就労移行支援事業所を利用した/しなかった決め手は?

私が就労移行支援事業所の利用を決めたのは、「発達障害への配慮が受けられる会社へ再就職するために、準備をしたい」と思ったからです。

私は、今の会社が3社目なのですが、1社目を退職したときは、退職後に生活リズムがどんどん崩れて、メンタルの調子も悪くなってしまいました。

その後、なんとか再就職はしたものの、まだ自分の障害について理解が浅く配慮を受けながら働ける会社を探したわけではなかったので、2社目でも結局、体調を崩して休職することになってしまいました。

1社目を退職したときの経験から、今度はちゃんと通院・服薬をし、自分の特性についても勉強していました。そして、「次は障害に対する配慮を受けながら働ける会社に再就職したい。休職期間を、そのための準備期間にしたい」と考えて、就労移行支援事業所を利用しようと思ったのです。

私が就労移行支援事業所を利用しなかったのは、「働きながら利用することはできない」というルールがあったからです。家族を養うためには、収入がない期間を作るわけにはいかなかったんですよね…。

「通っている期間の生活費がまかなえないから、就労移行支援事業所を利用したくてもできない」というお悩みを、当事者の方からときどき耳にすることがあります。とりさんは通っている間、生活費をどのように工面されていましたか?

養うべき家族がいるのといないのとでは、状況はガラッと変わりますよね……。私はまだ20代前半で、ありがたいことに家賃は親に出してもらいました。家賃以外の生活費は自分で出していましたが、休職中で“傷病手当金※”を受給していたので、節約してどうにかしのぎました。

私は職歴も浅く、ある意味、“失う物は何もない状態”だったと思うんです。だからこそ、「ここで一度立ち止まってもいいから、しっかりと自分に向き合い対策をして、その先のキャリアプランを整えよう」という判断ができたのだと思いますね。

※補足:就労移行支援事業所を利用中の生活費を工面する方法としては、傷病手当金のほか、「障害者年金を受給する」という方法もあります。障害者年金については、以下の記事もご参照ください。

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