【大人の発達障害】理解していないのに「分かったふり」をしてしまう背景と対策
こんな経験はありませんか?
職場で上司から業務の指示を受けたとき、
本当はまだ理解できていないのに、
思わず「分かりました」と答えてしまった!
その場での会話はうまく切り抜けられても、
いざ業務を開始してみると、「あれ?ここはどうするんだっけ…?」と疑問が発生。
疑問を解消したいけど、
一度「分かりました」と答えたあとに、すぐ確認をするのも気まずい…。
今回の記事では、そんな「分かったふり」の背景と対策をお伝えしていきます!
目次
「分かったふり」をしてしまう背景
「分かったふり」をしてしまう背景には、
指示理解の苦手さにつながる特性の存在が考えられます。
今回は、指示理解の苦手につながりやすい発達障害の特性を3つ取り上げます。
- 耳から入ってくる情報の処理が苦手
- 話の内容を早合点してしまう
- 相手の意図を読み取るのが苦手
耳から入ってくる情報の処理が苦手
人は、主に視覚からの情報処理が得意なタイプと
聴覚からの情報処理が得意なタイプに分けられると言われています。
話し言葉は、書き言葉とは違って、
時系列が入れ替わったり、文章が途切れ途切れになったりして
文章として正確ではないことが多いです。
ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性のある方で視覚からの情報処理が得意なタイプの場合、
一つの単語を聞き逃したり、うまく聞き取れなかったりした際に、
分からない部分を自分の判断や解釈で埋めてしまうケースがあります。
正しく内容を理解したつもりでも、
実際には自分の解釈で補った不十分な理解に基づいているため、
指示内容とのずれが生じてしまうことがあります。
話の内容を早合点してしまう
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性と言われるもののひとつに「衝動性」があります。
衝動性の高い方の場合、
相手の話を聞きながら「この話の内容はこうだろう」と自分の予想が浮かぶと、
最後まで話を聞くことなく、衝動的に自分の予想が正しいと早合点してしまうことがあります。
この場合、自分の予想に基づく誤った理解をもとに行動することになるため、
指示内容とずれが生じてしまうことがあります。
相手の意図を読み取るのが苦手
ASDのある方の特性として、相手の意図を自然に察することが苦手な場合があります。
人は話をするとき、自分にとっての常識や当たり前の前提を省略しています。
例えば、
「会議の資料は事前に上司の確認を受けてから提出する」ことを前提だと感じている人から、
「会議の資料を〇日までに提出してね」と言われた場合、
言葉には表れていませんが、
実際に相手が意図しているのは
「会議の資料を〇日までに上司の確認を受けてから提出してね」ということになります。
相手の意図を読み取るのが苦手な方の場合、
省略されている「上司の確認を受けて」という部分を読み取り、適切に補うことができず、
実際の指示内容と異なった行動をとることになってしまいます。
指示理解の苦手が「分かったふり」につながる
このように、なんらかの理由で相手の指示を正確に理解することが苦手な方の場合、
自分の理解と実際の指示との間のずれから仕事上のミスにつながり、
上司から叱責されたりするケースがあります。
指示理解の苦手から生じた失敗経験が重なっていくと、
𠮟責を恐れて「分かっているふりをしないと怒られてしまう」と思い込んでしまうようになります。
その思い込みから、実際には理解ができていない場面でも、
「分かりました」と言ってしまうようになります。
そうするうちに、
「分かりました」と発言をしているのに、
実際の指示内容とは異なる行動をとることが増えてしまい、
周囲からは「分かったふり」をしている、と見られてしまうようになるのです。
「分かったふり」の対策
ここまで見てきた背景をふまえて、
「分かったふり」にならないための対策法を考えていきます。
たしかに、指示を一度で聞き取れないことで
上司から叱られたり、嫌な顔をされたりするのは嫌ですよね。
ただ、「分かったふり」をすることでその場の叱責を避けることはできても、
不十分な理解やあいまいな理解の結果、仕事にミスが出てしまえば、
かえって上司や職場に迷惑がかかるかもしれません。
本当に大事なことは、
指示を一度で完璧に聞き取り、理解すること
ではなく、
一度で聞き取ることができなくても、確認をすることで指示を正しく理解できること
だと整理しておきましょう。
対策として、
「正確に指示を聞き取れた!」と思った場面でも、
「自分の指示理解には間違っているところがあるかも?」と考えて、
指示を受けた際には必ず確認をすることが有効です。
指示を確認する方法には以下のものが考えられます。
・相手の指示を復唱する
(例)「×日までに、○○係長に△△するということで間違いないでしょうか?」
・自分の行動予定を具体的に伝える
(例)「□□との指示なので、×日までに○○係長に△△しますが、問題ないでしょうか?」
・メモのチェックを受ける
(例)「(自分のとったメモを示しながら)このようにメモをしたのですが、
間違っているところはありますでしょうか?」
また、対策をとると同時に、
「自分は指示の理解が苦手である」ということを周囲に理解してもらうことも大切です。
説明のしかたを工夫してもらえたり、確認の協力が得やすくなります。
その際には、背景にある自分の特性と合わせて説明ができると、
確認が必要なことに対して周囲の方の納得感が得やすくなります。
「ナビゲーションブック(自分の取扱説明書)」を作成し、活用することも選択肢のひとつです。
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