【科学的根拠はある?】MBTIと発達障害の関連性を探る
最近流行りの、MBTIってなに?
こんにちは、ディーキャリア芝浦オフィスの馬場です。
みなさんは、MBTIという言葉を聞いたことがありますか?
最近、SNSやテレビ日常生活のさまざまなシーンを通じて、
この言葉を耳にする機会が増えてきました。
今回は、このMBTIと発達障害の関連性、MBTIの活用法について
説明したいと思います。
●記事を書いた人:馬場(生活支援員/社会福祉士)
2024年4月 デコボコベース株式会社入職。
前職では小売業の店舗マネージャーとして、店舗運営や人材育成に従事。
心身のバランスを崩してしまい、職場復帰に困難を抱える方を目の前にし「困っている方の力になりたい」、「ライフワークを見つけるためのサポートをしたい」と考え障害福祉の勉強をはじめる。その後就労移行支援事業所の支援員へ転職を決意。現在はディーキャリア芝浦オフィスの生活支援員として、安定した就労のための生活面でのサポートをおこなっている。
目次
MBTIとは・・
MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)とは、
心理学者のカール・グスタフ・ユングの理論を基に開発された性格テストです。
この性格テストでは、
人々の性格や傾向を4つの指標と2つの選択肢に基づいて
16種類のタイプに分けて考えます。
テストの形式は、質問に答える自己申告型の質問式テスト法で
性格テストをおこなっていきます。
現在ではMBTIの普及と共に、オンライン上にもさまざまなWEBサイトで
無料で、MBTI類似したものが多く掲載され、気軽にテストを受けることができるようになりました。
このように、無料で診断を受けることができるサイトも存在します。
しかし、MBTIは全世界で有資格者を介してしか実施できないテストとして
定められていますので公式のMBTI診断とは基準が異なることもありますので注意が必要です。
MBTIを受けてみると何がわかる?
それでは、そもそもMBTIでは何を知ることができるのか、
その内容を深堀して見ていきましょう。
冒頭でもお伝えしました通りMBTIでは
人々の性格や傾向を4つの指標と、2つの選択肢
に基づいてタイプを分け、16タイプにタイプ分けしていきます。
以下のように、4つのアルファベットを使い、
それぞれのタイプへ分類していきます。
16タイプの考え方
①エネルギーの方向 E-外向型 I‐内向型
E:外向型
・変化に富んでいたり、実際に行動に移せる場があることを好む
・人と話しながら相互協同することを好む
・新しい仕事を人と話したり実際にやりながら覚える
I:内向型
・集中できる静かな場があることを好む
・内省しながら考えをまとめる
・新しい仕事を資料を読んだり内省しながら覚える
➁モノの見方 N- 直観 S-感覚
N:直観型
・ひらめきに注意を向けそれに従う
・ものごとの関連性や意味を見いだす
・変化やものごとの新しいやり方を好む
S:感覚型
・すぐに対処が必要な事柄に注意を向ける
・現実的で、実践的な観点を提供する
・自分や他者の経験を活用する
③判断の仕方 T-思考型 F-感情型
T:思考型
・課題そのものに注意を払う
・論理的な分析をし、掌握し判断する
・職場では相互に敬い認め合い、公平さを求める
F:感情型
・人々の思いやりに注意を払う
・思いや価値観に基づいて理解、判断する
・共感的で皆の意見を取り入れて、合意に達することを望む
④外部との接し方 J-判断 P‐知覚
J:判断型
・計画をたて、その計画に添って仕事を進める方が仕事がしやすい
・ものごとに決着をつけたり、やり終えることを好む
・枠組みやスケジュールがあると安心する
P:知覚型
・柔軟に仕事を進める方が仕事がしやすい
・自発的に状況に合わせて行動することを好む
・枠組みやスケジュールがあると制限されているように感じる
このように、4つのアルファベットを2つの選択肢で組み合わせ
全16タイプに分ける事ができます。
ちなみに筆者は、I(内向)N(直観)F(感情)P(知覚)の”INFP”タイプでした!
上手く活用するためにここに注意!
このようにMBTI診断は、自分を客観的に分析するのに効果的なツールです。
自己の性格上の長所と短所、思考の傾向やコミュニケーションスタイルを把握することで
より前向きな行動へとつなげることができるでしょう。
また、転職を考えている人にとっては
職業選択時のミスマッチを防ぐ指針や
ご自身の業務に対する対策として参考にできることがあるかもしれません。
ただし、診断結果はあくまでも参考のひとつです。
すべてを決定付けるわけではないということを理解したうえで、上手に活用していきましょう。
また、「○○タイプだから、この仕事には向いていない・・」などと決めつけることは、
MBTI が望むところではありません。
タイプによって、仕事への関わり方や能力の発揮の仕方が変わることはありえます.
私には、向いてないなどを決めつけるものではないことを覚えておきましょう。
MBTIと発達障害は関係がある?
近年、MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)が、
個人の性格や傾向を理解するための重要なツールとして広く利用されてくなかで
MBTIに関連した情報がSNS上で拡散され
そのなかで、発達障害(ADHD、ASD)との関係性について議論を呼んでいます。
みなさんは、このような議論を耳にされたことがありますでしょうか・・?
筆者も、
「MBTI(性格診断)が〇〇○○の場合は発達障害の傾向がある」
「MBTIの結果で発達障害の傾向があるかどうかが分かる」
などの情報が飛び交っているのを目にしたことがあります。
ここで、発達障害は神経発達の障害であり、
MBTIとは異なる概念であることを改めてお伝えします。
発達障害については詳細はこちらの記事をご覧ください
⇒
専門機関や医師に確認してみましょう
上記のように
SNS上で見かける「MBTIのタイプが○○の場合、発達障害の傾向がある」といった主張は、
現状、根拠のない情報です。
MBTIは性格診断ツールであり、発達障害は神経発達の障害です。
両者は異なる概念であり、MBTIは診断として用いたり、
何かの仕事上や日常生活上の選抜や評価に活用することは目的とされていません。
発達障害の診断は、医師や発達障害の専門機関によっておこなわれるものでることを改めて確認したいと思います。
MBTIは自己理解のツールになる!
前章でお伝えした通り、
発達障害とMBTIは異なる概念であることが分かりました。
一方、MBTIは以下の3つの理由から
自己理解を深める上で有用なツールと言えます。
自己理解のポイント
①自分自身の得意・不得意を知る指針とする
┗テストの結果を持って、ご自身に心にしっくりくる結果があれば
それは、得意・不得意を知るために行動選択の指針としてみるのも良いかもしれません。
➁考え方の相違を予想し、柔軟に対応ができる
┗自分自身とは違う思考、指向を理解することができるツールとして活用することができます
家族や同僚、友人との関係構築の上での手助けとなることが考えられます
③ストレスや悩みを軽減し、社会との関係性を築くことができる
┗自己の特性や行動パターンに気が付くことでご自身で対処ができるようになることを目標とします。
この、「自己理解」を深めることは、発達障害を持つ方々が
充実したライフワークを送るための第一歩になるかもしれませんね。
発達障害を持つ方々がMBTIを利用する際には、
テストの結果を用いてすべてを受け止め鵜呑みにするのではなく
ご自身の、今後のライフワークの充実のために、必要な個々のニーズに合った
特性や考え方に対するアプローチを取ることが重要ですね。
MBTIを、自分自身の性格を知るためのツールとしてご活用いただき
自分自身の得意不得意への対処、
また他者視点として、自分と違った性格の方の考え方や傾向を知るツールとしても
活用していただくことができるのではないでしょうか。
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