卒業生インタビュー「就労移行支援を利用して良かったことは?」

ディーキャリアの卒業生の方に、「就労移行支援(ディーキャリア)を利用して良かったこと・メリット」についてインタビューをおこないました。

今回インタビューに応じてくださったNさんは、4年前にディーキャリアをご卒業、現在は障害者雇用枠で事務のお仕事をされています。そんなNさんに、ディーキャリアで学んだこと・身につけたことで、実際に社会人生活で役立っているものがあるかについて聞いてみました。

インタビューの前半では、就労移行支援を利用したきっかけについてお伺いしました。

【こんなお悩み・疑問のある方にオススメ】
□ 就職を目指しているものの、うまくいかない
□ 発達障害の特性があり、働くことに自信がない
□ 就労移行支援(ディーキャリア)で身につくスキルを知りたい
□ 就労移行支援(ディーキャリア)で解決できる悩みを知りたい

就労移行支援に興味はあるものの、利用すべきか悩んでいる方に、お役立ていただける情報満載です。

ぜひ、最後までお読みください。

参考記事
本記事は当事者同士の対談のため、発達障害に関する用語でお分かりになりづらい部分があるかもしれません。
「大人の発達障害」について詳しく知りたい方は、以下のコラムもご参照ください。

インタビューにこたえてくれた方
Nさん

■所属オフィス:ディーキャリア柏オフィス(卒業)
■在籍期間:2018年6月~2019年10月
■診断名:ASD(自閉症スペクトラム障害)
■障害による特徴(特性):
・耳から入る情報の処理が苦手
 (口頭での指示などが聞き取れない、聞き洩らしがある等)
・複数の指示を同時にされると混乱してしまうことがある
・過集中(過剰に集中しすぎる)がある
・感覚過敏があり、周りの音が気になって集中できないことがある
・約束や納期を忘れてしまうことがある
■現在のお仕事:
障害者雇用枠で人材派遣会社での事務職として勤務。現在は求人情報のデータ入力、Wチェックを担当。

Q.就労移行支援事業所をどのように知りましたか?

精神障害の診療で通っていたクリニックの先生に「就労移行支援」を勧められたのがきっかけです。
就職について相談したかったことと、自分の障害特性への理解を深めたいと考えたことから、利用を検討しはじめました。

Q.次の就職に向けて、検討していたサービスはありましたか?

就労移行支援事業所以外は、とくににありませんでした。
就労移行支援事業所は、ディーキャリアを含めて2~3か所、見学や体験に行きました。

Q. 就労移行支援事業所の利用を決めた理由について教えてください。

■就職に関する相談ができる

まず、就職についての相談をしたかったことが理由です。
前職はクローズ就労(障害を開示しない勤務形態)だったのですが、次は障害者雇用枠にするのか、どんな仕事が向いているのか・向いていないのかについて相談したいと考えていました。
「障害者雇用」に興味はあったものの、当時は不安のほうが大きかったので、実態などを聞いてみたかったですね。

■障害特性の理解を深められる

自分の障害特性の理解を深めたいと考えていたことも大きな理由です。
前職の仕事で失敗をした経験があったので、次の仕事では同じ過ちをしないように対策をしたいと考えていました。

Q.前職での困りごとを詳しく教えてください。

前職はシステムエンジニアの仕事をしていました。
口頭での指示が苦手で、聞き洩らしをしまったり、同時にいくつもの指示がくると混乱してしまって、ミスをしてしまったりすることがありました。
例えば、指示をされた仕事が10個あるとしたら、8個は覚えていられるのですが、2つ抜けてしまうという…。
業務の抜け漏れによる失敗を何度も繰り返してしまって、3年ほどで退職しました。
お客様先での常駐勤務であったことから、相談できる相手がいなかったことも退職理由です。

Q.ディーキャリアの利用を決めた理由について教えてください。

ディーキャリアのプログラムは、3つのステップになっていて、段階的に学んでいけるのですが、それが自分に合っていると思いました。
見学にいったときのスタッフや利用者の方の様子も決め手のひとつです。相談や質問がしやすい雰囲気で、安心することができました。

Q.実際に「就労移行支援」や「ディーキャリア」を利用して良かったこと(メリット)について教えてください。

■障害特性への理解を深めることができた

自分の障害特性の理解を深めることができたことです。
診断がでたときにクリニックでも説明を受けていたので、自分の特性は「なんとなく」は理解していたのですが、自分の仕事上のミスがどの特性によって起こっているかは分かっていませんでした。
実際にどの特性が仕事に影響しているかを明確にすることができました。

■自分と同じ悩みのある人と交流ができた

自分と同じ障害のある利用者の方と一緒にプログラムに参加できたのも、良い経験でした。
ライフスキルコースでは、座学形式で他の利用者の方とプログラムを受け、チームに分かれて共有をする機会があるのですが、他の方の意見を聞くことができたことが良かったです。
例えば「ストレスコーピング」といってストレスの解消方法を学ぶプログラムでは、自分もやってみたいと思える対策を知ることができました。

■就職活動のサポートを受けることができた

障害者雇用枠での就職活動をサポートしてもらえたことも、ありがたかったです。
履歴書や職務経歴書だけではなく、ナビゲーションブックという自分の障害を説明する資料の添削をしてくれました。
面接の練習もよかったです。自分の障害についてうまく伝えることに自信がなかったので、助かりました。
ディーキャリアの利用前は、障害者雇用枠と一般雇用枠どちらで働くか悩んでいたのですが、スタッフの方と話し合ったり、いろんな会社の説明会に参加したりしたうえで、障害者雇用枠で就職することに決めました。障害への配慮や相談しやすい環境を重視したかったからです。
気軽にいろんなことを相談できたので、とても助かりました。

■通所へのモチベーションを保つことができた

毎週土曜日のイベントも気に入っていました。
平日は真面目な雰囲気でプログラムを受けるのですが、土曜日はヨガやカードゲームなどのイベントに参加することができます。
他の利用者の方と交流ができて、リフレッシュすることができたので、来週も頑張ろうとモチベーションを保つことができました。

Q.ディーキャリアで学んだことで、今の社会人生活で役立っていることについて教えてください。

■障害特性による困りごとへの対処法

自分の障害特性への理解を深めて、どのようにすれば苦手なことに対処できるかを学んだのですが、今の仕事でも役立っています

【現在の勤め先での合理的配慮と自己対処】

・耳から入る情報の処理が苦手
 ⇒業務指示や説明は「書面(チャットやメール等)」でおこなってもらう

・複数の指示を同時にされると混乱してしまうことがある
 ⇒タスクを一つずつ説明してもらう、メモを取る時間をもらう

・過集中(過剰に集中しすぎる)がある
 ⇒スマホアプリを活用し、適宜休憩をとるためにアラームを設定している

・約束や納期を忘れてしまうことがある
 ⇒カレンダーのアプリを活用し、アラームが鳴るように設定している

このような対策をすることによって、以前感じていた働きづらさや、前職と同じようなミスが起こりづらくなりました。

■コミュニケーションスキル

ディーキャリアを利用する前は、コミュニケーションに苦手意識はなかったのですが、利用をする中で課題に気づいて、対策を学ぶことができました。
例えば、「人の話を遮って話し始めてしまう」という癖があることです。相手の立場になって、会話をする方法を学びました。
以前から仕事の話などはできたものの、自分から話題を振ることが少なかったのですが、日々の訓練の中でコミュニケーションを通じて、雑談がしやすくなりました。

Q.就労移行支援事業所を利用するか迷っている当事者の方に、何かアドバイスがあればお願いいたします。

発達障害のある方は、自分の特性について知ることがとても大切だと考えています。
自分にどのような特性があるかを知って、どのように具体的に対策をすればよいかを知ることで、働きやすくなると思います。
働くことに不安がある方は、まずは相談してみるのがおすすめです。

Q.最後に、ディーキャリアの利用満足度を10点評価してください。その理由も教えてください。

10点です。
プログラムがとてもためになりました。例えば、「リフレーミング」というプログラムでは、自分自身のとらえ方を変えるだけで気分が楽になることを学びました。
自分らしく就職が目指せたことも、高評価の理由です。無理して就職をするのではなく、体調を優先しつつ、自分のペースで進めることができました。
障害者雇用枠での就職を決めることができたのも、ディーキャリアで、自分に合っている働き方を知れたことが理由です。

担当スタッフよりコメント

就労移行支援事業所ディーキャリアに通うメリットは、「仕事スキル」だけでなく、「社会スキル」を身につけられることだと考えています。
働くうえでは、もちろん実務に必要な技術や知識も必要ですが、社会生活の中では、人との関わり方やストレスケアを身につけることも非常に重要です。

今回のNさんのインタビューでもあったように、発達障害の特性によって「働きづらさ」を感じている方は、特性の理解を深めることも必要です。

ディーキャリアでは、3つのコースを用意しており、それぞれ、
①自分の発達障害の特性を知り、②自分の特性に応じた対策を実践・検証し、③自分に合った就職先を探す、ことを目的にしています。

特性による「働きづらさ」を感じている方、「働くこと」に自信がない方は、お気軽にご相談ください!

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就労移行支援事業所ディーキャリアについて

就労移行支援事業所とは、障害のある方が就職するための「訓練・就職活動」の支援をおこなう障害福祉サービスのひとつです。(厚生労働省の許認可事業)
ディーキャリアでは、発達障害の特性による働きづらさをフォローするプログラムと自分の価値観や適職を見極めるカリキュラムで、「やりがいを感じられる仕事探し」×「あなたらしい働き方探し」を目指す支援を提供しています。

全国のディーキャリアで、無料相談・体験会を随時開催しています。
障害特性による「生きづらさ」「働きづらさ」を感じている方は、お気軽にご相談ください。

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