【ADHDの私が見つけた!】洗濯をもっと『ラク』にするための工夫と心の持ち方
こんにちは。ディーキャリア芝浦オフィスに通っているS.Mです。
突然ですが、皆さんは洗濯が得意ですか?
私は家事のなかでも、特に洗濯が苦手です。
なぜ苦手と感じるのか。どんな困難さがあるのか。
今回は洗濯が苦手なADHD当事者である私が、ADHDの特性が洗濯にどのような影響を与えるのか
そしてどのような対策をしているのかをご紹介いたします。
この記事を書いた人:ディーキャリア利用者S.M(ワークスキルコース所属)
現在ワークスキルコースに所属しさまざまな模擬業務に取り組むとともに、積極的に就職活動を進めています。診断名はADHDで、特性に合わせたセルフケアを模索中です。特に、セルフケアの選択肢が少ないことが課題と感じており、自分に合った効果的な方法を見つけるために日々試行錯誤しています。
目次
■なぜ洗濯をするのが苦手?
日常生活における「洗濯」というタスクは、一見単純に思えますが
実は非常に多くのステップがあります。
洗濯物を仕分ける⇒洗濯機を回す⇒干す⇒畳む⇒収納する
これらの工程をスムーズにおこなうためには、計画性や注意力
そして継続して作業する力が求められます。
しかし、ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性を持つ人にとっては
こうした工程が大きなハードルになることが少なくありません。
私自身もADHDを抱えているため、「ただ洗濯をする」という日常のタスクが途中で中断されたり
手を付けるまでに時間がかかってしまったりと、何度も困難さを感じてきました。
この記事では、ADHDの特性が洗濯タスクに与える影響や具体的な困難さを詳しく掘り下げるとともに、私が試行錯誤して見つけた効果的な対策や工夫を紹介します。
さらに「完璧を目指さない」という心構えについてもお伝えし、
少しでも楽に家事が取り組めるようになるヒントを共有します。
■ADHDの特性と洗濯における影響
ADHDの主な特性は、以下の3つに分けられます。
それぞれが洗濯というタスクにどのような影響を与えるのか、具体例を交えながら見ていきましょう。
●注意の散漫さ
ADHDの「注意の散漫さ」は、タスクの途中で気が逸れてしまう要因になります。
洗濯の工程一つひとつは単純ですが、注意が途切れてしまうことで
「次にやるべきこと」を忘れてしまいがちです。
具体例A:洗濯機を回したことを忘れてしまう
洗濯機を回し始めても、その後スマホの通知や他の作業に気を取られてしまい、気づけば何時間も経ってしまうことがあります。結果、洗濯物が洗濯槽の中に放置され、生乾きの嫌な臭いが発生することになります。これを繰り返すと、洗濯そのものが億劫になり、「どうせまた忘れるから」とさらに先延ばしの悪循環に陥ってしまいます。
具体例B:洗剤や洗濯物の入れ忘れ
「よし、洗濯しよう!」と意気込んで洗濯機をスタートさせたものの、「洗剤を入れたっけ?」と途中で気になったり、そもそも洗濯物自体を入れ忘れたりすることがあります。「確認しなきゃ」と思っても、別のことを考えてしまい
すぐに確認ができないまま作業を進めてしまうことも。
●多動性・衝動性
ADHDの「多動性・衝動性」は、集中力が続かず、次々と別のタスクに手をつけてしまう原因になります。
具体例A:洗濯物を干す途中で別の作業に移ってしまう
洗濯物を干している最中に「あ、今日のご飯どうしよう?」と思いついた瞬間、キッチンに向かってしまう。そして、そのままレシピを検索したり、買い物リストを作ったりしているうちに、洗濯物の存在を忘れてしまうことがあります。
具体例B:タスクが途中で止まる
洗濯の途中で「ちょっと疲れたし、後でやろう」と思い、作業を中断してしまいます。そして、その「後で」がやってこないまま放置され、次の日まで忘れてしまうこともよくあります。
●計画力・時間管理の苦手さ
ADHDの「時間の見積もりの甘さ」は、洗濯の計画や進行に大きな影響を与えます。
具体例A:外出前に洗濯機を回してしまう
「30分で終わるだろう」と考えて外出前に洗濯機を回してしまい、時間がなくなって干せないまま外出することがあります。これが続くと、洗濯物が洗濯槽の中で湿ったままになり、生乾き臭の原因になってしまいます。
具体例B:洗濯物を溜め込んでしまう
「後でやろう」と思って先延ばしにしてしまい、気づいたときには洗濯物が山のように溜まってしまいます。量が増えすぎると「どこから手をつければいいのかわからない」と感じ、さらに手がつけられなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
■洗濯を『ラク』にするための工夫
こうした困難さを軽減するため、私が取り入れて効果的だった対策を紹介します。
1. タイマーやアラームを活用する
洗濯機を回す際や、次の工程に移るタイミングを忘れないようにタイマーやアラームを活用します。
※洗濯機を回したら「30分後」にアラームを設定する。
アラームが鳴ったら「洗濯物を干す」という習慣をつける。
2. 作業工程を減らす仕組みをつくる
作業の工程をシンプルにすることで負担を軽減します。
※ハンガー収納を使い、洗濯物を畳む工程を省略する。
洗剤自動投入機能付きの洗濯機を導入し、洗剤の入れ忘れを防ぐ。
3. 洗濯のルーティンを決める
毎日同じ時間帯に洗濯をおこなうことで、迷わず取り組めるようにします。
※帰宅後、入浴前に洗濯機を回す。夕飯後に洗濯物を干す時間を確保する。
4. 外部リソースを活用する
家電や外部サービスを活用し、工程を省略することで負担を減らします。
※ドラム式洗濯乾燥機を使い、「干す」作業を省略する。必要に応じて家事代行サービスを利用する。
■完璧主義からの脱却
ADHDを持つ人にとって、洗濯はときにストレスの原因となります。
しかし、自分の特性を理解しそれに合った工夫を取り入れることで
洗濯をよりスムーズにおこなえるようになります。
重要なのは、「完璧を目指さない」ことです。
完璧主義のデメリットについて
完璧主義は一見「良いこと」のように思われるかもしれません。確かに、注意深く物事を進めようとする姿勢や、クオリティを重視する考え方は素晴らしい側面もあります。
しかし、完璧主義に捉われすぎると、以下のようなデメリットが生じることも
自身の経験のなかで幾つかありました。
● 達成感を得られにくい
完璧主義の人は、何かを成し遂げても「まだ不十分だ」と感じてしまうことがあります。たとえ洗濯物を片付けても、「もっと早く洗濯をしていれば」と考えたり、他の家事ができていないことに目が向いたりしてしまいます。その結果、満足感が得られず、自己評価が低下してしまうことがあります。
● 行動を先延ばしにする
「完璧にやらなければならない」と思うあまり、最初の一歩を踏み出すのが怖くなり、行動を先延ばしにすることがあります。「溜まっている洗濯を全部やらなきゃ」と考えるあまり、余計に洗濯をすることが億劫になってしまうこともしばしばです。その結果、何も始められないという悪循環に陥ることもあります。
■完璧主義をやめたことでのメリット
一方で、「完璧を目指さない」と決めることで、多くのポジティブな変化が生まれました。
私自身がディーキャリアで訓練を受けた際の気づきも交えて、そのメリットをご紹介します。
●タスクが楽に進むようになった
「全部を一度に終わらせるのではなく、できる部分だけをやる」ことで、気持ちが軽くなりました。
たとえば、「今日はタオル類だけ」「明日はズボンだけ」といったように分けて進めるようになりました。結果として、少しずつ達成感を得られ、洗濯が前よりスムーズに進むようになりました。これは、ディーキャリアの『スモールステップ』での取り組みが役立っています。
● 自己評価が高まる
完璧主義をやめることで、達成感を感じやすくなります。たとえ洗濯物を全部片付けられなかったとしても、「今日は干すところまでできた」と自分を認めることで、気持ちに余裕が生まれます。
リフレーミング(捉え直し)をすることで、「ここができなかった」という思考から「ここまでできた」と捉え方を変えることで、自分を褒めて自己評価を高めることができます。
● 先延ばしが減った
「とにかく始める」「途中でやめても良い」と考えるようにした結果、行動へのハードルが下がり、先延ばしが減りました。以前は「洗濯のすべての工程を完璧にやらなきゃ」というプレッシャーがあり、何もできないことが多かったのですが、今では「靴下だけでも洗おう」「干し忘れてももう1回洗濯をすればいいや」と思えるようになりました。
洗濯は複数の工程があるため、ADHDの特性上難しく感じることがありますが、工夫次第で少しずつ改善できます。「タイマーを活用する」「工程を減らす」「ルーティン化する」などの方法で負担を軽減し、自分のペースで取り組むことが可能です。
私はディーキャリアに通い、ADHDや発達特性に向き合いながら、
小さな一歩を積み重ねる「スモールステップ」や、
物事の見方を変える「リフレーミング」など、前向きに自分のペースで進む方法を学びました。
その結果、自分なりの改善策を考えることができました。困ったときは無理をせず、自分を責めないようにしましょう。
【できる方法】で少しずつ生活を改善していきましょう。
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