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マルチタスクとは?ワーキングメモリの関係と4つの改善策を解説!

こんにちは。
ディーキャリア札幌オフィスです。

このブログをお読みのあなたは、お仕事中に次のような困りごとを経験された事があるかと思われます。

  • ・一つの仕事に集中しすぎてしまい、上司から重要度が低い仕事にかかりきりになっていると叱られてしまう。
  • ・作業をおこなっている最中、お客様や同僚とのやりとりが少なくなってしまい、情報の共有や接客が非効率になってしまう。
  • ・目の前の仕事をおこなうことに明け暮れてしまい、より効率的な働き方を考えることができない。

こんなお困りごとを経験した結果、職場において効率的な仕事をおこなうことができないと落ち込まれてしまったのではないでしょうか?
上司からお叱りの言葉を受け、現在の職場で働くことができるのか、あるいは、将来が不安になってしまった事もおありと思われます。

上に挙げたような、複数の仕事を同時並行することをマルチタスクと言います。
マルチタスクで仕事をする事にはいくつかのメリットがある他、多くの仕事で重要になってきます。その為、身につけておけば就職の幅を広げることができます。
一方で、このマルチタスクは向き不向きがあります。発達障害の方や、障害がなくとも特定の脳の領域が小さい方には非常に難しい作業方法とも言われています。

今回の記事では、

  • ・マルチタスクとは何なのか?
  • ・マルチタスクができればどんな仕事ができるのか?
  • ・マルチタスクをするにはどんな能力が必要なのか?
  • ・マルチタスクをするうえで必要な能力が不足している場合には、どんな方法でカバーすればよいか?

と言った内容を話していきたいと思います。

この記事を読むことで、職場の働き方で悩みを持つあなたも、マルチタスクが苦手でも効率的に働けるようになるかもしれません。作業の内容や重要度を判別できるようになり、一層職場で働きやすくなれば幸いです。

 

 

マルチタスクとは?

マルチタスクとは複数の作業を同時並行したり、短時間で切り替えながら、同時進行で行う能力の事です。

料理をしながら洗濯や掃除をしたり、電話を受けながらメールの処理をする、会議中に議論に参加しながら議事録を作成するなどの動作はマルチタスクの一例とされています。

「業務効率化ガイドpowered by stock」様によれば、マルチタスクができれば、次のような仕事上のメリットがあると言われています。

 

マルチタスクのメリット①業務の全体像が見える

複数のタスクを同時進行すると業務の全体像が見えてきます。そのため、業務に対してより客観的な捉え方ができるようになるので課題などに気づきやすくなります。

業務効率化ガイドpowered by stockより引用

特定の仕事を1つだけしていた場合、自分の部署の作業の全体像は見えにくくなります。
ですが、職場の中でいろいろな仕事を並行しておこなうことにより自分の職場の中での全体像が分かりやすくなり、作業の問題点などにも目が届きやすくなります。

例えば、手紙の封入だけをおこなうよりも、書類の作成や実際に郵便局へ手紙を出す作業などを1日にすべておこなうようにすれば、スケジュールや実際に書類を作る量が適量かどうか判断しやすくなると思います。

また、目の前の一つの作業についても、全体の中でどんな意味を持っているか分かっている方がモチベーションも保ちやすくなるかもしれません。

 

マルチタスクのメリット②コミュニケーションが活発になりやすい

タスク関係者との連絡が必然的に増えるのでコミュニュケーションが活発になりやすいです。そのため、仕事がスムーズに進むなどの副次的なメリットもあります。

業務効率化ガイドpowered by stock

シングルタスクで自分の作業だけに集中していた場合、意見の交換や情報のやり取りなどが殆ど発生しないため、職場でのコミュニケーションの回数が少なくなってしまいます。

マルチタスクができれば、情報共有しながら作業ができるため、コミュニケーションの頻度が多くなり、職場の人への愛着がわきやすくなります。他の方の作業の進捗状況も確認しやすくなり、有効に作業をおこなうこともできるでしょう。
また、販売業の場合、声掛けしながら作業できる為、お客様を不快に思わせる可能性も低くなります

 

マルチタスクのメリット③業務の停滞が少なくなる

重要な業務を停滞させることが少なくなります。ただし、シングルタスクよりも進みは遅いので早い段階でタスクに取りかかる必要があります。

業務効率化ガイドpowered by stock

シングルタスクで仕事をしている間、当然ながら他の仕事は停滞させてしまう事になります。

例えば、介護職に就いている場合、他のお客様の血圧や体温の記録に専念していた場合、お客様の昼食やお飲み物の支度や施設の清掃ができなくなってしまいます。
長い間お飲み物が出ない場合、利用者の不快感は高まってしまうかもしれません。

マルチタスクで仕事ができれば、記録を取る時間や機械の作動時間の隙間を上手に縫って、お客様を不快にさせずにいろいろな作業ができます

 

 

マルチタスクができれば有利な仕事

マルチタスクができれば、多くの仕事で働きやすくなります。
例えば、次のような仕事ではマルチタスクができるか否かが重要になります。

マルチタスクが有利な仕事①メモを取る、電話対応

職場でメモを取るのは相手の話を聴きながら文字を書くという複数の動作を並行しておこなうことになる作業です。

また、電話対応でメモを取る際には、「聞く」「書く」「話す」の動作を同時におこなう必要があります。
特に、コールセンターではイヤホンとマイクが内蔵されたヘッドセットを装着し、電子メモパッドで簡易的にメモを取り、必要項目をPC入力します。どちらも、聞くことと書くことや入力することを並行しておこなう必要があります。

職場でメモを取ることは、自分の作業を円滑に進め、2回目以降のミスを減らしたり、自分の力で進めることができる業務を増やす上で重要な役割を果たしています。

 

マルチタスクが有利な仕事②介護職

「介護のコミミ」様によれば、介護職に向かない人の特徴としてマルチタスクが苦手な人が挙げられます。

利用者のお話を聞きながら介助や支援をおこないながら、情報収集をおこなって記録を残し、事務仕事や雑務をこなす……これを、滞りなく進めていかなくてはなりません。

1つ1つの物事しかできない人や、自分の力量を見極められない人には厳しい世界と言えるでしょう。

介護のコミミ「完全に介護職に向いていない人とは?」より引用

引用した文章の逆を言えば、マルチタスクができる人は介護の仕事に向いていると言えるでしょう。

先程の引用文に挙げられてない事例を言えば、訪問介護や小規模な事業所の場合は、利用者の様子に気を配りながら、料理やレクリエーションをおこなう必要もあります。
介護職を志望する場合、マルチタスクは重要な能力と言ってよいと思われます。

 

マルチタスクが有利な仕事③飲食業、販売業

飲食業では、接客の合間に電話で予約の受付対応をしたり、複数の調理を同時におこなったりと、いくつかの作業を同時に進行できるスキルが必要になります。

販売業でも、接客中にほかのお客様から会計をお願いされたり、店頭に立ちながら発注業務をおこなったりと、複数の業務を並行しておこなうことが多いとされています
これらの仕事ではマルチタスクを求められる場面が非常に多いと言ってよいでしょう。

その他、多くの仕事で完全な同時進行でなくとも、一つの仕事を小分けにして同時進行する能力が必要になると言われています。
マルチタスクができることで、多くの仕事で有利になると考えてよいでしょう。

 

 

マルチタスクに必要な、ワーキングメモリとは?

マルチタスクをおこなう上で、ワーキングメモリと言われる能力が大きく関わっていると言われています。
ワーキングメモリとは、注意や意識を向け続けたり、耳で聞いたことを処理して、記憶する力
をいいます。パソコンの機能に例えるのならば、データのコピーや切り取りの際に、データを一時的に保持するクリップボードの様な機能が近いかもしれません。

ワーキングメモリのメカニズムについては「児童・生徒のワーキングメモリと学習支援」様で、次のように説明されています。

ワーキングメモリのメカニズムについては、これまで様々なモデルが提案されてきましたが、最も代表的なものとしてBaddeley & Hitch(1974)のモデルが挙げられます。

このモデルでは、ワーキングメモリは、言語的短期記憶(音韻ループ)、視空間的短期記憶(視空間スケッチパッド)、中央実行系の3つのコンポーネントから構成されるシステムとして捉えられています(図1)。

言語的短期記憶は音声で表現される情報(数、単語、文章など)を保持し、視空間的短期記憶は視空間情報(イメージ、絵、位置情報など)を保持します。

そして、中央実行系は、注意の制御や、処理資源の配分といった高次の認知活動を司ります。

児童・生徒のワーキングメモリと学習支援より引用

このワーキングメモリが少ないとマルチタスクが上手にできず、ある仕事を処理しようとすると、別の仕事を忘れてしまう事が起こりやすくなります。
ワーキングメモリは学習と密接に関連しており、物事に集中するのが苦手、気が散りやすい、忘れっぽい、物を無くしやすいなどのADHDの特徴もワーキングメモリ不足と関係していると考えられています。

 

 

ワーキングメモリが足りないことに対する改善策は?

ワーキングメモリ自体を、負荷をかけるなどして鍛えたり、増やしたりする方法はありません。
その為、ワーキングメモリは鍛えて処理能力を増やすのではなく、次から次へと新しい情報を処理できるようにすることが重要と言われています。
ポイントは一度におこなう作業を少なくすることと、視覚で自分がおこなうべきことを確認しやすくすることです。

ワーキングメモリの改善策①マルチタスクそのものを減らす。

ワーキングメモリを圧迫しない為には、マルチタスクそのものを減らす工夫が重要です。

マルチタスクでは、同時に保持するべき情報が増えて一度に多くのワーキングメモリを消費するため、ケアレスミスや業務効率の低下などを引き起こしてしまうことも少なくありません。

実は、単純な生産性自体は複数の業務を処理できるマルチタスクよりも、仕事を一つに集中して行うシングルタスクのほうが優れていると言われています。
そのため、すぐに対応できるものは持ち越すことなくその場で処理するなどして、1つのタスクのみに集中できるようにすれば、マルチタスクが苦手でもシングルタスクだけで今まで以上に有効に働くことができるようになるでしょう。
ワーキングメモリを最大限に活用できる為、作業を忘れることも少なくなります。

 

ワーキングメモリの改善策②メモをする

すぐ対応的ない業務についてはメモをして、情報を把握し、優先順位を書き出しましょう。
解決できなくても、メモにして優先順位を付けることでワーキングメモリを使用せずに済むので、新しい情報の処理が可能になります。

メモを取るときに重要なことは、完璧な記録を残そうとしないことだと言われています。電話の取次ぎなど他人に情報を伝えるものでなければ、メモ自体は記憶を呼び起こすきっかけになれば十分だと言われています。
特に、ADHDはそもそもメモを取ることが苦手と言われているので、最初は話の5割から6割のメモを取る感覚で記入するとよいでしょう。
その上で、書きなぐったメモを見ながら不明点に印をつけるなどして後で質問し、質問した内容を含めて新しいメモ帳にきれいな文字で清書するなどすれば内容が分かりやすくなると言われています。

 

ワーキングメモリの改善策③書き出す

お仕事をするうえでは、すぐに取り掛かることができず、簡単なメモを取るだけでは対応方法が思い浮かばない業務もあります。
そうした場合に有効なことは、書き出すことで、視覚的にイメージをつかみやすくすることです。頭の中で考えていたことを書き出すことで、課題がビジュアル化され、全体のイメージをつかむことができます。
書き出すことで整理がつき、思考がまとまりやすくなるというメリットもあります

前述のように、単純な処理能力ではマルチタスクよりもシングルタスクの方が勝っていると言われています。そのため、マルチタスクに無理にこだわるより、いちど落ち着いて業務を書き出し、優先度の高い順番に集中しておこなった方が職場での作業の効率が上がるかもしれません。

 

ワーキングメモリの改善策④上司と相談して、負担のない方法を決めておく

以上は、ワーキングメモリが足りないことを補うための方法ですが、上司と事前に相談し、記憶することが苦手であることを伝えておくことも重要な準備の一つです。
自分が「記憶することが苦手」である事を伝えていれば、上司も指示の出し方を考えてくれるようになり、マルチタスクを必要とするような作業をおこなうこと自体が大きく減るかもしれません。

ワーキングメモリ自体を増やす方法はありませんが、これらの方法をおこなうことで、直前に言われたことを忘れる事が少なくなり、おこなうべき作業の重要度の判別やスケジュールの管理もしやすくなります。
そうなれば、マルチタスクが苦手であっても、職場における働く効率を大幅に改善することができるかと思います。

 

 

まとめ

いかがでしたか?
以上のように、今回はマルチタスクやマルチタスクをおこなうために必要となる能力について説明いたしました。

今回の記事に書いた方法を実践することで、マルチタスク自体は苦手だとしても、その特性をカバーすることができるようになると思われます。

一方で、これから実際に働くにあたり、これらの方法を実行できるか不安に思われる方も多いかと思われます。

ディーキャリアではワークスキルコースという職場での働き方や特性との付き合い方を学ぶコースがあります。また、自分の取扱説明書を作ることにより、上司に自分が記憶することが苦手であることを伝えやすくするためのお手伝いもしております。

就職しても、上司の指示をすぐに忘れてしまい、同じミスを繰り返すなどの失敗に悩まされている方。さらには、いくつかの書籍やwebサイトの記事を読んでも実際の行動に活かせるかどうか不安な方。是非ともディーキャリアをご利用されてみてはいかがでしょうか。

 

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