【利用者ブログ】私が就活のステップを踏むまで
こんにちは。
ディーキャリア立川オフィス利用者のCと申します。
現在はリクルートコースで就職活動をおこなっています。
今回スタッフから提案していただき、私がどのようにしてディーキャリアで就職ができる状態になったのか、そのお話を書かせていただくことになりました。
自分のことを振り返りながら書いていきますので、ちょっと長くなりますが、よければお付き合いください。
①就職の失敗~診断を受けるまで
大学を卒業後、IT系企業の営業職に就職した私は一つでも多くの案件を取るために必死に働いていました。
1年目は慣れないながらも上司や先輩のサポートの中でこなすことができましたが、2年目に「独り立ちをしろ」との業務命令を受けて一人で営業活動をこなさなければいけなくなりました。
1年目の営業活動では、訪問先のお客様とお話することが楽しく、「営業職は自分に向いているかも」と思っていたのですが、2年目に一人でおこなうようになると今まで先輩のサポートを受けてできていた多くのタスクを管理する必要に迫られ、スケジュールを忘れたり、訪問先に持っていく資料を忘れてしまうといったことが多発し、お客様や上司から𠮟責を受けるようになりました。
特にスケジュール管理がうまくいかず、ダブルブッキングをしてしまったことや本来の日程とは違う日にスケジュールを入れてしまうなどの、ミスを多く起こしてしまう状態でした。
そのような中で叱責を受けることで落ち込んでしまい、余計にミスを起こしてしまうという悪循環に陥り、2年目の終わり頃に会社を退職しました。
会社の退職後はすぐに就職活動をしようと思っていたのですが、前職でのミスや叱責が頭をよぎり、「また同じことになったらどうしよう」「自分はもう働けないかもしれない」「自分には価値がないんだ」といった気持ちが徐々に大きくなり、何をするにも億劫になってしまいました。
生活も昼夜逆転の生活リズムになってしまい、その上収入もなかったので貯金を切り崩して生活を2年ほどしていました。
世の中で言う「ひきこもり」になった私を心配した家族から病院に行くことを進められ受診したところ、主治医から「ADHD」と「うつ病」との診断を受けました。医師からは、もともと発達障害の一つであるADHDの特性である実行機能(物事を計画立てて効率的におこなう力)の弱さがあり、それによる仕事の失敗を繰り返した結果うつ病になってしまったのではないか、と説明されました。
そして病院のソーシャルワーカーから、発達障害や精神障害のある人の就職の土台作りを行う『ディーキャリア立川オフィス』という就労移行支援事業所があることを教えてもらい、見学に行ってみることにしました。
②ディーキャリアへの通所~ライフスキルコースを終えるまで
見学へ行ってみると、白を基調としたオフィスで利用者達が就職に向けて集中して訓練に取り組んでいる雰囲気でした。見学時に相談に乗ってくれたスタッフにこれまでの経緯を説明し、「私は本当に就職できるのでしょうか?」と尋ねたところ、「最初はみんな不安に思っているけれど、土台作りをしっかりやれば大丈夫ですよ」と答えてもらいました。オフィスの雰囲気も静か過ぎずうるさ過ぎずといった感じで私にあっていたため、ディーキャリア立川オフィスに通うことを決めました。
ディーキャリアは基本的に3つのコースに分かれていて、①就職の基礎訓練を行う「ライフスキルコース」、②身に着けた基礎を実践する「ワークスキルコース」、③就職活動を行う「リクルートコース」の3ステップで進みます。
通所スタートの際、生活リズムが崩れていて実際に通所できるか不安だった私は週3回午前のみの通所予定にしてもらい、まずは生活リズムの立て直しから始めました。
最初の1か月間は、訓練時間に寝坊して遅刻したり、体調不良で欠席の際に面倒で連絡をしないということをしてしまいました。特に前職の経験で職場からの電話連絡にトラウマがあり連絡が億劫になっていたのですが、通所時にスタッフに面談をしてもらい、自分の不安を受け止めてもらった一方で、「連絡なし=安否不明の状況になってしまい心配なので、どんな方法でもよいので連絡してほしい」と言われ、まずはメールでの連絡をおこなうようになり、そこから徐々に連絡することへの恐怖心が和らぎ、電話連絡も問題なくできるようになりました。
ライフスキルコースではいろいろなプログラムに取り組み、特に私には「リフレーミング」と「目標設定」の訓練が役に立ったと感じています。
リフレーミングは「一つの物事をいろいろな角度から見ることで自分のネガティブを軽くしていく」という内容なのですが、「働いていない」ということに対する負い目を「安定して働くための準備運動をしている期間」と捉えなおすことができたり、訓練内での失敗を「次うまくやれればよい」と思えるようになり、就職活動や自分自身に対する肩の力をうまく抜けるようになりました。
目標設定は月初にその月の目標を立て、それをもとに逆算して週の目標を毎週立てるといったやり方なのですが、最終的なゴールから逆算して行動していくことは私の苦手なもので
あったため、やり方に慣れるまで非常に苦労しました。特に、目標を立てるときに期限や具体性があいまいになっていたりすることが多かったため、その度にスタッフからアドバイスをもらい、具体的かつ取り組みが可能な範囲で目標を立てていくことが少しずつできるようになっていきました。
そんなこんなで4か月ほどライフスキルコースを修了し、次のステップであるワークスキルコースへ進むこととなりました。
③ワークスキルコースで取り組む
ワークスキルコースでは実際の模擬オフィスという形で、スタッフが上司役となり作業指示を出し、作業に取り組む中でライフスキルコースで学んだスキルを実践的に試すといったことをします。
最初はうまく取り組めていたのですが、作業が難しくなったりスタッフから並行して指示を受けるようになると、作業漏れや期限遅れが発生したり、必要な報連相を忘れてしまうといったことが起こりました。
この状況は前職でつまづいた状況と同じであったため、「また繰り返してしまった…」と自己嫌悪に陥り、「やっぱり就職はできないんだ…」とネガティブな思考をぐるぐるさせてしまうモードに入ってしまいました。
そんな時にスタッフと面談をおこない、何が要因でタスク管理がうまくいっていないのかを細かく分析し、その原因の一つが「自分の頭の中でタスクやスケジュールをコントロールしようとし過ぎていた」ことであることわかりました。その時の私は「もうだめだ…」という考えが頭を支配していたため、スタッフが的確にできていないことを指摘しつつも、「明日から立て直せば大丈夫」と励ましてくれたので、まず具体的な対策を考えられる余裕が生まれました。
「なぜ」を考えた結果、ライフスキルコースでは目標設定の際にシートに記入し、そこでスケジュール管理やタスク管理をおこなっていたものの、ある程度できるようになっていたためにワークスキルコースではおこなっていなかったということに気づきました。
いい加減になってしまっていたことを反省し、他の利用者からもアドバイスをいただき、就職後にも自分で管理できるように100均のスケジュール帳を購入し、スケジュールを書き出して期限を明白にすることと、その日の作業を訓練開始前に付箋紙に書き出して終わったら剝がしていくことや、急な予定が入った際には順番を入れ替えるなどの工夫をしました。
それらをした結果、期限遅れや作業漏れもなくなり、2つまでであればある程度の同時作業をおこなうことができるようになりました。
また、ワークスキルコースの中で外部実習にも2社ほど参加させてもらい、ディーキャリアのオフィスではない実際の会社の空間の中で作業をし、タスク整理が上手にできているといった評価をいただくこともできました。
そんな取り組みをおこない、ワークスキルコースには4か月ほど在籍しました。
④リクルートコースでいざ就活へ!
現在私はリクルートコース在籍2か月目です。
就職活動をメインでおこなうコースですので、書類作成・求人検索・企業研究・説明会参加・面接をおこないます。
最初応募した企業は書類選考で不採用となり、次に応募した企業は1次面接で見送りという結果になりました。
応募したのはたった2社と思われるかもしれませんが、正直心が折れるかと思いました。
いろいろな訓練に取り組み、自分のネガティブを軽くできたといっても過去のことが頭をよぎる瞬間がないわけではありません。
先日もふとした瞬間に「またひきこもりになってしまったら…」「うつが再発したら…」との気持ちになり、「就活なんて嫌だな」と思いかけましたが、自分の10か月の取り組みを振り返ることで「ここで負けてはいけない」と気持ちを立て直すことができました。
通所当初は目の前のことで一杯だったのですが、今振り返るとディーキャリアでのすべてのプログラムが血となり肉となっているのだと思います。
とはいえまだ内定をいただくには至っていないので、この取り組みは継続していかなければなりません。
以前にディーキャリアを就職された卒業生の方とお話しする機会があったのですが、皆さん訓練を受ける中で順調に行ったのではなく、時には壁にぶつかったり就職への道を蛇行しながら内定をゲットされたとのことでした。
いろいろ参考になるお話をいただけたので、自分も頑張ろうと思えたいい機会だったと思います。
⑤さいごに
この記事を読んでくださっているあなたはどのような方なのでしょうか?
障害のある方や就職に困っている方、そのご家族の方でしょうか?
それとも支援者の方やたまたま見てくださっている方なのでしょうか?
私は今回の記事を就職活動の合間に書かせてもらっています。
スタッフから記事執筆の告知を受けたとき、自分で手を挙げて書いてみようと思いました。
まさに私の苦手としていた並行作業で執筆に取り組んでいるのですが、それを試すという意図ともう一つ別の意図があります。
それは、「自分の話が今困っている人のヒントになれれば」と考えていることです。ディーキャリアでの就職準備はいろいろな壁にぶつかりながらも進んでいきます。
その中で就職の土台を作り、安定して働く可能性を開いていくことは特別なことではないといったことを私は伝えたいのです。
細かい内容はわかりませんが、ディーキャリアの利用者は過去に何らかのつまづきを経験したことで「働く」ことに不安を抱えている方が多くいらっしゃいます。
就労に必要なことを備えたカリキュラムに取り組んでいく中で、スタッフさんが時に厳しく・特に優しくサポートをおこない、利用者同士でサポートし合いながら就職準備をするのがディーキャリアの雰囲気です。
私はディーキャリアに通所して正解だったと思いますし、「自分は本当に就職できるのか」と不安に思う方こそディーキャリアに通所してもらいたいと思っています。
私もそうでしたが、ディーキャリアでは自分のペースで就職の不安を軽くできるので、ぜひ一度見学にいらしてください。
スタッフ、利用者全員でお待ちしています。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川オフィス・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川・所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。 主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、様々な情報を発信しています。 凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凸凹凸凹凸凹凸凹Tweet
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