【発達障害あるある】対人関係の悩み【後編】
こんにちは!ディーキャリア池袋オフィスです。
今回は、発達障害と対人関係の悩み【前編】の続きをお伝えできればと思います。
目次
ADHDのAさんの具体的対策
ASDのBさんの具体的対策
ADHDのAさん具体的対策
「不注意」優勢型ADHDのAさんは、感覚過敏の特性から、環境に強く影響をうけてしまっていました。また思考の癖・とらえ方の癖の13のパターンのうち特に、「~すべき」という思考の癖から、職場での対人トラブルに繋がってしまっていたということを説明いたしました。トラブルはAさんの、対人への苦手意識、悩みに影響していました。そんな苦手意識の強いAさんが、どのような対策で変化されたか実例を踏まえて書いていきます。
①ADHD「不注意」優勢型の対処
複数のことから特定のことを選択することが苦手な特性があります。そのため、集中できる、優先順位をもうけてとりくめるような環境を作っていくことが対策となります。実際には、今日必ずやることを「メモ」として貼っておく、優先順位をつけて業務に入るなどの工夫、その他には、下記感覚過敏への対処方法もセットにし対処することで集中できる時間を作ることに繋がります。
②感覚過敏への対処方法
感覚過敏は、環境にある情報を、適度に遮断することが一番の対策ということで、「視界に人の動きが入りずらい位置」へ座席を移動しました。目に入る情報を限りなく減らす工夫で無駄な情報を得ないようにしました。Aさんの場合だと、100%部屋が見渡せるような位置には座らず、80%減でも50%減でも、以前より視覚情報が減ればより◎です。集中すべき視覚情報のみに集中できるようにすることで、集中力がアップしました。
他には、耳栓の使用です。最近では、耳に負担をかけないタイプの耳栓があります。例えばコチラの商品「LOOP」は、事業所内の他利用者にもオススメしているものです。耳栓を活用することで、日常生活が快適になったという声も聞きます。就職した後も耳栓の使用は一般的に配慮事項として認められますので仕事でも効果的な対策となります。Aさんも活用し効果的な対策となりました。
③思考の癖・とらえ方の癖の対処方法
就労移行支援事業所のディーキャリアはなんといっても発達障害専門の訓練のできる施設です。特に、最初のコースでは徹底的にライフスキルに必要な技術を習得していただきます。その中の「リフレーミング」という訓練では、特性・性格・成育歴などさまざまな要因から構成さる「思考の癖」を見つけていきます。「思考の癖」は全ての人間が持っています。「思考の癖」はコントロール可能です。発達障害があってもなくても、関係はありません。長年活用している思考の癖は、1日そこらで変えるなんてできませんから、繰り返すことで、習得ができるようになっていくものです。
Aさんですが、上記の思考の癖を
『①気づく②原因を見つける③然るべき対処方法を知る④ひたすら繰り返す』で徐々に一人で対処することができるようになりました。以前であれば、感情の浮き沈みでお休みする事象があっても、ひどく影響をうけることなく、勤怠の安定を実現。「~すべき」など思考の癖から対人問題に繋がる場面は、フィードバックを重ね、見つける機会を作っていきました。
ディーキャリア池袋オフィスでは、「~すべき」などの思考の癖を見つけ対処するための訓練を、皆で楽しく日々おこなっています。こちら「発達あるある【思考の捉え方】(前編)」もご参考ください。興味を持っていただいた方は体験会もおこなっておりますので、是非お越しくださいね。一緒に思考の癖をみつけましょう!
ASDのBさんの具体的対策
Bさんは、ASD特性から社会的コミュニケーションの障害や、想像性の障害よりコミュニケーションを困難にしていました。1人での就職活動がままならず事業所へお越しになりましたが、下記の対策を繰り返し、就職活動も通過されていきました。そんなBさんの実践を踏まえた具体的な対策を書いていきます。
①社会的コミュニケーションの障害
Bさんは、1本の電話のやりとりに数か月かかっていました。ビジネスルールや、社会的に求められるルールがありませんでした。ASDの特性をお持ちの方は、ルールがわかれば愚直に実行できる方が多いです。
Bさんには、ビジネスルールの場面で求められるコミュニケーションや報連相などの方法を繰り返しお伝えしました。支援員のアドバイスを聞き、好感のもたれる話方を心がけているとBさんもお話してくれましたが、通所当初と比べると、大きな成長を感じます。
態度が悪い、悪く評価されることが多い場合には具体的対処として周囲の方に率直に指摘してもらえると良いのではと思います。その際には、遠回しに伝えるのでは理解が難しいです。具体的に指摘してもらう方がASDのある方には伝わりやすく、そのためにも必要な自身の心構えとして、Bさんのように、周囲の指摘を素直に受け取ること、がとても、とても大切です。下記の限定された興味・関心にも関係していますが、「本人が納得できること」がとても重要です。「社会に出たら守らなくてはいけないこと」など、納得感があれば、行動に移す理由にも繋がります。
②限定的な興味
ASDの特性で、興味があるもの無いものに対しての取り組みが異なります。やる気がないなどとみられてしまうところにも関係してくるものです。興味ある無しに大きく行動に違いがあるため、Bさん自身に興味がもてない限り、行動に移すことはとても難しいです。「Bさんにとって」関心のないものには、やる理由も目的もありませんから、Bさん自身が困るという場面は少ないかもしれません。今回Bさんは「就職」に直面した際には、やらない理由はありませんでしたので、当初は全く行動に移せなかったことにも、段階を経て行動が変化されていきました。スイッチが入ってからの急激な行動の変化はとても印象的でした。
就職の継続に繋がる理由の1つに、「Bさんが共通の趣味、共感をもてる人」の存在がありました。実はコミュニケーションは通所当初は全くありませんでしたが、共通の趣味や、共感をもてる方を見つけられた時の「積極性」はとても高いものだと知りました。ですので職場に「話せる人をつくること」はとても大きく関係していると思いましたので実際に、職場で心通わせられる仲間をみつけることは、就労継続の可能性をさらに高めるものと感じています。興味がもてる×仕事をいかにみつけるかが大きな対策であり要素となります。指摘する内容が、実践できるようになるまでに時間がかかりましたが、Bさんにとって「興味がもてる」と感じた時からの変化はとても大きいので、根気よく周囲が、関心事とリンクするように繰り返し伝えること。そのような対策も実例として挙げさせていただきます。
③時間的感覚の乏しさ
Bさんは時間間隔の乏しさがあったため、当初期日を守れなかったり、遅刻してしまうことに繋がっていました。そこでBさんにおこなってもらった対策としては、逆算して予定を管理することや、1日分のタスクの予備日を設けるなどの工夫、報告・連絡・相談を意識しておこなうようにしてもらいました。仕事で対価をもらう以上、期限や時間を守れないことは、評価も下がりますし、信用問題に関係します。Bさんも就職活動という興味・関心、そして納得感ある内容であることから、結果的に、期日や時間を守れるように変わりました。一度「社会的ルール」が身に付くと、その後は繰り返し守れ、継続できるところもASDのある方の良いところです。またこういった事ができるようになることで、発達障害の特性をもっているから「仕事ができない」ではなく、「できる仕事」へ、また見方によっては「向いている仕事」の発見にも繋がるかもしれません。そういった可能性を秘めていることも支援の視点で大事にしていることです。
ディーキャリアでは大人の発達障害によって困難を抱えている方や、そのような方を支えている方、そのような方を理解していきたいという方に向けて発達障害についてより理解を深める情報を紹介しています。大人の発達障害とは?を公開中です。
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https://dd-career.com/blog/ikebukuro_20230201/
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