4. 最大の難関「段取り」には合わせ技で勝つ!
複数の献立を限られた時間の中で同時に作らなければならない料理には、段取りが欠かせません。「計画通りに物事を進めることが苦手」という発達障害の当事者にとっては最大の難関です。ここは三つの対策の「合わせ技」で乗り切りましょう。
技① 全部手作りしようとしない
毎食・全部の献立を手作りするのは、忙しい現代人にとってはとても難しいことです。時間がないときはすべてを手作りしようとせずに、以下の方法も組み合わせましょう。
- ・ご飯はまとめて炊き、余った分は冷凍しておいて、レンチンですぐ食べられるようにする
- ・付け合わせのおかずは、冷凍食品にする
- ・手間のかかる魚料理は自分で作らず、お惣菜コーナーで買ってくる
- ・サラダはカット野菜を使う
- ・スープはレトルトにする
技② 「焼く」「炒める」のメニューを基本にする
「煮る」「揚げる」料理は下ごしらえの工程が複雑で時間もかかります。まずはフライパンだけでできる「焼く」「炒める」料理を自分の定番にし、煮物・揚げ物は時間が充分取れる日にチャレンジするようにしましょう。
技③ 自分なりの段取りルールを決める
その場の状況に応じて柔軟に段取りするのが苦手であっても、あらかじめ自分なりの段取りルールを決めておけばスムーズにできる、という場合もあります。例えば以下のようなルールを決めておくと良いでしょう。
- ・時間のかかる炊飯や解凍を真っ先に行う
- ・食材はすべて先に切っておき、料理番組のように材料ごとタッパーに小分けして置いておく(小さめサイズのタッパーをまとめ買いしておくと便利。参考商品は▶ こちら)
- ・まな板を何度も洗わないよう、野菜用と肉用で二つ持っておく
- ・火を使うものは、焦がさないよう同時に二つ以上やらない
まとめ
筆者のパートナーは料理が得意で、レシピを見ずとも勘とセンスで料理を作ってしまいます。しかし「勘で作っちゃうから同じ味が二度と作れない」とよくぼやいていました。その点、筆者はいつも同じ味を安定して出すことができるので、レシピや段取りのルールにこだわっていることが功を奏しているとも言えます。
発達障害の当事者にとって料理は大変な家事ですが、食べてくれた人から「美味しい!」と言ってもらえるのは、料理でしか味わえない喜びでもあります。料理の困りごとが少しでもラクになるように、本記事がお役に立てましたら幸いです。
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執筆者
藤森ユウワ(ライター・編集)
ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。
これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。
子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。
36 歳で ADHD・ASD と診断される。
診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。
誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。
さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。
自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。