ディーキャリアの利用者の方に、「就労移行支援を利用したきっかけ」についてインタビューをおこないました。
今回インタビューに応じてくださったYさんは、就労移行支援事業所を利用する前に、「職業訓練校」を利用した経験と一般企業で働いた経験があるそうです。なぜ、そんなYさんが「就労移行支援事業所ディーキャリア」を利用するに至ったのか、実際に通ってみてどうだったのかについて聞いてみました。
【こんなお悩み・疑問のある方にオススメ】
□ 就労移行支援が自分に合うか分からない
□ 就職を支援するサービスについて知りたい
□ 自分に合う就労移行支援の選び方を知りたい
□ 就労移行支援(ディーキャリア)で身につくスキルを知りたい
就労移行支援に興味はあるものの、利用すべきか悩んでいる方に、お役立ていただける情報満載です。
ぜひ、最後までお読みください。
参考記事
本記事は当事者同士の対談のため、発達障害に関する用語でお分かりになりづらい部分があるかもしれません。
「大人の発達障害」について詳しく知りたい方は、以下のコラムもご参照ください。
大人の発達障害とは
https://dd-career.com/disorders/
プロフィール
インタビューにこたえてくれた方
Yさん
■所属オフィス:ディーキャリアITエキスパート中野オフィス・芝浦オフィス
■在籍期間:2020年5月~2023年5月 ※インタビュー時は在籍中
■診断名:ADHD(注意欠如・多動性障害)、うつ病
■障害による特徴(特性):
・衝動性が高く、やらなくていいことをしたり、突発的に発言をしたりすることがある
・話をまとめることが苦手で、要点をまとめることや必要な情報だけを伝えるのが苦手
・聴覚過敏があり、周りの音や声が気になり、集中ができないことがある
・思い込みによって、早合点してしまうことがある
■就職先:
金融事業をおこなう大手グループ会社で一般事務職(障害者雇用枠)として勤務。現在は、契約書の整理電子化、システムの運用を担当。
インタビューをした人
藤森ユウワ
36歳のときにADHDと自閉症スペクトラム障害(以下、ASD)の診断を受ける。
子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。
現在はベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。
就労移行支援事業所を知ったきっかけは?
今回は「就労移行支援」をテーマにお話をお伺いできればと思います。
最初に「就労移行支援」を知ったきっかけについて教えてください。
5年前くらいになるんですけど、発達障害がインターネット、テレビ、新聞などのメディアで多く取り上げられて、そのときに「就労移行支援」というサービスがあることを知りました。
なるほど。私も自分の障害に気づいた頃も、発達障害に関するメディアがあったんですけど、私は「就労移行支援」にまではたどり着けなくて、「発達障害とは何か」みたいな情報しか取れなかったですね。
Yさんは、何か意図的に自分が利用できる障害福祉サービスや障害者雇用に関する情報を探していたんですか?
そうですね、意図的に探していましたね。
当時ちょうど、未経験からIT業界に転職をしようと考えていたので、職業訓練と就労移行支援のどっちが自分にとってメリットがあるかなと調べていました。
当時は、ディーキャリアではなく別の就労移行支援事業所に行ってみたのですが、軽作業系が中心だったので、自分のやりたいことやスキルアップのためにはならないのではないかと考えて、職業訓練を選びました。
職業訓練校の利用後は、IT系の会社を2社ほど経験したのですが、3年前に新型コロナウイルス流行の影響で、会社都合で退職をしなければならなくなって。就職活動が長期戦になりそうだなと思って、改めて自分の特性を見つめたうえで、ITスキルを学べるところを探していて、就労移行支援事業所ディーキャリアITエキスパートの利用に至りました。
最初の転職を考えていたときに、すでに就労移行支援がひとつの選択肢としてあったということなんですね。
発達障害の診断を受けたきっかけは?
先ほど「自分の特性」というキーワードが出てきましたが、ご自身の障害についてはいつ頃知りましたか?発達障害の診断を受ける(検査をする)ことになった、きっかけについて教えてください。
2010年代中頃に発達障害に関するニュースがあって、それを見ていた友人から「あなたもそういう病気(発達障害)じゃないか」と指摘をされたんですね。少し周りと違うということはなんとなく感じていたので、自分自身でもそう(発達障害がある)ではないかと思って、受診をしました。
最初の転職活動を検討する頃には、発達障害の診断が出ていたので、発達障害の当事者であることを前提に転職活動をしていました。
なるほど。自分の障害特性に合った環境や仕事を探して転職活動をされていたということでしょうか?
正直に言うと、そのときは自分の障害に合う環境っていうのが分かりませんでした。
発達障害の特性とITの仕事が合うという情報を見つけて、私自身もITに興味があったので、IT系の仕事を選んでみようかなと思いました。
そこで、ITスキルを身につけるために職業訓練校に通って、IT業界の仕事に就いたという流れですね。
「就労移行支援」と「職業訓練」、どっちがいい?
就労移行支援と職業訓練と両方経験をされたうえで、どちらのほうが良いと思われますか?
就労労移行支援と職業訓練とでは、目的がほぼ違うと考えているので、比較は難しいですね。
Yさんとしては、それぞれにどのような目的があるとお考えですか?
就労移行支援の目的は「障害への対処法=ヒューマンスキル/ソーシャルスキルを学ぶこと」、一方で職業訓練は「職業スキルを学ぶこと」だと考えています。
就労移行支援では、自分の障害特性や、発達障害のみならず精神疾患による課題に対して、自分で対処をするためのスキルを身につけて、課題の解決の糸口を探していくことができる。職業訓練では、業務で使う専門知識や技術面を身につけることができる、と考えています。
それぞれ良さがあり、目的に応じて使い分けるのがよさそうですね。
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