ADHDの悩み|衝動買いでお金を使いすぎる原因と対処法
この記事ではADHD(注意欠如多動性障害)の悩みや困りごとでよくある衝動買いなどでお金を使いすぎてしまう原因とその対処法に触れていきます。
この記事は5分~10分でお読み頂けます。
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ADHDの悩み|衝動買いなどお金を使いすぎてしまう
ADHD(注意欠如多動性障害)の特徴が90秒で分かる解説動画
皆さんはこのような困りごとはありませんか?
・欲しい欲求を抑えられずにお金を使いすぎてしまう
・気づいたら預金残高がなくて焦る
・食費などの生活費が払えなくなるなど日常生活に影響が出ている
つい買いすぎてしまった、衝動買いをしてしまった、という経験は多くの人があると思います。
しかし、衝動買いなどでお金を使いすぎて、日常生活や仕事をする上で大きな支障が出ている場合、その背景には、ADHDの障害特性が影響している可能性があるかもしれません。
では、ADHDのどのような特性が衝動買いや、お金を使いすぎることに関係しているのか触れていきます。
お金を使いすぎる原因とは?ADHDの3つの特性
お金を使いすぎる原因①衝動性
まずは、ADHDの特性である衝動性です。
明確な理由や目的が特になくても、目についたもので欲しい!と思ったものを後先考えずに衝動的に買ってしまう事があります。衝動性の背景には、自分自身の行動をコントロールする脳の実行機能の弱さが影響していると考えられております。
例えば、ブレーキがかかりにくい車が高速道路を走っており、スピードが出せる分、止まらないといけない場面で止められず事故を起こすリスクがあるように、自身の欲求や行動を制御することが難しいことを意味しています。
お金を使いすぎる原因②不注意
ADHDの特性には不注意があります。
・忘れ物が多い
・ものをよく失くす
・片付けが苦手で必要なものがすぐに見つからない
という困りごとが発生します。これは、ADHD特性の一つで、
・注意の転換の苦手さによる1つのことに集中すると、他のことに注意を向ける事が難しい
・集中力を持続することが難しい
などが背景要因としてあると考えられています。
例えば、雨の日に傘を持って出かけたら電車や出掛け先に置き忘れてしまい、新しい傘を購入したことはありませんか?例え100均で購入した傘であっても、忘れ物、失くしものをする頻度が多ければ、それだけ不要な出費も多くなってしまいます。
又、整理整頓や片付けをすることが苦手な場合、必要なものがすぐに見つけられず同じものを幾つも買ってしまうなども困り事としてあります。
お金を使いすぎる原因③報酬系機能の弱さ
ADHDは報酬系機能が弱いと考えられています。
具体的にいうと、将来必要なものより、目先のものを優先してしまうということです。
では、報酬系機能が弱いとなぜそうなるのでしょうか?
私たちは目標を達成した時や誰かに褒められた時に嬉しい!気持ちになってモチベーションが上がります。これは脳内で「ドーパミン」という快楽を感じる神経伝達物質が放出されるためです。逆にドーパミンの量が減ると、やる気が出ずモチベーションが下がるといった無気力状態に陥ります。
ADHDの場合、このドーパミンの量が不足しているため脳が低覚醒な状態となり、小さな報酬では満足することが出来なかったり、遅れて得られる報酬に魅力を感じず待つことが出来ないということが起こります。その結果、すぐに欲しいものが手に入りやすい買い物などに依存しやすいと考えられています。
買うものリストを紙やスマホに書き出し必要なものだけ買う。など対策をしていても衝動性を抑える事は難しいですよね。
では、お金の使いすぎを予防するにはどのような対策があるのかみていきましょう。
お金を使いすぎることへの対処方法3選
対処法①ストレスを溜めない
衝動買いの背景にはストレスが隠れていたりします。自分の行動を振り返ってみて、ストレスが溜まる行動をしているかどうかをチェックしてみてください。
意外とストレスを溜めていたりしませんか?
ストレス発散の方法が「買い物」になってしまっている場合もあります。
その場合、買い物をいきなり全てやめるのでなく、買い物以外のストレス発散の方法を増やす事が役立ちます。
例えば、普段体を動かしていない人は運動をする為にジムやヨガに通う。
普段、体を使っている人は本を読む、映画を観るなどをして、ストレス発散+買い物依存を減らす効果があると思います。
対処法②衝動的な行動を誘発する物を持たない。
衝動買いをしてしまう場合、手元にお金やクレジットカードがあると、容易に買ってしまう行動をとりがちになると思います。
その場合、外出する際には、クレジットカードを持たない。
もしくは○○円までにするなど、外に出る時の金額を予め設定して外に出ると良いです。
対処法③買い物の決済をスマホ決済などに1本化する
買ったことを忘れ、また同じものを買ってしまう場合、例えばスマホ決済などで支払いをまとめてしまうのも一つの手です。そうすることで、最近買ったものを出先でもスマホで確認することが容易になり、同じものを何度も買ってしまうことを防ぎやすくなるかもしれません。ただし上限額設定するなど対策はしておきましょう。
ここまでご紹介した対策などをやってみたけど、金銭管理が困難で生活に支障が出ている場合は、頼れる社会資源にはどんなものがあるかご紹介します。
・自分でいろいろ試したけど難しかった場合はどうする?
特性上、自分の力だけでは難しい場合は、利用できる社会資源を積極的に頼ることをオススメします。
①社会保険労務士法人にて障害年金の相談
社会保険労務士の事業所は障害年金などの相談を無料で行ってくれている所が多いです。そのまま手続きを依頼するとお金がかかりますが、まずは相談するだけでも良いと思います。
参考:障害年金を社労士が解説(前編)|精神・発達障害は対象?条件やもらえる金額は?
②各市町村の社会福祉協議会が実施している【日常生活自立支援事業】
市町村の役場には社会福祉協議会の日常生活自立支援事業所があり、日常生活に関する困りごとに相談員が相談に乗ってくれたり、金銭管理の一部を行っている場合があります。窓口はお住まいにある社会福祉協議会になると思いますが、詳しくは市区町村のホームページをチェックしてみてください。
③お住まいの障害福祉課に相談してみる
お住まいの障害福祉課に相談してみることも検討してみましょう。金銭管理がうまくいかず、どの程度困っているのかを担当の職員を伝えることで、
あなたの困り事の程度や緊急性に応じて、利用できるサービスや機関の情報などを教えてくれます。
④心療内科など医療を頼ってみる
ADHDの衝動性や不注意は自己対処だけでは対策をすることが難しい場合があります。服薬で症状が緩和される場合もありますので、心療内科など医療に頼るのも大切です。
まとめ
この記事ではADHD(注意欠如多動性障害)の悩みや困りごとでよくある衝動買いなどでお金を使いすぎてしまう原因とその対処法に触れてきました。
・欲しい欲求を抑えられずにお金を使いすぎてしまう
・気づいたら預金残高がなくて焦る
・食費などの生活費が払えなくなるなど日常生活に影響が出ている
そういったことでお困りの方は一人で抱え込まずにぜひご相談下さい。
実際にディーキャリア海老名オフィスでも、お金を使いすぎてしまう悩みを抱えながらも病院の先生などと連携しながら就職されたケースがあります。
相談会(無料)も実施しておりますので、お気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【執筆者】若林
ディーキャリア海老名オフィス|生活支援員
保有資格|発達障害学習支援シニアサポーター
これまで接客・販売職を経験。現在は生活支援員として、ソーシャル・スキルトレーニングを担当。
モットーは「一人ひとりの困りごとに丁寧に向き合う」こと。
【監修者】
井上高宏
ディーキャリア海老名オフィス
サービス管理責任者/精神保健福祉士
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