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【傾聴スキルとチャンキング】でコミュニケーションミスを減らす方法と事例

こんにちは!
ディーキャリア札幌オフィスです!

大人の発達障害の方もそうでない方も、「日々のコミュニケーションのミスで悩んでいる」という方がいらっしゃるかと思います。

コミュニケーションのミスというと例えばこんなことを感じているかもしれません。

  • ●聞き間違いや解釈の間違いをしてしまう
  • ●確認をしたつもりなのに、後からまた疑問が出て来てしまい何度も質問に行く羽目になってしまう
  • ●ちゃんとやってるつもりなのに、詰めが甘いと言われる

そして、これらを改善するために傾聴スキルなどコミュニケーションに関連する本の読書をしたり、中には話し方や聴き方についてのセミナーや訓練に参加している方もいるかもしれませんね。

ここで一つ残念なお知らせですが、傾聴スキルなどの表面的なコミュニケーションスキルだけを磨いていても、コミュニケーションのミスは減りません。
実はコミュニケーションのミスを減らすためにはチャンキングという考え方のスキルを同時に身につけておく必要があるんです。

そこで今回は

  • ●大人の発達障害によくあるコミュニケーションのミス
  • ●ミスを減らすためのよくあるコミュニケーションスキル
  • ●さらに改善していくための考え方のスキル「チャンキング」

という内容で解説をしていきます。

この記事を読むことで
●コミュニケーションミスを減らす
●既にコミュニケーションスキルを学んでいる人にも役立つ考え方「チャンキング」のベースが身に付く
ことに繋がると嬉しいです!

 

 

【傾聴スキルとチャンキング】でコミュニケーションミスを減らす方法と事例

大人の発達障害よくあるコミュニケーションのミスとは?

コミニケーションを改善していく前に、まずはどのようなことでミスが発生していくかを理解しておきましょう。
原因と言うのは様々あるかと思いますが、今回の記事では次の3つについて解説をしていきます。

  • ●衝動性などからくる早とちり
  • ●あいまいの苦手さから来る勘違い
  • ●不注意やワーキングメモリの苦手さから来る指示の抜け漏れ

ひとつずつ解説をしていきます。

 

衝動性などからくる早とちり

大人の発達障害の中でもADHD(注意欠如多動性障害)の診断がついている方の中で特に多いと考えられるミスのパターンです。
思い立ったらすぐに行動してしまうと言う特性から、指示を聞いているうちから理解したと思ってしまい、聞き終える前に行動してしまいます。

 

あいまいの苦手さから来る勘違い

大人の発達障害の中でも特にASD(自閉症スペクトラム)の診断がついている方の中で特に多いと考えられるパターンです。
指示の中でもあいまいな部分が理解できず、それによってコミニケーションのミスが発生します。

例えば、「この書類手が空いているときにやっておいてくれない?」のような指示をされたとき。

  • ●手が空いているとはどういう状態か?
  • ●いつまでにやればいいのか?
  • ●何のためにやるのか?

といったことは明確にされていません。

このことから、

  • ●なかなか手が開かないので着手ができなかった。
  • ●特に期限が決まっていないものだと思ったので先延ばしをしていて手をつけていなかった。
  • ●仕事の必要性がわからず取り掛かる気にならなかった。

といったミスが発生する可能性が考えられます。

 

ワーキングメモリの苦手さから来る指示の抜け漏れ

発達障害の診断がついている人の中では、ワーキングメモリに苦手さがある方もいます。

ワーキングメモリとは

ワーキングメモリ(Working Memory)とは認知心理学において、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念である。作業記憶、作動記憶とも呼ばれる。ワーキングメモリの構造や脳の関連部位を調べる研究が多数行われている。一般には、前頭皮質、頭頂皮質、前帯状皮質、および大脳基底核の一部がワーキングメモリに関与すると考えられている。

Wikipediaより引用ーウィキペディア ワーキングメモリ

ワーキングメモリが苦手なことによって、与えられた情報を素早く処理したり、同時処理をしていくことに苦手さがあったりします。そしてそれが理由でコミニケーションにミスが発生します。

例えば、話を聞きながらメモを取るという行動は、聞くと言う動作と、メモを取ると言う動作を同時に処理しなければいけません。しかしワーキングメモリに苦手さがある方はこの聴くとメモ取りと言う同時処理ができず、聞くときは聞くだけ、メモを取るときはメモだけとなってしまう場合があります。
ですが通常の業務の中では話を聞きながらメモを取ると言うのが当たり前に求められることがあるため、メモ中に話すのを待つと言う事はあまりされません。それゆえにメモをとっている間にも指示を出されることによって、メモ中の指示は聞き取ることができず、情報に抜け漏れが発生しコミニケーションのミスが起こります。

 

その他

今回は主に職場におけるコミュニケーションのミスについて解説をしていますが、前回記事も内容もコミュニケーションに関する解説をしています。参考になるかもしれません。のでリンクを掲載しておきますね!

 

ミスを減らすためのコミュニケーションスキル

ここまではコミニケーションのミスが発生する原因についてお伝えをしてきました。ここからはコミニケーションのミスを減らすためのコミニケーションスキルについてお伝えをしていきます。

コミニケーションミスを減らすためのスキルとしては傾聴スキルを使うことになります。
傾聴スキルは様々技法がありますが、今回は質問スキルとして

  • ●6W3Hを意識して質問をする

について解説をしていきます!

 

6W3Hを意識して質問をする

傾聴スキルの中には「質問スキル」というのがあります。
質問と言うと日常の中では何も意識することもなく使える技術ではあります。そして、だからこそ「質問スキル」を意図的に使う事はとても重要になってきます。

あなたは6W3Hという言葉を聞いたことがありますか?
これは質問をする際のポイントとなる部分の英語の頭文字が6つのWと3つのHからなるので6W3Hと言われています。

6W3Hの内訳は次の通りです。

  • When いつ
  • Where どこで
  • Who 誰が
  • Whom 誰を
  • What 何を
  • Why なぜ
  • How どのように
  • How many どれくらい
  • How much いくらで

そして、これらを使ってどのような質問ができるかと言うと、次のようにさらに細かく分けることができます。

  • When いつから、いつまで、何日の何時に、何分間で、所要時間の目安は
  • Where どこから、どこへ、
  • Who 誰が、誰から、誰のために、
  • Whom 誰を、誰と、誰に
  • What 何を使って、何から、
  • Why なぜ、何のために、どのような理由で、どのような狙いで、何が目的で
  • How どのような手順で、どのような手段で
  • How many どれくらいの量を
  • How much いくらで、いくらからいくらへの値段に、合計でいくらで、1日あたりいくらで

これらのとおり、普段質問と言うのはあまり意識せず使っていたかもしれませんが、実際には細かく細分化することができます。そして、これらを意識しながら質問することによって足りない情報補完することができます。足りない情報補完できるから必要な情報が集まりコミニケーションミスを減らすことができます。

例えば先述した「この書類手が空いているときにやっておいてくれない?」という依頼を受けたとします。ここで「はい分かりました」と受けてしまうと情報があいまいで失敗する可能性があるわけですね。そこで質問スキルを生かして必要な情報を補完していくことになります。
時間に関する質問として「いつまでに仕上げればいいでしょうか?」と聞いたとしましょう。すると相手は「なる早で」というように、またまたあいまいに返してくる場合がある場合もあります。こういう時にももう一度時間に関する質問として「今週の末の夕方までにお渡しでも良いでしょうか?」というような確認の質問を行います。こうして自分から具体的な仮の日時を設定することであいまいな状態を回避することができますね。
これに対して相手が「それで大丈夫」だったり「それだと遅いなぁ」といった返答が来ることになります。相手の返答によって自分の返答を変え、問題なければ補完した情報をもとに仕事を進めていくことができます。

 

ミスを減らすための考え方

さてお待たせしました。ミスを減らしていくために身につけたい考え方として「チャンキング」というものがあります。このチャンキングについて説明をしていきますね。

 

ミスを減らす「チャンク」とは

チャンキングとは様々なサイズの「チャンク」を行き来することです。チャンクとは「塊」という意味があります。では「何の塊か?」というと「言葉の塊」のこととなります。イメージでいうと次のような簡単な図で表すことができます。


普段は意識することはありませんが、言葉にも大きさや広さといった「サイズ」があります。サイズが大きい言葉は色々な意味や要素がある言葉を言います。他の表現でいうと「あいまい」や「抽象的」といわれる表現も「サイズが大きい言葉」ということになります。逆にサイズが小さい言葉は限定的な意味や要素の言葉です。他の表現で言うと「具体的」と言われる表現が「サイズが小さい言葉」ということになります。

次からチャンキングの例についてお話ししますね。

ミスを減らす「チャンキング」の例

例えば職場の後輩や同僚などから「不安なことがあってさ・・・」と声をかけられたとします。この時、どのようなことが「不安」の対象として考えられるでしょうか?職場なので「仕事内容」「上司との関係」「次の商談がうまくいくかどうか」ということかもしれませんし、「給与」「今日早く帰れるかどうか」「会社が未来永劫続いてくれるかどうか」といったことが不安なのかもしれません。
このように「不安」という言葉は様々な対象が考えられる「サイズの大きい言葉」です。

 

この段階で「分かるよ、不安だよな」という共感をしてしまうと何について不安なのかが不明瞭なまま話し合うことになってしまいます。より具体的な小さい言葉にしていくために「何が不安なの?」という質問をすることで、何について話し合いたいのかを明確にすることができます。

何が不安かという質問に対して「将来とかさ・・・」という返答をしたとします。しかし、「将来」という言葉もサイズが大きい言葉です。将来の「お金」が対象かもしれません。将来の「役職」かもしれないし「人間関係」かもしれません。なので、ここでももう一歩踏み込んで「将来の・・・?」と質問し、何について話し合うのかを明確にしていくことが大切になります。

こうして様々な質問をしていくことで言葉のサイズを小さくしていき、話し合いたい対象を明確にした上で相談に乗ったり共感をしたりすることが可能になります。
チャンキングの例として「不安なことがある」という話題から入りましたが、実際の仕事では「この書類手が空いているときにやっておいてくれない?」といったあいまいな指示や依頼があります。大切なことはそうした相手がいることに腹を立てたり、ミスコミュニケーションに対して悲観することではありません。「ミスをなくすためにどのような情報を補完するか?」を意識し、サイズが大きい言葉は小さくすることで明確にし、それによってお互いの認識をすり合わせることが大切になります。

 

まとめ

いかがでしたか?今回は職場でおこりがちなコミュニケーションのミスとその原因についてお伝えし、その上で取り組めるコミュニケーションスキルと考え方をお伝えしました。
起こりうるコミュニケーションミスの原因としては

  • ●衝動性などからくる早とちり
  • ●あいまいの苦手さから来る勘違い
  • ●不注意やワーキングメモリの苦手さから来る指示の抜け漏れ

などが考えられ、それに対する対処方法として「質問スキル」を用いて6W3Hを意識しつつ、チャンキングスキルで抽象度の高い「サイズの大きい言葉」の内容を明確にしていくという内容をお伝えしました。

コミュニケーションスキルは自転車の運転のように、乗れるようになるまでは何度か失敗しながら上手にできるようになっていくものです。また、一度身についてしまえば数年立っても問題なく使えるような技術になります。本やセミナーで練習をするのも素晴らしいことですが、さらに上達をしていきたいという方はディーキャリアの訓練で行っている「傾聴をベースとしたコミュニケーション」「アサーティブコミュニケーション」「プレゼンテーション」といった訓練に継続して参加されると僕たちからも改善点をお伝えしながら上達を目指せると思います。
技術を身につけいきたい場合は是非お近くのオフィスにご連絡くださいね。

 

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