葉が分かるってことのありがたさを、日本に戻ったときに感じ直して、勉強やサッカーをまたがんばれるようになるといいね」
そんなことを、息子に伝えました。
もしかしたら息子の中では、この恐ろしかったであろう経験を経て、「もう自分には海外なんて無理だ」って思わせてしまったかもしれません。
彼のメンタルにマイナスに作用する可能性ももちろんあり得ることも織り込み済みで、でもこの経験は若ければ若いほどくぐっておいた方が良いと思って、やらせました。
親としてこの選択が正しかったかどうかは分かりません。ただただトラウマだけを与えて終わったかもしれない。
でも、僕は息子だけではなく、人間は本当に自分が変わりたい、今の弱くて情けない大嫌いな自分とはもう決別したいって心から願ったときに例えば外国の社会に放り込まれるような、この日息子が体感したような恐怖や惨めさに真っ向から挑む勇気を持てるようになると信じてます。
息子がそういう気持ちを持てるかどうかは分かりません。
ずっと持てないかもしれないし、持てたとしても何年も先のことになるかもしれない。
でも僕はそこにチャレンジするための門の前までは、息子を連れていくことが今回できたし、そこから先に進むのは本人にしかできないことです。
息子の長い人生の中で昨日の経験がいつかのための肥やしになることを願って友人の家まで車で送り届けてもらい帰宅しました。
夕食をいただき、旦那さんとお酒を飲んで、翌朝、シャワーを浴びて友人の子どもたちが学校へと向かっていくのを見送って、次の日は市内を観光したり、友人が働いているオペラ座でモーツアルトの歌劇を鑑賞したりしました。こういうのも貴重な経験ですよね。
友人の家は、ミュンヘンのホテルより断然快適だし、暖かいもてなしも受けて僕も家族もとてもリフレッシュできたと思います。
そしてオペラ鑑賞なんて、息子も奥さんも初めての経験です。
日本でオペラを鑑賞するなんて一部の好事家や富裕層しか経験しないですもんね。
昼過ぎに学校から帰宅してきた友人の真ん中の子がピアノ、一番下の子がチェロを家で練習していて、そういうのも息子の刺激になってくれると嬉しいです。
サッカーでプロになるのも大変ですが、音楽の世界も相当です。
3歳とか5歳から楽器を学び、1回の本番のために1日に何時間も練習を重ねて、欧州の有名な音大に入学するのだって狭き門です。
大学を卒業してもまして欧州で音楽の職に就くことができる人なんて本当に一握りだし、僕の知人も多くは日本に帰国し、音楽の講師や全く違う職に就いている方も少なくありません。
一芸でご飯を食べていくって、本当に大変なことだと思います。
ジャンルは違えど、そういう人たちの暮らしぶりや「覚悟」のようなものも、息子が感じ取ってくれていると良いですが。
今回の視察旅行を振り返り
先のブンデスリーガの試合観戦に続き、サッカー&福祉事業をこれから立ち上げていくにあたり、今回の滞在はとても勉強になりました。
日本のスポーツ事業にも福祉事業にも、各々課題があることが僕なりに明らかになりましたし、やはり日本という国を外から俯瞰してみる機会は、とても大切だなとも感じました。



何より、ヨーロッパの物価高と円安で、日本の衰退を感じざるを得なかった今回の滞在にもなりました。
「ビックマック指数」という経営指標がありますが、25年春時点でのドイツ国内のビッグマックの値段は5.86~5.99ユーロ、およそ1000円です。
そして同時期の日本でのビッグマックを単品の価格は、480円です。日本のマックもここ数年で値上げを繰り返していますが、欧州の価格に比べると依然半分以下ということになります。
僕がヨーロッパに住んでいた頃に各国の通貨がユーロに統一され、その時も物価が高くなりましたが、1ユーロあたり約100円ちょっとだったので、もし円対ユーロの値段が当時のままだったとしても、今のドイツのビックマックの値段は約600円と、いずれにせよ日本のビッグマックよりかなり割高になります。
為替や経済はさまざまな要素が絡むので、一概に日本の国力衰退だけが海外と比較した為替安や相対的な物価安の原因ではないですが、一人の親として僕は、子どもには日本以外の国でも生活できるようになってほしいと思わざるを得なかったです。
数十年前の日本人は「アジアは物価が安い」と言って、こぞって東南アジアに旅行に出かけておりましたが今やそれも逆転し、東南アジアの方々が「日本は物価が安い」と口にして日本を訪れ、国内の消費にたくさん貢献してくれています。
もしかしたら今の若い世代の子達は、僕なんかよりずっと現代の生き方暮らし方に柔軟な対応・適応をしているのかもしれませんが、世界でアメリカに次ぐ経済力を誇っていた頃の時代に生まれた僕にとっては、正直複雑な感情がこみあげてきてしまいます。
人口は確実に減少の一途を辿り、それにより経済も後退してゆくと言われている日本を、どのようなかたちでも構わないので、僕なりのやり方で元気にしていきたいと思います。
・・・がんばれ、日本!
ではまた次回!
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