2023年07月18日

「発達障害理解されない」仕事や家族での関係構築に必要な自己理解と他者理解

家族やパートナーが障害を受容してくれない
職場で特性への理解を求めても配慮をおこなってくれない
上司は理解してくれるが周りの同僚との関係が悪化してしまう

「自分の障害」が理解されない苦しみを感じている方は意外と多いです
子供の頃は診断もなく、なんともなかったのが
大人になり社会責任を会社で求められるようになって
大人の発達障害が診断されることとなった

こういった形で大人になってから
うつ病や適応障害、パニック障害などになり
精神科やメンタルクリニックに受診をしたら
実は発達障害だったというケースは少なくありません

また大人になってから
自宅以外での取り組みは親が見てるわけではありません

そういったことから親やパートナーから理解をされない
また仕事場でも理解をされにくい
と感じている方は
今回なぜそのように理解されづらいのか
また、どのようにして説明をすればわかってくれるのかなど

具体的なケースを紹介しながら
わかりやすい解説と解決策をお伝えしていきます

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ディーキャリア柏オフィスの発達障害サポーターの大松です
ディーキャリア柏オフィスは発達障害の特性に応じた訓練プログラムを提供している
就労移行支援事業所です

発達障害（注意欠如・多動性障害ADHD　自閉症スペクトラム障害ASD　限局性学習障害SLD）
精神障害（うつ病、双極性障害、適応障害、パニック障害など）のある方などが在籍されております
専門知識のあるスタッフで運営しています

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目次
１．なぜ大人の発達障害は理解されづらいのか
２．発達障害は種類と程度が一人ひとり異なる
３．うつ病の診断→そこから発達障害の診断　リアルケース
４．理解してもらうための対策と対応　「自分の取り扱い説明書」

１．なぜ大人の発達障害は理解されづらいのか

発達障害は目に見えない障害であるために
他者に理解されづらい傾向がります

発達障害の方は今でも
「ちょっと変わっている人」「空気の読めない人」
「だらしがない」「能力が低い」
などと安易に決めつけられてしまうことが少なくありません

周りの人が発達障害の人のことを理解できないように
本人たちも周りの人が言う「普通」が何なのか
わからづ困惑していることが少なくありません

理解に苦しむいろいろな言動は
本人の人格の問題でも、努力が足りないわけでもありません
発達障害は脳機能の特性になります

見た目でわかるような特性ではないため
本人も周りとの違いに大きなストレスを抱えています
「空気が読めないから」「周りとちょっと違うから」
という理由で本人にとってつらい経験に繋がっていくこともあります

過度な𠮟責や過度な否定は
自己肯定感が低くなってしまう原因にもなります

発達障害の特性は
「空気が読めない」
「こだわりがある」
「コミュニケーションが苦手」
「感覚過敏がある」
「衝動的に行動したり発言したりする」
「忘れ物などが頻繁におこってしまう」

文字としては多くのインターネットの情報や本でも紹介されていますが
なぜそんなことが起きてしまっているのかという
理由まで話せる人は少ないと思います

発達障害の歴史

「発達障害」という言葉は1963年にアメリカで法律用語として作られ
1970年代に日本に入ってきたとされます

21世紀となり精神医学で使われる国際的な診断分類は2種類あります
WHOによる国際疾病分類『ICD-10 第5章:精神と行動の障害』
米国精神医学科会による「DMS-5」

1995年に精神保健およぶ精神障害福祉による法律が施行
精神障害者保健福祉手帳の制度が制定されます

2005年に「発達障害者支援法」という法律が施行される

法的措置も20年ぐらいのことなので
社会で一般的に理解されている内容かというと
なかなか理解が進んでいないのが現状ではないでしょうか

「発達障害」という言葉は皆が知るようにはなっていますが
内容を理解している人は少ないと感じます

そういったきちんとした認識がされていないために
周りの理解してもらえないことが要因の一つになります

「ニューロダイバーシティー」というような言葉があります
日本語に訳すと
「脳の多様性」「神経系多様性」となります

ASDやADHDやLDなど、発達障害や脳の違いによる「個性」だとする概念のこと
神経学的少数派であるニューロマイノリティーもジェンダー・人種・障害などと同じように
一つのカテゴリーとして尊重されるべきだという考え方になります

少数派の意見も多数派の意見もどちらがいいということではなく
どちらもそれぞれが認め合い
共創していくことが大切だということです

２．発達障害は種類と程度が一人ひとり異なる

発達障害がある方はコミュニケーションや対人関係を作るのが苦手です
その行動は「自分勝手」「自己中心的」「変わっている」「理解できない」
と誤解されるケースが少なくありません

発達障害の大きな枠組みの「自閉症スペクトラム障害（ASD）」
「注意欠如・多動性障害（ADHD）」「限局性学習障害（SLD）」など
主な発達障害の特徴をお伝えします

自閉症スペクトラム障害（ASD）

特徴としては
●コミュニケーションの障害
●対人関係・社会性の障害
●パターン化した行動・こだわり

乳児期早期から視線を合わせつことや身振りをまねすることなど
他者との関心を共有することができず
社会性の低下もみられます

学童期以降も友だちができにくかったり
友達がいてもしばしば一方的だったりと
感情を共有することが苦手で対人相互関係を築くのが難しくなります

また一つの興味・事柄に関心が限定され
こだわりが強く、感覚過敏あるいは鈍麻などの間隔の
問題も認められることも特徴です

「注意欠如・多動性障害（ADHD）」

特徴としては
●不注意（集中できない）
●多動・多弁（じっとしていられない）
●衝動的に行動する（考えるよりも先に動く）

不注意により活動に集中できない、気が散りやすい、物をなくしやすい
順序だてて活動に取り組めないことや
多動-衝動性によりじっとしていられない、静かに遊べない
待つことが苦手で他人の邪魔をしてしまうなど

が同程度の年齢の発達水準に比べて
より頻繁に強く認められることなどがあります

診断基準の一つに12歳以前よりもとめられることと
という文言があります
ADHDを持つ子どもは意識的に症状を予防あるいは軽減しようと試みても困難であり
本人の意図とは別にどうしてもじっとしていられず
学校で必要な持ち物を忘れたり失くしたりしてしまいます

このような失敗行動は、えてして周囲の人たち（たとえば両親や教師）に
厳しく叱責されるため「どんなにがんばってもうまくいかない自分」という
否定的な自己イメージを持ちやすく

家庭や学校においてつらい思いをしていることが見受けられます
さらにADHDを持つ子どもは学業不振や対人関係で悩むだけでなく
気分が落ち込んだり、不安感をコントロールできなくなったりなど

こころの症状を合併することもあります
このため子どもがなんらかの困った行動を呈しており
その背景にADHDの特性があると診断される場合には医学的治療が必要です

ADHDを持つ子どもの治療は
「1. 環境への介入」
「2. 行動への介入」
「3. 薬物療法」
などを組み合わせて行うと効果が高いといわれています

「限局性学習障害（SLD）」

●「読む」「書く」「計算する」等の能力が
　全般的な知的発達に比べて極端に苦手

学習障害（限局性学習症、LD）は
読み書き能力や計算力などの算数機能に関する
特異的な発達障害のひとつです
学習障害には読字の障害を伴うタイプ
書字表出の障害を伴うタイプ
算数の障害を伴うタイプの3つがあります

学習障害には的確な診断・検査が必要で
一人ひとりの認知の特性に応じた対応法が求められます
ADHD（注意欠如・多動症）やASD（自閉スペクトラム症）などを伴う場合には
それらを考慮した配慮
学習支援も必要となり家庭・学校・医療関係者の連携が欠かせません

～厚生労働省　生活生活習慣病予防のための健康情報サイト～参照
ADHD（注意欠如・多動症）
ASD（自閉症スペクトラム）
学習障害（限局性学習症）

３．うつ病の診断→そこから発達障害の診断　リアルケース

●心理的ストレスから休職→うつ病の診断→発達障害の診断（Aさん）
３年ほど継続に働いていたのですが
残業時間が増えてしまったり
人間関係などで過度なストレスになってしまった

きっかけは業務中に車での事故を起こしてしまい
そこから少しづつ積み重なってしまっていた
小さなストレスが音を立てて崩れてしまい

急に会社に行くことができなくなりました
自宅からなかなか外に出られない時期がり
家族からも心配されメンタルクリニックに行くことになりました

その後「うつ病」と診断されました
医師との関わりの中で「発達障害」の疑いがあるといわれ
心理検査を受けることになりました

その中で複数回なにかの検査を受け
大人になって初めて「発達障害」と診断をされました

医師からは発達障害の特性が起因してしまい
ストレスを感じやすくなっていたのではないかということでした

診断後になってみて改めて発達障害の特性が起因していたのかなと感じます
自分の中でストレスが把握できなかったことや
対人面で他者とのかかわりの中でお互いにストレスを感じてしまっていたのかもしれません

「うつ」はこころとからだのSOS

「うつ病」を簡単にいうと
精神的、肉体的疲労が続いていくうちに
脳の神経伝達物質（セロトニン、ノルアドレナリンなど）の働きに問題が生じます

「うつ」は車で例えると
こころのガソリンが切れたりオイルが汚れたりして
元気がなくなった自動車の様な状態です

そのような状態のまま車を走らせていたら
車は壊れてしまいます
「うつ」も同じです
脳がSOSを出していたら

きちんと休養を取って適切な点検をすることが大切です
そのため「うつ」は自分自身で気が付いたり
家族や職場の同僚など近くにいる方が気が付くことはとても大事です

うつ病の発生には
はっきりとした原因があるとはかぎりません
うつ病では「心の症状」が目立たず
「体の症状」ばかりが目立つ場合も少なくありません

「うつ」でやる気が出ないのは
心が弱かったり甘えているためではありません
疲れた心と体を十分にやすめることが大切です
また職場や家庭内での環境調整がとても大切です

必要に応じて適切な治療を病院などで受けることが
症状の緩和につながります
治療に十分な時間をかけることも人によっては大切です

～厚生労働省　生活生活習慣病予防のための健康情報サイト～参照
「うつ」にきづいたときの対処法は？

さまざまな研究が進んでいる

医療の進化によって
「うつ病」や「適応障害」「双極性障害」などの精神疾患
また「発達障害」に関しても研究が進んでいます

とはいえ「人の脳」ははっきりしていないこともあります
「うつ」に関しては
「脳の病気」といわれきちんと治療をすれば治ります

根性論などではなく
気合や努力だけではどうにもならないこともあります

「うつ病はこころの風邪」といわれて
誰もがかかってしまう可能性があるとして
世間の人たちに認知されてきました

うつになってしまったときには
「休養」大切だといわれています

「休養」には２つの側面があります
１つ目は「休む」
仕事や活動によって生じた心身の疲労を回復し
元の活力のある状態にもどすことです

２つ目は「養う」
明日に向かって鋭気をやしない
「身体的」「精神的」「社会的」な健康能力を高めるということです

２つの面をおこなうには
時間の確保が大切になります
体を休めているという事実が必要になります

ただぼーっと過ごしてしまうと
頭の中でいろいろと考えてしまうこともあります
そうすると体は休むことができますが
頭が休まらないということに繋がってしまいます

自身の中で、頭、心、体の３つを休ませるために
必要なことをおこなっていきましょう

音楽を聴くことや
趣味をたのしんだり
睡眠をきちんととれるよう環境や軽い運動などがおすすめです

休養・こころの健康　厚生労働省　参照

４．理解してもらうための対策と対応　「自分の取り扱い説明書」

誰かに理解してもらうためには
あなたと他者の中で向き合う方向性がそろっている必要があります
あなたがわかってほしいと感じていて
相手があなたのことはわかりたくないといっている

そうすると話し合う環境も状況も整っていないので
理解しずらい関係性になります

理解してもらうためにはお互いに
寄り添える関係性が一番好ましいです

また関係性だけの問題ではなく
相手に理解してもらうための情報を
あなた自身がきちんと理解しておく必要もあります

あなたが理解していないものを
他者に理解してほしいと感じていても
説明がわけわからんってなってしまうことがあります

どんなに言葉を伝えたとしても
相手には声は聞こええているかもしれませんが
理解してもらうことは難しいででしょう

そこであなた自身もあなた自身のことをきちんと
理解しておく必要があります

「自分の取扱説明書」を作り
自分が自分自身のことを正しく理解して
他者に適切にわかりやすく説明できるようになることが必要になります

生活の中でご家族や友人に理解してもらうため
また仕事面で理解をしてもらうために
「自分の取り扱い説明書」を一度作成してみましょう

一度、「自分自身の取扱説明書」を作成しておけば
都度、聞かれたときに一から考えるのではなく
「まとめておいたあなた自身の資料」があれば説明も楽になります

障害を開示し、就職する際にも
自分自身の説明を自身でする必要があるので
オープン就労の場合にも役立つ資料になります

その説明書を作るためには
自分自身を客観視する必要があります
自分の視点や他者の視点
医療的な視点、記録など様々な視点で
多角的な視点を用いて進めていくと
他者にも伝わりやすい内容になります

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