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発達障害の実行機能について

おはようございます。ディーキャリア立川オフィスのピアスタッフのKです。

ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性では、見積もりの甘さから先延ばし癖があると言われています。何か手をつけるにしても後でいいやとやることを先延ばしにしてしまいます。これは実行機能と呼ばれる能力が影響しており、特にADHD(注意欠如・多動性障害)の特性がある方はこの能力が低い傾向にあると言われています。

実行機能とは特定の目標を達成するために、自身の思考・行動・感情を制御、抑制する機能のことを言います。この機能は大きく5つに分類することができます。

  • 抑制

抑制とは、衝動や欲求を抑える能力を指します。例えば家に帰って友達と遊びたいけど、学校の宿題をやらないといけないので我慢する、といったことがこれに当てはまります。

  • 転換

転換は柔軟性や適応性を示し、状況や課題間で思考や行動を切り替える能力を指します。いわゆる臨機応変な対応と言われるもので、その場での状況を見て判断する能力を指します。

  • 感情のコントロール

感情のコントロールは自己表現や対人関係における適切な感情表現を指します。例えば仕事でミスを指摘された際に、怒りや悲しみの感情を爆発させることなく制御することが当てはまります。

  • ワーキングメモリ

ワーキングメモリは一度に複数のできごとを処理するために必要な能力のことを言います。例えば電話をしながら相手の発信をメモするという動作は、自分から言葉を発すること、相手からの言葉を聞くこと、メモを取ることの3つの処理を同時並行しておこなっています。

  • 計画性

計画性は目標設定や順序立てをおこなうのに必要な能力です。自身が達成したい目標から逆算して、いつまでに何をすればいいかという見積もりを立てることが計画性にあたります。

発達障害を持つ方の場合、これらの要素が苦手である傾向があります。これら全てが苦手というパターンもあれば、部分的に苦手というパターンもあります。

実際に日常生活や仕事で実行機能が問われる場面を想定してみましょう。

場面①朝の身支度をしているとき

朝起きて学校や会社に行く場面を想定してみましょう。布団から出る際、もっと寝ていたいと誰しもが経験すると思います。これを抑えて起きることは抑制にあたります。

起床後は何かと支度しなければならないことが多く、順序立ててこなす必要があります。そのためマルチタスクになりやすく、計画的に身支度をしなければ遅れてしまいます。ここではワーキングメモリや計画性といった要素が必要になります。

また、悪天候により電車が止まってしまっている場合には通勤・通学手段を臨機応変に変えていかなければならず、転換がこれにあたります。

場面②上司から仕事を頼まれた場合

次は職場での場面を想定してみましょう。自分の仕事をしている最中に苦手な上司から急に仕事を頼まれたとしましょう。まず必要になるのが感情のコントロールです。苦手な人が相手だからといって、怒りをぶつけるなどしないようにする必要があります。

また、急にタスクを追加されたことにより、柔軟な対応が必要になります。それに伴いタスクを整理する必要も出てくれば、転換や計画性といった要素が求められます。

一方で、もともとおこなっていた作業も忘れずに着手しなければならないため、ワーキングメモリも必要な要素となります。

場面③やりたいこととやらないといけないことがたくさんある

次はプライベートの場面の想定です。帰宅してやりたいこともやらないといけないこともたくさんある状態を想定してみます。

まずは計画性が必要です。どれから手を付けるのか、優先順位をつけて頭の中でタスクを整理する必要があります。優先順位をつける過程では、やりたいことを優先してしまいがちですが、これをこらえて先にやるべきことから手を付けていく抑制も必要な要素となります。

また、多くのタスクを抱えていることからワーキングメモリも必要となります。

このように、日常生活のあらゆる行動というのは実行機能が問われる場面が多くあります。

低い実行機能を補うにはどうすればいいのでしょうか。

ここまで紹介した実行機能ですが、発達障害の特性ではこの実行機能が弱い傾向にあることが多くあります。例えばADHD(注意欠如・多動性障害)であれば、衝動性の強さから抑制や感情のコントロールが効かなくなってしまうといったケースも見受けられます。そのため、それを補うよう自身で工夫していく必要があります。

工夫①とりあえず行動する

ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性では、見通しを立てることが苦手で物事を先延ばしにしてしまう癖があります。これを改善するためには、まず行動することが大事です。行動といってもとてもシンプルで、スモールステップで取り組んでみたり、やらなければいけないタスクとは関係のないことでも体を動かしてみることが効果的です。

例えば部屋の掃除をしなければならない状況では、まず負荷が少ない机のほこりを綺麗にすることからはじめてみたり、皿洗いや洗濯といった別の家事から取り組んでみるといいでしょう。行動していくうちに意識を変えることができ、気が付くともともとやりたかったことに取り組めるようになります。

工夫②スケジュールを可視化する

ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性上、タスクを抱え込みやすいケースが非常に多いです。さまざまなことに興味関心が向くため、あれもこれもと優先順位を考えずにやることを増やしていってしまいます。タスクフルにならないためにも、スケジュールを可視化することが大切です。目に見える形で計画を立てることによって、物理的に不可能なスケジュールを認識しやすくなります。ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性ではワーキングメモリが低いことが多いため、タスク失念の懸念も払拭できます。また、タスクを失念する機会が減少することで、それに伴う感情のコントロールも間接的に補うことができます。

工夫③合理的配慮を求める

障害者雇用で働く場合であれば、自身の特性に対して合理的配慮をお願いすることができます。合理的配慮とは、自身の障害特性に対して職場に依頼する配慮のことを指し、特性上どうしても困難なことを周囲のサポートしてもらうことを言います。“合理的”とあるように、なんでもかんでも配慮してもらうということはできず、自分自身ではどうしてもケアしきれない特性に対して会社側に依頼することができます。自己対処だけでなく、こういった周囲のサポートを受けるといった選択肢ももっておくことが大切です。

我々人間の日常生活というのは、一見普通に見えても実は複雑な処理をしています。そのため、実行機能の程度によっては、感じる生きやすさというのが大きく変化する可能性があります。もし、今の生活で生きづらさを感じているのであれば、一度弊所へのご相談を検討してみてはいかがでしょうか。

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■この記事を書いた人は?■

ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部

普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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