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発達障害(自閉症スペクトラム障害)の苦手な事|ウ・ヨンウ弁護士は天才肌

今回の記事では、韓国ドラマで注目を集め、Netflixでも週間ドラマランキングで1位になるなど人気になっている【ウ・ヨンウ弁護士は天才肌】というドラマの主人公に触れながら、発達障害(自閉症スペクトラム障害)の特性(強みや苦手)、それに対しての対処などを知ってもらえればと思います。

この記事は10分前後で読んでいただけます。

目次

主人公は自閉症スペクトラム障害(ASD)の27歳


「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」の主人公である、ウ・ヨンウは27歳の新人弁護士で自閉症スペクトラム障害(ASD)を抱えています。主人公を演じているのは韓国の女優であるパク・ウンビンさんです。いくつか主演のドラマもあり韓国国内では人気のある女優さんのようです。

大まかなストーリーとしては、主人公であるウ・ヨンウが韓国のソウル大学(ロースクール)を主席で卒業し、司法試験にもほぼ満点で合格。また、法律や裁判例などの膨大な情報を記憶し引き出せる特性なども生かして、大手法律事務所へ就職、周囲にサポートをしてもらいながら様々な事件を解決し、弁護士として成長していくという内容です 。

主人公のウ・ヨンウは自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性として、社会性に困難を抱え、相手の言ったことを繰り返す癖があり、相手の気持ちに共感したり、自身の感情を表現することはとても苦手です。また、クジラが大好きで、クジラの話を始めると止まらない一面もあります。

しかし、特性である天才的なひらめきや自由や発想により様々な事件を解決していきます。まずは自閉症スペクトラム障害の特性について掘り下げていきましょう。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性とは

・対人関係を作るのが難しい「社会性の障害」
相手との距離感がつかめない、人とうまく関わることが困難で例えば、会話の際のアイコンタクトが苦手でぶっきらぼうな印象を持たれたり、相手の立場を考慮せずに、馴れ馴れしい口調で話をしたり、丁寧すぎる対応をするなどもあります。

・会話が成立しづらい「コミュニケーションの障害」
専門書や辞書などを読むことが好きで、難しい言葉を多く知っているが、人との会話が噛み合わないという方も少なくありません。自分の考えを相手にどのように伝えるか、相手は何を伝えたくて話しをしているのかの理解ができず、会話として成立しないことがあります。また社交辞令や冗談が通じず、相手の本音や微妙なニュアンスを汲み取ることが苦手で、会話がちぐはぐになることもあります。主人公のウ・ヨンウに通じる部分としてクジラが大好きで、クジラの話を始めると止まらずに相手を怒らせてしまったこととも重なります。

また、肥満タイプの方に対して「太っていますね」と言ったり、相手が上司であっても「それは間違っていますよ」などと指摘せずにいられず「空気が読めない人」というレッテルを貼られることがあります。プラスの面としては、お世辞や皮肉が通じないということは、気持ちに裏表がないとも言えます。

・特定のものに強くこだわり、変化を嫌う「想像性の障害」
特定のものに強くこだわり、変化を嫌うなどです。具体的には、同じ時刻、同じ場所、同じ手順というような生活パターンを好むのもASDの方に共通する特性です。いつもと違う状況に臨機応変に対応することができず、「気が利かない」「融通が利かない」と思われてしまうことがあります。

これにはプラスの面もあります。物事を毎日決められた通りに繰り返さないと気が済まない、といった特性は繰り返しの作業を継続することができる強みでもあります。また、自身の興味のある分野に対しては並みはずれた集中力を発揮し、多くの情報収集をして記憶をし、知識を深めることができます。

こうした並外れた集中力、粘り強さ、記憶力は特定の学問や芸術分野で能力は発揮する素地になるものです。実際に、画家や音楽家、数学者などに自閉症スペクトラム障害(ASD)のある方にその傾向が強い人が多い事が知られています。

これは主人公のウ・ヨンウ弁護士の特徴とも重なる部分ですね。

また、自閉症スペクトラム障害(ASD)のある方にとって人は気持ちが変わりやすい不安を覚えることも多いですが、機械などの「もの」などは変化がないので安心して向き合うことができます。

障害特性である「感覚特性が強い」とは?

・日常生活に影響が出るなどの「感覚特性が強い」ことも珍しくない
特定の音が苦手、柔軟剤などのにおいにとても敏感など、特定の感覚への苦手などは誰しもありますが、これが自閉症スペクトラム障害(ASD)の方の場合、日常生活に影響が出るほどの苦痛や、とても大きいストレスになる場合があります。

定型発達の方と同じ情報を受け取っていても、自閉症スペクトラム障害(ASD)のある方の場合、耳から多くの情報(入力情報)が入りすぎるなど脳の中で情報の取捨選択がうまくいかなかったり、聴覚や視覚などから入ってくる情報量に対して脳を守るためのブレーキがうまく効かず、通常は些細な刺激であるようなものに対して苦痛を感じることがあります。またそれらには感覚過敏と感覚鈍麻の2種類があります。

・感覚過敏や感覚鈍麻
「感覚過敏」は、特定の感覚はとても敏感であることを指します。例えば「聴覚過敏」ではどの音も同じ大きさに聞こえ、聞きたい音を選び出すことができないなどがあります。「嗅覚過敏」では体臭や化粧品などにおい、排気ガスなどいろいろなにおいがまじりあっている人込みが苦手などがあります。「触覚過敏」では、肩が触れるような満員電車が苦手で通勤に影響が出るなどもあります。

「感覚鈍麻」は、特定の感覚がとても鈍感であることを指します。例えば、皮膚に傷があっても痛みを感じない、体の疲れをあまり感じず体が壊れるまで頑張ってしまうなどです。また、暑さや寒さもあまり感じず、冬なのに薄着、夏なのに厚着など季節感のない服装になってしまうなどもあります。

主人公のウ・ヨンウでいうと「聴覚過敏」があり、イヤーマフを日常生活に取り入れていますね。
また、「触覚過敏」もあり、握手したり、肩を触れられることを嫌うため、仕事においては
、初対面の方との挨拶などでマイナスの印象を持たれることがあります。
例えば、触覚過敏があり握手などが苦手なことを事前に伝えられると、誤解を防げると思います。

特性により仕事で困る場面

・頑張りすぎてしまう
発達障害の特性でもあるのですが、自身の「疲れ」に気付かずに頑張りすぎてしまい、一気に体調を崩してしまうこともあります。こういった特性の方に有効なのが「セルフケアチェック」をおこなうことです。

良好サイン・・・朝の目覚めが良い、心に余裕がある、外出が楽しめる
注意サイン・・・忘れっぽい、疲労感、ため息がでる
悪化サイン・・・イライラ、外出ができない
思考不能状態

大切なのは「注意サイン」に気付いた段階でしっかりと自己対処をすることです。睡眠の確保、残業せず早く帰宅するなど、あまり無理をせず「良好サイン」に戻ることが重要です。「注意サイン」の段階で対策をせずにいると、「悪化サイン」になり、良好な状態に戻るまで時間を要します。

また、物事を「白黒思考」で捉えてしまい、「一人で頑張らなくてはいけない」など極端に捉えて「頑張りすぎる」場合もあります。これはリフレーミングという、極端な捉え方を適切な捉え方に修正することができます。

参考ショート動画:リフレーミングとは?

また、興味の対象が限定的ではありますが、興味の対象に一度取り組むと、特に反復的な作業を飽きることなく繰り返し、とことん追求するなどもあります。対策としては、スマホなどのアラーム設定をし、自身で気付けるようするなどがあります。

・困りごとがあった際の相談の仕方が分からない
相手が忙しそうな時の声のかけ方が分からないといった声や、誰に相談して良いか分からないといった声も聞きます。結果として困りごとなどを溜め込んでしまい結果としてミスをして叱られるといった苦いご経験をされた方もいるのではないでしょうか。

対処としては、相手が忙しそうにしている際の声掛などビジネスマナーを学ぶことや、誰に相談して良いか分からない場合は、作業指示があった時点で、不明点があった際はどなたに聞けば良いでしょうか?と聞いておくと良いと思います。一度教えてもらっていて聞きづらいことに関しては、以前にも質問したのですが分からなくなってしまいもう一度教えてほしいです、と聞いたり、都度メモをしっかり取り、それを読み返す癖をつけることも有効です。

・体調が安定しない
「感覚過敏」で、光の眩しさ、周囲の音の反響などがあったりして人より疲れやすい、「感覚鈍麻」で、疲れに気付かずに頑張りすぎてしまったりして体調が安定しづらい場合もあります。また、特性上、変化が苦手な方も少なくなく、人事異動、物の位置などの設備の変化、作業内容の変更などに適応するためのエネルギーを定型発達の方よりも多く消費し体調を崩すこともあります。対策としては、先ほども触れた「セルフケアチェック」で体調を可視化したり、注意サインや悪化サインの際にやることを事前に決めておくなどがあります。

まとめ

今回の記事では、発達障害の方の特性や得意不苦手について触れてきました。

ディーキャリア海老名オフィスでは、リフレーミングをはじめとした認知行動療法などのプログラムをおこなっています。
発達障害、うつ病、パニック障害、適応障害などの診断がある方は、ディーキャリア海老名オフィスの訓練が有効だと思います。

精神保健福祉士や発達障害学習支援サポーターの資格を持ったプロスタッフによる無料相談も随時おこなっています。就職や復職に向けた悩み、生きづらさなど1人で抱えずに気軽にご相談ください。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考記事① 発達障害の有名人 トム・クルーズ
参考記事② 発達障害による生きづらさ|「言いたいことが言えずモヤモヤしてしまう」
参考記事③ ADHD(注意欠如・多動性障害) | のび太・ジャイアン症候群

【執筆者】
松澤 涼
ディーキャリア海老名オフィス
管理者/就労支援員
【監修者】
井上 高宏
ディーキャリア海老名オフィス
サービス管理責任者/精神保健福祉士

【ディーキャリア海老名オフィス】職場定着率100%(2021年度実績)
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