困りごと・原因・自己対処の例・合理的配慮の例
合理的配慮の例を、職場で起こりやすいコミュニケーションの困りごと別に整理しました。実際に提供されている配慮事例とセットで、「原因はなにか」「自己対処として何ができるか」の例もまとめています。
困りごとの原因は一人ひとりの特性によって異なるため、自己対処と合理的配慮の内容は「自分に合ったもの」にする必要があります。また、職場や職務内容によっては、以下の配慮の提供が難しいケースもあります。今回ご紹介するものは、あくまでも参考としてお読みください。
上司へ声掛けをするタイミングが分からず、報連相(報告・連絡・相談)ができない
原因の例
- シングルレイヤー思考により、文脈や言外の意味理解が難しく、上司に話しかけてよいタイミングや場の空気が読めない
自己対処の例
- ・「毎朝」「毎週月曜日」など頻度を定め、上司にメールで現在の状況を送る
- ・日報を書いて上司に提出する
合理的配慮の例
- ・「毎朝10分」「毎週1時間」など、頻度と時間を定めて、定時報告する時間を上司に予定してもらう
- ・上司の方から定期的に状況を確認してもらう
曖昧な表現(なるべく早く、いい感じに、など)が理解できない
原因の例
- ハイコントラスト知覚により、抽象的に表現された内容の要点を捉えることが難しく、具体的な数字や判断基準のない表現が受け入れにくくなる。など
自己対処の例
- あいまいな指示を受けた際、そのまま引き受けてしまわずに「具体的な日時を決めてよいでしょうか?」「もう少し具体的に、どの程度の品質が必要でしょうか?」と確認をおこなう
合理的配慮の例
- 指示に具体的な期限や判断基準を入れてもらうようお願いする
- ・締切の指示:×「なるべく早く」→ ○「△日の□時までに」
- ・品質の指示:×「いい感じに」→ ○「社内検討用なので手書きのラフでOK」
話を聞きながらメモをとることが苦手
原因の例
- シングルレイヤー特性により、聞いた内容を処理しながら、同時にメモを取ることが難しくなる。話の内容全体を把握しながら、要点を捉えることが苦手。など
自己対処の例
- ・「ゆっくり話してもらう」「一つメモを取り終わったら、次の話をしてもらう」など、その場で相手にお願いする。
- ・紙にペンでメモするだけでなく、「ボイスレコーダーを使う」などの方法も検討する
- ・話の全部をメモしようとするのではなく、要点だけ(日付、人物、方法など)をキーワードでメモするようにする。電話であれば、電話メモのテンプレートを用意しておく
合理的配慮の例
- メモが必要な口頭ではなく、なるべくメールやチャット等の文章で指示を出してもらうようにする
説明をするのが苦手
原因の例
- 衝動性(行動のブレーキの利かなさ)により、話そうとすることを整理する前に思いついたまま話し始めてしまう。頭の中だけで考えを整理することが苦手。など
自己対処の例
- ・説明することをあらかじめ紙などに書き出し、5W1Hで整理してから話す。
- ・その場で説明を始めず、少し待ってもらい、状況や考えを整理してから改めて説明する
- ・口頭で説明せず、メールやチャット等、文章で回答する
合理的配慮の例
- ・何か説明を求めるときには、口頭ではなくメールやチャット等で事前に依頼してもらうようにする
- ・会議で説明を求めるときには、事前に通知して、考えを整理し準備する時間をもらうようにする
話を聞き続けるのが苦手
原因の例
- 衝動性(抑制の効かなさ)により、他のものに注意が向いてしまうと、そちらに意識を持っていかれてしまう。ワーキングメモリーの弱みにより、記憶にとどめておける情報量が少ないので、聞き続けると情報が処理しきれなくなる。など
自己対処の例
- ・睡眠不足などにより集中力そのものが下がっていることがあるので、生活リズムを整える
- ・話を聞くときにはPCの画面を消す・手元の資料を閉じるなど、他のものに注意が行かないよう工夫する
合理的配慮の例
- 一度に多すぎる情報を与えないよう、小出しにしてもらう。その上で、少し待ってメモや整理する時間をもらう
思ったことをそのまま口に出してしまう
原因の例
- 衝動性(行動のブレーキの効かなさ)により、思った瞬間には、すでに口に出てしまっている。(「口に出してはいけないな」と判断が終わる前に、すでに行動してしまっている)など
自己対処の例
- 思わず口に出してしまったことを、無理に取り繕おうとせず謝る。そのうえで、本来言おうとしていたことを言い直すように習慣づけする。
合理的配慮の例
- ・話している際にパニックになっている様子が見受けられたら、「落ち着くための時間を設けてよい(5分休憩など)」旨を伝えてもらう
- ・失言があったときには、その場で注意してもらうようにする(失言を謝る、言い直す習慣づけのため)
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