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発達障害|相手が何を言っているのか理解できない~原因と対策の解説~

この記事では、相手の話が理解できないという困り事に対して、聴覚情報処理障害(APD)や発達障害(ASD/ADHD)に触れながら、その原因や特徴、対処方法について解説していきます。

・会話が音としては聞こえているけれども、言葉として頭に入ってこない
・仕事において口頭での指示がうまく理解できないけどこれって病気?
・話に集中できず、人の言っていることが理解できない

などで生活や仕事で支障が出ている方の参考になればと思います。

この記事は5分前後でお読みいただけます。

目次

  1. 相手の話が理解できないって病気なの?
  2. 聴覚情報処理障害(APD)の特徴と対策
  3. ASD(自閉症スペクトラム障害)の特徴と対策
  4. ADHD(注意欠如多動性障害)の特徴と対策
  5. まとめ

1.話の内容が理解できないって病気なの?

皆さんは「会話が音としては聞こえているけれども、言葉として頭に入ってこない」ということはありませんか?

誰しも体調や気分の調子が悪かったり、考え事をしていたりして、話を聞く余裕がない時はあるかと思います。

しかし、体調に関係なく頻繁に上記の症状がみられ、生活や仕事などに支障が出ている場合は、

・聴覚情報処理障害(APD)
・発達障害(ASD/ADHD)

などの可能性があるかもしれません。

まずは聴覚情報処理障害(APD)の特徴と対処方法について触れていきます。

2.聴覚情報処理障害(APD)の特徴と対策

APD(Auditory Processing Disorder)聴覚情報処理障害は、聞き慣れない方も多いと思います。

聞こえ方の例としては、以下のようなイメージです。

・通常の方の聞こえ方・・・今日は昼ごはんどこで食べましょうか?新しいお店行ってみませんか?

・APDの方の聞こえ方の一例・・・今日は××××どこで××××しょうか?×××お店××××××せんか?

×の箇所は全く聞こえないようなイメージです。当然、周囲に雑音などがあれば聞きづらいことは多くの人が経験するところですが、APDの方の場合、上記のように極端になってしまうなどがあり、結果として相手の言っていることが理解できない状況になってしまい、仕事などで支障が出る状態になります。ちなみに聴覚検査などでは異常は見られません。

では詳しい特徴に触れていきましょう。

聴覚情報処理障害(APD)の特徴

・聞き返しや聞き誤りが多い
(特に、雑音など聴取環境が悪い状況下での聞き取りが困難)
・口頭で言われたことを理解しづらく、忘れやすい
・長い話になると注意して聞き続けるのが難しい
・視覚情報に比べて聴覚情報の聴取や理解が困難である
 etc…

職場で上司の指示や、会議の内容が理解出来ないのは困ってしまいますよね💦

聴覚情報処理障害(APD)のある方の対処方法

・職場でボイスレコーダーや、補聴機器の使用を許可してもらうように依頼する。
・口頭のみの指示ではなく、視覚情報ツールを用いて伝えてもらうように依頼する。
(マニュアル、手順書など)
・静かな環境で仕事が出来るように調整をする。

このようにちょっとした工夫や配慮依頼を行うことで、働きやすい環境を自分でコーディネートしていく事ができます。

参考サイト:時事メディカル

次に、発達障害の特性についてみていきます。

3.ASD(自閉症スペクトラム障害)の特徴と対策

ASD(自閉症スペクトラム障害)の特徴

ASD(自閉症スペクトラム障害)のある方の特徴に触れていきます。

①相手の視点に立って考える(共感化能力)が苦手

相手の視点に立って考えること、想像力の苦手さから、相手の表情から意図や感情を読み取ることが困難なため話を適切に理解できないことがあります。

その他にも

・曖昧な表現がわからない
・言葉通りの意味で受けとってしまう
・文脈を読むことが苦手

などもASDの特性としてあり、会話から意味を適切に理解する事の難しさの原因として考えられます。

②シングルフォーカス特性がある

シングルフォーカス特性とは、1つのことに集中しすぎてしまい、同時に2つ以上のことを行う事が難しい為、メモを取りながら話を聞くことが難しい場合があります。
実際にはメモをとれてはいますが、書くことに集中してしまい、話を理解して聞く事が困難になります。

ASD(自閉症スペクトラム障害)のある方の場合は、上記の特性などが原因となり、相手の話が理解できないといったことに繋がっている可能性があります。

ASD(自閉症スペクトラム障害)のある方の対処方法

ASD(自閉症スペクトラム障害)のある方の対策としては、

・抽象的な指示の場合、5W1Hを使い具体的に質問する

ASDのある方は、論理的思考が得意なため、理屈で理解していきます。なのでオススメとしては

  • いつ(When)
  • どこで(Where)
  • 誰が(Who)
  • 何を(What)
  • なぜ?( Why)
  • どのように(How)


上記の5W1Hの中でも自身が聞き洩らしやすい傾向を知っておくことが大切です。
まずはその項目をしっかり聞く、もしくは必ず質問するようにしましょう。

また、聞いた(指示など)内容で理解できている箇所を5W1Hに埋めていき、空欄の箇所があれば、自身が理解できていない箇所として客観的に知る事ができます。

・シングルタスク化する

話を聞く+メモを同時ではなく→①話を聞き終えるから②メモをとる。のようにシングルタスク化することで、理解しやすくなる可能性があります。

※話が長い場合、全て正確に覚えておくことが難しいので、不明点はその場で確認し復唱することが
認識のズレをなくす為に大切です!

参考記事:発達障害(自閉症スペクトラム障害)の苦手な事|ウ・ヨンウ弁護士は天才肌

4.ADHD(注意欠如多動性障害)の特徴と対策

ADHD(注意欠如多動性障害)の特徴

では、ADHD(注意欠如多動性障害)のある方の特徴に触れていきます。

①ワーキングメモリーの容量が少ない

ワーキングメモリーの容量が少ないことにより、一度に沢山の情報を言われても、頭の中で保持する(覚えておく)ことが出来ない。指示を聞いている時は理解したつもりでも、いざ作業をやろうとすると忘れてしまっていることがあります。

②不注意による苦手さ

不注意には4種類あります。

1.注意の選択
適切な対象に注意を向けること
2.注意の転換
注意の対象を切り替えること(会話の途中で他のことを考えてしまい、話に集中出来ない)
3.注意の分割
同時に2つのものに注意を向けること(話を聞きながらメモを取るなど)
4.注意の持続
集中力がもたない

これらの不注意により、相手の話が理解出来ないことがあります。

③衝動性

相手が話し終わる前に、自分で結論づけて動き始めてしまい、指示と違うことをしてしまう場合もあります。話を最後までしっかり聞けていないということになります。

ADHD(注意欠如多動性障害)のある方の場合は、上記の特性などが原因となり、相手の話が理解できないといったことに繋がっている可能性があります。

ADHD(注意欠如多動性障害)のある方の対策

ADHD(注意欠如多動性障害)のある方の対策としては、

・情報量を減らしワーキングメモリーに負荷をかけない

→配慮依頼として指示を1つずつ出してもらったり、指示を簡潔に短く伝えてもらう方法があります。
また、例えば障害者雇用の場合であれば、配慮依頼として、簡潔に指示をして頂くことをお願いしておくこともできます。

・相手の目を見て話を聞く

不注意の特性などで、話に集中することができず、情報を聞き洩らすことが多い場合は、相手の目を見ることに集中することで不注意を防ぎ、聞き漏れを最小限に抑えてみても良いかもしれません。目を見ることに抵抗がある方は、おでこや眉間などでも良いと思います。

・聞き漏れした内容に対しての対策

これはASDの方も同様ですが、まずは理解できている部分だけでも復唱して確認してみることです。
また、ASDのある方の対策でも触れましたが、5W1Hの中でも、自身が聞き洩らす傾向が多い部分を知ったり、最低限、納期などは必ずもう一度確認するなどから始めても良いかもしれません。

参考記事:ADHD(注意欠如・多動性障害) | のび太・ジャイアン症候群

5.まとめ

今回の記事では、相手の話が理解できないという困り事に対して、聴覚情報処理障害(APD)や発達障害(ASD/ADHD)に触れながら、その原因と対処方法について解説してきました。

・会話が音としては聞こえているけれども、言葉として頭に入ってこない
・仕事において口頭での指示がうまく理解できないけどこれって病気?
・話に集中できず、人の言っていることが理解できない

などで生活や仕事で支障が出ていて困っているなどがある方は、1人で抱えずに心療内科を受診することを検討してみてください。

また、ディーキャリア海老名オフィスでは、障害特性や自己理解の訓練を通じて自身の強み凸弱み凹を知り、対応策を考えていくので自己理解を深めていくことが出来ます。

相手の話が理解出来ない」と言ってもその原因は様々です。

海老名オフィスでは、精神保健福祉士や、発達障害の専門資格を保有するスタッフによる相談会(無料)も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。

【執筆者】若林
ディーキャリア海老名オフィス|生活支援員|発達障害学習支援シニアサポーター
これまで接客・販売職を経験。現在は生活支援員として、ソーシャル・スキルトレーニングを担当。モットーは「一人ひとりの困りごとに丁寧に向き合う」こと。

【監修者】
井上高宏
ディーキャリア海老名オフィス
サービス管理責任者/精神保健福祉士

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