【後編】発達障害(ASD/ADHD)のある方は空気が読めない?その対処法を解説
投稿日2024/9/11
今回のコラムでは、発達障害(ASD/ADHD)のある方は空気が読めない?その原因や対処法を解説(前編)に引き続き、後編として、発達障害のある方が苦手とされている空気が読めないに対して、どのように対処すればよいかを解説していきます。
このコラムは5分前後でお読みいただけます。
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目次
1:空気は読むのではなく「確認」するもの
2:推測と事実は分ける
3:ASDの方の空気が読めない場合の対処法
4:ADHDの方の空気が読めない場合の対処法
5:まとめ
1.空気は読むものではなく確認するもの
前の章では空気を読む=推測であることをお話ししました。
推測は頭の中の世界であり現実ではありません。でも、多くの人が「推測を事実だと思い込む」をして、事実にそぐわない行動をしてしまった人もいるはずです。
大切なことは確認です。推測が正しいかどうかは確認をすることで分かります。例えば、相手がパソコンに向かって一心不乱にキーボードを打っているのを見て、(忙しそうだな、話しかけるのをやめよう)と推測して決めつけるのではなく、「忙しそうで恐縮ですが、少しお時間いただくことは可能ですか?」と尋ねることが大切です。
すると、相手が「ごめん、他の人にしてくれ」「ちょっと待って、あと五分で終わる」「いや、大丈夫、話を聞きましょう」などさまざまな答えが出てきます。忙しそうに見えて実はそれ程忙しくなくて対応ができるのであれば、空気を読んで話しかけるのをやめにしてしまった事が自分の思い違いだったということになります。事実は確認しないとわからないのです。
そして、確認をする聴き方も大切です。「お時間ください」よりも「お時間いただけますか?」の尋ねるような聞き方が柔らかい雰囲気になります。相手に断る権利もあると意識させることで丁寧さを感じ、いやな気持になる確率は大幅に軽減されると思います。
2.推測と事実は分ける
推測と事実は分ける事が最も大切です。推測は確認をして事実を抽出する。その事実に対応していくことで、現実と外れた行動をとることはなくなっていきます。
推測と事実は違う事をまず意識する事。事実とは誰が見ても同じ回答が出てくるもので、誰に聞いても同じ回答が出てくるものです。しかし、推測は人によって意見が変わります。例えば、Aさんに「Bさんはどんな人ですか?」と聞いて、「優しい人です」と返ってきました。事実は「AさんはBさんを優しい人と言っていました」であり、推測は「Bさんは優しい人」となります。これら二つの言葉には大きな隔たりがありますが、多くの人はこれを混同し、頭の中で推測が事実と置き換わってしまっています。
確認し事実を基にして行動していく。この動きが大切です。空気が読める、読めないにかかわらずやっておきたい動き方です。次にASD、ADHDの方の対処法を説明していきたいと思います。
3.ASDのある方の空気が読めない場合の対処法
ASDのある方は脳機能的に共感が難しく、視点が固定化されている方が多いと言われています。ですから、推測を立てる事はそもそも難しいと思います。
そこでアクションプランの数を増やすことが大切になります。「この場合はこのように動く」「このように言われたらこう対応する」という形で場面、場面での動き方をたくさん学んでいくというスタンスでいくのが良いと思います。
したがって、どうすればいいか分からない場合「この場合、私はどのように動けばいいのでしょうか?」と具体的なアクションプランを「確認」して、同じような場面が起きたらその学んだことを当てはめていくという動きを重ねていくといいでしょう。
その時々で対応できるアクションプランが多くなっていけばなっていくほど、空気が読めないといわれることはなくなっていくと思います。
4.ADHDのある方の空気が読めない場合の対処法
ADHDのある方は空気が読めないというよりも、不注意で事実を忘れてしまう、衝動が勝って自分の考えを優先させてしまうことがあります。
ADHDの方の場合は行動を起こす前に一旦、立ち止まって考えてみるという事が重要になります。今の状況とこれから自分がおこなおうとしている事を冷静に「確認」したのちに動けば、摩擦が減っていくのだと思います。
自分が冷静になれない場合は一旦落ち着いてから確認、また、相談できる人に確認をお願いするのも有効でしょう。
5.まとめ
このコラムでは空気が読めない方は確認を心がけていくことが大切ということをお話ししていきました。
①事実を確認して対処する
②ASDの方はどのようなアクションプランをすべきかの確認
③ADHDの方は一旦立ち止まり自分のこれから行うアクションプランの確認
がポイントです。
参考になれば幸いと存じます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【執筆者】小野 貴弘
ディーキャリア海老名オフィス
職業指導員/介護福祉士/発達障害学習支援エキスパートサポーター
【監修者】
井上高宏
ディーキャリア海老名オフィス
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