大人の発達障害がある方の就職活動は「ウォーミングアップ」で成否が決まる!

4. 自己分析の結果をもとに立てる「就職の軸」

就職の軸とは、今回の就職活動で絶対に達成したいことです。ここまで行ってきた自己分析の集大成であり、仕事や企業を選ぶ際の判断基準となります。

他にも、応募書類や面接で、話の内容に一貫性を持たせられる、就職後に「こんなはずではなかった……」というミスマッチを防ぐことができる、という効果もあります。

自己分析のステップ5で書き出した希望条件をさらに深掘りし、コトバで書き表してみましょう。下記に軸の例をまとめていますので、言語化する際の参考にしてみてください。

就職の軸の例
以前より給与が上がる(昇給制度、インセンティブ、賞与等)ワークライフバランス(残業が少ない・有給がとりやすい)が実現できる
キャリアアップが目指せる(マネジメントができるようになる、昇格制度がある等)障害への配慮がある
一般枠と障害者枠いずれも仕事内容・評価基準が同じスキル・経験を活かせる環境である
希望の働き方(フレックス制度、時短制度、週3日勤務、在宅勤務等)が実現できる福利厚生(休憩室がある、産業医面談が可能、手当が豊富等)が充実している
社風・風土が良い(社員の仲が良くアットホームな雰囲気、意見やアイデアが言いやすい等)業界・仕事内容が希望と合っている
雇用形態が希望と合っている勤務地(自宅からの勤務のしやすさ等)が希望と合っている
(その他) 社内教育制度が充実している
Wワーク(副業)ができる
ジョブローテーションがある、等

5. もし、一人ではうまく考えられず悩んでしまったら

今回ご紹介した就職活動のウォーミングアップ、特に自己分析は、就職活動の基礎であり、自分の希望を叶える就職・転職をするために必要不可欠です。

しかし、障害の有無にかかわらず、客観的に自分を分析するのはとても難しいことです。

  • 「考えれば考えるほど、頭がグルグルしてしまって答えにたどり着けない」
  • 「一人だと途中で投げ出してしまう」
  • 「つらい過去を振り返っても、自分の良いところなんて見つからない」

……と悩んでしまう方も、少なくありません。そんな方々のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。今回ご紹介した“ウォーミングアップ”や“自己分析”の内容も、実際にディーキャリアで行っている支援プログラムの一部分を、簡易的にまとめ直したものです。

冒頭でもご紹介をしたとおり、発達障害の特性による「苦手」で就職活動が上手く進まないという方も少なくありません。ディーキャリアでは、就職支援スタッフが一人ひとりの「働く」に寄り添った支援をおこない、就職活動の軸探しだけではなく、スケジュールを立てること、自己PR(自分の強み・長所の発見)をすること、予定通りに行動をすることをサポートしています。

就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業)

就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。

「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。

ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。

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参考記事

「障害者雇用」については、以下のコラム記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。

執筆者

藤森ユウワ(ライター・編集)

ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。

これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。

子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。

36 歳で ADHD・ASD と診断される。

診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。

誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。

さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。

自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。

記事監修

清野 玲子(キャリアコンサルタント/社会福祉士)

人材会社でのキャリアアドバイザー等経験したのち、就労移行支援事業所ディーキャリアの立ち上げに参画。発達障害の特性による苦手や困りごとを抱える方の就労支援に携わる。

現在は、発達障害のある方の特性に応じた就労プログラム開発、支援スタッフ向け研修講師・スーパーバイザーなど幅広い業務を担当。

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