【ADHDは仕事ができない?】なぜミスをするのか|仕事が続かない理由とは
こんにちは!
猫が大好きなのに猫アレルギー☆ディーキャリア札幌オフィスの中の人です!
喘息っぽい症状が出ててつらいです…笑
就労移行支援事業所ディーキャリア札幌オフィスでは「あなたらしいなりたい姿」へ向けた就労支援を日々行なっていますが、
この記事を読んでいるあなたはもしかしたら「今現状働いていて、ちょっと上手くいかないんだよな・・・」なんてことがあるかもしれませんね。
例えばこんな感じではないでしょうか?
- ●他の人には普通にできる仕事が自分にはなかなかできない・・・
- ●覚えるまでに時間がかかったり、覚えているはずなのにミスをしてしまう・・・
- ●ちょっとしたきっかけで転職していて、転職歴が増えてきた・・・
こんなことを感じているかもしれません。
また、自分で感じることに加えて会社でも「よく間違える人」というようなポジションになってしまっているかもしれませんね・・・
もしそうした日々を過ごしているとしたら、とても辛い現状かと思います。
今回の記事で最初にお伝えしておきたいのは「仕事ができないわけではない。」ということです。ADHDの人全てが仕事ができないのだとしたら、ディーキャリアから卒業していく皆さんもいないはずですからね。
そして、あわせて考えておきたいことは「仕事ができない理由が分からなければ対処もできない。」ということです。うまく行かない原因が分からなければ、原因を解決する方法も見つかりませんね。
そこで今回は働いているADHD(注意欠如・多動性障害)の診断がついている方の中でも特に苦手さや仕事が続かないことについて理由を考え解説していきます。
この記事を読むことで
- ●ADHDだからこその苦手さを知り、障害特性を深めることで自分自身の理解を深める
- ●自分自身を知ることによって、対処方法を立てやすくなる
といったことに繋がったり、苦手さの理由を知ることから「前向きに働いていくためのきっかけ」になると嬉しいです!
ADHDは仕事ができない?ミスや続かない理由とは
ADHDの方の「仕事が続かない」理由
まず初めにADHDの方の仕事が続かない理由について考えていきたいと思います。ただ、ここで紹介していくのはあくまでも「特性と交えて考える」ケースであり、実際にはADHDの方に限らず障害のない人の仕事を辞める理由にもなりえますのでご了承くださいね。
衝動性による就職・退職
ADHDには不注意・衝動性・多動性と言う大きく3つの特性があります。この中でも衝動性と言うのは読んで字のごとく「衝動的に行動してしまう」と言う特性です。
この特性により何が困るかと言うと、「なんとなく目に止まった求人にとりあえず応募してたまたま内定が出たからそのまま就職をしてしまう」といった後先を考えないで次の仕事を決めてしまうということや、「これからはIT需要が高まるだろうから特に経験は無いけどIT業界に転職しよう、未経験だけど行けば何とかなるだろう」といった具合に思い立つと行動してしまいます。
もちろんこれらは極端な例ではありますが、衝動性の特性がつよい方はこういった行動をとることもあるかと思います。
障害への自己理解が足りていない
ASDの方にもいえることですが、ADHDの方は得意不得意の落差が激しいので、得意なことが多い環境であれば力を発揮することができます。逆に、不得意なことが多い環境であれば特性上の苦手さが目立って出てしまうことになります。
大事なのはこの何が得意で何が不得意かと言う落差を自分自身で理解できているかと言うことです。
自分自身で理解することができていれば不得意な環境は事前に避けることができます。しかし、自身の特性の自己理解が進んでいない状態で就職転職をしてしまうと失敗につながる可能性が高いのではないでしょうか。
ADHDが仕事でミスをする理由
続いてADHDの方の中でも特に仕事でミスをしてしまうと言う理由について解説をしていきます。
不注意
不注意の特性と言うのは「注意を向けていることが難しい」と言う場合もありますし「注意が過度に向きすぎてしまう」と言う場合もあります。
注意を向けていることが難しい場合、例えば次のような状況で気がそれてしまうことがあります。
- ●仕事とは別の何か考え事をしている
- ●今取り組んでいるものとは関係のない、工事の音や別の人の会話等に気が向いてしまう
- ●文字の打ち間違いや書き間違いに気づかない
注意深く意識を向けていたり見直しをすればカバーができると言ったこともありますが、特性上注意がそれやすくなったり細かいことに気づかないことがあり、そこから仕事のミスにつながります。
プランニングの苦手さ
ADHDの診断がついている方の中には、先ほど述べた大きな3つの苦手さに加えて「プランニング」に対して苦手さがあることもあります。
プランニングとは直訳すれば計画することですので、その名の通り計画自体を立てることが苦手です。それに加えて、計画に関する補助的な能力について苦手な場合もあります。
補助的な能力とは例えば次のようなものです。
- ●所要時間を見積もる
- ●優先順位を決める
- ●効率の良い段取りを組み立てる
仕事とは異なりますが例えば家事を例に考えてみましょう。
休日の日に午前中のうちに家事を終わらせて、午後1時には友人と街中で待ち合わせをしてランチに行く予定で、朝9時に目が覚めたとします。終わらせておきたい家事が次の通りだとします。
- ・朝食を食べる・・・所要時間:30分
- ・洗濯物を洗い干しておく・・・所要時間:洗濯60分 / 干すのに30分
- ・お弁当の作り置きをする・・・90分
- ・掃除機をかける・・・45分
- ・出発準備をする・・・40分
- ・待ち合わせ場所までの移動・・・30分
これらの項目がある場合に、効率の良い段取りを立てることができれば・・・
- ●洗濯機を回してその間に朝食を食べて、お弁当の作り置きを作っている間に洗濯が終わるので、洗濯物を干した後に出かける準備をする。
- ●掃除は間に合わないので明日の午前中に回そう。
といったような組み立てができるかもしれませんね。
しかし組み立てや所要時間の見積もりが苦手だと
- ●まず身支度をして次に掃除機をかけてお腹が空いてきたので11時ごろに朝食を食べて慌てて洗濯機を回したらもう出発時間になっていて、遊んで帰ってきたら洗濯機の中に干されていない洗濯物が溜まっている・・・。
といったような状況になってしまいます。
家事を例にお伝えしましたが仕事でも同様に、締め切りがあるものなのにギリギリから着手してしまったり、どれぐらいの時間がかかるか分からずにヒヤリとするような結果になってしまうこともあるかもしれません。
ワーキングメモリ
ワーキングメモリについては以下Wikipediaから引用させて頂きます。
ワーキングメモリ(Working Memory)とは認知心理学において、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
- ●一時記憶が苦手
- ●同時進行が苦手で聞きながらメモできない
情報を一時的に記憶しておくことが苦手です。そのため、複数の業務指示を人に伝えられたときに頭の中で覚えておくことができないというようなことがあります。また、素早く情報を処理していくことに苦手さがあることがあり、そのことから同時進行がうまくできないと言うことがあります。
例えば電話応対などでは相手から伝えられたことをすぐにメモをとっていかなければいけません。しかし同時処理に苦手さがあると聞くことと書くことを同時にすることがうまくできず、結果的に聞き逃しや取り次ぎのミスにつながることがあります。
ADHDは頭の中がごちゃごちゃしている?
ADHDの人は頭の中がごちゃごちゃしていると言うふうにもよく言われます。どういったところからそのように言われるのかを考えてみましょう。
創造性があることで考えがどんどん発展していってしまう
発達障害とは得意と不得意の落差が激しいと言えますので、創造性について不得意だとあまりアイディアが浮かばなかったりイメージがわかないと言うことがあります。逆に創造性が得意であることによっていろいろなイメージやアイディアが出てくると言う場合もあります。こう聞くと一見良いことのように思えるかもしれませんが、得意すぎるとアイディアやイメージが湧きすぎてしまって考えがまとまらないと言うことが起こると考えられます。
優先順位が分からない
先程のミスの時にもお伝えしましたが優先順位をつけることに苦手さがあると言う場合もあります。優先順位がつけられないと言う事はやる事はいろいろあるとしても何から手をつけていいかがわからないと言う状態です。
わからないが故に手をつけること自体ができなくなってしまい、結果やることがどんどん溜まっていってしまうと言う場合があります。
期日がないことを先延ばしをしてしまい、やることが増えていく
優先順位とも関係してきますが、期日が明確に決まっていないものについては先延ばしをしてしまう傾向がある方もいらっしゃいます。
「期日がないからまだいいや」と思い先延ばしにしているうちに他のやるべきことが溜まっていってしまうため、結果的にあれもこれもしなければいけないと言う状況になってしまうことから頭がごちゃごちゃしてしまうのではないでしょうか。
ADHDの方の仕事が辛いと感じる時
ここまではなぜ仕事が続かないのかと言う原因や、起こりやすいミス、ADHDの方の苦手さなどについてお話をしてきました。ここからは当事者の方々のよく聞く仕事上の辛さなどについてお伝えしていきたいと思います。
生きづらいことが理解されない
職場はもちろん、家族からも「障害についてや生きづらさを理解されない」という場合が多いようです。
例えば仕事に関する特性でいうと、先述のものも含めて次のようなものが挙げられます。
- ●空気を読まずに発言をしてしまう
- ●集中力が維持できないことからケアレスミスをしてしまう
- ●思いついたことを咄嗟に行動に移してしまう
などです。
これらのことに対して「それは甘えだ」と思われたり「根性でなんとかなる」と思われること。さらにそれによって「厳しく指導される」ことや「冷たくあしらわれる」といった対応をされていくことが理解されない苦しさにつながっていると考えられます。
周りとの比較による劣等感
特に大人になってからADHDの診断がついた、いわゆる「大人の発達障害」の方の中には幼少期や学生時代などに失敗体験を繰り返している場合があります。こうした生育歴・体験が積み重なることによりネガティブ思考をしがちになることがあります。
ネガティブ思考にはいくつかの思考パターンがありますが、その中の一つが周囲との比較により劣等感を感じることです。
仕事をするようになると自分一人だけの環境で働く職場というのはあまりないと考えられます。その中で、特に自分と同じ内容の業務を他の人も行なっている場合、自然と自分と他人を比較することが増えると考えられます。
ネガティブ思考が根底にあることで「自分は仕事の速度が遅い」「自分は間違いが多い」など、他者と比較して落ち込んでいってしまうことがあります。
二次障害を発症するケースもある
二次障害とは次のような状態のことを言います。
二次障害とは、発達障害などの一次障害を原因として、周囲からの理解を得づらい環境で、繰り返し注意されたり、不安な経験をしたりすることで自己肯定感が下がり、うつ病、不安障害、ひきこもり等の症状が発生している状態です。
二次障害ってなに!?発達障害との関係や対策を解説します!!-より引用-
二次障害を発症すると発達障害の特性だけでなく、うつ病などから身体自体も思うように動かなくなってしまうといったことも起こりえます。
そうなってしまうと、一次障害である発達障害と二次障害の2つの障害に対しての服薬や対処が必要となり、より複雑な対処が必要となっていくと考えられます。
状態が悪化する前にできるだけ早く、より望ましい働き方や自己対処・他者への配慮を確立させ安定して働けるようになっておきたいですね。
まとめ:ADHDの特性からくる苦手さに対処をして働こう
いかがでしたでしょうか?
今回は発達障害の中でも特にADHD(注意欠如・多動性障害)の診断がついている方の場合のミスをしてしまう理由や早期離職をしてしまう理由について原因と考察をお伝えさせて頂きました。
ADHDの特性があるが故の失敗を繰り返してしまっていることが考えられますが、大切なのは「これからどうしていくか」です。
失敗をしていても「これから取り返していきたい」と考えている場合、今までの失敗をどのように生かしていけるかという対策が必要になります。
対策を検討していきたい方はディーキャリアで行なっている訓練が役立つかもしれません。
ディーキャリアで行なっている訓練内容はこちらにまとめました。下の画像リンクから確認できますので、あわせて是非ご覧になってくださいね。
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